50年以上愛される名作・アディダススーパースターを徹底解説!80sとの違いとは?
Aventure編集部
トレフォイルロゴがモチーフのアディダススーパースター。時代を超え50年以上語り継がれている名作スニーカーです。本記事ではアディダススーパースターの歴史や特徴、通常モデルと復刻版80sの違いなどについて徹底的に解説していきます。
アディダス スーパースターとは
世界中のアスリートが愛する、ドイツ発祥スポーツブランド「adidas(アディダス)」。アドルフ・ダスラー(Adolf Dassler)が、弟・ルドルフ・ダスラー(Rudolf Dassler)とともに靴製造会社を立ち上げたことがブランドの起源と言われています。1920年の会社設立後、兄のルドルフは陸上選手だった経験から「スポーツ選手に合った靴が必要だ」という想いを抱いていました。そこで生み出したのがスポーツを専門とする靴。ルドルフの手によって作られた一足の靴は、地元の体育協会からの注文が殺到するほどの人気を集めたのです。
1929年、世界恐慌と世の中の経済は苦しい中でも、順調に運営を続けていました。さらに地元ベルリンでオリンピックが開催され、ドイツ全土で注目されます。
しかし順風満帆とはいかず、ダスラー兄弟の意見の食い違いによりブランドは解消へ追い込まれました。そして互いにそれぞれのブランドを設立。弟・ダスラーは後にプーマとなる「ルーダ」を、兄ルドルフは「アディダス」を立ち上げ、新たにブランドをスタートさせたのです。
多くのNBA選手が愛用するほど人気が爆発
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アディダススーパースターが誕生したのは1969年。元々はバスケットボール選手が履くシューズとして開発されました。当時は、バスケットボールシューズといえばコンバースが主流だった時代です。
しかしアディダススーパースターの発売後は、ほとんどのNBA選手が履くほど爆発的な人気を集め、瞬く間に全米に広がりました。その人気の秘密はバスケットボールシューズでは異例の素材を採用したことでした。オールレザーを用いることで軽い履き心地を実現。NBAを代表するチーム「サンディエゴ・ロケッツ」が着用したことから、多くの選手が注目し始めたのです。当時「ロサンゼルス・レイカーズ」に所属していたカリーム・アブドゥル・ジャパー氏は、「まるで素足に三本線がプリントされているようだ」と、スーパースターの革新性を述べ、称讃しています。
ストリートでも広まる
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アディダススーパースターの人気は、バスケットボール業界に留まらず、ストリートでも注目を集めます。アメリカを代表するヒップホップグループ「ラン・ディーエムシー」(RUN-DMC)が、スーパースターを紐なしで着用していたのです。次第にストリートファッションへと広がります。
さらに、音楽プロデューサー兼デザイナーのファレル・ウィリアムス氏やNIGO氏など、次々にコラボモデルを発売。1990年にはスケートボード界のカリスマ、マーク・ゴンザレス氏とのコラボが実現しました。2000年代には、「ネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)」や「ハイク(HYKE)」とコラボレーションをし、当初はバスケットボールシューズとして発売されたスーパースターは、スケートボード界でも注目されはじめたのです。スポーツ、ストリート、スケートボードとさまざまな業界を渡り歩き、今ではファッショナブルなスニーカーとしてアディダスを代表するモデルへと成長しました。
2015年に復刻版が登場
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世界中にブームを巻き起こしたアディダススーパースターは、2015年に復刻版「スーパースター80s」を発売。メインとして起用した素材には柔らかめのレザーをあしらい、オリジナル品よりも高級な雰囲気を感じられる一足に仕上げました。オリジナル版と比較するとシェルトゥの色味やヒールに印字されたロゴのサイズなど、細部のデザインに違いがあります。
しかし、パッと見ただけでは見分けが付かないくらい完成度が高いスニーカーです。復刻版の人気も非常に高く、世界中のスニーカーフリークが愛用しています。
アディダススーパースターの種類の違い
機能性とファッション性の高さから、愛され続けているアディダススーパースター。1969年の発売以来、人気を維持し続けている定番スニーカーです。ここではさまざまな種類のスーパースターを紹介します。
アディダススーパースタースリッポン
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靴紐を使わない仕様に仕上げた「アディダススーパースタースリッポン」は、シックでモダンな印象を感じさせます。アッパー部にストレッチ素材を使用することで、スリッポンの履き心地を実現。甲部分には、伸縮性のあるエラスチックバンドが交差し、程よいフィット感を体感できます。さらにラバーシルエットをあしらうことで、スーパースターのレトロな雰囲気を感じられる一足を作り上げました。
アディダススーパースタースケートボーディング
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スケートボーディングのための仕様として開発されたスーパースター「スケートボーディング」。ベクタートラクションアウトソールを装備し、高い衝撃吸収性のある一足になっています。さりげなくスケートボーディングの文字が明記されているシンプルなデザインは、スケーターのみならず、多くのユーザーが魅了されタウンユースとしても履かれるようになりました。
アディダススーパースタースーパーメタル
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スーパースターのアイコンであるシェルトゥを3Dメタルにしたモデル「スーパースターメタル」は、レトロな雰囲気を抑えたラグジュアリーな一足です。アッパー部には光沢のあるパテントレザーを採用し、メタルゴールドのロゴやチップを施しています。存在感を放つ高級感のあるスーパースターメタルは、若者から強い人気を集めています。
アディダス スーパースター 80sの復刻版と通常モデルの違い
2015年に発売されたアディダススーパースター80s。世界中に旋風を巻き起こした一足の復刻版ともあって、復刻版は瞬く間に世に広まりました。アディダススーパースターのオリジナル版と80sにはどのような違いがあるのでしょうか?
アッパー
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アディダススーパースターといえば、アッパー部に施されたレザーが特徴的です。復刻版のスーパースター80sでは、艶やかなスムースレザーをメインに使用。履き口から全体まで上質感ある一足となっています。
そんなアディダス スーパースター80sにおいて、忘れてならないのはシュータンにある「金ベロ」です。スーパースターのアイコニック的な存在でもあり、通常版オリジナル版ともに変わらず施されています。細部の縫製は少し違えども、スーパースターの特徴的なディテールは継承されているといってもいいでしょう。
トゥ
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トゥの形状もスーパースターを象徴する特徴的なディテールの一つ。オリジナル版スーパースターでは、オールホワイトで仕上げておりスタイリッシュな印象で「シェルトゥ」と呼ばれ親しまれています。復刻版のスーパースター80sではソールにかけてクリーム色のパーツを起用し、アッパーとのコントラストが感じられます。
ヒール
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ヒール部分にもわずかですが違いがあります。オリジナル版スーパースターではヒール部のロゴやブランド名が大きめに印字されているのです。一方で、復刻版スーパースター80sでは小ぶりなサイズになり、上品さを追求したデザインに仕上がっています。
ソール
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アディダススーパースターは、バスケットボールシューズとして開発されているため、ソールが厚く作られており、高いクッション性があります。トレッドパターンのなかには、さりげなく「adidas」のロゴが施され、スーパースター80sでは得られないオリジナリティを感じられるでしょう。しっかりと地面を捉えることができ、バスケットボールのステップアンドゴーにも対応できるほどの機能性が期待できます。
アディダス スーパースター 80sとABCマート版の違い
アディダススーパースターは、復刻版スーパースター 80sのみならず、ABCマート版も販売されています。ここではアディダススーパースター 80sとABCマート版との違いについてまとめてみました。
素材
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スーパースター80sとABCマート版の大きな違いは素材です。スーパースター 80sは天然皮革を使用しており、履けば履くほど足に馴染んでいきます。アッパー部にはヴィンテージ調のレザーを、スリーストライプスにはフェルトを使用。スーパースター 80sは、革の伸び縮みを体感しながらエイジングを楽しめる一足です。一方でABCマート版は、天然皮革に加え、人工皮革も使用しており滑らかな印象があります。インソールにはメッシュなどのソフト素材を使うことで、通気性を確保しました。
色味
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アディダススーパースター 80sの特徴ともいえるシェルトゥとソールはクリーム色を使い、80年代を思わせるレトロモダンな雰囲気を作り上げています。Xが敷き詰め垂れた無機質なシェルトゥは、ヴィンテージらしい独特の雰囲気を感じさせてくれる80sならではの魅力です。ABCマート版は、アウトソールもボディもホワイトで統一。真っ白で構築されているため、スタイリッシュさを感じるカラーといえるでしょう。
価格
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全てが天然皮革で作られているアディダススーパースター 80sは、15,000円前後で販売をしており、スニーカーの中でも価格は高めに設定されています。人工皮革やソフトな素材を用いたABCマート版は原価コストを抑えているため、10,000円前後と安く購入可能です。
アディダススーパースターの人気コラボ作
50年以上の歴史を持つアディダス スーパースターは、近年Prada(プラダ)とコラボするなど、多くのブランドとコラボ作を発表しています。その中からいくつかAventure編集部がピックアップしてご紹介していきます。
Prada(プラダ)とのコラボ
ハイブランドとして名が高いPRADA(プラダ)とコラボレーションした一足は、ハイクラスの素材を使ったスニーカーです。最高級のブラッシュドロイスレザーを使い、アディダスの伝統的な職人技術で作り上げました。タンにはコラボレーションの証でもあるアディダスとプラダのロゴが施されています。卓越したクラフトマンのもと、ラグジュアリーなイタリア製として手掛けました。クラシカルなプラダとの一作品、約80,000円と、スペシャルな価格で販売されています。
「A BATHING APE」とのコラボ作
アディダスの企画「B-Sides project(ビーサイドプロジェクト)」から生まれたのは、「A BATHING APE(アベイシングエイプ)」とコラボレーションしたファッショナブルなモデル。レコードからインスパイアされた「B-Sides project(ビーサイドプロジェクト)」は、曲のA面・B面をもじり、A-sides(エーサイド)と称した過去のモデルをもとに、カラーやマテリアルなどをアップデートしました。マニアの中では名作として知られており、コレクションされているほどの人気ぶりです。
「セサミストリート」に登場キャラ・カエルの「カーミット(Kermit the Frog)」がモチーフ
2011年11月に公開された映画「THE MUPPETS」(マペット)を記念して作られたのが、ポップなグリーンカラーが目を惹くスニーカーです。セサミストリートに登場する「カーミット(Kermit the Frog)」をモチーフとし、コラボレーションが実現しました。シュータンにはカーミットの首飾りをデザインし、アッパー部には爬虫類を思わせるパテントとマット素材を起用。スリーストライプスの淵にもこだわり、遊び心が感じられるでしょう。カーミット(Kermit the Frog)らしい、ユニークなディテールを取り入れたスーパースターです。
スパイダーマンとのコラボ
2020年11月、プレイステーション5と同時発売をしたマーベルスーパースパイダーマンマイルス・モラレスとあわせてコラボレーションしたのはスパイダーマンとスーパースター。作品でマイルズが着用するスパーダースーツをもとに、スパイダーマンのアイコニックカラーともいえる赤と黒で染め上げました。ヒールには”スパイダーウェブ”のイラストを描き、デュブレには”PS(プレイステーション)”のロゴが印字されています。強烈なインパクトを放つ完成度の高い仕上がりは、マニアにはたまらない一足といえるでしょう。
アディダス スーパースター 35周年を記念して5000足限定でリリースされたモデル
アディダススーパースターの発売から35年。2005年に35周年のアニバーサリーシューズとして35種類のモデルが誕生しました。「コンソーシアム」「エクスプレッション」「ミュージックシリーズ」「シティーズシリーズ」「アニバーサリー」の5つのシリーズに分けられています。なかでもアメリカのレーベル「 ROC-A-FELLA(ロッカフェラ)」とコラボレーションしたスニーカーは、ヒップホップの手法「リミックス」を使ってデザイン。ヒールサイドにはレーベルのロゴを施し、アウトソールはクリアでロッカフェラの文字が浮かび上がるクールなスニーカーです。
スーパースターはエイジングを楽しめる一足
発売から半世紀経つ今も、世界中の人が履き続けているアディダススーパースターは、不朽の名作と呼ばれています。履き続けることで深みが出るスーパースターは、世界にただ一つのあなただけのスニーカーとなるはずです。小さな傷やシワ、経年劣化を楽しみながらアディダススーパースターを育ててみるのもいいかもしれません。