30代からのスエットコーデ!ラフになりすぎない大人の着こなし術
Aventure編集部
スエットは肌触りや着心地が快適なことから、ルームウェアとしても愛用されているアイテムです。リラックスウェアとして人気の高いスエットの誕生経緯や作り手の想い、そして希少性の高い縫製で作り上げるヴィンテージスエットの歴史を紐解きます。さらには、お家だけの着用ではもったいない!外でも大活躍のスエット着こなし術を紹介します。
スエットの起源をたどる
スエットの歴史は古く1920年代、アメリカの名門ラッセルアスレティック創業者の息子ラッセル・ジュニアの提案により誕生しました。高校時代フットボールチームに所属していた息子ラッセル・ジュニアは、当時着用していたウール素材の運動着は汗をかくと着心地が悪くなり吸汗性が低いことから、伸縮性に優れ汗をかいても着心地が良く吸汗性の高いコットン素材への改良を父親に提案し新たなフットボールシャツが誕生。瞬く間に学生やアスリートの間で高い支持を受け100年近い時が経過した現在でもスエットの原型は変わっておらず、幅広い年代から安定した人気を集めています。
スエット生地の種類と選ぶポイント
スエットは二重構造生地で作られています。裏地と表地が異なる編み方から成り、内側(裏毛)はタオル生地のような細かい編み目で吸汗性、保湿性に優れているパイル織り、外側(裏起毛)は肌触りがよく伸縮性に優れている平編みの組み合わせから構成されています。生地に厚みがあることから、防寒性に優れ肌寒くなる秋から冬に着用されることが多いが、オールシーズン着用できるポリエステルと綿の混紡した薄手のスエットも人気。またプリント加工を施しやすく年間を通し着用できる点からスポーツウェアとして起用されることが多いのも特徴です。
裏毛(裏パイル)
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裏パイルはパイル状(ループ状)に浮かせて編み込んでいるため、肌触りがタオル地と似ていて、生地の厚みもあまりなく重ね着してもゴワツキが出にくいのが特徴。吸湿性、保温性が高い上に吸水性、速乾性にも優れていることから、春夏向けのウェアやユニフォームにも多く取り入れられています。
吊り編み縫製
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「吊り編み機」は1816年にフランスで開発された編み機です。黎明期の1910年代後半から60年代中頃までスエット製作の主流として使用されてきました。
吊り編み機で編んだスエットの仕上がりは糸に余分な力をかけないことから、ふっくら柔らかく耐久性にも優れ、繰り返しの洗濯にも型崩れを起こしにくい特徴があります。しかし1時間に約1mの低速で編まれることから、1日にスエットおよそ8着分しか編み上げることができません。生産効率が劣る理由から、60年代後半には大量生産が可能な「シンカー編み機」へと流れが変わり現代でも同一の編み機を使いスエットは生産されています。
そんな吊り編み機は現在、生産されておらず日本の和歌山県の工場にて吊り編み機を保管・運用しています。吊り編み機で編んだスエット生地は品質が高く、ヴィンテージスエットの生地を再現するにも適していることから生産性効率が劣っても、今では多くのスエットメーカーから注目を集める人気の編み機としてその希少性の高さに一目置かれています。
スエットのVゼットとは?
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1950年代までのスエットで多くみられたディティールで、襟元の生地をV字カットし、三角形のリブ編み素材の生地を両面から貼り合わせてはめ込んだ仕様のことを「Vガゼット」と言い、このリブ編み素材は横方向への伸縮率が大きいことでヘタリ防止の機能として耐久性の向上を図る部位となっています。60年代頃には技術向上やコスト削減により減少。現在でははめ込み式のVガゼット仕様のスエットはヴィンテージとして人気を集めています。最近ではレプリカ版として「はりつけ式」のVガゼットも流通。見分け方ははりつけ式の場合、裏地がスエット素材のままとなりV字カットは施されていません。
スエットおすすめコーデとアイテム5選
カジュアルのイメージが強いスエットをおしゃれに着こなすメソッドをご紹介します。
スエットをおしゃれに着こなすメンズコーデ術
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スエットをラフに着こなすには、ジャストサイズや、オーバーサイズを選ぶことがポイントです。
ゆったりとしたシルエットとなり、トレンド感がでます。
サイズが大きすぎると、部屋着のようになってしまうため、要注意です。
少しゆるめのサイズを選んで、インナーにシャツを入れたり上からアウターを羽織ることで、コーディネートの幅が広がります。
きちんとした服装と合わせる場合は、ジャストサイズのスエットを選択することがポイントです。スエットとの組み合わせにはラフ同士のコーディネートではなく
キレイめなシャツやジャケットとを持ってくることで、トレンド感のあるコーディネートとなります。
トレンドアイテムを取り入れたスエットコーデ
トレンド感をグッ引き出してくれるビックシルエットデザインのスエットがおすすめです。ゆったりとしたシルエットにリラックス感のある着こなしが特徴。
色はどの色にも合わせやすい白や黒のモノトーン系がおすすめでしょう。
スエットやデニムなどきれいめなパンツとあわせることできちんとした印象を演出します。
スエットパンツコーデはトップスが決めて!
スエットパンツコーデをかっこよく着こなすにはサイズ感が大切です。
スエットパンツをゆったりと着用する場合はトップスには比較的ぴったりまたはジャストサイズくらいの着こなし方がおすすめです。
スエットパンツをジャストサイズで着用する場合、上はゆとりのあるトップスを取り入れるのがおすすめです。
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◎カラーコーディネート
白・黒のモノトーン色や上下同一カラーの場合はジャケットに差し色を持ってくると
全体的に引き締まった印象になりラフになりすぎません。
スエットはアウトドアに欠かせないアイテム
スエットは防寒服としても人気のアイテムです。秋口からは「裏起毛」素材のスエットが大活躍します。裏起毛は裏毛の糸を綿のようにふわふわに起毛加工したもの。
生地に多く含まれた空気により体温で暖められた空気を外に逃がさず保湿力があります。そのため、寒さが気になる秋冬シーズンの着用におすすめです。
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スエットのシンプルデザインで差がつくコーデ術とは?
ブランドロゴのデザインがあしらわれている無地のスエットでコーディネートに差をつけましょう。さりげなくブランドロゴが入っているだけで全体的なコーディネートの演出ポイントとなります。さらに無地色を選ぶことでコーディネートの幅が広がります。
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まとめ
ライフウェアとして欠かすことのできないスエットには古い歴史があり、種類も豊富で季節や用途によって素材も様々なことがわかりました。
先人が築いてきた歴史を継承し時代の変容と共に進化を遂げてきました。
スエットを選ぶ際にはぜひ、その歴史を意識しながら着用してみませんか。
Aventure編集部