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贈与税をかけない・節税しながら財産を渡す6つの方法

Aventure編集部

多くの財産を抱えている方の場合、いかに財産を子供世代に渡すのか心配になるだろう。死後に相続するだけでなく、生前贈与することで自分が生きているうちに財産を渡してしまうことも可能だ。

ただ、生前贈与すると今度は「贈与税」が心配になる。

本記事では贈与税を節税するための方法について、代表的な6つの方法を紹介しよう。


贈与税とは

贈与税とは、「贈与を受けた人が納めるべき税金」のこと。贈与した人ではなく、贈与を受けた人が納めることになる。

個人から贈与された財産は、必ず税金がかかるようになっている。贈与税として申告し、納税を行う必要がある。

贈与税と相続税の比較

贈与税と相続税を比較すると、「区分」「税率」「控除額」のそれぞれで違いがある。国税庁で紹介されている速算表を並べてみると以下のとおりだ。

【贈与税(一般税率)】

基礎控除後の課税価額

税率

控除額

200万円以下

10%

なし

300万円以下

15%

10万円

400万円以下

20%

25万円

600万円以下

30%

65万円

1,000万円以下

40%

125万円

1,500万円以下

45%

175万円

3,000万円以下

50%

250万円

3,000万円超

55%

400万円

引用元:国税庁|No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

【贈与税(特別税率)】

基礎控除後の課税価額

税率

控除額

200万円以下

10%

なし

400万円以下

15%

10万円

600万円以下

20%

30万円

1,000万円以下

30%

90万円

1,500万円以下

40%

190万円

3,000万円以下

45%

265万円

4,500万円以下

50%

415万円

4,500万円超

55%

640万円

引用元:国税庁|No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

 

【相続税】

法定相続分に応じる取得金額

税率

控除額

1,000万円以下

10%

なし

3,000万円以下

15%

50万円

5,000万円以下

20%

200万円

1億円以下

30%

700万円

2億円以下

40%

1,700万円

3億円以下

45%

2,700万円

6億円以下

50%

4,200万円

6億円超

55%

7,200万円

引用元:国税庁|No.4155 相続税の税率

贈与税には「一般税率」と「特別税率」という2つの速算表がある。

特別贈与は直系尊属(父母や祖父母など)から子供・孫(贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の者に限る)に贈与した場合の贈与税の計算に使用する。

それ以外の贈与は一般税率を用いる。特別税率のほうが同じ課税価額でも税率が低めに設定されているのが特徴だ。

ただし、特別税率の贈与税でも相続税よりも重めの税率になっている。たとえば相続税の税率が55%になるのは財産が6億円を超えたときだが、贈与税では特別税率でも4,500万円を超えた場合に55%の税率に達するのだ。

そもそも「通常必要な生活資金や教育費」なら贈与には当たらない

実際には通常必要な生活費や教育費として渡すお金に関して、都度使い切って生活に使うなら贈与税はかからない。

ただし、受け取ったお金を貯金に回したり株式や債券・不動産などを購入して投資を行ったりすると課税の対象になるため注意が必要だ。


贈与税を節税するための6つの方法

贈与税は発生すると相続税よりも重い。ただ、さまざまな特例や控除を活用することで贈与税がかからないようにすることも可能だ。

具体的に贈与税を節税するための方法として、6つの控除・特例を紹介しよう。

基礎控除の範囲内で贈与する

贈与税はある1年(1月1日~12月31日)までに贈与を受けた合計額から、110万円分の金額を「基礎控除」として差し引くことができる。

贈与を受ける金額を1年で110万円以内に抑えることで贈与税はかからず、申告も必要なくなる。

配偶者を含めて5人贈与相手がいるとすれば、1年につき550万円まで基礎控除だけで贈与することも可能だ。

相続時精算課税制度を選択する

相続時精算課税制度は、60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫に贈与を行う場合に財産の種類や金額、贈与の回数に関係なく「特別控除額」が2,500万円まで適用になる制度だ。

特別控除額を超えた場合の贈与については一律20%の贈与税がかかる。

贈与を受ける財産が2,500万円以内だったり、贈与後の財産が相続税の基礎控除内だったりする場合などは有効な方法になる。控除額が大きいため、不動産など分割しにくい財産でも一括で贈与できる。贈与時の金額は相続開始時に加算されるため、値上がり分の相続税を回避することもできるだろう。

ただし、一度相続時精算課税制度を選択すると、暦年課税に戻すことはできない。また、相続時の遺産総額には、相続時精算課税を選択して贈与された財産額を加算する必要がある。

そのほか、「金額にかかわらず贈与税の申告が必要」「小規模宅地等の特例が受けられない」などもデメリットだ。

一度選択すると元に戻せないため、メリットとデメリットをしっかり把握しておくことが求められるだろう。

「教育資金の一括贈与の非課税」を利用する

2023年3月31日までのあいだに父母または祖父母から30歳未満の子や孫のための教育資金に充当する金銭について、子供1人につき1,500万円まで非課税にできる特例だ。

教育資金の範囲については「学校等に対して直接支払われるもの」「学校等以外の教育費で、社会通念上必要と認められるもの」に分かれている。

【学校等に対して直接支払われる教育資金】

  • 幼稚園、小・中学校、高等学校、大学(院)などの入学金入園料、授業料、入学試験の検定料など
  • 学用品の購入費、学校給食費 修学旅行費など

【学校等以外の教育費で、社会通念上必要と認められるもの】

  • 学習塾や水泳台の料金
  • 学習塾、そろばんなどの授業料・施設使用料
  • 学習塾や水泳教室などの物品購入費用
  • 通学定期券代
  • 留学のための渡航費 など

出典:No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税

「住宅取得資金の贈与」を利用する

2023年12月31日までの間に父母または祖父母から18歳以上の子・孫に居住用住宅の購入・新築、増改築に充当するための金銭を贈与した場合、下記の限度額まで贈与税が非課税になる特例だ。

・省エネ等住宅の場合:1,000万円
・省エネ等住宅以外の場合:500万円

なお、すでに非課税の特例の適用を受けて贈与税が非課税になった金額がある場合、その金額を控除した残額が非課税限度額になる。

対象の住宅は非常に範囲が細かいことから、不動産会社や税理士が必須だ。

「夫婦間の居住用財産の贈与による配偶者控除」を利用する

夫婦間で居住用の不増産を贈与した場合、基礎控除110万円を除いて最高で2,000万円(合計2,110万円)を控除することができる制度だ。

贈与税の申告時に贈与を受けた居住用不動産または贈与を受けた金銭で購入した居住用不動産に「実際に居住」し、かつ、「今後も引き続き居住する見込み」である場合に適用できる。

ただし、結婚後すぐにできるものではない。婚姻期間が20年以上あることなどが条件だ。

「結婚・子育て資金の一括贈与」を利用する

2023年3月31日までの間に父母・祖父母から18歳以上50歳未満の子・孫の結婚・子育てに関する資金に充当する金銭を「預金の預入や有価証券の購入」によって贈与した場合、1,000万円まで贈与税が非課税(「結婚の資金」の枠は最大300万円まで)になる。

「結婚」の範囲は挙式、衣装代の費用、新居の家賃や敷金、転居費用など。

「子育て」の範囲は不妊治療、妊婦健診、分娩、産後ケア費用、子の医療費、教育費、保育費用などがある。


生前贈与で贈与税を節税する際の注意点

贈与税の節約のために「生前贈与」は有効だが、いくつかの注意点もある。今回は代表的な注意点のうち、以下の3つについて紹介しよう。

相続発生前3年以内の贈与は相続税として課税される

贈与は高齢になった父母・祖父母の側から行うため、途中で贈与者が亡くなることも考えられる。

相続発生後3年以内の贈与は相続財産として相続税の対象になる点に注意が必要だ。

長期間にわたる贈与をするなら早いうちから始めることで、相続税を節税できる可能性が高まるだろう。

受贈者が自由に使えないと贈与と認められない可能性がある

「贈与」である以上、贈与を受けたものが自由に使える状態であったということが認められる必要がある。

贈与したお金を入金した口座の通帳やキャッシュカードを親が管理している状態では、子供・孫は自由に使うことができない。

贈与を受けた側が贈与と認められない場合があるので注意が必要だ。

目的外のお金の使い方は避ける

「夫婦間の居住用財産の贈与」「結婚・子育て費用」「教育費用」など、一定の目的のために贈与した場合に一定額の非課税になる特例があることは、すでに紹介したとおりだ。

ただし、目的のために使わない場合には贈与と認められない恐れがある。たとえば贈与された金額を貯金に回したり、遊興費や旅行費用に利用したりしてしまうケースだ。


贈与税の節税を狙うことのデメリット・注意点

贈与税の非課税制度を上手く活用することで贈与税を納めずに子供や孫に財産を移すことができるが、非課税が認められないケースがあることも知っておくべきだろう。

税務署に否認されるリスク

生前贈与を成立させるには贈与者と受贈者、双方の意思確認が必要だ。贈与を受ける人が贈与について知らず、贈与する側が一方的に贈与の形を取っていただけの場合は生前贈与が成立しない。

両者の意志を明確にするには、贈与契約書を作成しておくことをおすすめする。現金手渡し・名義預金・へそくり等は税務署に否認されてしまうケースもあるので注意するべきだろう。

定期贈与と見なされるリスク

年間の贈与額が110万円以下であれば贈与税が課税されないのは、すでに解説したとおりだ。ただし、毎年一定の金額の贈与を続けてしまうと「定期贈与」とみなされ、年間の贈与額が110万円以下でも贈与税が課税されるケースもある。

課税されないためには「あらかじめ取り決めがあって毎年贈与をした」と捉えられないようにする必要がある。贈与する度に贈与契約書を作成し、贈与する金額や時期もできれば毎年同じではなく金額を変えた方が良いだろう。


贈与税を節税して効率良く財産を次世代に渡そう

贈与税は「相続税の課税逃れを防ぐ」という性質上、相続税よりも重い税率が課されることになる。ただ、さまざまな特例や控除を利用することで一定額を非課税で贈与することも可能だ。

控除・特例を利用し、相続税や贈与税を節税しつつ効率的に次世代に財産を渡していこう。

ただし、「双方でしっかりと贈与の意志を確認しておく」「贈与契約書を作成する」などを怠ると税務署に否認されたり、定期贈与として課税対象になったりするので注意が必要だ。

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