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グランジ、ビートニクス。カルチャーを身にまとうネルシャツ5選

Aventure編集部

アメリカのドラマやロードムーヴィーを観ていると、様々な時代と場所で、ネルシャツが登場します。それほど日常生活に溶け込んでいる国民的なアイテムといえるでしょう。
ワーカーズウェアとしてイギリスで生まれた機能的なシャツは、19世紀のアメリカの工業化・近代化を背景に広まっていきました。
その光景への憧憬と、動きやすさ・タフさ共に、ネルシャツは、後のビート・ジェネレーション、グランジ、ヒップホップを始めとするストリートカルチャーのマストアイテムへと編成を遂げます。
この記事では、ネルシャツの歴史、カルチャーに合わせたおすすめのアイテムを紹介します。


イギリス発、アメカジの定番となったネルシャツ


フランネル生地は、紡毛糸で織られたやわらかな毛織物。ウール由来と、綿糸由来があり、後者はコットンフランネル、厚手のものはフラノと呼ばれます。その総称が「ネル」で、ネル生地で編まれたシャツを「ネルシャツ」と呼びます。1960年代以降は、合成繊維を混紡したものも登場しました。
ネルシャツは、17世紀ごろ、イギリスのウェールズ地方で、農民を雨風から守るために生まれました。保温性に長けていて肌ざわりがよく、丈夫。求めやすい価格だったため、ワーカー達の間で広まってゆきました。
主な柄はタータンチェック、オンブレチェック、バッファローチェック、ブロックチェック。イギリスの伝統的なチェック柄が多く見られます。
1920年頃、シアトルのアウトドアブランド「エディー・バウアー」が、ネルシャツの前身となる「シャモアクロス」を開発。軽くて扱いやすいコットンを高密度に織ったものが流行となりました。
1930年代~1940年のアメリカでは林業、農業、土木、建築、工業が盛んになり、Carhartt、BIGMAC、Dickiesなど、ワーカーズに愛用されるブランドが台頭します。
そんな中、ネルシャツはデニムと相性のよいアイテムとして広まって行きました。タウンユースも広がり、後にアメリカン・カジュアルのアイコンとして根付いていきます。


グランジのアイコン。ネルシャツの根底に流れるカウンターマインド

ワークウェアとして生まれたネルシャツは、1950年代以降、現代にかけて、日常着として、またカルチャーアイコンとして広まってゆきました。
1950年代、第二次世界大戦後の荒廃したムードを背景に、アメリカでは19世紀後半にあったフロンティア・スピリットに憧れるビート・ジェネレーションが台頭しました。作家のウィリアム・S・バロウズ、アレン・ギンズバーグ、ジャック・ケルアックらがそのアイコンです。
カバーオールやオーバーオール、エンジニアブーツ。かつてのゴールドハンターや※ヒルビリーたちが身に着けていたワーカーズアイテムが、ユースカルチャーとして注目され始めました。
1980年の西海岸では、スケーターたちの間で動きやすいワーカーズアイテムが再燃。1990年には、Bボーイ、ギャングスタの間で、オーバーサイズ感のあるワーカーズアイテムがトレンドになります。
1980年頃、シアトルではカート・コバーンが、自らくたくたになるまで着古したオンブレ柄のネルシャツやデニム、カーディガンが注目されるようになります。彼らにインスパイアされたファンやデザイナーたちが古着などを買い求め、ニルヴァーナの人気と共に新たなファッションジャンル「グランジ」が生まれました。
ワーカーズアイテムとしての実用性、カウンターカルチャーのマストアイテムとして、デイリーユースとして定着したネルシャツ。

グランジやヒップホップをオルタナティブに愛用する層に加え、90年代のリヴァイバルブームの影響で、近年はワーカーズアイテムとハイ・ファッションとのタッグも目立つようになりました。2021年の秋冬は、定番というより、トレンドアイテムとしてのネルシャツに注目しましょう。

※ヒルビリー…アメリカ中南部アパラチア山脈地方に住む人たちの呼び名で、「山人、山の地方の人」という意味を持つ。転じて、荒けずりのファッション、彼らが親しんだマウンテン音楽をルーツに持つジャンルを、カントリー・ミュージックと呼ぶ。


オーバーサイズが主流。スポーツアイテムにスイッチしてアップデート

90年代のストリートシーンを思い出すと、Tシャツの上にはおったり、腰に巻いたりすることが多かったネルシャツ。
アップデートするなら、オーバーサイズが主流。ボトムスも、デニムをスポーツアイテムや新素材のテックアイテムにかえると、ぐっとトレンド感が増します。研究者や喫茶店のマスターの定番だったタッグインも、ボトムス次第ではデートにふさわしい装いに。
ここからは、トレンドを取り入れつつ、グランジ、ストリート、サーフカルチャーなど、それぞれのジャンルに沿って、2021年の秋冬におすすめのブランドを紹介します。


北イタリア発・ハイエンドな『REPLAY』を、トレンドに流されない大人たちへ

 

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1978年、北イタリアで誕生したREPLAY。コンセプトは、“リメイク”、“リクリエイト”、“リエラ ボイト”。クラフトマンシップをベースに、革新的なデザインを提案し続けています。
コアアイテムは、レザー、デニム、コットン。トレンドに流され過ぎないスタンスとその高いクオリティに、愛用されている方も多いはず。
はおっただけでサマになり、フーディとの重ね着も楽しめそうな「フランネルツイル チェックシャツ」がおすすめです。
▼公式WEBサイト
REPLAY リプレイ公式通販サイト (replay-j.jp)


英国らしいトラッドな『Wax London』。アウターとして着たいアイテム

 

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はっとするようなチェック柄。イギリスならではのトラッド感が光るWax London。
自国の伝統と製法を守りながら、国内のベテラン勢にも雇用機会を生むために設立されました。丁寧に仕上げられた風合いのある一着は、長年愛用したくなります。
洋服をつくることで、売り上げ金の一部を慈善団体に還元する方法も視野にいれているそう。
生地のカッティングやポケットの位置がユニークな「Hybrid Bomber Jacket Yellow Wool Check」は、こちらから。
▼公式WEBサイト
Wax London


アメカジの金字塔・『BIG MAC』。ゆるりとしたシルエットを着こなす

 

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1920年代にアメリカで生まれたワーカーズウェア・BIG MAC。オーバーオールと並んで、ヘビーオンスのネルシャツが定番となりました。
ヴィンテージのため、購入を検討されている方は、国内の古着店やセレクトショップへ。アメリカン・カジュアルの伝統に、トレンドのゆるりとしたシルエットを取り入れた「ヘビーネルチェックオーバーシャツ」は、こちらから。
▼取り扱いWEBサイト
Tropez (theshop.jp)


『Saturdays NY』はサーファーカルチャーをベースにしたレトロでモダンな雰囲気

 

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2009年、ニューヨークを拠点にスタートしたSaturdays NYC。レトロな50年代から60年代のサーファーのスタイルと、現代のライフスタイルを絶妙にミクスチュア。上品さも兼ね備えた大人のストリートファッションを探している人におすすめです。
上質なコットンの風合いと、上品なカラーが映える「ミックスチェックシャツ」は、こちらから。

【公式WEBサイト】
Saturdays NYC Japan


『Pendleton』は英国の職人気質とアメリカの産業から生みだされた

 

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1800年後半、英国の織職人・トーマス・ケイがアメリカに渡り、自ら育てた羊でウール製品をつくり始めました。後に織布工場として発展し、アメリカ先住民のブランケットや、シャツを手がけ、ファッションブランド・Pendletonとしての地位を確立していきました。
ザ・ビーチボーイズが、レコードジャケット撮影で着用した「ボードシャツ」は、同ブランドの代表的なアイテムです。
【公式WEBサイト】
Pendleton Japan Official Online Store | ペンドルトン ジャパン オンラインストア


ネルシャツは、生き様。アメリカの素顔のようでもある


本稿をまとめるにあたり、ネルシャツのカルチャーを掘り下げながら、たくさんの映画を思い出しました。
『アウトサイダー』、『あの頃ペニー・レインと』の記者の少年、カート・コバーンのドキュメンタリー・フィルム『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』、『ギルバート・グレイプ』。
ロード・ムーヴィー、ホームドラマ、ロックシーン、ストリートシーン。都会、西海岸、田舎町。子ども、休日のパパ、ロックスター。様々な年代と場所、立場で、登場人物たちが当たり前のように身に着けています。
本特集の総復習にぴったりのドラマは、アメリカのホームドラマ『THIS IS US』(2016年~)。30代半ばを迎え、人生の岐路に立つ主人公たちの子ども時代(70年代)、ティーンエイジャーの頃(80年代)、現代(2000年代)、父親世代(70~80年代)、祖父時代(60年代)と年代が交錯する中、たくさんのネルシャツが登場します。
ミュージシャンの祖父、建築会社で働く父、俳優の長男、ガリ勉からエリートサラリーマンへと変貌を遂げた次男。メンフィス、シカゴ、L.A.、N.Yなど舞台も立場もそれぞれなので、ぜひご自分にしっくりくる着こなしを見つけてみて下さい。エミー賞、ゴールデン・グローブ賞W受賞に輝いたヒューマン・ドラマ。見応えも十分です。
ファッションには、その人の生きざまが現れるもの。映画派におすすめしたい作品は、『ラッキー』(2017年)。ハリー・ディーン・スタントンの遺作です。『パリ、テキサス』『ワイルド・アット・ハート』を始め名優として活躍したハリーの人生になぞらえて書き下ろされた本作。彼が90歳で着こなしたネルシャツは、シブい生きざまそのもののようです。

Aventure編集部

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