名モデルと称賛されるリーバイス550の特徴や501、505、560との違いについて解説
Aventure編集部
リーバイス550は、初期のデザイナーズジーンズに対するリーバイスのカウンターとして1985年に誕生しました。リーバイス501や505などの定番とは異なるシルエットがデニムフリークの間で愛されています。ここではそんなリーバイス550の特徴や他のシリーズとの違いについて解説していきます。
リーバイス550の歴史や特徴
リーバイス550は腰回りにゆとりを持たせ、ゆったりとしたシルエットに仕上げたデニムです。裾に向かって程よく細くなっていくテーパードラインが特徴的で、着心地のよさと絶妙なシルエットを両立しています。ここでは、そんな550の特徴について詳しく解説していきます。
ワイドテーパードシルエット
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ワイドテーパードとは、腰回りから太腿まではゆったりとしており、膝部分から裾にかけて細くなっていくシルエットのことを言います。裾の絞りがあることによって、通常のワイドシルエットよりもスッキリとして見え、腰回りは締め付けがないことが特徴です。リラックスした着心地のため使い勝手もよく、デニムフリークたちにも愛されています。リーバイスではワイドテーパードのモデルは少なく、該当するのは550と560などです。
1985年に当時のデザイナーズジーンズのカウンターアクションとしてリリース
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1970年代から80年代にかけて、アメリカやイギリスを中心にパンクロック全盛期となっていました。スキニージーンズなどのデザイナーズジーンズを各ブランドが展開する中で、そのカウンターアクションとしてリーバイス550はリリースされたのです。
リラックス感がありつつも、適度なスマートさも演出するシルエットが1980年代後半から1990年代前半にかけて人気を集めました。その後はファッションのトレンドがスキニーシルエットへと流れていたため、リーバイス550は一度表舞台から姿を消します。主に古着アイテムとして愛されていましたが、近年のワイドシルエットへのトレンドの変化から、オンラインや一部実店舗でも購入ができるようになりました。
リーバイス501や505、560との違い
リーバイス550は、他のラインにはないシルエットが特徴的です。ここでは、より比較しやすくするために、リーバイス501や505、560などの他のラインとの違いを解説していきます。
リーバイス501
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1890年にワークパンツとして生まれたリーバイス501。数々のマイナーチェンジを繰り返しており、時代ごとにディティールが異なりますが、主な特徴はフロントのボタンフライと太腿から裾にかけてストンと落ちるストレートなシルエットです。ジーンズの中で最もクラシックなモデルであらゆる体型にフィットします。
製造された時代によって、ヒップポケットのアーキュエイトステッチや赤タブ、バックル、リベット、パッチなどのディティールが異なるのもデニムフリークを虜にする特徴です。また、糊付き生デニムは洗濯をして生地に水が通ることによってぎっしりと目が詰まり縮んでいきます。これによりウエストとレングスが着る人の体型に馴染んでいきます。
このShrink-To-Fit(シュリンクトゥフィット)と呼ばれる仕様により、穿いて洗ってを繰り返すうちいん色落ちやアタリを生み、デニムを自分色に染めることができるのです。アメリカンカルチャーを象徴するデニムで、あらゆる世代から定番モノとして愛されています。
リーバイス505
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1967年に生まれたリーバイス505は、当時ワークウェアだったデニムをファッションアイテムへと変えた名作です。フロントがジッパーフライになり、腰回りにゆとりを持たせてあります。防縮加工もされているため、生地の縮みも抑えられており、使い勝手や着心地がよく多くの人がデニムを普段使いするキッカケとなりました。
また、膝下から裾に向かって細くなっていくテーパードシルエットになっており、コーディネートにすっきりとした印象を与えてくれます。どんなスタイルにも合わせやすく、ファッションアイテムとして秀逸な一着です。
リーバイス550・560
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リーバイス550は1985年に誕生しました。505をベースに、渡り幅や股上をよりゆったりとさせたことで、膝下から裾に向かって細くなるテーパードシルエットが強調されたシルエットになっています。腰回りにゆとりがあることで、501や505と比較して締め付け感がなく、着心地が良いことが特徴です。
リーバイスのデニムラインの中でも、リラックスドフィットという立ち位置で販売されています。最もゆとりのあるジーンズとして販売されており、日常使いのアイテムとしても使いやすいデニムです。
さらにゆとりを持たせたリーバイス560
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リーバイス560と550の違いは、幅の広さです。リーバイス560の方がより幅広になっています。リラックスドフィットの550に対して、560はコンフォートフィット名付けられていました。近年流行したストリートファッションとも相性がよくオーバーサイズでの着こなしにも合います。
リーバイスの年代を内タグで判別する方法
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リーバイス550は、501や505と比較して流通している量が少なく、年代ごとの違いがわかりづらくなっています。そんなリーバイス550において、年代を見分けるコツは、内タグを見ることです。内タグには製造年月・製造工場などの記載がされており、最も年代を正確に判別できます。ここではヴィンテージもの好きな方向けに、内タグで年代を判別する方法をご紹介します。
内タグがついたのは1970年代から
内タグがデニムのディティールとして追加されたのは1970年代からだと言われています。内タグには製造年月日やサイズ、生産国などが記載されており、デザインの違いで年代を推定することが可能です。1970年代以前のものにはないため、1970年代以降のものかどうかを見分けることができます。
内タグで年代を判別できる商品は限られている
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また、内タグで年代判別できるのは1970年頃から2000年頃に販売されたデニムのみです。そのため、他の年代の判別方法を知るにはパッチや赤タブ、ボタン裏などで見分けましょう。特にリーバイス501の年代を特定するためには上記の知識が必須となります。
内タグでは、主に「1974年〜」「1980年代後半〜」「1991年〜」「1995年〜」の4種類に分かれます。詳しく判別方法をみていきましょう。
まず、工場番号を特定する
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まず大切なのは、工場番号を特定することです。内タグには工場番号が記載されており、その近くに製造年月が記載されています。フロントのトップボタンの裏に番号が記載されているため、この番号を頭に入れましょう。その上で内タグを確認していきます。
1974年代〜の場合
リーバイス550は1985年発売のため、この方法は該当しませんがリーバイス501や505を特定する時に役立つため解説していきます。内タグの番号が仮に6番だったとします。例えば、下記のように数字が羅列されていた場合、
320 5 56
517 0218
4 80 6
「6」が記載されている箇所を探し、その行に書いてある数字をみます。この場合、確認するのは一番下の行です。左から「月」「年」「工場番号」が記載されています。このデニムは1980年の4月に6工場で作られたものだと判別できるのです。ただし、例外として1970年代のデニムには稀に年代が一桁で記載されているものもあります。その場合は他の要素も確認して年代を判別してください。
1980年代後半〜の場合
1980年代後半になると、内タグの一番上の行に「W35 L32」のようにデニムのサイズが記載されていることもあります。この年代の内タグには工場番号の隣に製造年が記載されていないものも多いです。ただし、工場番号の近くに年代が記載されていることがほとんどなので、注意深く確認してみてください。
1991年〜の場合
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1991年からは、内タグにペラペラのものが使用されているのが特徴です。画像の場合は下から2行目に工場番号、製造年月が記載されています。546工場で1991年の8月に作られたものです。
1995年〜の場合
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1995年から2003年に使用された内タグは表記がシンプルになっています。タグに使われているものもしっかりとした素材のものが使われているのが特徴です。画像のタグでは、一番下の行に工場番号と製造年月が記載されています。このデニムは546工場で1998年9月に作られたものです。