世界中のスニーカーフリークに愛されるアシックスゲルライト3を解説!コラボや復刻版も紹介
Aventure編集部
アシックス ゲルライト 3は、アシックスの中でも名モデルのランニングシューズと言われており、今では復刻版が展開されるほど根強い人気を集める名作です。本記事ではアシックス ゲルライト 3の魅力を紐解きます。復刻版やコラボ製品も紹介するので、気になるユーザーはぜひチェックして下さい。
アシックス ゲルライト 3とは
アシックスは1949年にスタートして以降、多くのアスリートを支えてきました。その中でも多くのスニーカーヘッズたちに愛される名作が、アシックス ゲルライト 3です。ここではアシックスの歴史から、アシックス ゲルライト 3誕生までのエピソードをご紹介します。
志から生まれたアシックス社
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バレーボールや水泳など、世界中のアスリートに愛される大手総合スポーツメーカーのアシックスは1949年にスタートしました。創業者の鬼塚喜八郎氏が戦争から復員した後、兵庫県神戸市に鬼塚商会を設立。当時の社員数は4名と小規模な会社だったのです。しかし「健全な身体に健全な精神があれかし」という創業哲学を持ち、スポーツにおける青少年の育成により社会貢献の発展を志しました。
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1950年には鬼塚株式会社の第一号製品、バスケットボールシューズを開発。当時の技術では、バスケットボールシューズの製造は最も難しいと言われていたのですが、「最初に高いハードルを超えられれば、その後のハードルもどんどん超えられる」という鬼塚喜八郎の前向きな考えから、改良を繰り返してバスケットボールシューズの製造に成功しました。
さらに鬼塚株式会社は「マメのできないシューズ・マジックランナー」を開発します。マメの原因である摩擦に着目し、マメの発生を最小限に抑えたのです。1968年のメキシコシティ五輪では君原健二選手がマジックランナーを履いて銅メダルを獲得したことで、話題を集めロングセラー商品になりました。革新的な鬼塚商会の技術がアスリートの成果に貢献し、現在では日本代表選手団のスポーツ用品を扱う大役まで担っています。
スニーカーのソールテクノロジー競争が名作を生んだ
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アシックスの代表的な「アシックス ゲルライト 3」は、1990年に誕生したランニングシューズです。遡ること4年前、スニーカーのソールテクノロジー競争が起こる最中、アシックス社はシリコーン製緩衛材「αGEL」を開発し「GT-Ⅱ」に装備させました。
1987年には高速ランニングトレーニング用にゲルライトの初代モデル「GEL-LYTE(ゲルライト)」が登場したのです。安定的な着地や軽快な足運びが高評価となり、世界中のランナーが手に取りました。1990年にはゲルシリーズ三代目「ゲルライト3」が発売。高いクッション性に加え、走行中にシュータンのズレを防ぐ独自設計「スプリットタン」を搭載したのです。
実は開発にかなり苦労した
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今ではハイテクスニーカーの傑作と呼ばれる「アシックス ゲルライト 3」。実はデザイン案を提示した当初は複雑な構造が受け入れられず、開発は無理難題だと言われていたのです。一般的なデザインとは異なる立案は、なかなか技術者の理解も得られず現場は大混乱になりました。かつてない斬新なデザインとシルエットは、常識を逸脱するものだったのです。しかし、デザイナーの信念や熱意が伝わり、徐々に周囲に受け入れられてアシックス ゲルライト 3の象徴ともいえる「スプリットタン」が誕生します。
有名スニーカーブランドが別注し、ワールドクラスの人気に
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アシックス ゲルライト 3が世界中で有名になったのは、多くのクリエイターによる別注がきっかけでした。ニューヨークのスニーカーショップ KITH(キース)の創業者Ronnie Fieg(ロニー・フィーグ)氏が別注を手掛けたのです。さらに勢いは止まらず、イギリスを代表するスニーカーブランド Footpatrol(フットパトロール)やアムステルダム発のPatta(パタ)など、さまざまなブランドが別注しワールドクラスまで発展しました。
アシックス ゲルライト 3の特徴
世界的なスニーカーヘッズたちが一目おくアシックス ゲルライト 3は、2015年に復刻版を販売しています。ランナーだけに留まらず人気を集めるアシックス ゲルライト 3には、どんな魅力があるのでしょうか?ここではその特徴を解説していきます。
スリッポンのような履き心地
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アシックス ゲルライト 3の最大の特徴ともいえる「スプリットタン」は、シュータンのズレを防いでくれます。ランニング中のストレスを緩和するだけではなく、脱ぎ履きもスムーズです。強度の高いアッパー部や、アキレス腱を保護したヒールの締め付けが程よく、スリッポンのような履き心地が体感できます。
衝撃吸収材「GEL」を使用
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ソールにはアシックス社の革新的な技術ともなった衝撃吸収材「GEL」を装備。ランニング時の走行を快適にするために計算されたGELが、前足部と後足部に配置されています。クッション性が高く、走行時に起きる膝への衝撃も緩和します。アシックス ゲルライト 3以外にもパフォーマンス向上のために多くの競技用シューズにも取り入れられているほど、絶大な信頼感を誇るアシックスの最先端の技術といってもいいでしょう。
「スプリットタン」で足の甲を包み込む
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足の甲への負荷を軽減させるスプリットタンは、シュータンと足首のライナーを一体化させたアシックスの独自設計です。長距離ランでありがちなシュータンのズレを最小限に防ぐように足の甲を優しく包み込みます。
スプリットタンによって高い機能面を発揮したアシックス ゲルライト 3は毛細血管の圧迫を軽減。ランナーの軽快な走りを支えています。さらに、日本人の骨格に合う甲高の構造が支持され、国民に愛される製品へと上り詰めました。
アシックス ゲルシリーズ別の違い
卓越した技術により開発された「GEL」は、アシックス ゲルライト3ならずアシックスの他の製品にも装備されています。多くのランナーがゲルシリーズに注目していますが、実際にどんな違いがあるのでしょうか?
ゲルライト 3の復刻版「OG」
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1990年に発表から30周年を記念して、アシックス ゲルライト 3の復刻版「OG」が誕生しました。GELによる高いクッション性と、アシックス ゲルライト 3最大の特徴でもあるスプリットタンを再現しています。当時のオリジナルカラーだけではなく、ベージュやブラックなどモノトーンで落ち着きのあるカラーを展開し、ファッション性も追求しました。ランナーのみならずスニーカーフリークにも人気を博し、コーディネート力の高い一足として市場に出回っています。
5代目「アシックス ゲルライト 5」
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アシックス ゲルライト 3の発売から3年、1993年に発売された四代目ゲルライトシリーズ。正確にはゲルライト 4ですが、4は「不吉な数字」といわれているため「ゲルライト 5」と名付けられました。履き口からタン部分が一体化して靴下のようになっているハラチシステムが特徴的で、中足部から踵まで包み込むインナーブーティー機構を採用しています。
30年以上続く名シリーズ「ゲルカヤノ」
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ゲルライトと肩を並べる「ゲルカヤノ」は、30年以上続く歴史のあるシリーズです。1993年にゲルカヤノトレーナーが発売され、アシックス社員のデザイナー榧野俊一氏がクワガタからインスピレーションを受けて開発したといわれています。
日本人向けのシューズを中心に展開するアシックスですが、ゲルカヤノは体の大きい欧米人ランナー向けに作られました。ランニングの着地時に足部が内側に回内するクセのある人向けに作られており、高い安定性が特徴的です。こだわり抜かれた設計が世界中に評価され、2008年発売のゲルカヤノ 14は、アメリカのランニング誌「Runner’s World」のインターナショナルエディターズチョイス賞を受賞しました。
ハイコストパフォーマンスな「ゲルサガ」
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1990年のスニーカーのソールテクノロジー競争の最中に発売された「ゲルサガ」は、アシックスのハイコストパフォーマンスモデルの一つです。北欧神話の女神から由来して名付けられたといわれています。ゲルシリーズに欠かせないGELを搭載しつつも1足10,000円以内で購入できることから、爆発的な注目を集め全世界で100万足を販売しました。
アシックス ゲルライト 3の人気コラボ商品
高い機能性を持つアシックス ゲルライトは、多くのブランドとコラボレーションし更なるファッション性を追求しています。ここではアシックス ゲルライト 3の人気のコラボ商品を7足紹介します。
30周年記念に「KITH」とコラボ
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KITHの創業者ロニー・ファイグは2007年以降、頻繁にコラボレーションをしてきました。アシックス ゲルライト 3の30周年記念には、「The Palette」を販売。KITHのシグネチャーカラーパレットから鮮やかな30色を厳選しました。アッパー部にはアシックスのフォントで「30」「Fieg」をそれぞれ左右に刻印しています。
実はロニー・ファイグと数々のコラボ作がある
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フットウェアデザイナーのカリスマ、Ronnie Fieg(ロニー・ファイグ)は、幾度となくアシックスとコラボレーションをしています。生誕25周年には過去年分のコラボを凝縮したオマージュを発表しました。左右非対称のデザインはスニーカーフリークに愛され、2020年にはオマージュをベースに「What the Fieg(ホワット・ザ・ファイグ)」を販売しています。
ワサビカラーで一躍話題になった「END.」コラボ
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2018年にはスニーカーショップ「END.」とコラボした、アシックス ゲルライト 3を発表しました。柔らかなモスグリーンをベースに、パステルピンクをワンポイントに取り入れたデザインが印象的なスニーカーです。「END.」とのコラボレーションは、寿司に使われる「ワサビ」と「がり」からインスピレーションを受けた配色が話題になりました。
30周年記念にmita sneakers(ミタ スニーカーズ)とコラボ
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アシックス 発売30周年には、アシックス ゲルライト 3のデザイナー三ツ井滋之氏と、mita sneakers(ミタ スニーカーズ)のクリエイティブディレクター国井栄之がコラボした一足を発表しました。
ベースにはアシックス ゲルライト 3 OGを起用し、つま先部分には日の丸を再現。スプリットタンにはファスナーが取り付けられ、踵はメッシュ素材を採用しています。ソールには蓄光仕様の衝撃吸収材GELを搭載し、「GEL」の文字を刻印。足裏には東京で見た上野を表す”Far East(極東)”を印字しました。360度見ても視覚的に楽しめる新たなゲルライトは、日本の象徴が詰まった一足です。
10万円近くで取引されているAFEWとのコラボ作名作
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アシックス ゲルライト 3の発表から25周年を記念してドイツのスニーカーショップAFEW(アフュー)とコラボレーションした一足は、10万円以上と高値で取引されている希少価値の高いスニーカーです。錦鯉をイメージし、アッパー部分には赤と白のスウェード素材をあしらいました。
さらにシューサイドにはウロコを連想させる素材を施しています。ヒールカウンターには漢字の「家族」と「AFEW(アフュー)」の文字を印字して細部までこだわりを詰め込んだ一足に仕上げました。Made In Japanらしさを詰め込んだAFEW(アフュー)は、海外でも非常に人気が高く、かなり入手困難と言われています。
2018年にトリプルコラボが発売された
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アシックス ゲルライト 3 KOIの発売から3年後、待望のシリーズ2作目「オレンジ鯉」が発売されました。日本を代表するセレクトショップ「BEAMS(ビームス)」が参入し、AFEW(アフュー)とともにトリプルコラボレーションしたのです。ホワイトベースにBEAMS(ビームス)カラーでもあるオレンジをアクセントに取り入れ、サイドには錦鯉を象徴したマーブル柄をあしらいました。クリアに透き通るソール部分には鯉のグラフィックが描かれています。
岡山デニムとコラボ
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2021年には、世界中のデニムフリークに愛される「岡山デニム」の素材を用いた「DENIM PACK(デニム パック)」が発表されました。スプリットタンやトゥボックスには、古き良き時代の縫製と質感を感じさせる岡山デニムの生地を採用。アッパーには旧式シャトル織機を使用し、天然由来のレザーとシンセティックレザーで構成しています。
カラーはブルーとグレーの2色展開し、それぞれ経年変化とともに味の深さ、ヴィンテージ感を楽しめる一足です。
コム デ ギャルソン シャツとのコラボ
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日本のプレタポルテブランドでもある「COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)」のオータムコレクションには、アシックス ゲルライト 3とのコラボレーションも発表されました。ポップな迷彩柄をベースにするとともにグレーのスウェードを施し、バランスの良い一足に仕上げています。踵には「COMME des GARÇONS SHIRT」を、アッパーには「GEL LYTE3」の文字を印字しています。
Sean Wotherspoon(ショーン ウェザースプーン)、Atmos(アトモス)とのトリプルコラボ
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アシックス ゲルライト 3の生誕30周年には、LA・NYを拠点とする「Round Two(ラウンド ツー)」のオーナー、Sean Wotherspoon(ショーン ウェザースプーン)とatmos (アトモス)とともに、トリプルコラボレーションを作り上げました。左右非対称のカラーリングで、右足はLAの「太陽」「青空」「ヤシの木」「花」などのカラーを施しています。左足のTOKYOには「アサガオ」「雷門」「ネオン街」「唐草」などを配色。インソールにはLAと東京のカラーを使い、あえて非対称にすることで、ヴィンテージらしさを感じさせる一足に仕立てあげました。
アシックス ゲルライト 3は日本が生んだマスターピース
高い機能性を持ちつつも、履きやすいアシックス ゲルライト 3。根強い人気と確実な機能面から、世界中の人に愛されている名作です。近年ではアシックス ゲルライト 3とコラボレーションをした製品がどんどんリリースされており、スポーツシューズからスニーカーへと変貌を遂げています。日本が生んだマスターピースをぜひあなたも履いてみてください。