不動の名作「ニューバランス996」の秘密や、人気コラボシリーズを紹介
Aventure編集部
大きな「N」がモチーフの996はニューバランスの中でも「不動の名作」と呼ばれるロングセラー商品です。多くのコラボ作品をリリースし、世界中の人々に愛されています。本記事ではニューバランス 996を徹底解説しました。手に入れたいコラボシリーズもあわせて紹介します。
ニューバランス 996とは
世界中の人々に愛されているニューバランス996。ここでは、ニューバランスの歴史から、ニューバランス 996の誕生エピソードまでを紹介していきます。
ニューバランスの歴史
1906年にアメリカ・マサチューセッツ州に位置するボストンにて、ニューバランス社は誕生。「履いた人に新しい(new)、バランス(balance)感覚をもたらす」という意味で「ニューバランス」と社名が名付けられました。
元々は偏平足などを直すためのアーチサポートインソールとして矯正靴を製造していたのです。矯正靴の製造には、運動生理学、整形外科の解剖学の知識が必要になってきます。高い専門知識とこだわりのものづくりでスニーカーを作り、コアなファンを獲得していました。
専門的なノウハウを持ちつつも従業員6名という小規模な会社であったニューバランス社を、ある一人の青年が買い取り、今のニューバランス社の形ができあがっていきます。その青年とは、現在も取締役会長として君臨するジェームス・S・デービス氏です。
理想のランニングシューズを実現するために、自らが走り、足の負担を軽減するインステップレーシング機構を開発しました。やがてそのアイデアが具現化したシューズを発表し、世界中のランナーに支持を受けます。最新テクノロジーを駆使しつつ、心地よいフィット感を追求し続けているのです
ニューバランス 996が生まれるまで
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100年以上の歴史を持つニューバランス。なかでも名モデル中の名モデルといえる996は、ニューバランスが誇る一足です。1982年に発売した990モデルの先駆けでもある「M990 」の継承モデルとして、1988年にM996が発売されました。
ロードランニングモデルとして生まれた 990シリーズ
990シリーズは「ロードランニングモデル」と呼ばれており、平らな道を走るために作られたスポーツシューズだったのです。発売当初は本格的なランニングシューズとして、ランナーに強い人気がありました。現在では、細身のソールとスタイリッシュなデザインが世界中で支持され多くのユーザーが愛用しています。
990/1000点というコピーが表す完成度の高さ
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今ではスニーカー業界のなかでもトップクラスの人気を誇る990シリーズですが、発売当時は「1000点満点中の990点」というキャッチコピーで注目を集めていました。990には特許技術でもあるクッション素材「ENCAP」を使用。安定感とフィット感ある履き心地が多くの人を驚かせました。さらに4年後には機能性をアップデートし、ヴィンテージ感のある995を発売しています。
飽くなき履き心地の追求がニューバランス 996を生んだ
そこから、ニューバランス 995をさらにアップデートし、ミッドソールに使用されるEVA素材を圧縮成型したニューバランス独自の素材「C-CAP」を搭載し、1988年にニューバランス 996が登場したのです。高いクッション性と快適な履き心地は世界中に評価され、ニューバランスの不動の人気シリーズとして愛されています。
ニューバランス 996の特徴
多くの人を虜にする履き心地に加え、ファッション性の高いニューバランス 996は、さまざまな年代に愛されるスニーカーです。なぜこんなにも多くの人に愛されているのでしょうか?ここではニューバランス996の特徴をまとめてみました。
通気性の高いアッパー
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ニューバランス 996は、スウェードとメッシュ素材を複合したアッパーの構造が特徴的です。雨に強いスウェード素材をメインに使いつつ、メッシュ素材をうまく組み合わせることによって通気性も両立しています。この独特なアッパー構造が、通気性が良くランニング時でも快適な走行を可能にしました。
ブランドを象徴する「N」マーク
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ニューバランス 996の特徴は、ニューバランススニーカーだと一目で判断できる「N」マークです。実は、「N」マークはモデルによりサイズが異なります。996シリーズや1990年代後半には大きめの「N」を施し、ニューバランスの存在感を示しています。一方でそれ以降のモデルはやや小さいサイズになっているのです。
疲れにくいコンフォート設計
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絶大な人気を保つ秘密はニューバランス 996の快適な設計にあります。ニューバランス 996シリーズには特許を取得したクッション素材「ENCAP」と軽量で劣化しにくいEVA素材を圧縮成型した、ニューバランス独自の「C-CAP」を搭載しているのです。高い衝撃吸収力を保ちつつも、スニーカーの軽さにこだわった一足となっています。
ニューバランス 996シリーズのなかで最も高いシェアを誇る「MRL996」では、軽量かつ耐久性に優れたブライトソールを採用し、さらにストレスのないコンフォート設計を実現しています。
スタイリッシュで豊富なカラー展開
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カラー展開の豊富さもニューバランス 996の魅力の一つです。代表的なカラーであるブラックは、さまざまなコーディネートに合わせやすく、アイコニックな「N」も非常に印象的です。また、スウェード素材の温かみを感じられるグレーも、996の代表的なカラーとして挙げられます。派手になりがちなレッドやイエローも996シリーズでは、レトロヴィンテージのような佇まいを感じるスニーカーに仕上がっています。落ち着いたカラーバリエーションを多く輩出しているからこそ、男女世代を問わず支持されるのかもしれません。
ニューバランス「MRL996」と「M996」の違い
ニューバランスの代名詞ともいえる996シリーズは、大きく分けて「KRL996」と「M996 」の種類があります。1988年に販売した「M996」、2013年に新たに販売した「MRL996」はニューバランス990シリーズのなかでも愛用者が多い型番です。では一体両者にはどのような違いがあるのでしょうか?ここではニューバランス「MRL996」と「M996」の違いについてまとめました。
アジア製とアメリカ製
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見た目が似ている2足のスニーカーですが、実は生産国が異なります。「M996」はニューバランスの発祥の地でもあるアメリカの工場で、一足ずつハンドメイド製造されています。一方で「MRL996」は中国やベトナムなど、アジア圏で生産されており、大量生産していることからコストも抑えられています。
ロゴやソールのデザイン性
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製造国の違いにより、わずかですが2足のデザインにも微妙に差があります。「M996」はシュータンに「MADE IN U.S.A」と印字されており、アジアで製造された「MRL996」には製造国のプリントがありません。また、よく目を凝らしてみるとシュータンに描かれた「NB」の横ラインの太さや本数にも違いが見られました。「M996」の方がMRL996と比べてラインが細くデザインされているのがわかります。
また、ソールの違いも特徴的です。「M996」はENCAMPとC-CAPの2つのソールが一体化されており衝撃吸収力が高く、軽い履き心地を体感できます。「MRL996」は、REVLITEという軽さを追求したソールを採用。ニューバランスのラインアップの中では比較的安価なモデルに使用されているソールで、高いクッション性や耐久性のあるコストパフォーマンスに優れた点が特徴です。
価格の違い
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「MRL996」と「M996」の価格は製造国の違いからくるものです。主にアジアで製造されているニューバランス「MRL996」は、中国やベトナムで大量生産されており、9,000円〜15,000円の金額で購入できます。ニューバランス「M996」は、アメリカの工場で一つひとつハンドメイドで作られていて、約20,000円と金額が少し高くなっているのです。時間と手間がかかっていることから、アメリカ製ニューバランス「M996」の方が、販売コストがかかっていると考えられます。
ニューバランス996の人気コラボ商品
軽量かつ、高い耐久性を持つニューバランス 996。革新的なテクノロジーを搭載させた一足は世界中のデザイナーを魅了し、多くのコラボレーション商品を生み出してきました。ここではニューバランス 996の人気コラボ商品を5つ紹介します。
個性的なネオンカラー、Atmos(アトモス)コラボ
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スニーカーショップAtmos(アトモス)とのコラボレーションは、アシンメトリーで構成されたカラーで遊び心が詰まった一足です。ニューバランス 996シリーズの細身シルエットを再現しつつ、高いクッション性が期待できるC-CAPとPUミッドソールを搭載しました。ニューバランスならではのスウェードとメッシュ素材に加え、Nマークには下地に黄色リフレクターを施し、ディテールにもこだわっています。
アメリカンヴィンテージな「BEAMS plus」
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日本を代表するセレクトショップ「BEAMS Plus」とコラボレーションした、レトロヴィンテージを思わせるような一足。70年代後半のアメリカンヴィンテージからインスパイアされて作られました。ミリタリー風の重厚感あるスムースレザーを採用し、独特の雰囲気のある一足に仕上がっています。
高い撥水性「N.ハリウッド」
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古着やヴィンテージ商品を多く取り扱う「N.ハリウッド」とコラボレーションしたスニーカーは、996シリーズの新モデル「CM996」の生誕プロジェクトにて発表されました。アッパー部のロゴには内側と外側に、それぞれ異なるカラーを起用。ヒールには996の刺繍を施しました。
シューレースやミッドソールにはライン状にニューバランスの名前をデザインし、多彩にディテールを盛り込んだ一足に仕上げています。コラボ商品の中でも高い人気を集める理由は素材です。履き口にあるビッグレザー、アッパー部にはヌバックレザーとスムースレザーを採用して、全て撥水加工を施しています。安定感がありつつも、雨の日でも安心して履けるスニーカーになっています。
フランクミューラーとコラボ
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スイスの高級機械式時計メーカー、FRANCK MULLER(フランクミューラー)とコラボ。まるで時計のような高級感と精密さを再現したゴールドとシルバーのスニーカーはCM996をベースに作られました。軽量で機能性も高いニューバランスの代表的な一足に、フランクミュラーの要素を落とし込んだスペシャルコラボ商品を完成させています。このスニーカーは限定996足販売となり、争奪戦となりました。
東京にインスパイアされたmita sneakers(ミタスニーカーズ)コラボ
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CM996の生誕を記念し、東京の下町・上野の有名なスニーカーショップ「mita sneakers(ミタスニーカーズ)」とコラボレーションしました。mita sneakers(ミタスニーカーズ)ならではの、東京の街から受けたインスピレーションをスニーカーに詰め込みました。白黒のストライプ柄は、若者の街「渋谷スクランブル交差点」をイメージし、横断歩道の白線を描いています。
インソールはアスファルトをイメージし、mita sneakers(ミタスニーカーズ)のアイコンに使われている金網や、「東京改」文字を再現しました。さらにデザイン性だけではなく、機能面でもアップデート。ミッドソールには硬度の異なる2層構造のEVAを搭載し、より一層クッション性の高い一足を作り上げたのです。
世界中で愛されるマスターピース、ニューバランス 996
発売から多くのカラーリング、コラボ作品を展開してきたニューバランス 996。高いパフォーマンスとデザイン性を兼ね揃えたニューバランス 996を抜きにして、100年以上続くニューバランスの歴史を語ることはできないでしょう。ユーザーのニーズを的確に捉えた一足は、多くのクリエイターに注目され飛躍を遂げています。ぜひあなたも他の人とは一味違う、お気に入りのニューバランス 996を見つけてください。