独自のリジットを楽しむLee101z。201との違いも徹底解説
Aventure編集部
※画像は「2年ぶり待望の新商品〈WWⅡモデル〉Lee ARCHIVESシリーズからいよいよリリース!」より
アメリカを代表するデニムの一つ「Lee101z」。カウボーイの街で生まれたLee101zには、アメリカ西部の伝統的なカルチャーを感じられるデティールが散りばめられています。今回はLee101zについてや「201」との違いについて徹底解説をします。
lee 101zとは
1889年、「Lee」(リー)は、アメリカ合衆国の中西部に位置するカンザス州で歴史をスタートさせます。創業者のヘンリー・デイビッド・リー氏は、当初、食品の卸し業者としての業務を行っていました。のちにオーバーオールや、デニムで作られたワークパンツ「ダンガリーズ」を仕入れ、ファッション業界へと参入し好調な売れ行きをみせます。しかし、ワークウエアの人気が高まる一方で、開拓地にあるカンザス州では配送による入荷の遅れが多発。そこで自社製造をスタートさせ、ジーンズメーカーとして「Lee」(リー)が誕生したのです。
1911年に本格的に自社工場での生産をはじめ、2年後には国内で高く評価されるブランドへと成長を遂げます。1913年には、ユニオン・オールと呼ばれる「つなぎ」がアメリカ陸軍のオフィシャルユニフォームに起用されるなど、高い機能性を証明しています。さらに1920年代には程よい厚み生地を使った「Lee COWBOY」(リー・カウボーイ)と呼ばれる、13ozのデニムが絶大な人気を集めました。リー・カウボーイは、のちに「Lee RIDERS」(リーライダース)へと継承され伝統的な一着になったのです。
その後、ハリウッド映画で起用されたことにより、Lee(リー)は世界へと羽ばたきます。1970年にはついに日本に上陸し多くの日本人の心を虜にしました。
Lee(リー)の定番商品
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多くの種類のデニムを生み出している「Lee」(リー)。なかでも、Lee(リー)の定番モデルは、世界中のデニムフリークを魅了してきました。ここではLee(リー)の定番モデルを簡単に紹介します。
定番中の定番「101」
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Lee(リー)の定番中の定番デニムといえば、ストレートラインが特徴の「101」です。1952年にLee(リー)が開発したジップ・フライを初めて導入した一着としても知られています。「Lee RIDERS(リーライダース)」から、「101」と名前を変え、Lee(リー)を代表するモデルになりました。
テーパードシルエットの「203」
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ゆとりのある腰回りとシェイプした「203」は、現代ファッションを感じさせる一着。遊び心のあるシルエットが、上品で美しいラインを描きます。さまざまなコーディネートに合いやすいデニムです。
履き回しやすい「205」
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コンパクトに設計された「205」は、綺麗めなスタイリングに仕上げたい方におすすめのシリーズ。太ももから膝にかけてタイトストレートで作られており、細身のラインを演出してくれます。ジャケットやシャツとの相性も抜群で、大人かっこいいアメカジスタイルを作り上げてくれるでしょう。
世界初のジッパー採用
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今では当たり前のように施されている「ジッパー・フライ」。1926年にジーンズやボトムスのジッパー部分を隠す比翼「ジッパー・フライ」を生み出したのはLee(リー)といわれています。Lee(リー)の革新的なデザインは、多くのデニムに取り入れられ、現在販売されているデニムのほとんどに採用されています。
映画「理由なき抵抗」で着用
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1955年に公開されたハリウッド映画「理由なき抵抗」で着用されたのが、Lee(リー)のデニムでした。主演のジェームズ・ディーン氏が履いたLee(リー)のデニムが、映画の宣伝ポスターに起用されたことで、世代を超えて世界中に大きな影響を与えたのです。
lee 101zの特徴
Lee(リー)の代名詞ともいえる「101」シリーズ。101はジッパー・フライが施された「Z」とボタンフライの「B」が販売されています。世界で初めてジッパー・フライを採用したデニム「Lee 101z」は、ジップの開閉がスムーズにでき着脱しやすいと愛され続けています。そんなジッパーフライを搭載したLee 101zの特徴をまとめてみました。
14.4オンスのデニム生地を採用
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Lee 101zは、デニムのなかでもしっかりとした14.4oz(オンス)のデニム記事を使用しています。重さにすると約400g以上と、少し重厚感のある厚みです。春から冬まで季節問わず履ける程よい厚みで、アメカジスタイルとマッチします。
縦落ちを作る「左綾デニム」
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Lee(リー)のデニムしか体感できない縦落ちを生み出している秘密は「左綾デニム」にあります。一般的なデニムは綾目が右上がりに入る”右綾”で仕立てられており、左綾デニムはほとんどありません。その理由は素材の生地に使われている糸にありました。デニムに使用されている糸は、左方向に撚る「Z撚り」が主流です。撚りの方向と同じ左綾で織り上げたデニム生地は糸が締まり、綾目が際立ちます。右綾と比較すると、はっきりとしたアタリが現れ、縦落ちがでるデニムに仕上がるのです。
レギュラーストレート
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Lee 101zは、太すぎず細すぎない程よい形のレギュラーストレート。デニムのなかでも原点ともいえる定番のシルエットと呼ばれており、股上を深めに設けたストレートシルエットは、カジュアルなコーディネートのみならず、スタイリッシュなスタイルにも合いやすいです。
独特な曲線のバックポケット
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ゆったりとした腰回りに描かれた独特な曲線のバックポケットには、「レイジーS」と呼ばれるステッチが施されています。デザインの原点は、カウボーイが牛に押していた焼印からインスピレーションを受け「S」を横にしたような形になりました。
また、1943年に一足早く、人気デニムブランド・リーバイスがアーキュエイトステッチを商標登録したため、新たに生み出されたとも言われています。
lee 101の種類
1926年に発表されたlee101シリーズ。定番モデルとはいえどLee 101の種類は多く、それぞれ細かいディテールに違いがあります。それぞれの特徴があり、デザインや縫製など時代の変化も感じられます。ここではLee 101のデニムの種類を徹底解説します。
1952y 101Z Lee RIDERS
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Lee(リー)の伝統的な一本といえる「 Lee RIDERS」(リー・ライダース)は、乗馬に適したデザインを再現。ボタンフライからジッパーフライになり、歴史の移り変わりを感じる一着です。細部まで感じられる機能性は、世界中のデニムファンを唸らせました。アメリカの名俳優、ジェームズ・ディーン氏が愛用したモデル、すなわちLee(リー)が世界に羽ばたくきっかけのデザインを忠実に復刻しています。
1945y 101B Lee RIDERS
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レトロなボタンフライを施し、特殊なディテールが感じられる「1945y 101B Lee」は、西海岸の若者が憧れる存在でした。COWBOYの刻印入りトップボタンに、センターの赤タグの斜め「e」など、カウボーイ時代のディテールを細かく引き継いでいます。初期モデルをベースにステッチのカラーをイエローからオレンジに変更し、絶妙なオリジナリティを生み出しています。
1948y 101B Lee RIDERS
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1948年の復刻モデルとして生まれた「1948y 101B」は、細部の縫製に注目すべきデニムです。ステッチには綿を採用。当時、手縫いで縫製されていた一本一本の微妙なズレまでも再現し、ヴィンテージ感あふれるモデルです。ボタンフライをめくると「RIDERS」の刻印が垣間見えるのもデニムファンにはたまりません。
Lee 101B 1944 model
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1926年の発売当初には「Lee RIDERS」と呼ばれていた名モデルは、1944年には「101」に改名されました。シンチバックが廃止され、Leeの象徴でもある「レイジーS」がステッチに採用。さらにLee(リー)ならではのリジットを楽しめる左綾デニムへと革新的な変化をみせます。ワークウエアから、ファッショナブルなアイテムへと移り変わり、Lee(リー)のデニムが多くの人に履かれ始めた一着として名を残しています。
ARCHIVES 1954MODEL RIDERS 101-B
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Lee(リー)のベーシックモデルともいわれる101のなかで無骨な雰囲気を感じるのが、「ARCHIVES 1954MODEL RIDERS」。股上が深く絶妙なシルエットを描いたストレートデニムは、お尻周りや太ももが緩く設計されています。フラッシャーには紙製を採用し、レトロな一着を再現したモデルです。
lee 101zと201違い
デニムの本質ともいえるディテールが詰め込まれた「Lee 201」は、101と同様、ベーシックタイプのシルエットです。両者ともにLee(リー)のスタンダードモデルと言われています。人気が高い2つの製品ですが、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?
シルエット
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深めの股上に太ももから裾にかけて少しテーパードした201は、ストレートタイプのシルエット。足元をもたつかせないために設計され、「フル・レギュラー・トリム」を開発しシルエットの美しいラインを楽しめます。一方でLee 101は、201と比較すると腰・太もも周りがシャープに作られており、スタイリッシュなコーディネートが組みやすいシルエットが特徴的です。
レイジーS
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Lee (リー)を象徴する「レイジーS」は、201・101に起用されています。しかしよく目を凝らしてみると201の方がバックポケットが広く、レイジーSは少しワイドな設計です。ヒップのラインを辿ったレイジーSの曲線が、ヒップラインを綺麗に演出します。自然と体のラインにフィットし、どんな動きにも窮屈さを感じないデザインです。
生地の厚さ
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101、201、どちらもレギュラーオンスのデニムですが、微妙に差があります。14.4オンスの101は、季節を問わずに履ける厚みです。201は、13.5オンスで101と比較するとやや軽量化されており、肌馴染みの良さを感じます。わずかな違いですが履き心地に違いを感じるでしょう。
ベルトループ
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201はベルトループに牛革を使用しています。カウボーイがロープで牛を捉えるときに、ベルトバックルにロープを絡ませて姿勢を保持するために耐久性のある牛革を採用しました。現在では「ホットアイアン・プランデッド・レザーラベル」として親しまれています。
リベット
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101、201ともに共通しているディテールがリベットです。テンションがかかる部分の補強をする金属製のリベットは、ヒップポケットの開口部両端にX字型に縫製されカウボーイが鞍を傷つけないように改良した「クローズドバー リベット」を採用しています。「クローズドバー リベット」は、カウボーイのことを考え無駄な突起物を排除し、Lee(リー)が独自開発をしました。