入手困難「WTAPS x Newbalance」の人気の秘密は?限定モデルを徹底解説
Aventure編集部
ストリート界のなかでも愛用者の多いWTAPSと、世界的にも支持されているニューバランスがコラボしたWTAPS x Newbalanceは、入手困難な限定アイテムです。コレクターは喉から手が出るほど欲しがり、ストリート界を湧かせています。本記事ではWTAPS x Newbalanceの人気の秘密を探ってみました。興味のある方は、ぜひご覧ください。
WTAPSについて
「WTAPS(ダブルタップス)」は、1990年代のストリートブームに創業した日本の裏腹系ファッションブランドです。今も尚、語り継がれる職人気質のアイテムは、雑誌に掲載されると即完売が続き、ストリート界隈で根強い人気を誇ります。WTAPS(ダブルタップス)は、本格的なミリタリーアイテムを中心に手掛けており、現代人が着こなしやすいようなヴィンテージ感のあるディティールが特徴的です。デザイナーの西山徹氏が幼少期にスケートに打ち込んでいた趣味を生かしてスケートカルチャーにも参入。さまざまなブランドとのコラボレーションを展開しています。
1996年に西山徹氏が創業
東京都出身の西山徹氏が1996年にWTAPS(ダブルタップス)を設立し、ブランドがスタートしました。南カルフォルニアのサーフブランド「Stüssy(ステューシー)」のショップ店員として勤務していた西山氏。自身の経験をもとに1993年にはWTAPS(ダブルタップス)のルーツともなる「FORTY PERCENTS AGAINST RIGHTS(フォーティーパーセント アゲインストライツ)」を立ち上げ、アパレルラインを始動。しかし3年後「FORTY PERCENTS AGAINST RIGHTS(フォーティーパーセント アゲインストライツ)」の活動を休止し、新たにWTAPS(ダブルタップス)を立ち上げました。
本物志向のミリタリー基調のアイテムが特徴的
WTAPS(ダブルタップス)は、「あるべきものをあるべき場所へ」をコンセプトに掲げています。WTAPS(ダブルタップス)といえば、本物志向のミリタリー基調のアイテムではないでしょうか。ファッションの基本形を守りつつも、シンプルな構成を作り上げたアイテムを制作。日本人ならではの繊細さと職人気質な印象を持ち、尚且つ機能性を兼ね揃え高いクオリティを発揮しています。ベーシックで長きにわたって愛されてきたデザインをもとに、M-65やミリタリージャケットなどを制作。都会的な雰囲気をあわせもつWTAPS(ダブルタップス)のミリタリーアイテムは、国境を超えて多くの人を魅了しています。
計算尽くされた高いデザイン性
世界的にもファンが多いWTAPS(ダブルタップス)。その魅力は、計算し尽くされた高いデザイン性にありました。WTAPS(ダブルタップス)のアイテムは、時代のニーズやトレンドをしっかりと抑えたオーセンティックなミリタリーデザインが特徴的です。しかし、普遍的でありながらも時代ごとの空気感を再現し、なおかつどんなアイテムにあわせてもぼやけない重厚感があります。また、細部のディテールにこだわり、着用した姿を綿密に計算した丈感やデザインも魅力です。足し引きをしなくても1着で十分にコーディネートが完成されます。
WTAPSの前身「FPAR」が人気に火をつける
WTAPS(ダブルタップス)を語る上で忘れてならないのは「FORTY PERCENTS AGAINST RIGHTS®(フォーティーパーセント アゲインストライツ)」。「FPAR」とも略され、シンプルなロゴとデザインが人気となったブランドです。当時「FPAR」は、Tシャツにロゴやイラストを印刷する手法「シルクスクリーン」を使い、商品を展開していました。シルクスクリーンにより「FPAR」は、スローガンやメッセージが印字。次々と特徴的なアイテムを生み出したのです。ストリートブームであった1993年に創業した「FPAR」は、一気に若者のハートを射止めました。一時期には、活動休止をしたものの2009年にはブランドが再始動しています。
デザイナー・西山徹氏とは
WTAPS(ダブルタップス)の生みの親でもある西山徹氏は、東京で生まれ育ちました。幼少期からストリートカルチャーに馴染み、12歳の頃にはスケートボーディングを始めます。サーフ系ブランド「Stüssy(ステューシー)」でアルバイトをしているとき、滝沢伸介氏と出会い、裏腹系ブランドNEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)を立ち上げました。さらに照井利幸と共同設立したアーティスト集団「WELD(ウェルド)」にも籍をおき、多彩な才能も魅せます。2015年には妻・西山美希子氏とともに新ブランド「DESCENDANT(ディセンダント)」をスタート。西山氏は夫婦でファッション界を牽引している日本を代表するデザイナーです。
Newbalanceについて
アメリカ・マサチューセッツ州にあるボストンで1906年に誕生したニューバランス社。ニューバランスは元々、偏平足を治すアーチサポートインソールとして矯正靴を製造していました。矯正靴は、運動生理学や整形外科、解剖学など専門的な知識が無ければ作れません。そこで専門的な知識を学ぶとともに、体の構造を考えたスニーカーを制作したのです。
当時は6名と少ない従業員数で稼働していたニューバランス社を、ある一人の青年が買い取ります。その青年とは、現在も取締役会長として君臨するジェームス・S・デービス氏です。理想のランニングシューズを制作するために、デービス氏自らが走りました。そして生まれたのがニューバランスの独自技術「インステップレーシング機構」です。インステップレーシング機構を搭載したスニーカーは、世界中のランナーに支持され、心地の良いフィット感を実現しています。
独自のフィッティング「ウイズサイジング」を採用
世界的にも認められているニューバランスの履き心地は、独自のフィッティング「ウイズサイジング」にありました。甲の高さや幅の広さなど一人一人の足の形にあった靴を見つけてもらうために、ウイズサイジングといって足囲の選択ができます。ニューバランスでは、細めのB、Dから日本人に多い4E、6Eまでの4タイプを展開。履き心地が良く軽快なスニーカーは、まるでオーダーメイドをした特別感ある一足を実現しています。
スティーブ・ジョブズが愛用したニューバランス
ランナーやアスリートのみならず、快適な履き心地はさまざまなシーンで愛されてきました。
なかでもニューバランスを愛した著名人として知られているのは、アップルの創業者・スティーブ・ジョブズ氏です。ジョブズ氏は生前、黒のタートルネックにリーバイスを穿き、ニューバランスの各シリーズを着用していました。晩年近くのアップルカンファレンスでは、M991とM992を着用していたことから、スティーブ・ジョブズの着用している靴を、ニューバランスM991とM992と思っている人も多いかもしれません。
WTAPS x NEWBALANCEのコラボが人気な理由
日本を代表する裏腹系ブランドWTAPS(ダブルタップス)と、世界中に支持されるNewbalanceがコラボレーションした、夢のようなスニーカーが2020年に販売されました。さらに2021年にはコラボレーション第2弾を実現し、WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)は、爆発的な人気を誇りました。なぜWTAPSNewbalance(ダブルタップスニューバランス)は、こんなにも人気があるのでしょうか?
名モデルベースに制作
WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)は、ニューバランスの名モデル990シリーズをベースに製造されています。990シリーズは、舗装路用のランニングシューズとして1982年に初代モデルが販売。「On a scale of 1000 this shoe is a 990(1000点中990点を達成した)」という広告コピーで注目を集めました。
さらに990シリーズは進化を遂げ、995、996、997、998、999、991、992、993などアップデートを繰り返します。2022年現在に至るまで12代展開しており、WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)は、ニューバランスのなかでも、最も歴史のあるシリーズを起用した高い機能性を持つスニーカーとコラボして生まれたものなのです。
西山氏の持つ高いデザイン性
ニューバランスの軽快な履き心地と機能性に、WTAPS(ダブルタップス)のデザイナー・西山氏のカリスマ性が加わっていることが人気の理由です。ハイスペックな構造を持つニューバランスにWTAPS(ダブルタップス)の個性を融合させたモデルは、西山氏自身が愛用するM998からインスピレーションを受けたといいます。さらにコラボレーションらしくWTAPS(ダブルタップス)のロゴも刻印され、絶妙な配色がニューバランスの上品な印象をより引き立たせます。西山氏のニューバランス愛が随所に詰め込まれたディテールが、多くの人を魅了しました。
抽選販売
WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)は、抽選によって当選したユーザーしか購入ができません。さらに誰しもが応募できるのではなく、ニューバランス公式会員「myNB会員」のブロンズ以上ではないと抽選対象にならなかったのです。
WTAPS x NEWBALANCEのコラボレーションスニーカー
多くのストリートユーザーが憧れるWTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)は、2020年に第1弾、2021年に第2弾のコラボレーションスニーカーを発表しています。ここではWTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)のコラボレーションスニーカーを詳しく解説します。
ファーストコラボ「M992WT」
WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)のコラボレーション第1弾として販売されたのは、「M992」。1982年にオンロード用のランニングシューズとして登場し、スティーブ・ジョブズ氏が履いたモデルとしても有名です。ニューバランス社の先駆けとも言える高い機能性の「M992」は入手困難な商品で、創業100周年を記念して再復刻した名モデル中の名モデルといわれています。
そんな希少価値の高いM992に都会的な要素を盛り込んだWTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)から「M992WT」が作られました。シュータンとヒールに配されたパッチにはダブルタップスのロゴを刺繍し、コラボレーションならではのスペシャル感を演出しています。
ボリューミーなソール
M992といえばボリューミーなソールも忘れてはいけません。Nロゴを小さくし、絶妙なコンビネーションを生み出すソールの厚みは、ジョブズ氏のようにデニムとの相性が抜群。スキニーデニムとあわせて存在感を主張する着こなしも可能にしています。
ニューバランスの技術を搭載した履き心地
ニューバランス社が誇る名モデルを起用しただけあって、履き心地の良さも期待ができます。WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)「M992WT」には、反発吸収性、反発弾性を持つ「ABZORB SBS(アブゾーブエスビーエス)」が搭載されています。
「ABZORB SBS(アブゾーブエスビーエス)」とは、ニューバランスを代表するクッショニングシステム「ENCAP(エンキャップ)」「C-CAP(シーキャップ)」と、着地時の衝撃をほぼ100%吸収し踏み出し時にリターンを可能にした高機能クッション素材の「ABZORB」の3つを掛け合わせたニューバランス社の最新テクノロジーです。これらのクッション素材を一体型にすることで画期的なミッドソールが実現しました。
さらにヒールには熱可塑性ポリウレタンという、プラスチック素材の一種でもある「TPU素材」のカップを採用し、安定的で高いフィット感のあるソールに仕上がっています。耐久性もありつつも、足への負担を軽減し快適な履き心地を叶えた一足といってもいいかもしれません。
WTAPSならではのカラーリング
「M992WT」にはWTAP(ダブルタップス)らしいディテールが詰め込まれているのも魅力の一つ。本格的なミリタリーアイテムを展開するWTAP(ダブルタップス)の要素を再現するため、オリーブドラブからグレーへと変化する配色になっています。ミッドソールのアクセントカラーともなっているオレンジは、落ち着いた印象のスニーカーをより引き立たせる存在です。
さらに光を反射させるためにアッパーにはリフレクターを施し、夜間でも安心して着用できるようになっています。ボディ全体はニューバランスらしいスエードとメッシュを起用。履き口にはシンセティックレザーを使い、ヌバックレザーの合計4つの素材で構成することで、素材によるデザインの切り替えが特徴的な一足に仕上げました。
奥行のあるトーン「990v2」
WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)のコラボレーション第2弾として発売されたのは、奥行きがある色味が特徴の990v2。1908年に発売されて以降、ハイテクスニーカーとして世間をにぎわせてきたニューバランスの名モデルです。タンに大きく990と刺繍され、まさに存在感そのものを発揮しています。サイドに描かれたNロゴも小さくし、ファッショナブルな一足へと近づけました。
998のディテールをアレンジ
WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)「990v2」の最大の魅力は、998とのトリプルコラボレーションといってもいいかもしれません。西山氏がプライベートで愛用していた998のデティールをアレンジし、タンやカラーストラップ、ヒールタブ部分にはシンセティックレザーを型押しした仕様になっています。さらにフォクシングには「WTAPS」ロゴの刺繍や「USA」の型押しロゴを施しています。履き口を覗き込むとインソールには両ブランドのロゴがプリントされており、コラボレーションらしさを追求しました。
90年代の最新テクノロジーだった「ABZORB」を搭載
さまざまな技術を持つニューバランス社が「990v2」に搭載したのは、90年代の最新テクノロジー「ABZORB(アブゾーブ)」です。今回のコラボレーション作品では、「ABZORB(アブゾーブ)」をビジブル化し、クッション性と走行安定性を大幅に向上させました。ニューバランスのテクノロジーが、優れた衝撃吸収性と安定性を生み出しており、WTAPS(ダブルタップス)をよりスポーティーなルックスへと近づけたのです。
990点を超える1000点のスニーカーWTAPS x NEWBALANCE
990点として作られた990シリーズですが、WTAPS(ダブルタップス)とコラボレーションすることで、思わず1000点をあげたくなるパーフェクトな仕上がりになっています。WTAPS x Newbalance(ダブルタップスニューバランス)は、まだ2作しか発売されていません。どんな価値のあるスニーカーが生まれるのか、これからのコラボレーション商品も注目したいところです。