アメリカ発の名ブランド。ニューバランスとリーバイスのコラボレーションを一挙公開
Aventure編集部
ニューバランスとリーバイスのコラボスニーカーは、アメリカンカジュアルを語るうえで外せないブランドが組み合わさって生まれた名作。それぞれの歴史を落とし込んだディテールが詰まっており一度は身につけたくなるアイテムです。本記事ではそんな名コラボレーションについてまとめてみました。
ニューバランスとリーバイスのコラボとは?
不動の名作を次々を生み出しているニューバランスと、デニムの原点、リーバイスが手掛けるコラボレーションは、選ばれた人しか購入ができない希少価値の高いアイテムです。スニーカーのみならず、ウェアなどのアパレルアイテムも展開。2つの名ブランドのコラボレーションに世界中のユーザーが魅了されています。
矯正靴から生まれた「ニューバランス」
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アメリカ・マサチューセッツ州にあるボストンで誕生したニューバランス。「履いた人に新しい(new)、バランス(balance)感覚をもたらす」という意味を込め1906年にニューバランス社が始動しました。ニューバランスは元々、アーチサポートインソールという偏平足などを治す矯正靴を製造していたのです。
矯正靴の制作には解剖学、運動生理学や整形外科などといったさまざまな医学的知識が必要となります。ニューバランスは専門性の高いプロフェッショナルとともに、こだわり抜いたスニーカーを見事に製造販売しました。当時は、非常に小規模な会社で従業員数は6名ほどしか在籍していませんでした。
そんなニューバランス社をある一人の青年が買い取ります。その青年とは現在も取締役会長として君臨するジェームス・S・デービス氏です。ジェームズ氏は自身が追い求めるランニングシューズを実現するために自らがランニングをし、現在でもニューバランスで使われている独自技術を開発しました。やがて足の負担を軽減する独自技術「インステップレーシング機構」を具現化し、シューズを発表。軽快に走り続けられる軽さと快適さが評判を集め、世界中のランナーの支持を受けました。
圧倒的な履き心地
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ニューバランスのスニーカーの人気の秘密に、履き心地が挙げられます。例えばニューバランスの代表モデルでもあるM1300は高級車のロールスイスに例えられ、スニーカー界のロールスイスと呼ばれるほど高い履き心地が体感できます。なぜ、そこまで快適な履き心地を実現できるのか、その理由はミッドソールにあります。ミッドソールは靴のクッションになっている部分で、地面に当たるアウトソールと足に触れるインソールの間に位置しています。ニューバランス社は、ミッドソールの開発にこだわりを持ち、さまざまな技術を搭載させたのです。
例えば、アジア系のモデルに装備されている「レブライト」。エチレン、ビニール、アセテート樹脂を調合・圧縮したスポンジ状のEVA素材を用いた「C-CAP(シー・キャップ)」、耐久性の高いポリウレタンとEVA素材を組み合わせた「EN-CAP(エン・キャップ)」など革新的な技術を生み出しました。ニューバランスのスニーカーは、それぞれのソールシステムを組み合わせることで、圧倒的な履き心地を可能にしています。
ワークウエアからデニムへ進化した「リーバイス」
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1853年にリーヴァイ・ストラウス氏がサンフランシスコにて、創業したリーバイス。創業者のリーヴァイ・ストラウス氏は、ドイツからの移民としてアメリカに渡航していきました。当時は、雑貨や生地の販売を主に行うために開業したといいます。やがて時代はゴールドラッシュに突入し、多くの労働者の希望もあってワークパンツの素材にデニムを起用しました。そして誕生したのが今の時代でいう「ジーンズ」です。1890年にはロットナンバーが採用され、世界的に愛される「501」が生まれました。1990年までは労働者のために製造されていたため優れた耐久性を持ちます。
商標権を獲得したアーキュエットステッチ
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「アーキュエットステッチ」は、バックポケットに施されているリーバイスのアイコニック的な存在です。アーキュエットステッチの歴史自体もかなり古く、1873年にポケット裏の補強布を留めるために生み出されました。アーキュエットステッチには逸話があり、リーバイスをキッカケに市場に出回るデニムにアーキュエットステッチを真似たデザインが多く販売されたのです。そこでリーバイス社は1943年にアーキュエットステッチの商標権を獲得しました。
現在も受け継がれ続けているアーキュエットステッチ。第二次世界大戦下は、物資統制によりアーキュエットステッチのディティールは、「ステンシルペイント」というペンキで描かれたステッチに変更されました。この時代に生まれたヴィンテージ品は洗濯によってステッチが消えてしまうこともあり、バックポケットは無地なデザインが多く存在したのです。
一目でわかる「赤タブ」
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リーバイスのデニムを見分けられる「赤タブ」は、1930年代に生まれたディテールです。当時、リーバイスの類似デザインが多く販売され、一目でリーバイスの商品と識別できるようにバックポケットのサイドに赤い布を貼り付けたと伝えられています。なかでも「LEVI’S」の「E」が大文字になっている赤タブは、デニムフリークの中で「ビックE」と呼ばれており、1970年代前半に製造されたヴィンテージデニムに施されています。
スティーブジョブズが愛したブランド
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世界中の著名な人物からも愛されているリーバイス。アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏が履き続けたデニムとして有名です。ジョブズ氏といえば、黒のハイネックにデニムとスニーカーというコーディネートがお決まりのスタイル。ジョブズ氏はデニムにリーバイス、スニーカーはニューバランスのM991、M992を毎日着用していました。「服を選ぶための時間を仕事に使いたい」との理由からこのスタイルを確立したといわれています。
ニューバランスとリーバイスのコラボ商品の魅力
確かな履きやすさを体感できるニューバランスと、トラディショナルなモデルを多く販売するリーバイスのコラボレーションは、ファッショナブルで高い機能性を持つため、多くの人が求める商品です。なかには希少価値が高いアイテムも販売されており、喉から手が出るほど欲しがる人もいます。なぜここまで多くの人を魅了するのでしょうか?ここではニューバランスとリーバイスのコラボ商品の魅力に迫ります。
ニューバランスの名モデルが復活
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100年以上の歴史を紡ぐなかで、数多くのモデルを開発したニューバランス。テクノロジーの進化とともに快適な履き心地を追求してきました。なかには「名モデル」と呼ばれるほどの製品まで生まれています。リーバイスとのコラボレーションでは「M992」「M1300」「990v3」「MS327」を起用。ニューバランスの名モデルをベースに素材やデティールにこだわり、現代を生きる名モデルの復活を見事に実現させたのです。
随所に散りばめられたリーバイスのディテール
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コラボレーションアイテムの全体には、リーバイスのデティールが随所に散りばめられています。例えばコラボレーションスニーカーM1300に施されたデニム生地は、リーバイスを語る上で外せないアメリカ・コーンミルズ社ホワイトオーク工場で製造されたものを使用しています。ホワイトオーク工場は2017年に閉鎖されてしまい、今では製造されることはありません。そんな伝説的なセルビッジデニムをアッパー全体に施し、デニムフリークのロマンを詰め込んだ靴に仕上げました。
抽選販売
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ニューバランスとリーバイスのコラボレーションアイテムは、リーバイス・ニューバランスの公式オンラインショップ、店頭での抽選のため、当選した人しか購入ができません。世界中のユーザーがコラボレーションアイテムを求めますから、倍率は非常に高く入手が困難といわれています。
ニューバランスとリーバイスの人気コラボ商品
アメカジ好きではなくても、どこか目を奪われてしまうニューバランスとリーバイスのコラボレーションアイテム。互いのブランドの歴史を感じられるデティールに魅了されること間違いなしでしょう。
M992
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2006年、ニューバランス社の生誕100周年を記念して発売された「M992」。ミッドソールとアウトソールがさらに進化しフィット感がアップデートしたモデルです。1000点満点中990点のスニーカーとして販売されたオンロード仕様になっています。アッパー部には毛足の長いヘアリースウェードグレーウォッシュデニムをアップサイクルした素材を採用し、パッチワークなレトロデザインが印象的なスニーカーです。ニューバランスの象徴でもあるNロゴには、リーバイスのシグネチャー、レッドタブを縫い付けコラボレーションらしいデティールを盛り込みました。M992のコラボレーションでは、スニーカー以外にもトラッカージャケットとジーンズも販売。3種類のヴィンテージデニムを使用しているため、それぞれの彩りや風合いを楽しめます。
M1300LV
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ランニングシューズのフラッグシップモデルでもある1000番台の初代シリーズでもある「M1300」を初めてニューバランス社が手掛けたのは1985年でした。POLO RALPH LAUREN(ポロ ラルフ ローレン)の創設者・ラルフ・ローレン氏が、「まるで雲の上を歩いているかのようだ」と語った一足としても有名です。リーバイスとニューバランス社のコラボレーションでは、「M1300」シリーズの生誕35周年を記念して作られました。ベースとなったのは「M1300CL」。「M1300CL」は、M1300の派生モデルとして1985年に誕生しました。M1300のアッパーを用いながらもM577のソールを採用し、クッション性と安定性を感じられるモデルです。
コラボレーションをした「M1300LV」では、リーバイスコレクション「Levi’s for feet(リーアバイス・フォー・フィート)」からインスパイアされ、ベージュとブラックのスウェード素材を採用したクラシカルなデザインに仕上がっています。Nロゴはオレンジレザーを採用。左側にはオレンジタブが施されており、リーバイスの歴史を感じるデティールを盛り込みました。
990v3
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ニューバランスの代表シリーズでもある990v3をベースに作られたコラボレーションスニーカーは、爽やかでどこか懐かしさを受けるデザイン。990シリーズの11代目となる993の後継モデルでもある990v3は、「レブライト」と呼ばれるテクノロジーを搭載しています。驚異的な軽さが特徴的なミッドソールで、高い耐久性とクッション性を持ちつつも993よりも10グラム軽量化されているのです。アッパー部にはヘアリースウェードを採用し、サイドにはリーバイスのタブが縫合されています。
さらに洗うと縮む綿の特性を生かし、 履きこんで自分だけのサイズへと変化させるShrink-to-Fit(シンク・トゥ・フィット)のテクノロジーを搭載。履けば履くほどに馴染んでいくスニーカーを実現しました。
MS327
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リーバイスとニューバランスのコラボレーションに起用された「MS327」は、ニューバランスを代表する3つのモデル「320」「355」「Super Comp」を融合させた特徴的なスニーカーです。Nロゴの始まりとされる「320」に、トレイルランニングモデルの元祖ともいえるオフロード仕様でもある「355」。高いグリップ力と独特なヒール構造を持ち、ロードレース用のシューズとして開発されたレーシングシューズ「Super Comp」からインスパイアされています。レトロな雰囲気でありながらも、最新テクノロジーを搭載したミッドソールを装備させるなど現代的にアレンジされているのも一つの特徴です。内側にはプレミアムホワイトナイロン、外側はウォッシュデニムを採用。インソールには「Levi’s for Feet」とニューバランスのロゴがプリントされています。デニム素材とサイドに縫合された赤タブがマッチし、リーバイスのブランドを見事に落とし込んだ一足に仕上げました。
アメリカを代表する名ブランドのコラボ
アメリカ発の名ブランドがコラボレーションした、リーバイスとニューバランスのアイテムは、それぞれの歴史が随所に詰め込まれたデザインになっています。スニーカーをはじめ、アイテムに散りばめられたデティールをよく観察していたいものです。これからのリーバイスとニューバランスのコラボレーションにも目が離せません。