足元でリジットを楽しむ。話題のリーバイスとナイキのコラボレーションを紹介
Aventure編集部
アメリカ発の名ブランド「ナイキ」「リーバイス」。ナイキの革新的な独自技術にリーバイスの伝統的なディティールを盛り込んだコラボレーションは、リリースと同時に長蛇の列になるほど人気が沸騰しています。本記事ではナイキとリーバイスのコラボレーション商品についてまとめました。
ナイキ リーバイスコラボとは
世界のアスリートを支える「ナイキ」と、デニムの原点「リーバイス」が手掛けるコラボレーションは、いまだかつてない独創的なアイテムで世界中のファンを魅了しています。ジャケットなどのアパレル品をはじめ、それぞれのディティールが詰め込まれたスニーカーは、大変人気です。
オニツカタイガーと始まるナイキの歴史
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スタンフォード大学の学生だったフィル・ナイト(Philip Knight)と、オレゴン大学の陸上部でコーチを行っていたビル・バウワーマン(Bill Bowerman)の2人の手によって生み出されたナイキは、アメリカ合衆国の北部にあるオレゴン州で設立されました。当時は「ナイキ」の名前はまだ使っておらず「ブルーリボンスポーツ」という社名で活動していたのです。
フィルとビルは、会社を立ち上げるよりも前から日本を代表するスポーツシューズメーカー「オニツカタイガー」と共同開発をしていました。そこで生まれたのが現在の「コルテッツ」の原点でもある「タイガーコルテッツ」です。売れ行きは順調だったものの、度重なる輸送や発注トラブルによりオニツカタイガーとの契約は打ち切りになってしまいます。しかし、オニツカタイガーの革新的な技術を生み出した技術者を引き抜き、日本の会社「アサヒ」でトレーニングシューズの開発を再スタートさせます。
そして1971年に社名を「ナイキ」に変更しロゴの制作をスタート。そこで生まれたのがナイキのシンボル「スウッシュマーク」でした。スウッシュマークを手掛けたのは、当時ポートランド州立大学でグラフィックデザインを専攻していた女子学生のCarolyn Davidson(キャロライン・デビッドソン)です。彼女はフィルが講師をしていた会計学の生徒で、彼に依頼をされてマークの制作をしたといいます。
初めてアスリートを広告モデルに起用
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ナイキは、世界で初めてアスリートを広告モデルに起用した会社としても有名です。1974年、伝説のランナー・スティーブ・プリフォンテーン(Steve Prefontaine)と契約を結びました。ブリの愛称で親しまれていた彼は弱冠15歳で2マイル(約3.2km)、8分41秒5という国内記録を打ち立て、さらに2000メートルから1万メートルまでの中長距離種目全てで国内記録を保持するという偉業を成し遂げたのです。しかし24歳のとき自動車事故で亡くなってしまいます。
ナイキは、彼のカリスマ的な存在と前人未到の成功により、ブランドの地位を確立したのです。
社会現象にもなったエアジョーダン
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ナイキといえば語り継がれるNBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンをモデルにしたエアジョーダンが人気です。当時ナイキはバスケットボール界への進出を目論んでいました。そこでNBAですでに活躍していたマイケル・ジョーダン氏に契約のオファーをしたのです。
ナイキは「年間50万ドル(約5000万円)の5年契約」という当時は破格の金額をマイケル・ジョーダンに提示します。「新人王獲得」「オールスター出場」「1試合20得点以上を平均」のいずれかを3年以内に達成することが条件でしたが、ジョーダン氏はこの契約に合意。そしてエアジョーダンが誕生します。
デニムの原点「リーバイス」
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トラディショナルな名作を生み出すリーバイスは、1853年にサンフランシスコで設立されました。創業者のリーヴァイ・ストラウスはドイツからの移民としてアメリカに渡航。当初は、アパレルではなく、生地や雑貨を中心に扱っていたのです。そんななか、世界はゴールドラッシュ時代に突入します。労働者の「ワークパンツにデニム素材を使って欲しい」という願いもあり、リーヴァイス氏は、デニムを使ったワークパンツの製造を始めます。労働者のためのワークパンツとして作られたことから、高い耐久力が人気となりました。1890年にはロットナンバーが採用され、リーバイスの名作「501」が誕生したのです。
アイコニックな「ダブルホースロゴ」
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リーバイスのジーンズのウエストには、耐久力を示すダブルホースマークが描かれています。リーバイスがジーンズにダブルホースロゴを付けはじめたのは、1886年でした。「二匹の馬に引っ張られても裂けないほど丈夫なジーンズ」ということから、生地の強さを表すことにしたのです。また、当時リーバイスのジーンズはトップクラスの人気を誇り類似品が出回ったため、見分けるためのディティールともいわれています。
バックポケットの「アーキュエットステッチ」
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リーバイスといえば、バックポケットに描かれた「アーキュエットステッチ」をイメージされる人も多いはず。アーキュエットステッチは、1873年にポケット裏の補強布を留めるために使われはじめたのがきっかけでした。しかし他のメーカーもリーバイスのジーンズに類似した製品を販売。そこで1943年に「アーキュエットステッチ」の商標権を獲得したのです。2007年には、日本のファッションブランド「EDWIN(エドウィン)」と、アーキュエットステッチについて裁判を起こしたことで話題になりました。
世界中が愛する名モデルを輩出
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リーバイスの代表モデルといえば501が有名なモデルとして知られています。しかし、その他にも多くの名モデルを生み出しているのです。例えばストレートシルエットが印象的な505は、リーバイスが初めてファッション向けに制作したモデル。さらに1971年に誕生した世界初のブーツカットジーンズ「517」も人気です。やや裾が広がりブーツカット仕様になっている絶妙なシルエットで70年代スタイルを再現します。
ナイキ×リーバイスのコラボモデルの魅力
バスケットボールシューズの原点と、アメリカンカジュアルの伝統的なワークパンツを販売するリーバイスとのコラボレーションは、細部までディティールにこだわっており、個性的なデザインで多くの人を魅了しています。ここではナイキとリーバイスのコラボレーション商品の魅力に迫ります。
ナイキの名作がベース
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ナイキとリーバイスで起用されるモデルは、当時社会現象にもなったエアジョーダンをはじめ、さまざまな名作とコラボレーションしています。ナイキの革新的なテクノロジー「エア」を搭載したエアフォース、耐久力の高いSBなどリーバイスとコラボをしアップデート。新たなナイキの名作として現代に蘇ります。
リーバイスの生地を採用
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耐久力の高いデニム素材を使いワークパンツやウエアを中心に展開しているリーバイス。ナイキと共同開発したスニーカーでは「LEVI’S SHRINK-TO-FIT 501® MID-WASH INDIGO DENIM(リーバイス シュリンクトゥフィット 501®ミッドウォッシュデニム)」を採用し、コラボレーションならではの素材感を楽しめます。履くことで足に馴染みやすくなるため、足元でリジットを味わえるのも魅力の一つです。
随所にあしらわれたディテール
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ナイキとリーバイスのコラボレーションアイテムでは、デニム素材を使うだけではなく「赤タブ」や「パッチ」など、リーバイスの代表的なディティールが詰め込まれています。ナイキファンだけではなく、デニムフリークの心を擽るデザインといえるでしょう。
ナイキ×リーバイスの人気モデル
アスリートやスニーカーヘッズのみならず、世界中で愛されているナイキ。デニムの原点でもあるリーバイスとコラボレーションした商品は、希少価値が高く入手困難といわれているほどレアな商品。ここでは互いのブランドの歴史が詰め込まれた人気モデルを一挙公開します。
エアフォース1 ロー&ハイ リミテッドコレクション
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ナイキの独自技術「エア」を初めて搭載したエアフォース1から、ハイとロータイプの2種類を展開。ミッドソールの外側とアッパー部にデニム素材が使用されており、洗い加工が施されています。ボディ全体には「Levi’s®」とスウッシュマークが散りばめられ、コラボレーションらしいデザインを感じます。ナイキの象徴でもあるスウッシュマークには濃いめのインディゴデニムを採用。 さらに、スウッシュマークがヒールまで描かれ、赤タブやレザーパッチの存在感を引き立ててくれます。
リーバイス x エアジョーダン 4
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2018年のコラボではベースにエアジョーダン4を採用。アッパー部にはダークウォッシュデニムという縦糸と横糸の質感を生かしたオーセンティックな生地を使い、レトロな印象を与えてくれます。さらにゴールドのステッチを用い、コントラストを追求したディティールに仕上げました。アウトソールにはジョーダンシリーズに欠かせないジャンプマンを描き、細部の仕様にまでこだわっています。
同シリーズでは、スニーカーのみならずトラッカージャケットも販売。スニーカーと同じダークウォッシュデニムをベースに脇下に縫合された赤い生地は、目を惹く配色になっています。裏地はブラックのナイロン素材にシワ加工をしています。袖や襟からのぞかせるデニム生地と、ジャンプマンに目を奪われてしまうでしょう。
リーバイス × ナイキ バイ ユー エアフォース1 ロー & エアフォース1 ハイ & エアマックス 90
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「NIKE BY YOU(ナイキ・バイ・ユー)」より、2018年1月にナイキの人気モデル「エアジョーダン4」「エアフォース1」「エアマックス90」の3種類を発表。数千人もの行列ができたといわれ、ナイキとリーバイスのコラボレーションのなかでも名シリーズのスニーカーです。濃いめのブルー、ライトブルー、イエロー、ピンク、バケッタタン、イエローのコーデュロイといった多彩なカラーを展開しています。自分好みにカスタマイズできる「NIKE BY YOU(ナイキ・バイ・ユー)」では「Levi’s」とスウッシュロゴの選択も可能です。シュータンにはリーバイスのパッチを思わせるレザーパッチを配置、アッパー部にさりげなく赤タブを添えるなどといったディティールもデニムフリークの心が踊ります。
リーバイス × ナイキ ダンク ロー プロ SB ダーク オブジディアン/ダーク オブジディアン
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アメリカンなデザイン性で注目を浴びたのは、2012年にコラボレーションしたナイキ ダンク ロー・プロSB。アッパー部はデニム生地、スウッシュマークはレザーを採用しイエローのステッチで縫製するといった、ダークで大人かっこいいコントラストに仕上がっています。ヒールカウンターの左右にはナイキ、リーバイスのロゴがそれぞれ刺繍。星条旗を彷彿させるストライプとスターが印象的な一足です。
エアジョーダン4
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爽やかな雰囲気を生み出してくれるスニーカーは、リーバイスとナイキのコラボレーション10年目に作られた商品。人気の名作、エアジョーダン4をベースとし、リーバイスのデニム素材を施しています。シュータンにはレザーパッチを連想させるジャンプマンを配置。アクセントの赤タブが映えるスタイリッシュなスニーカーです。
足元で楽しむリーバイスの経年変化
ストリートカルチャーとアメリカンカジュアルを融合させたナイキとリーバイスのコラボレーションは、毎回発売と同時に注文が殺到する人気商品。随所に盛り込まれたディティールは目で楽しみつつも、履けば履くごとに馴染むため、まるでデニムを穿いているような感覚を得られます。時間が経てば自分色に染まる「リジット」のような深さが染み出るナイキとリーバイスのコラボレーション商品に、これからも目が離せません。