ルイ・ヴィトン、第59回ヴェネツィア・ビエンナーレの参加とMUVE財団とのパートナーシップを更新
Aventure編集部
第59回ヴェネツィア・ビエンナーレに向け、ルイ・ヴィトンはコンテンポラリーアートとヴェネツィアの並外れたヘリテージを讃え、サポートするいくつかの企画を提案します。
ルイ・ヴィトン、第59回ヴェネツィア・ビエンナーレの参加とMUVE財団とのパートナーシップを更新
このたびルイ・ヴィトンは、ドイツのアーティスト カタリーナ・グロッセによるサイト・スペシフィック・アート作品展の開催、ヴェネツィアの貴重な文化遺産の保全に努める地元機関・組織とのパートナーシップの継続・強化といった企画を通して、歴史が革新的文化プログラムと交錯するこの都市へのメゾンのコミットメントを改めて表明します。
ルイ・ヴィトンは2013年より、フォンダシオン ルイ・ヴィトンによる「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環と位置付けられるエスパス ルイ・ヴィトン ヴェネツィアを拠点として、積極的かつ持続的にヴェネツィアとの関わりを維持しています。エスパス ルイ・ヴィトン ヴェネツィアはこれまでに、現代のアートシーンと建築界をリードするアーティストや建築家を紹介する一連の展覧会を企画・開催してきました。
今年、フォンダシオン ルイ・ヴィトンは、チェチリア・アレマーニがキュレーターを務める公式コラテラル・イベントの枠組みで、ヴェネツィア・ビエンナーレに参加することになりました。エスパス ルイ・ヴィトン ヴェネツィアは、ここでの展示を念頭に置きカタリーナ・グロッセが構想・制作したサイト・スペシフィックなインスタレーション《Apollo, Apollo》のエキシビション会場となります。
鮮やかなカラーに染められ、グロッセの手がプリントされたメタリックメッシュを素材とする大規模な作品であり、アーティストの身体とカラフルな素材を隔てる境界が創作の過程で消滅する瞬間を象徴しています。
《Apollo, Apollo》のドレープが創り出すフォルムと彩度の高いカラーは、フォルトゥニー社のファブリックやテラッツォ・モザイクといったヴェネツィアを代表する職人技を想わせます。一方で、素材の流れるようななめらかさは、ヴェネツィアの運河と水面に反射する光を彷彿させます。飾り気のない、光を落した暗い展示スペースの中で、来館者は《Apollo, Apollo》によって夢のような世界へ没入し、自らが認知する現実と幻想の違いについて考察するよう促されます。
ルイ・ヴィトンのクリエーションとコンテンポラリーアートに対する情熱は、建築ヘリテージを守りたいという願いと一致します。国際的な非営利組織、ヴェネツィア・ヘリテージ財団のサポーターであるルイ・ヴィトンはこのたび、カ・ドーロ(フランケッティ美術館、建物は後期ゴシックの歴史的パラッツォ)の修復・改修に寄付金を通じて協力します。
また、ルイ・ヴィトンは2021年、ヴェネツィアにおける文化活動プログラムやヘリテージの保全を統括しているMUVE財団とのパートナーシップを更新。メゾンのサポートにより、MUVEはフランスの画家 エミール・ベルナールの一連の絵画作品を修復することになりました。
修復後の絵画は2022年12月初旬よりエスパス ルイ・ヴィトン ヴェネツィアで披露され、その後MUVE傘下のミュージアム、コッレール博物館で展示予定です。
MUVE、そしてMUVEとルイ・ヴィトンとのパートナーシップ
2008年に設立されたヴェネツィア市立美術館群財団(MUVE)は、ヴェネツィア市を唯一の設立者会員とする参加型の財団です。その使命は、ヴェネツィア市のミュージアム、専門図書館、写真アーカイヴ、エキシビションエリアからなる複層的な文化遺産の管理、プロモーション、奨励であり、ヨーロッパでも有数の文化財団の1つです。
ルイ・ヴィトンは2013年より、MUVE財団とパートナーシップを結び、同財団のコレクションに含まれる重要なアート作品の修復をサポートしています。修復が終わった傑作の数々は、エスパス ルイ・ヴィトン ヴェネツィア開催のエキシビションで披露された後、MUVE傘下のさまざまなミュージアムで展示されてきました。これまでの修復プロジェクトでは、ポンペオ・モルメンティ、ヴィットーレ・カルパッチョ、マリアーノ・フォルトゥニー、フランチェスコ・アイエツといったアーティストの作品が対象となりました。今年は、フランスのポスト印象派画家 エミール・ベルナールの「Cycle humain」の4つの大作が修復され、エスパス ルイ・ヴィトン ヴェネツィアで初披露される予定です。
「Cycle humain」に描かれている筋骨隆々とした裸体の古典的表現は、今や失われてしまった偉大な絵画技巧を讃える賛歌であり、モダニズムに異を唱えるマニフェストです。宗教的な精神性と官能の魅惑の間で引き裂かれ、自身はルネッサンスの巨匠たちの奥義を受け継いだ最後の芸術家であると確信していたベルナールは、自らがマスターしたノウハウ――グラデーション技法、色調を和らげる透明絵具の使い方――を強調することで、苦々しさを交えて声高に、過去のすべてを清算する近代絵画に異議を申し立てています。