【ヒルバーグ】ソウロは大きな前室が魅力のソロテント
Aventure編集部
ヒルバーグは1971年にスウェーデンで設立されたテントメーカーです。軽量さと丈夫さ、そして快適性や設営のしやすさなど、利便性が高い製品は、ユーザーから厚い信頼を得ていますそんなヒルバーグのテントを「ひと張りは持っておきたい」と考えるユーザーは少なくないでしょう。
そこでこの記事では、老舗テントメーカー、ヒルバーグの紹介に加え、同社のテントの中でもソロテントとして圧倒的な人気を誇るソウロの紹介をしていきます。さらにソウロと比較されることが少なくない同社のウナとの違いにも触れるのでていくので、購入を検討しているユーザーは、ソウロのポテンシャルをチェックしておきましょう。
ヒルバーグはテント一筋の老舗メーカー
ヒルバーグは1971年創業の老舗テントメーカーで、ユーザー目線に立った圧倒的なまでのこだわりを持ったテント作りを続けており、現在も機能性を重視する世界中のユーザーから熱烈な支持を集めています。
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生地の強度や設営のしやすさなどの実用性に直接かかわる設計段階でのこだわりはもちろん、エストニアの自社工場で職人が一つひとつ手作業で縫製を行っているなど、「モノ」としてのクオリティをとことん追求する姿勢も人気の理由です。
ここからはヒルバーグというブランドの歴史を紐解き、ヒルバーグが世界に名だたるテントメーカーになった数々のこだわりを紹介していきます。
ヒルバーグ誕生までの道のりとその後の歩み
1971年の創業当時、ヒルバーグ創業者のBo Hillebergは「インナーテントを張った後にフライシートを掛ける」という既存のテントの設営方法に不満を抱いていました。そこで彼は、インナーテントとアウターテントが連結されており、2層のテントを同時に設営できるテントを構想したのです。すると悪天候の中でも素早く、かつインナーテントを濡らすことなく設営できると考えました。インナーテントとアウターテントを連結する構想が実現したのは、創業から約2年が経過した1973年。インナーテントとアウターテントを連結させた先駆けと言えるテント、ケブが誕生したのです。
その後もヒルバーグは、テントの使用人数や用途に合わせて製品ラインナップを拡充していきます。そうしてあらゆるシーンで使用するテントを市場に供給した結果、ユーザーからの支持を集めることに成功し、1995年にはヨーロッパで「ベストアウトドアギア」に選出されました。名実共に最高のテントメーカーとなったわけです。彼らが手掛けてきたテントは、現在も機能性を重視する多くのユーザーに愛され、ありとあらゆる過酷な環境下で活躍しています。
ユーザー目線のこだわり
ヒルバーグの創設者、Bo Hillebergはヒルバーグの創設当時から1人のユーザーとしてプライベートでもアウトドアを愛好していました。インナーテントとアウターテントを連結させた他にも、ヒルバーグのテントにはユーザー目線で実用性を追求したBo Hillebergのこだわりが各所に込められています。
ここからはそうした数々のこだわりの中から、2点ピックアップして紹介します。
独自のレーベルシステム
【参考URL】 https://www.hilleberg.jp/about/our-tent/chooserigttent
ヒルバーグのテントへのこだわりの中でも特筆すべきなのが、独自のレーベルシステムです。
レーベルシステムとは、テントの持つ「快適性」、「強度」、「重量」のどこに重点を置くかによって、宿泊用テントを分類したもの。
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快適性や強度を重視した4シーズンテントのブラックレーベル、4シーズン対応の快適性と十分な強度を持ちながら、軽量さも追求したバランスのいいレッドレーベル、より軽量性を突き詰めた3シーズンテントのイエローレーベル、そして大型で高い強度と軽量性が必要な登山探検隊のベースキャンプや、大規模なグループテントなど、特定の用途により特化したテントを提案するブルーレーベルの4つに分けられています。
このレーベル分けの前提が、「重量を削ればその分快適性や強度は劣ってしまう」という設計の限界に迫るもので、それぞれのユーザーの使用方法や使用環境に合わせて最適なテントを選べるように設定された仕組みなのです。
防水性・強度・耐劣化性に優れたケルロン
次に紹介したいのは、ヒルバーグのテントの特徴でもある、シリコン被覆を施した独自のケルロンと呼ばれる生地についてです。
ヒルバーグはシリコン被覆の生地にいち早く着目し、1975年にケルロンが誕生しました。ケルロンには数字の重み付けがなされており、「ケルロン1800」のように「ケルロン」の後ろに付随する数字が大きいほど丈夫で快適性も優れていることを示しています。例えば、ブラックレーベルのテントにはケルロン1800が使用されており、引き裂き強度は18kg/40lb。最も軽量性を重視したイエローレーベルのテントに使用されているケルロン1000でさえ、8kg/22lbsの引き裂き強度を誇っており、十分に丈夫なことがわかります。
また、ケルロンは強度だけでなく、テントの最も外側に位置するアウターテントに必要とされる防水性も備えており、悪天候からインナーテントを守る役割も果たせるのです。さらには耐劣化性にも優れており、経年劣化しづらく、長年使用できる利点もあります。
ヒルバーグのテントが活躍するシチュエーション
ヒルバーグがユーザー目線のテント作りを行ってきた結果、ヒルバーグのテントはどのようなユーザーに愛用され、どのようなシーンで活躍しているのでしょうか。
例えば、テントの丈夫さや信頼性から、旅や冒険の起点となるベースキャンプとして使用されることもあれば、軽量性と快適性が両立されたモデルが山頂を目指して何日もかけて行う登山に使用されることもあります。
さらに軽量なモデルであれば、自転車で旅をするユーザーやバックパッカーの負担を軽減し、雪や風の影響を受けにくいモデルは過酷な環境で使用されることもあるでしょう。
ヒルバーグのテントはありとあらゆる環境でテントを使用するユーザーに愛用されてきました。一方、そうした実際の現場で使用されている正真正銘の実用性に魅了された本物志向の一般ユーザーからも厚い支持を獲得しています。
ソウロの特徴
ここからはヒルバーグのソロテントの中でもとくに人気の高いソウロの紹介をしていきましょう。ソウロはレーベルシステムの中ではレッドレーベルに分類され、重量と快適性のバランスを追求した4シーズンテントのひとつです。まずはソウロの基本スペックを紹介します。
室内の縦220cm・横(最小)・横(最大)・高さ | 230cm×63cm×105cm×95cm |
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収納時サイズ | φ19.5×53cm |
最小重量(総重量) | 2kg(2.2kg) |
定員 | 1人 |
このように、1人で使用するには十分な室内空間を確保しながら総重量は2kgを少し超える程度であるソウロ。軽さと広さに加えて十分な前室があることもソウロの人気の理由です。
ここからはソウロについて、さらに詳しく見ていきましょう。
大きな前室はギアを置いたり煮炊きもお手のもの
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強度・快適性・軽さの見事なバランス
ソウロが属するレッドレーベルで使用されている生地はケルロン1200で、引き裂き強度は12kg/26.5lbを誇ります。さらにレッドレーベルは4シーズン使用可能なのが特徴。つまり、ヒルバーグの最大の特徴である強度と快適性を実現しつつ軽量であるという見事なバランスを実現しているのですます。
丈夫で快適なのに軽い。そんな究極のスペックバランスを実現したソウロに惹かれるユーザーは少なくありません。
自立式テントはどんな場所でも設営可能
ソウロの紹介をする上でもう一つ重要な要素は、ソウロが自立式テントだということです。自立式テントとは、ペグダウンすることなく設営ができる構造のことをいいます。
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さらに言えばソウロは、前室までもがペグダウン不要で設営できるフリー・スタンディング・モデルに分類されるのです。フリー・スタンディング・モデルとは地面の状況に左右されることなく、岩場や砂利などの固い地面のほかアスファルトの上など、設営地を選ばないのが魅力といえます。
テント設営ができる場所を探す手間を省きたい時、すぐにテント設営をして体を休めたい時など、登山や旅をするユーザーにとっては、とくにおすすめのテントです。
ソウロとウナ、どちらを選ぶべきか
最後に触れておきたいのが、ソウロとよく比較対象となる同社のウナとの違いです。
ソウロの室内は1人で過ごすのにはちょうどいい広さで、かつ十分な前室が備わっています。一方ウナには前室がありませんが、1人が横になって荷物も余裕で収納できる広さを備えており、室内の広さは非常時には2人で入れるほどです。このようにどちらのテントも快適に過ごせるスペースを確保しながら、アウターテントとインナーテントとポールを合わせた最小重量は双方共に2kgと軽量です。
そこで、この2つのテントを比較する際には前室の有無に加え、2人で使う機会があるかどうかという視点で選ぶのが良いでしょう。
まとめ
ブランド設立以来、多くのプロを始め、機能性を重視するユーザーに支持されてきたヒルバーグは、ユーザー目線で実用性にこだわったテント作りを続けてきました。
そんな同社のソロテントの中でもとくに人気の高いソウロは、1人で使用するには必要十分な室内の広さに加え、十分な広さを持った前室が備わっています。さらに、ヒルバーグの魅力である強度・快適性・軽量性のバランスも取れた魅力的なテントです。同じく同社のソロテントであるウナとも比較検討し、1人で使う機会が多い場合や前室が必要であればソウロの購入をおすすめします。
Aventure編集部