ヒルバーグのスタイカは2人でも安心。必要十分な広さと前室が魅力
Aventure編集部
スウェーデン生まれのテントメーカーであるヒルバーグは、とことん実用性にこだわってテント開発を続けており、世界中の本物志向のユーザーに愛されてきました。しかし、ヒルバーグがどういう経緯でユーザー目線のテント開発に着手したのかまでは、あまり知られていません。
この記事では、ヒルバーグが他社を寄せ付けない独創的なテント開発を進めた背景と、それがユーザーに受け入れられるまでを解説します。さらに記事の後半では同社の2人用テント、スタイカの特徴を紹介していきますので、快適で長く使える2人用テントを探している方は参考にしてください。
ヒルバーグはどんなメーカーなのか
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ヒルバーグは1971年に設立、インナーを張った上からフライシートを掛ける既存のテントの仕組みをアップデートすべく、1973年にはインナーテントとアウターテントを連結したテントを発売しました。1975年には表面をシリコンで被覆した生地、ケルロンが誕生。圧倒的な引き裂き強度と軽さを実現すると共に、経年劣化にも強く、多くのユーザーから高い評価を得ました。2013年には製品を4つのレーベルに分類。使用用途に合わせて重量と丈夫さ、快適性のバランスを考慮しながらそれぞれのユーザーにとって最適のひと張を選べるようになりました。
堅牢で利便的な機能性を追求してきたことに加え、ユーザーの使用状況にとって最適なひと張を提案するなど、ユーザーの目線を追求した製品開発が多くのユーザーの心を掴んできました。
どんなユーザーに好まれる?
ヒルバーグのテントの特徴として、軽量で持ち運びしやすい上に丈夫でタフな使用にも耐えうる点が挙げられます。ほかにも、インナーテントとアウターテントが一体になっていることで素早く設営ができるなど、ユーザーにとって魅力的なポイントが豊富です。そのため、ベテランキャンパーや旅人、登山家など、実用性を重要視しているユーザーからの支持が厚いのが特徴です。
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また、ヒルバーグのテントはその優れたデザイン性が取り上げられることも多いですが、これは様々な問題や改善点を解決してきた結果に生まれたものであり、機能美と言えるものなのです。これが本物志向の大人のユーザーを魅了しているポイントです。
日本での評価はどうか
スウェーデンで生まれ、またたく間に世界中で愛用されるようになったヒルバーグのテントですが、日本での評価はどうなのでしょうか。
ヒルバーグのテントは、国内で販売されている他社のテントと比べると比較的高価ですし、日本のユーザーにとっては、ヨーロッパにあるような雪山に登る機会や、カヌーで川を探検しその途中で宿泊するシーンもそう多くはないでしょう。
しかし、ご存知のとおり、ここまでで紹介した圧倒的なこだわりと実用性は、本物志向のユーザーの心を射止めており、日本国内でも人気を獲得しています。
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日本においてヒルバーグのテントが人気になっている理由がもう一つあります。それはインナーテントをアウターテントに取り付けるダブルウォール構造になっており、そのインナーテントは通気性・撥水性に優れた生地を使用しているということ。それにより、高温多湿な日本においても、テント内の湿気を逃して快適な室内環境を実現できるのです。
ユーザーの声を取り入れ、日々アップデートを重ねてきた
ヒルバーグが高い信頼性を得ている理由が他にもあります。一般ユーザーやファンの声を拾い上げ、商品開発に活かしてきたのです。
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例えば、カヌー旅行者はときに過酷な環境での設営を余儀なくされるため、そうした状況でも簡単に設営できる自立型で安定したテントを求めていました。その声を受けて設計されたのが、この記事で紹介するスタイカです。
また、高温多湿な日本でも快適に過ごせるよう、「インナーテントをメッシュにしたテントを作って欲しい」とA&Fの赤津孝夫会長がリクエストして生まれたのがニアックやエナンといったテントでした。その際、結露の水分がメッシュ部分を通り抜けてインナーテントの中にまで落ちてこないよう、アウターテントの丈を短くして地面との隙間を作り、テント内が結露しにくい工夫がなされました。
ヒルバーグではユーザーからの声を柔軟に取り入れつつも、その結果起こりうる問題点にも真摯に向き合い、とことん使い心地のいいテントを作り続けているのです。これこそが長年多くのユーザーに愛される本当の理由と言えるでしょう。
スタイカの魅力
ここまでヒルバーグというブランドについて、テントへのこだわりやブランドの魅力を紹介しました。ここからはヒルバーグの2人用テント、スタイカについて紹介します。まずはスタイカの基本スペックを確認し、さらにスタイカの特徴や魅力を3つの点に絞って見ていきます。
室内の縦・横・高さ | 230cm×140cm×105cm |
---|---|
収納時サイズ | φ23×52cm |
最小重量(総重量) | 3.4kg(4kg) |
定員 | 2人 |
2人で使用しても快適な居住性
まず紹介したいのは室内の広さと前室についてです。
設営時の床の広さは230cm×140cm。通常のダブルサイズの敷き布団が200cm×140cmですので、2人で寝転んでも十分な広さということがわかります。また、これだけ縦の長さがあれば枕元や足元に2人分の荷物も十分置けます。
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2人で使用する際、室内高が100cm程度のコンパクトなテントの場合、出入り口が一箇所だと不便になりがちですが、スタイカには両サイドに出入り口があるので安心。十分な広さの前室が備わっているのも大きな特徴です。前室の広さは最も広い部分で80cmもあり、荷物の収納はもちろん、軽い煮炊きも十分に行えます。
これだけスペースが確保されていれば、2人でも安心して使用できます。
強度と重量の最適なバランス
続いてはスタイカの持つ堅牢さと本体重量のバランスについて紹介します。
スタイカはブラックレーベルに分類される4シーズンテントで、ヒルバーグのテントに設定された4つのレーベルの中でも過ごしやすさと強度にこだわって設計されたシリーズ。アウターテントに使用されているケルロン1800は、同社の製品の中でも上位クラスの18kg/40lbの引き裂き強度を誇っています。さらに持ち運びやすさに焦点を合わせたイエローレーベルやレッドレーベルよりも丈夫な10mmのポールを使用、設営時の圧倒的な安定性と堅牢性を実現しています。
しかし、総重量は4kgとやや重め。インナーテントとアウターテントとポールの最小重量が3.4kgです。2人用テントであればスタイカよりも軽いテントはいくつもあります。しかし、この強度と快適性、さらに後述する室内の広さや前室の有無を考慮するとスタイカは非常に軽いテントと言えるでしょう。この性能と重量の突き詰められたバランスこそスタイカ最大の魅力なのです。
自立式で、どんな地面でもすぐに設営できる
最後にスタイカの設営時の特徴としてお伝えしたいのが、完全な自立型のテントであるということ。これはフリー・スタンディング・モデルと呼ばれているもので、ペグダウンすることなく前室までもが自立するのです。つまり岩場や砂利の河原など、ペグが打てないような環境であっても設営可能です。
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スタイカの設営に必要なポールは3本のみで、このポールをスリーブに通してアウターテントのフックをポールに掛ければ完成。十分な前室と2人用の室内空間があるテントでありながら、手軽に設営できるのも大きなアドバンテージと言えるでしょう。
快適性と堅牢性を求める2人用テントならスタイカがおすすめ
ユーザー目線に立ったテント開発を続けることで丈夫さや軽量さ、快適性など、高い実用性を実現してきたヒルバーグ。その結果実用性を重要視するヘビーユーザーやプロが使う道具を使いたいと考える一般ユーザーから絶大な信頼を得ています。
そして今回紹介したスタイカは、2人用テントの中でも広さと重量の面で快適性を追求、さらにヒルバーグならではの堅牢性を高めたモデルで、タフに使える2人用のテントを探していた方にはピッタリ。丈夫で破れにくい生地であることに加え、ケルロンは経年劣化もしづらい素材なのできっと長年の相棒になることまちがいなしでしょう。
Aventure編集部