居住性の高いヴィムル ミッドガルドと連結すれば、グループキャンプも楽しめる
Aventure編集部
ノルディスク社のLegacyテントシリーズの新作、ヴィムル。4.8と5.6の2バージョンがあります。単体でも十分に居住性が高い上に、同社のミッドガルドと連結できるのが最大のポイントです。
ミッドガルドは、北欧の言葉で、「人間たちのふるさと」という意味があります。出かけるシチュエーションに合わせて、ヴィムルを点在させたり、両者を連結させながら10人前後の家族同士のグループキャンプや、グランピングのプランを立てることもできます。
この記事では、ソロキャンプからグランピングまで対応できるテント、ヴィムルを紹介します。併せて、ノルディスク社が発信する“ヒュッゲ“の背景にある、デンマーク特有の暮らし方についてもふれています。
バランスのよいライフスタイルがもたらす日々の幸福感
デンマークは、国連が発表する※「世界幸福度ランキング」上位の国。2021年度版では、フィンランドに次いで2位。バックグラウンドに、ライフワークバランスを重視したライフスタイルと、具体的なサポート体制の充実が挙げられます。
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例えば、職場のフレックスタイム制の導入、男女共に育児休暇をとることができる環境づくり、保育施設の拡充。幸福度ランキングでは149カ国中56位の日本にとって、モデルにしたいデンマークの暮らしかた。バランスのよいライフスタイルがもたらす他者とのつながりや寛容さも含め、コロナ禍の折、世界的にも注目を集めています。
※ 社会的支援や健康寿命、人生の選択の自由度、寛容さ、GDPなどに基づいて、国民の幸福度を測るもの
心身共にゆとりのある暮らしが育んだデンマーク・デザイン
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デンマークは、デザイン大国としても知られています。大量生産・大量消費の世にあっても、環境や人へのあたたかな視点を保ちながら、手仕事や伝統工芸を守り続けてきました。
代表的な例は、ロイヤルコペンハーゲン、レゴ。そして、名作<セヴンチェア>をはじめ、インテリアや食器、建築など暮らしにまつわるあらゆるものをデザインしたアルネ・ヤコブセン。園芸好きでもあり、植物たちの姿を取り入れたテキスタイルも手がけています。
使い勝手がよく、シンプルでモダンなデザインは、先に触れた伝統と、ゆとりのある暮らしぶりから生まれるものかもしれません。
自然を敬う、普遍的でモダンなスカンジナビアデザイン
デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの北欧3国にまつわるデザインは、「スカンジナビアデザイン」と呼ばれます。先の「デンマークデザイン」に加え、IKEA、ボルボなどが代表的なブランドです。
ノルディスク社のコットンテントシリーズには、北欧の神話にちなんだ名前が付けられています。アスガルドは燃える虹の橋を渡ると現れる世界、ミッドランドは人間たちのふるさと、ウトガルドは巨人の故郷。
自然に敬意を払うスタンスから生まれるスカンジナビアデザインは、シンプルで機能的。長く厳しい冬を室内で過ごすため、トレンドよりも飽きのこない普遍的なデザインが好まれるようです。ノルディスク社の手がけるアウトドア製品には、スカンジナビアデザインの伝統が脈々と受け継がれています。
1年を通して快適に過ごすことができるテクニカルコットン
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ノルディスク社のテントといえば、まず思い浮かぶのがオフホワイトの※コットンテント。グランピングの定番といっても過言ではないでしょう。その土地になじみ、内側のラウンジのようなラグジュアリー感は、屋外でのバンケットでフードコートに活用されるシーンも。
ヴィムルのフライシートには、Legacyシリーズ同様、テントテクニカルコットンが使われています。同社が創業以来取り扱ってきた上質なコットンに、ポリエステルを混紡した新素材。コットンの保温性と透湿性に、ポリエステルの耐水性が加わりました。
フライシートの耐水圧は350mm。100%ポリエステル素材に比べると弱めですが、揮発性が高く、フロアには耐水性と耐久性に優れた※ターポリンを使用しているので、トータル設計で雨露をよせつけません。
テクニカルコットンは、通気性のよさが魅力。夏は涼しく、冬は暖かく。通年快適に過ごすことができます。
※コットンテントシリーズには、フライシートにデニム、オーガニックコットンを使用したものもあります
※ターポリン:ポリエステルの織物を、柔らかい合成樹脂フィルムで挟んだビニール系素材の生地。主に横断幕や店舗幕に使用される。古くは、帆布生地にタールを塗り、船上の防水シートとしてつくられたのがはじまり
出典:[nordisk.eu](2020年新作 【ヴィムル4.8】レガシーテント|ノルディスク公式オンラインストア (nordisk.eu))
「ミッドガルド」と連結可能。まるで家を組み立てるよう。
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ヴィムルには、現在、4.8と5.6の2バージョンがあります。4.8は2〜3人用、5.6は2〜4人用。本体サイズを比べてみると、4.8は240x207x134cm、5.6は240x240x206cm。長さは同じですが、5.6は、ぐっと天井が高くなります。
いずれも、大型テントミッドガルドとジッパーで連結することが可能。ヴィムル本体だけでも大人が荷物をおいてもくつろぐことができるスペースがありますが、ミッドガルドの収容人数は6人~。例えば、ミッドガルドをリビングに見立て、2サイズのヴィムルを人数に合わせて連結することもできます。まるで、森の中に家を組み立てていくよう。
ヴィムルミッドガルド共に、レトロ感が漂うLegacyシリーズ。連結しても互いに浮き上がることなく、デザイン上も自然にサイズアップすることができます。
二股構造のポールを採用。より出入りがスムーズに
ヴィムルのポールは二股構造になっているため、ワンポールタイプと違って、出入り口が塞がれることがありません。センターポールがない分、リッジポールでテント本体の耐久性をアップ。フロアは作り付けのため、設営も簡単です。
同社のLegacyシリーズ・ユドゥンとかたちが似ていますが、ユドゥンは出入り口の中央にポールが立つ設計。フロアは、いずれもつくりつけです。また、ユドゥンはミッドガルドやヴィムルと連結することはできません。
まとめ
ヴィムルの2バージョンを比較してみると、価格としては4.8が115,500 円、5.6が124,300 円と、大きな差はありません。収容できる人数のほか、大きな差は高さにあります。身長が高い方は5.6、ハウス型よりもよりシンプルなテント型を好む方なら4.8、と趣向によるところが大きいかもしれません。
このシリーズの大きな利点は、大型テントミッドガルドとジッパーで連結できること。単体で十二分にスペースが確保できますが、フェス、ビーチ、グランピング、ファミリーキャンプ、グループキャンプまでプランの幅を広げることができます。
視点を変えれば、ファミリーだけでミッドガルドをリビングに、ヴィムル5.6をキッチンに、ヴィムル4.8を寝室に連結させて、”ヒュッゲ”を味わうこともできそうです。
Aventure編集部