スペックのカラーもカスタマイズできる、アスガルドのミニバージョン
Aventure編集部
グランピングやフェスなど、ファッショナブルなシーンで見かけることが多いノルディスクのコットンテント。最新作は、アスガルド テック ミニ。同ブランドの定番・アスガルドシリーズのミニバージョンです。
敢えてテント本体と部品を別パッケージにした作りで、部品のテーマカラーをアクセントに、洋服のようにテントを着替えることができます。
この記事では、定番のベル型テント・アスガルド 7.1と比較しながら、アスガルド テック ミニの特長を掘り下げます。併せて、ノルディスク社のこれまでの歩みと、グランピングシーンでの新しい試みについて紹介します。
好きな色を選べる軽量ベルテント・アスガルドミニ
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ノルディスク社の創設者・H.O.Langeは、デンマーク生まれ。1901年、家業の食料雑貨店を羽毛を取り扱う販売店Nordisk Fjerfabrik社へとシフトし、中国やニューヨークへ進出。やがて、ベッドリネンやダウンジャケットなども手がける世界ブランドへと成長しました。
1940年代、創業以来取り扱う羽毛と化学繊維をブレンドした寝袋を開発。1977年には初めてテントが誕生しました。さらに、フットウェアや調理器具などをそろえるアウトドアブランド・Caravanへと発展し、80年代に隆盛を極めます。
Caravanは、1990年代の破産を経て、2005年からノルディスクとしてリスタート。製品開発に原点回帰し、現在は、テント、バッグ、寝具、クッキングウェア、チェアに至るまで、アウトドアライフに必要なアイテムをそろえる世界屈指のブランドとなりました。
すべてのアイテムに、スカンジナビア・デザインの伝統を
ノルディスク社の受賞歴には枚挙にいとまがありません。2010年、ダウンジャケットPurityで「product design aword」の受賞を皮切りに、「ISPO AWORD」ではウェアMjeldeがウィナーに輝きました。「red dot design aword」「OutDoor INDUSTRY AWORD」では、ウェア、テント、シェルフ各部門共に受賞歴の常連に。
なかでも、寝袋Beringで「DANISH DESIGN AWORD 」にノミネートされたり、テントのミッドガルドで「SCANDINAVIAN OUTDOOR AWORD」を、テントのLofotenで「EUROPIAN PRODUCT DESIGN AWORD」を受賞していることが目を引きます。いずれも北欧、ヨーロッパがキーワード。
北欧で使用することを前提につくられたテントは、機能的。雨風、雪にも強いつくりです。白やアースカラーをベースに、でしゃばらず、森に溶け込むようなデザインから、自然への畏敬の念が自ずと立ち現れます。テントに限らず、すべてのアイテムに宿るスカンジナビア・デザインの伝統や背景については、レガシーシリーズの「ヴィルム」で詳しく触れています。
ヒュッゲを体感できる拠点を、世界に拡げて
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デンマークの言葉で、安らかで居心地のよい時間を”ヒュッゲ”と呼びます。ノルディスク社では、ヒュッゲの世界観を実感できる場を提案するプロジェクトをスタート。アルゼンチンのパタゴニアを始め、世界にグランピングの拠点を開発しています。
アスガルドを始めとするコットンテントシリーズを張り、ミニマルなスカンジナビア・デザインと、それぞれの地のローカリズムを融合させた体験を提供。インテリア・エクステリアのすみずみに至るまで余念がありません。
日本には、2018年、長崎県五島列島にアジア初の「nordisk village goto islands」が誕生。ヴァナヘイム、アスガルドでのグランピング、旧校舎をヒュッゲのマインドを活かしながらリノベーションした施設での宿泊。滞在中は、「世界文化遺産 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録された歴史やビーチ、夜空の星を体感できます。
これまでの観光に対する概念を覆し、新しい休日のあり方を提案。自然を敬愛する姿勢が評価され、2019年の国連(UN)のSDG Accelleratorプログラムに選ばれています。
2022年春には、SDGsの視点からも親和性の高い三重県いなべ市の宇賀渓に、アウトドアフィールド「Nordisk Hygge Circles UGAKEI」をオープン予定。自然を満喫できるキャンプエリアにコットンテントを常設し、コテージも開設。デンマークの建設会社と、日本のエンジニアチームがタッグを組み、建設にあたっているそう。完成が待ち遠しいものです。
設営が簡単。耐水性と揮発性を兼ね備えた生地で、快適空間
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2人でフェスに行ったり、グランピングするにもちょうどいいサイズ感のアスガルド テックミニ。同じベル型の先行モデルアスガルド 7.1と較べてみると、大きく3点が変わったようです。
保温性と透湿性に優れたコットン地に、ポリエステルを混紡した新素材「Nordiskテクニカルハイブリッドファブリック」を採用したことで、さらなる耐水性を実現。100% ナイロンの速乾性のあるルーフトップと防水フロアにシームテープがついているので、テントの内側まで雨水や露が浸み込んでくる心配がなさそうです。
「Turtle HubTMポールシステム」の開発により、テント本体のペグを打ち込むと自立する設計。最後にドア用のガイロープを打ち込む手間が省かれ、正面の入口から自由に出入りできるようになりました。通気性に優れたサイドウォールとドアも加わったため、さらに風通しがよくなりました。
ベル型「Asgard 7.1」とスペックを比較してみると
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アスガルド テック ミニは収容人数が2人までと限られますが、新設計によりポールが減った分、総重量がかなり軽くなっています。
生地はいずれも保温性と透湿性に優れたテクニカルコットンが採用されていますが、部分的に違う素材が用いられているよう。グランドシートはアスガルド 7.1は防水加工シート、アスガルド テック ミニは100% ポリエステル。アスガルド テック ミニのルーフには100%ナイロンが採用されています。
設営は、数種類のポールを使うドーム型のテントと較べると、いずれもシンプル。アスガルド 7.1はセンターポール設計、アスガルド テック ミニはテント本体のペグを打ち込み終えると自立します。
入口は、いずれもスムーズに出入りできますが、アスガルド テック ミニの前室ドアは、拡張することもできます。
出典:[nordisk.eu](アスガルド7.1 | nordisk.eu)
まとめ
公式オンラインストアをのぞいてみると、アスガルド テック ミニは、テントのみで価格88,000 円。同じぐらいの価格で、別ブランドでは全スペックがそろうケースもありますが、際立っているのは、テント本体のペグを打ち込むと自立するという設営の手軽さ。テント本体は4kg、別売の部品セットと合わせても6kg弱という軽量感も見逃せません。
別売のアスガルド ミニ カラー パックは、収納袋、ポール、ペグ、ガイロープ、ガーランド、ジッパープラーがセットになって23,650 円。トータル※10万円強でそろえるような感覚です。
3種からアクセントカラーを選ぶことができるので、部品セットを2種購入して、遊びに行くシチュエーションに合わせてカスタマイズすることもできます。
ソロキャンプで、カップルで気軽にアウトドアを楽しみたいときにおすすめのアイテムです。
※1パッケージの「アスガルド テック ミニ+カラー パック」は、111,650 円
Aventure編集部