こだわりの手仕事|グレンスフォシュ・ブルークの斧で薪を割る魅力とは
Aventure編集部
ヴァイキングの伝統を色濃く残すスウェーデンが生んだ最高の斧GRÄNSFORS BRUK(グレンスフォシュ・ブルーク)。抜群の機能性と切れ味を持つその斧は、薪割りや枝打ちのパートナーとして一生付き合える確かな品質を持っています。すべての工程を一人の職人が担い、最後に職人の名を刻印して斧に魂を込めるほどこだわっています。一つとして同じものはなく、使い込むごとに手に馴染むような独特な風合いを持っています。ナイフとは一味違う斧、その中でも最高峰のグレンスフォシュ・ブルークの魅力に迫ります。
グレンスフォシュ・ブルークとは
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グレンスフォシュ・ブルーク(以下:グレンスフォシュ)は、1868年頃には、ヨハンとアンダースのペターソン兄弟が鉄工所として創業しました。スウェーデンでは、19世紀後半から大規模な伐採が始まって林業熱が急速に高まりました。グレンスフォシュは森林伐採用具の需要が高まった頃の1902年から斧を製作しているスウェーデンの老舗ブランドです。
製品へのこだわり
現在では機械を使って大量に生産するメーカーが多い中、グレンスフォシュは今でも職人が最初から最後まで手掛け、「斧1本に対して職人は1人」という個別生産制を取っています。
そして、職人が満足できる品質のものを作れたときにのみ、職人が斧腹(刃の側面)に自分のイニシャルとスウェーデンの皇室認定マークを刻印します。もちろん、売りに出されている斧の全てにその刻印があります。
グレンスフォシュの特徴
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グレンスフォシュの斧が他社とはどう違うのか、どんなこだわりがあるのかについて解説します。
素材へのこだわり
柄には最高級のヒッコリー(ウォルナットの仲間)が使われています。ヒッコリーはスキー板にも使われる素材で、振動の吸収力がよく、強度と弾力性があり、疲れにくいのです。長さや形状、至る所まで計算し尽くされた柄は重心をヘッド(斧頭)に集中させられるため効率よく振り下ろすことができます。 柄の先の部分はアウトドア用の斧では珍しく、スチールカバーで覆われており、万が一柄先が薪に当たっても、破損することを防ぎます。もしも柄が折れてしまっても、替えの柄があるので長く使えます。
職人の手仕事によるヘッドの耐久性と鋭利さ
ヘッド部分は、金属を加熱して、ハンマーなどで叩き伸ばしていくことで、金属に粘り強さが生まれ強度が増します。 職人がひとつひとつ何度も熱して叩いて鍛えた「斧用スウェーデン鋼」は耐久性とナイフのような鋭利さを両立させており、調理や彫刻に使えるモデルもあります。
本革ケース付き
丈夫で厚みのある本革を使用したケース付きで、ヘッドをすっぽり覆います。ケースを固定するためのボタンにまでグレンスフォシュのロゴが刻印されていて、随所にこだわりが感じられます。
デザイン賞を受賞した鍛鉄工芸品
グレンスフォシュの斧は、1990年には「エコロジカル・デザイン賞」優秀賞、「スウェーデン最優秀デザイン賞」を受賞しています。無骨でシンプルなデザインはデザイン賞でも認められた“カッコよさ”があるのです。
各モデルの違い
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グレンスフォシュの斧には定番からリーズナブルな製品まであります。ここでは数ある斧の中から、おすすめの5点を紹介します。
ウッドチョッパー 439
枝や木を叩き割るのに適したモデルです。分厚いヘッドと短い柄がコントロール性を高めます。
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◆SPEC◆
【価格】¥23,100 (税込)
【材質】スウェーデン鋼/ヒッコリー
【刃体の長さ】 68mm
【柄長】 480mm
【斧身】1390g
引用:[cabinet|ウッドチョッパー439]
https://cabinet-online.jp/other-ja/moth-ax/7391765439000/
ハンター 418
薄いヘッドの斧は本来はハンティング用としてデザインされたものでしたが、枝を切り焚き付けを作るのに適しています。片手でも両手でも使え、料理の下ごしらえにもおすすめです。
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◆SPEC◆
【価格】¥27,170 (税込)
【材質】スウェーデン鋼/ヒッコリー
【刃体の長さ】 85mm
【柄長】 473mm
【斧身】600g
引用:[cabinet|ハンター418]
https://cabinet-online.jp/other-ja/moth-ax/7391765418005/
アウトドアアックス 425
枝払い、薪割り、彫刻はもちろんのこと、小屋作りに調理、ナイフとしても使え、これひとつで全てがまかなえるモデルです。 スウェーデンのサバイバル熟練者ラーズ・ファルトと、職人レナー・ペッテッションが共同開発した特別な斧です。
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◆SPEC◆
【価格】¥26,730 (税込)
【材質】スウェーデン鋼/ヒッコリー
【刃体の長さ】 63mm
【柄長】 375mm
【斧身】340g
引用:[cabinet|アウトドアアックス425]
https://cabinet-online.jp/other-ja/moth-ax/7391765425003/
ワイルドライフ 415
ベルトにつけることもできる手に馴染みやすいモデル。グレンスフォシュの中でも不動の人気を誇ります。
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◆SPEC◆ 【価格】¥20,020(税込)
【材質】スウェーデン鋼/ヒッコリー
【刃体の長さ】 80mm
【柄長】 345mm
【斧身】440g
引用:[cabinet|ワイルドライフ415]
https://cabinet-online.jp/other-ja/moth-ax/7391765415004/
ハンドハチェット 413
焚き付け作りや枝払いに適したモデルで、小さな動きで楽に作業できます。 ヘッド部分は人気のワイルドライフと同じものを使用しています。
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◆SPEC◆ 【価格】¥19,360 (税込)
【材質】スウェーデン鋼/ヒッコリー
【刃体の長さ】80mm
【柄長】 245mm 【斧身】440g
引用:[cabinet|ハンドハチェット413]
https://cabinet-online.jp/other-ja/moth-ax/7391765413000/
ダイヤモンドシャープナー GB4032
裏表で粗さの異なるダイヤモンド粒子を施したシャープナーです。刃先のメンテナンスのお供に。本革ケース付きです。
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◆SPEC◆
【価格】¥11,220 (税込)
【材質】工業用ダイヤモンド/柄:赤ブナ
【サイズ】 19×143mm
【斧身】40g
引用:[cabinet|ダイヤモンドシャープナーDB4032]
https://cabinet-online.jp/other-ja/moth-ax/7391765403209/
手入れの方法
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斧を長く使うためには手入れは必要不可欠。ここでは手入れ法について紹介します。
斧頭の手入れ
木のシブや松ヤニなどで汚れている場合は刃物クリーナーで汚れを落とします。斧がきれいになったら亜麻仁油を薄く塗ります。油を薄く塗ることでサビが防げます。
刃こぼれしてきた場合には砥石で研ぐのがおすすめ。
柄の手入れ
定期的にミツロウや油を塗って乾燥から防ぎます。ミツロウを塗ると、使い込んだような飴色に変化していきます。
柄が乾燥しすぎると、斧頭の緩みにつながり、振り下ろした際に斧頭が飛んでしまって思わぬ事故を起こすことがあるため、このメンテナンスは怠らないようにしましょう。
柄は交換できるため、メンテナンスを行ってもひび割れていたり柄が腐るなどして傷ついている場合は積極的に柄の交換をしてください。
斧の基本的な使い方の紹介
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手斧を使う際の注意点
今回紹介したコンパクトな手斧は大きい丸太を割るのには向いていません。薪を割るといえば「大きく振りかぶって(オーバーヘッド)割る」というイメージがありますが、手斧でオーバーヘッドをするとブレて体に向かって斧頭がきてしまい、大怪我をする可能性があるため、実は危険なのです。
手斧でのスタンダードな割り方
大きな丸太の台を用意して、できれば保護手袋をするのがよいでしょう。
まずは刃先をトントン、と薪に食い込ませてからスパッと叩き割るのが最も簡単で安全な方法です。
バトニング
薪に斧の刃先を食い込ませてから枝や丸太で斧頭を叩いて割るという方法もあります。力がない人でも簡単に薪を割れます。
台打ち
手斧と薪を一緒に持ち上げて、丸太の角で叩きます。刃先が深く薪に食い込んだら斧を捻って薪を割ります。
枝払い
枝の生えている方向に向かって刃を当てて、削ぐように振り下ろします。枝の股を割るようにすると刃先を傷めるので気をつけましょう。
ハンマー代わりに使う
斧は薪を割るだけでなく、斧頭を使えばハンマーがわりに使え、ペグダウンも行うことができます。
グレンスフォシュで焚き火をもっと楽しく
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デザイン賞で最優秀賞を受賞したグレンスフォシュの斧はシンプルで無骨なデザインと、その実用性の高さで古くからキャンパーに親しまれてきました。
1人の職人が手作業で最初から最後まで1つの斧を仕上げているため、ひとつとして同じ斧はありません。しかし、熟練の職人達が精密に作る斧には修正が必要になるような誤差はありません。
一つひとつこだわりを持って作られた斧だからこそ、メンテナンスをじっくり行い、自分の色に染め上げて長く使うことができます。そんな愛着を持てる製品だからこそ、薪割りも楽しくなり、焚き火をする際には一層喜びを感じられる時間となるでしょう。