真冬のキャンプは薪ストーブで快適に過ごす、注意点や必要なアイテムを紹介
Aventure編集部
真冬のキャンプは命の危険を感じるほど寒さを感じるものです。しかし、薪ストーブを使うことで暖かく快適に過ごすことができます。見栄えもよく、Instagramでも薪ストーブを使用しているキャンパーを頻繁に見かけます。今や定番のアイテムです。ただし、注意が必要なのが不完全燃焼によって一酸化炭素中毒を引き起こす危険性があること。設置する際には十分な知識を持ち、有毒ガスが出ないための配慮やアイテムが必要です。この記事では人気の薪ストーブと注意すべきポイント、危険回避のためのアイテムを紹介します。
キャンプで使う薪ストーブとは
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アウトドア用の薪ストーブと言っても様々なものがあります。どのように使いたいかにもよりますが、まずは基本的な薪ストーブの使い方や選び方を紹介します。
薪ストーブの基本的な使い方
①焚き火と同じように最初は小さな木片から火をつけます
燃焼時間の長い着火剤を入れるとよいです。
②薪ストーブの吸気口を開いて小さな薪から徐々に大きな薪にしていきます
煙突がある場合、上昇気流が発生して薪ストーブからの煙が出なくなる頃です。
③本燃焼になるまで、吸気口の開き幅を調節しながら薪が燃え尽きる前に次の薪を入れます
※新品の鉄製薪ストーブの場合は、塗装の焼き付けを定着させるため、しばらく小さい細めの薪だけで控えめに燃やして塗装表面から煙を出します。20分ほどして煙の量が減ってきたら薪を増やしていき、塗装を完全に焼き付けます。30分ほど燃やして煙が完全に出なく慣ればOKです。
薪ストーブを選ぶチェックポイント
①使用する際の人数に合わせたものを選ぶ
②調理に使用したい場合は、どんな調理ができるかを確認する
③雰囲気を楽しみたい場合はガラス窓があるものを選ぶ
④テント内で使う場合は必ず煙突があるものを選ぶ
⑤使用する薪の大きさに合わせたサイズを選ぶ
薪ストーブの材質ごとのチェックポイント
①サビにくく手入れのしやすいステンレス製
初心者でも手入れが簡単ですが、温まるまでに時間がかかります。
②温かく頑丈な鉄製
遠赤外線効果でよく温まりますが、サビには弱いので手入れの際は注意が必要です。
燃焼タイプで選ぶ
二次燃焼タイプのものを選べば、一次燃焼で出た煙に空気が入り煙が燃えて燃焼効率がよくなるため、火力も強くなり煙がクリーンで少なくなります。
事故を起こさないために必要な考え方
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設置の仕方を間違えたり、煙突のすすが溜まっていたりすると、煙の逆流や煙の熱でテントなどに火がつく恐れがあり、使い方を誤ると非常に危険です。どんなことに注意すべきか、徹底的に解説します。
一酸化炭素中毒
煙突がすすで詰まっていたり、強風で排気が逆流すると、炉内の酸素が低下し、一酸化炭素が発生することがあります。設営の前には煙突に詰まりがないかすみずみまで確認し、連泊の際には必ず毎日煙突を掃除しましょう。
煙突の高さが正しく確保されていない場合にも上昇気流が発生することがなくなり排気が逆流することがあります。L字型の煙突の場合には横に伸びている長さよりも縦に伸びている長さを2倍以上にする必要があります。
火災
薪ストーブ自体が非常に高温になるため、設置を誤ると煙の熱でテントに火がつく恐れがあります。また、火の粉の爆発などで室内に着火してしまう恐れもあるため、適切な温度を保ち、使用するテントの素材などに気をつけます。また、薪ストーブの周りには燃えやすいものを置きません。
薪ストーブにより最適な燃焼温度は変わりますが、必要以上に火力を上げてはいけません。家庭用薪ストーブだと適正な温度は400℃ほどなのですが、アウトドア用の薪ストーブでは温度は300℃前後を保つようにしてください。難燃焼性が高いといわれているコットンが燃焼する温度は400℃なので、温度が上がりすぎると火事が起きやすくなり、危険です。
火傷
薪ストーブは当然、煙突だけでなく本体も熱くなります。子連れのファミリーキャンプなどでは子供が直接薪ストーブに触れないよう、ストーブガードを準備するなどし、火傷を防ぎましょう。
また、本体の下から出る輻射熱により、地面が芝生だと燃えてしまいます。自然を愛するキャンパーなら、必ず薪ストーブの下に不燃性の板や焚き火台シートなどを敷いたり、高さの工夫をしたりしてください。
薪ストーブの種類
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薪ストーブにも様々な種類があります。ここではキャンパーに人気があるものやこれから人気が出そうなものをピックアップして紹介します。
ホンマ製作所|クッキングストーブ
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ミリタリーグリーンが無骨な印象でかっこいいストーブです。しかもなんと、お値段驚きの1万円以下。直径350mmの大きな組蓋の上でフライパンや鍋、ダッチオーブンなどを使って本格的な調理が可能です。
◆SPEC◆
【価格】¥9,300 (税込)
【材質】本体:鉄 / 煙突:亜鉛めっき鋼板
【サイズ】本体:φ350xH425(煙突含:940)mm/煙突:φ100mm
【重量】 約6kg
【付属品】エビ曲、半直筒、T笠、目皿
引用:[ホンマ製作所|クッキングストーブ]
アネヴェイ|フロンティア ストーブ プラス
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イギリスのアウトドアブランド、「アネヴェイ」のスタイリッシュな薪ストーブです。ガラス窓がついていて、薪ストーブの雰囲気を楽しむことができます。もちろん、薪ストーブの上で調理することも可能。付属の煙突パーツを全て本体に収納することができ、携行性に優れています。設営も簡単で、脚の長さや煙突の長さは状況に応じて変えることができます。
◆SPEC◆
【価格】¥64,680 (税込)
【材質】スチール
【サイズ】本体:横28×奥行49×縦23cm(※煙突&脚含まず)/本体最大高さ(煙突セット時):脚延長時 278cm・脚収納時 270cm/本体脚:18、25cm(地上から本体下部まで)/煙突径:10.16cm 【重量】 約16.5kg
【付属品】煙突×5、スパークアレスター×1
引用:[plywood|アネヴェイ フロンティア ストーブ プラス]
ジーストーブ|Heat View
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ジーストーブはノルウェーのポータブルストーブです。ステンレス製なので、大きさの割に重量はありますが、お手入れは簡単。サビにも強いのが特徴です。オプションパーツが豊富なので、自分好みの薪ストーブにしていく楽しみがあります。
◆SPEC◆
【価格】¥51,700 (税込)
【材質】スチール 【サイズ】組み立て時:高さ240cm(煙突含む)×幅22×奥行き39cm/組み立て時脚(幅):42×42cm/収納サイズ:幅24cm×奥行き42×高さ33cm
【重量】 9.3kg
【付属品】本体×1、煙突蓋×1、煙突×6、火格子×2、灰落と使用スクレーパー×1
引用:[Alpen|ジーストーブ Heat View ]
寿産業|FIREGRAPHIX BLISS-SP
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二次燃焼システムによる高い燃焼効率でオーロラバーンも美しく、排気もクリーンな薪ストーブです。究極のアウトドア用薪ストーブを作ることをゼロから目指して、職人の匠の技で作られました。所有欲も満たしてくれる高いデザイン性も魅力のひとつです。
◆SPEC◆
【価格】¥107,800 (税込)
【材質】鉄1.2mm/耐熱ガラス
【サイズ】収納時:縦319mm×横431mm×奥行435mm/組み立て時:縦360mm×横431mm×奥行567mm/燃焼室:縦196-138mm×横395mm×奥行322mm/煙突径:Φ106/BLISS本体+ポータブルスタンド+オーバーレイチムニーの高さ: 約204cm/BLISS本体+ステーショナリスタンド+オーバーレイチムニーの高さ: 約210cm
【重量】17kg
引用:[寿産業|FIREGRAPHIX BLISS-SP ]
ペトロマックス|ロキ2
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ドイツのブランド、ペトロマックスのポータブル薪ストーブです。実用性と機能性を兼ね揃えた無駄のないスタイリッシュなデザインです。組み立ても簡単で、使いやすさを徹底的に追求されているのに、4万円台と驚きの価格です。
◆SPEC◆
【価格】¥46,200 (税込)
【材質】スチール製
【サイズ】収納時:33 × 52 × 33㎝/組み立て時:55 × 84 × 241㎝
【重量】 12㎏
引用:[スター商事|ペトロマックス ロキ2 ]
事故を防ぐための便利グッズ
薪ストーブは冬場のキャンプの強い味方ですが、冬キャンプとなると防寒着もあるため、ストーブをそこまで高温にする必要はありません。ここでは、火災や一酸化炭素中毒を防ぐための便利なグッズを紹介します。
温度計
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アウトドア用のポータブル薪ストーブに最適な温度は300℃前後。煙突や本体に付けられるマグネットタイプの温度計だと簡単に温度管理ができます。
一酸化炭素警報機
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一酸化炭素を検知した際に数値で表すものがおすすめです。アラームが鳴るほどではなくても微量に検出しているときに、数値の上昇でいち早く気付くことができます。
消火器
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薪ストーブを使用する際に最大のリスクといえば火災です。万が一薪ストーブから出火したら、ポータブル消火器で消火することも大事ですが、周りに大声で出火を伝えることも忘れないでください。消火器はエアゾール式がおすすめです。また、同時に水を2L以上用意しておくのも有効です。
十分な知識を持って快適な冬キャンプを過ごそう
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薪ストーブの危険性について知ると、少し敷居が高くなってしまうかもしれませんが、正しい使い方や注意点をマスターして、使い方を誤らなければ冬キャンプが一気に快適になる薪ストーブ。
この冬のキャンプではぜひ薪ストーブを導入して、暖かさに癒さられるだけでなく、揺らめく炎に魅せられてみてはいかがでしょうか。