Technics SL-1200の歴史と種類の一覧を徹底解説!
Aventure編集部
松下電器産業が産んだターンテーブルの金字塔である「Technics SL-1200シリーズ」は、DJの世界にそれまでなかった「遊び」の要素をもたらし、後のディスコやクラブで活躍するDJのプレイスタイルを変貌させるほどの革命をもたらした歴史的名機です。発売から2022年で丸50周年を迎えますが、いまだに根強いファンが大勢いることもこのシリーズの魅力的なポイントといえるでしょう。この記事を読むことで「Technics SL-1200シリーズ」の歴代名機の特徴を比較して、どの機種を購入するか決めるための参考にしてみてください!
Technics SL-1200とは
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Technics SL-1200とは、パナソニックが50年近くに渡って発売し続けているDJターンテーブルで、ディスコやクラブでDJの手助けをし続けてきました。この名機は今でも日本のみならず世界中に愛好家がたくさんいて、今も最新の技術を取り入れながら進化を続けています。
では、そんな世界中のDJたちに愛される名盤であるTechnics SL-1200は発売からどのような歴史を歩んできたのでしょうか。
次の章で解説していきます!
Technics SL-1200の歴史
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Technics SL-1200の最も最初のシリーズである「SL-1200」は1972(昭和47)年に発売されたDJテーブルです。「Technics SL-1200シリーズ」は世界中に広まり、DJなどの音楽業界では「ターンテーブルといえばTechnics」と連想できるくらいに認知が広まりました。
DJが主にプレイするディスコやクラブでは、パイオニアのPLX-500が出てくるまでは「Technics SL-1200シリーズ」の独壇場となっているほど人気のターンテーブルでした。
2010年に一時生産を終了しましたが、それまででも40年近くの販売期間で累計350万台の販売台数を叩きだしていました。そして、一時生産終了の6年後である2016年に限定モデルである「SL-1200GAE」が発売され、DJを魅了しつづけた「Technics SL-1200シリーズ」が復活したのです。
Technics SL-1200が世界中のDJを魅了する理由
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Technics SL-1200が世界中のDJを魅了し続ける理由、それはすぐにスタート・ストップを行える「ダイレクトドライブ方式」を頑なに採用し続ける点です。ターンテーブルのスタート・ストップがすぐに行えるということは、モーターやベルトを痛めつけることなくレコードを回し続けることができるので、一般のDJでない人でも「DJごっこ」ができました。
他のターンテーブルがレコードを回すスピードを早めたりしたら、たちまち壊れてしまいますが、「Technics SL-1200シリーズ」はそのようなことがありませんでした。この早くレコードを回しても壊れないというのは、当時革命であり急速に「Technics SL-1200シリーズ」が広まり、いまだに世界中のDJたちから愛され続ける理由なのです。
Technics SL-1200の種類一覧
では、世界中を魅了する「Technics SL-1200」のDJ向けモデルの一覧を初期シリーズから最新シリーズまで紹介していきます。
SL-1200 MK2
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1979年に発売された「Technics SL-1200 MK2」は、DJ向けターンテーブルの草分け的存在となっています。先ほど解説した耐久性に優れた作りと強靭なトルク、振動に強いキャビネットは当時ディスコやクラブで鳴らしていたDJたちに突き刺さり、瞬く間に人気を得ました。この「Technics SL-1200 MK2」こそディスコやクラブにおけるミュージックシーンを変えた革命的存在であり、ヨーロッパでは30年以上に渡って販売され続けました。
SL-1200 MK3
「Technics SL-1200 MK3」は先代のMK2の発売から10年後となる1989年に発売されたDJ向けターンテーブルです。基本的な性能は先代のMK2とほとんど変わっていませんが、強靭なトルクと耐久性の高さは相変わらずであり、「SL-1200シリーズ」の中でも普及率が非常に高いモデルの一つになっています。
SL-1200 MK3D
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「Technics SL-1200 MK3D」は先代のMK3が発売されてから9年後の1998年に販売が開始されたDJ向けターンテーブルです。MK2やMK3との違いは、ピッチリセットのボタンが搭載されたことや電源ボタンに間違って指や手が当たった時の電源切れがなくなるように電源ボタンがクリック式ではなく回転式に改良されています。
SL-1200 MK5
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「Technics SL-1200 MK5」は2002年に販売が開始されたDJ向けターンテーブルです。SLシリーズの販売開始からちょうど30年を迎えた記念版のターンテーブルであり、先ほど紹介したMK3Dと比較しても内外装や機能追加がなされています。特徴としてライトにLEDが採用されたことやヒューズの搭載により、過電流の防止を実現するなど、安全性の向上にも力を入れています。
SL-1200 MK6
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「Technics SL-1200 MK6」は2008年に販売が開始されたDJ向けターンテーブルです。現在のパナソニックになる前の松下電器産業で発売された最後のターンテーブルであり、先ほど解説した「Technics SL-1200 MK5」シリーズをベースとし「Technics SL-1200 MK5G」の音質を取り入れたモデルで、MK5+MK5Gのハイブリッドのような形になっています。外観もLEDライトが青色に変更されたり、ベースのアームが付属するように改良が施されました。
SL-1200MK7
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「Technics SL-1200 MK7」は2019年に販売が開始されたDJ向けターンテーブルです。先代のMK6以来11年ぶり発売される「Technics」ブランドの製品であり、MK6を上回るレベルのトルク性能を実現したことや、パナソニックならではのブルーレイディスクで培った技術を応用したマイコンによるモーター制御で、幅広いDJのプレイに対応が可能となりました。他にもピッチが±8%と±16%の2段階で調整できるようになったり、MK6以上のハイテク化を実現しています。
DJ用ターンテーブルの名機「Technics SL-1200」
「Technics SL-1200シリーズ」は、松下電器産業(現:パナソニック)が生み出したDJターンテーブルの金字塔的存在であり、いまだに信奉者が多いターンテーブルです。これまで数多くのシリーズが発売されてきましたが、どれもまだまだ現役で使えるものばかりなので、ぜひ一度お店に行ってみて手にとって確かめてみましょう。