本物の道具にこだわるブッシュクラフターからも選ばれる|ヘレナイフおすすめ5選
Aventure編集部
有名キャンパーも愛用していることで一躍人気になったヘレのナイフ。ノルウェーで職人が1本1本丁寧に作っており、見た目や機能ともに一級品です。ナイフは調理に使えるだけでなく、一歩踏み込んだキャンプ、「ブッシュクラフト」の必需品で、“本物”の道具にこだわるブッシュクラフターから人気を集めています。
そんなヘレのナイフには約35種類ものモデルがあり、どれを選べばいいか迷うことも。今回は数ある中からどのように自分に合ったナイフを選べばいいのかや、AVENTURE編集部おすすめのナイフを紹介していきます。
ヘレナイフの魅力
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ヘレのナイフは本物の道具にこだわるブッシュクラフターからも選ばれる名品です。そんなヘレナイフの魅力を、ヘレの歴史から紐解いていきます。
ヘレナイフの歴史
1932年にノルウェーで創業したヘレは、親子3代にわたって経営しているナイフのブランドです。当時失業中だったステイナーとシグムンドのヘレ兄弟が父親の農場で道具作りを始めたことからブランドの歴史がスタートします。
そこで1932年にシースナイフを製作したところ、地元で評判になり、さらに販路拡大するため、自転車で565km走り、オスロへ向かいます。自転車で565kmといっても、オリンピック種目となった男子ロードレースでさえも約244kmですから、相当な距離です。そして、オスロでの販売が成功し、大きな転機となってナイフブランドとして確立していきました。
ヘレナイフの特徴
ヘレナイフは、ノルウェーの厳しい自然環境にも立ち向かえるように作られたナイフです。50人の職人が1本1本手作業で製作しており、手作りの温かみがあります。しかし、決められた45の工程を守り作られているため、1本として同じものはないオリジナリティ溢れるナイフですが、確かな品質は守り抜かれています。
さらに、木製の柄にはそれぞれ特徴的な模様が描かれていて、1本1本がオリジナルなナイフなのです。
種類が豊富
ヘレナイフは、35種類ものラインナップがあり、種類が豊富なことがメリットですが、逆にその種類の多さから、何を買えばいいか迷ってしまうことがあります。 しかし、
〇ハンドル形状や素材
〇刃長や刃厚
〇ブレードの素材
とそのナイフそれぞれの特徴から、料理やブッシュクラフト、バトニングなど、使いたい目的に合わせて選ぶことができます。
丈夫なトリプルラミネート加工
ヘレのナイフの多くはブレードが3層になっており、「トリプルラミネート加工」がされています。中心と側面を違う鋼材を使うことで強度を高めて、同時に耐食性も高めています。
>ヘレナイフの選び方
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豊富な種類がメリットでもあるヘレナイフ。ですが、実際購入を考えるとどれを選べばいいのかわからなくなってしまうこともあります。ここでは、ナイフの選び方を解説します。
用途で選ぶ
ナイフ選びで1番重要なのは、どんな目的で使うのか、ということ。そこで刃の形状や刃厚、刃長が変わってきます。ナイフを使う目的は主に以下の通りです。
〇調理
〇バトニング
〇ブッシュクラフト
〇キャンプ全般
調理に使う際は、ブレードもハンドルもコンパクトで、刃厚は薄い方が素材の切れ味がよくなります。
バトニングやブッシュクラフトなど、強度を求める場合には刃厚がしっかりとしたもの(最低でも3mm以上)で、刃長は10cm以上のものにしましょう。そして、ブレードがハンドルの後ろまで貫通しているタイプの「フルタング」のものがひねりや叩きへの強度が高くおすすめです。
キャンプ全般をナイフでこなしたい場合、強度が重要な要素となります。バトニングをすることを考えると、刃厚がしっかりとしたものが必要になります。刃厚が薄めのものが好まれる調理には適さず、繊細な動きは苦手になるので、調理は下ごしらえ程度と考えるのが良いでしょう。
デザインで選ぶ
ヘレナイフはそのデザインに惚れ込んで使っているキャンパーもいるほど、デザイン性の高いナイフです。
天然木を使ったハンドルの装飾や、ブレードの形状、革のシースなど、所有欲が満たされる要素が満載。どれにするか迷った場合は使用用途を決めた上で、好きなデザインのものから選ぶのが1番です。
ブレード素材で選ぶ
ヘレナイフのブレード素材は一般的なナイフと同様に、
〇カーボンスチール
〇ステンレススチール
の2種類に分かれます。
カーボンスチールとステンレススチールにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
素材 | メリット | デメリット |
カーボンスチール | 切れ味がよい | サビやすい |
ステンレススチール | サビに強い・手入れが簡単 | カーボン製に比べ切れ味が劣る |
カーボン製はバトニングやブッシュクラフト、調理をすることが多い場合に向いています。しかし、使用後はしっかりと水分や木材の油分を拭き取り、丁寧に手入れすることが必要です。 その一方でステンレス製はサビに強く手入れが簡単なため、初心者に向いています。ナイフの扱いに慣れていない方は、手入れが簡単なステンレススチールからデビューするといいでしょう。
おすすめヘレナイフ5選
ディディ ガルガル
今やキャンプ系ユーチューバーとしても人気を集める、芸人のヒロシさんが愛用していることでも有名なディディ ガルガル。
この名前はケニア北部のディディガルガル砂漠にちなんでつけられました。アフリカ大陸横断旅行にも耐えられる、というコンセプトで作られたディディ ガルガルは、ブレードがハンドルの後ろまで貫通しているタイプのフルタング仕様。刃長もあり、重さも十分あるので、大きな薪のバトニングも楽々。持ちやすさとバトニングのしやすさを重視するなら、このディディ ガルガルをおすすめします。
本革のシースにはアフリカ大陸が刻印されているのもニクい演出。
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◆SPEC◆
【価格】¥21,450 (税込)
【材質】刃:ステンレススチール(Sandvik 12C27 stainless steel) /柄:ケボニー/シース:本革
【サイズ】刃長:129mm/刃厚:3.0mm/柄長:120mm
【重量】ナイフ重量193g/シース重量57g
【付属品】クロス
【デザイン】Voetspore
引用:[upi|HELLE DIDI GALGALU]
テマガミ ST(ステンレス)
テマガミはディディ ガルガルよりも少し小さいサイズ。名前はカナダの地名に由来します。刃は、先端に向かって切っ先が下がっていく形状のドロップポイントです。テマガミにはカーボンスチールのものもありますが、今回紹介するのはステンレススチールのもの。
テマガミは、小ぶりな分扱いやすく、調理やフェザースティックを作るのに適しています。 トリプルラミネートのステンレススチールなので、強度は十分、サビにも強く、ブッシュクラフト全般におすすめです。しかし、テマガミはフルタングではなく、ハーフタングのため、大きな薪のバトニングには向いていません。
ただ、ハーフタングのナイフはその分軽くなり扱いやすいため、バランスのよいナイフだといえます。握ったときに指を怪我しないよう、人差し指の部分に反り返ったガードがあり、ブッシュクラフト(特に繊細な作業のフェザースティック作り)には最適です。
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◆SPEC◆ 【価格】¥17,490 (税込)
【材質】刃:トリプルラミネートステンレススチール /柄:カーリーバーチ/シース:本革
【サイズ】刃長:110mm/刃厚:3.0mm/柄長:120mm
【重量】ナイフ重量155g/シース重量60g
【付属品】クロス
【デザイン】Les Stroud
引用:[upi|HELLE TEMAGAMI ST]
エゲン 12C27
ヘレナイフの中では比較的手に入れやすい価格のエゲン。幅広い用途で使用できる真のオールラウンドナイフとして、ヘレスタッフ内でも人気のモデルです。世界中で多くのキャンパーから愛されている「エゲン(ラミネートステンレススチール)」ですが、今回紹介する「エゲン 12C27」は新たなブレードのモデル。 デザインやホールド感は変わりませんが、ブレードは単層構造のサンドビック社製スチールが採用されました。
これまでのエゲンとは違い、ラミネート加工されていない完全硬化ブレードなので、刃のしなりがありません。ブレードの背を直角に研ぐことで、ファイヤースターターで火を起こすことも可能になり、よりブッシュクラフトに近い存在となりました。
ハンドルの太さと長さはテマガミよりもひとまわり小さく、コンパクトです。 エゲンもテマガミと同じくフィンガーガードがあり、刃もドロップポイントです。 スティックタング(ハンドル内部のブレードが露出部分より細くなってハンドルの後ろまで到達している)の端部分に合わせたシルバーのステッチ入りのブラックレザーのシースが付属します。
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◆SPEC◆
【価格】¥13,200 (税込)
【材質】刃:サンドビック社製ステンレススチール 12C27 /柄:カーリーバーチ/シース:本革
【サイズ】刃長:101mm/刃厚:2.9mm/柄長:110mm
【重量】約130g (シース込み)
【付属品】クロス
【デザイン】Gunnar Lothe
引用:[upi|HELLE EGGEN 12C27]
ワバキミ
テマガミ、マンドラをデザインしたLes Stroudの新作です。マンドラの丸みのあるコンパクトなブレードと、テマガミの人間工学に基づいた握りやすいハンドルを併せ持ったナイフです。テマガミと同じようにハーフタングなので、扱いやすく強度も十分です。 刃長は短めなので、ハードなバトニングには向きませんが、フェザースティックや木工などの細かい作業におすすめです。
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◆SPEC◆
【価格】¥17,600(税込)
【材質】刃:トリプルラミネートステンレススチール /柄:カーリーバーチ/シース:本革
【サイズ】刃長 :84mm/刃厚:3.0mm/柄長:117mm
【重量】ナイフ重量135g/シース重量47g
【付属品】クロス
【デザイン】Les Stroud
引用:[upi|HELLE WABAKIMI]
オーブ
北欧で代々受け継がれてきた伝統的な工法で作られたオーブ。ハンドル部分はバーチに革、鹿の角で作られた模様がひときわ美しく、所有欲を満たしてくれます。
バトニングができないわけではありませんが、刃長と強度がやや足りないため、ハードな使用よりも調理やフェザースティック作りなど繊細な作業におすすめです。 ブレードが薄いため、ストレスなく食材をカットできます。
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◆SPEC◆
【価格】¥16,280(税込)
【材質】刃:トリプルラミネートステンレススチール /柄:バーチ、鹿の角、革/シース:本革
【サイズ】刃長:89mm/刃厚:2.6mm/柄長:107mm
【重量】ナイフ重量86g/シース重量25g
【付属品】クロス
引用:[upi|HELLE ARV]
ナイフのメンテナンス
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ヘレナイフはメンテナンスを怠らなければ、一生涯を共にできるように設計されたナイフです。ここからはメンテナンスの方法を学んでいきましょう。
ナイフの研ぎ方
ヘレのナイフは、角度の違いはあれど、全てのモデルが、研ぎやすいといわれている「スカンジグラインド」です。
とはいえ、やはり今まで刃物を研いだことのない人には難しいので、スカンジグラインド向けの研ぎ方の解説動画を見てポイントをつかみましょう。
長く使うためのポイント
ヘレ本国のサイトより、長く使うための注意点を意訳しました。 じっくり長く使えるようにしっかり守り、メンテナンスを怠らないようにしましょう。
- 使用後はナイフをきれいにして、しっかり乾燥すること
- 肉や魚を切った際にはお湯と中性洗剤でナイフをすすぎ、柔らかい布で拭いて水気をしっかりと拭き取ること
- ハンドルは定期的にオイルやワックスを塗り込むこと(ミツロウなどの天然製品がベスト)
- ブレードをグリースやオイルで保湿すること(カーボンスチールの場合は特に重要)
- シースをレザーオイルなどで保湿するすること
- シースは濡れた際には常温でしっかり乾かすこと
- 木材やレザーは火やヒーターでは乾かさないこと
お気に入りのナイフを自分で育ててキャンプの相棒に
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手入れをしっかりすれば、一生涯の相棒になるヘレのナイフ。「本物の道具」にこだわるブッシュクラフターも選ぶ名品揃いです。
たくさんの種類の中から、自分の使用用途に合った好みのナイフを選ぶことから楽しみは始まります。こだわりを持って選んだナイフは、所有欲がかきたてられることは間違いなし。
そんな大切なナイフを愛用するには、メンテナンスが重要です。ブレード、ハンドル、シースにオイルを塗り込んで、保湿を忘れず、ときにはブレードを研ぐなど、手がかかります。それでも、じっくりとメンテナンスすることで「自分色」に染めて育て上げられ、ひとしおの思い入れが湧くことでしょう。