燻製器の使い方をマスターしてキャンプの新たな楽しみを広げよう
Aventure編集部
自分で燻製する、と聞くとちょっと難しそうなイメージを抱くかもしれませんが、実はポイントを抑えればそこまで難しくないのです。また、燻製器によっては自宅でもできるものがあり、家でも外でも楽しめます。スモークされたチーズにナッツ、ベーコンなどはお酒に合うこと請け合い。今回は燻煙器の使い方とAventure編集部おすすめの商品を紹介します。
燻製とは
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燻製とは、食材を燻煙することで香り付けをするとともに保存性を高める調理法のことで、スモークとも呼ばれます。燻製の1番の魅力は、高級食材を用意しなくても味が劇的に変わり楽しめること。
その風味豊かな独特な香りはお酒との相性もよく、おつまみとしても親しまれています。ただし、燻煙している間は独特の香りが出るため、キャンプ場などでは周囲への配慮も必要です。
燻製の種類
煙で燻すことで作られる燻製ですが、燻製の方法にはいくつかあります。ここからはそれぞれの燻製方法について紹介します。
熱燻法(ねっくんほう)
スモークチップを使い、80℃から140℃の高温で短時間(10〜60分ほど)燻煙をかける燻製法で、塩漬けや乾燥時間が短いため、保存には向かないのですが、初心者でも手軽に行える方法です。短時間で手軽に楽しめるので、アウトドアでの燻煙にも向いています。
仕上がりはジューシーで、主にスモークチキンやスモークステーキ、スモーク牡蠣など旨味の強い肉や魚介系が向きます。
温燻法(おんくんほう)
スモークウッドを使い、30〜80℃で数時間〜1日程度燻煙をかける方法で、最も一般的な燻煙方法です。完成した燻製の水分量は50%と高めなので、長期保存には適していませんが、ほどよい塩気で口当たりも柔らかいため、味はピカイチです。外気温に左右されないことも取り掛かりやすいポイントです。
ソーセージやベーコン、熱をあまり加えたくない半熟卵にスモークチーズ、いぶりがっこ(たくあん)などがおすすめです。
冷燻法(れいくんほう)
冷燻法は15〜30℃で長時間燻煙をかける方法で、塩漬けなどの下ごしらえや乾燥時間、温度管理などが大変なので、初心者には難しい方法です。できあがりの歯応えは硬く、噛めば噛むほど味が出る1番燻製らしい仕上がりになります。
冷燻法では、スモークサーモンなどが有名です。水分量は40%程度になるので、長期保存も可能です。
基本の燻煙法
ここでは、基本的な燻煙法でなく、アウトドアでも気軽に取り組める熱燻法を紹介します。初めて試す場合は、火が通っていない状態でも食べられるチーズやナッツ、牡蠣などがおすすめです。
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1.スモーカー内に食材をセットする
調味液や下ごしらえが必要な場合もありますが、アウトドアでの簡易的な燻製なので省略します。食材の表面に水気がある場合には、しっかり水分を拭き取りましょう。
2.スモーカーの1番下にスモークチップをセットする
スモークチップに食材や汁が落ちそうな場合はアルミホイルを敷くとチップに垂れません。
3.スモーカーの扉を閉め、コンロやバーナーの火をつける
スモークチップからすぐに煙が出るため、チップが燃え上がらない程度の火加減にします。 燻製中はときどき中を確認し、仕上がりを確認する。
4.出来上がり
いい頃合いに色づいたら、火を止めて具材を取り出します。
燻煙器を使う上での注意点
スモークウッドやチップが燃焼するためには酸素が必要になりますが、燃焼具合がよくない場合にはフタやドアに隙間を作り、調節します。
燻製器の選び方
燻製器の選び方
燻煙器にはさまざまな種類があり、段ボール等で自作することも可能です。
熱燻法・温燻法・冷燻法とどんな燻煙法をしたいかによっても選ぶ燻煙器が変わり、燻煙器の大きさが3種類の燻煙法に大きく関係します。長時間低温で燻煙しなければならない冷燻法では熱源と食材の距離が離れる大きな燻煙器が必要です。
食材と熱源が近ければ近いほど、温燻法→熱燻法と変わっていきます。
今回は初心者でもアウトドアで使いやすいAventure編集部おすすめの燻煙器をピックアップしました。
アウトドアで燻製といったらこれ!SOTO いぶし処 お手軽香房
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本体の正面がフルオープンでき、食材やスモークチップ・スモークウッドのセットがしやすく、初心者にも使いやすいです。熱燻法、温燻法どちらも楽しめます。また、小さく畳めるので持ち運びにも便利です。
◆SPEC◆
【価格】¥2,810(税込)(Amazon価格)
【サイズ】使用時:222×194×415mm/収納時:230×40×440mm
【重量】2.0㎏
【材質】フタ・チップ皿:鉄(メッキ鋼鈑)/網:鉄(亜鉛メッキ)/フック:ステンレス/つまみ:天然木
【セット内容】本体/フタ/燻煙網(2枚)/チップ皿(1枚)/つり下げフック(3本)/木製つまみ(2個)
引用:[新富士バーナー SOTO|いぶし処 お手軽香房]
コンパクトでもしっかり使える!snow peak コンパクトスモーカー
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2段構造になっているので、コンパクトながらたくさんの食材を入れることができます。 魚をまるごと燻製するのにもちょうどいいサイズ。折り畳みのハンドルがついていて、持ち運びにも便利です。鋳物や金属の街、新潟県燕三条産なだけあり、質のよいステンレス製でお手入れも簡単。
◆SPEC◆
【価格】¥11,000(税込)
【サイズ】315×220×165mm
【重量】1.5kg
【材質】本体:ステンレス0.5mm厚/ネット・汁受け皿:ステンレス/ツマミ:天然木
引用:[snow peak|コンパクトスモーカー]
自宅のキッチンでも使える!SOTO いぶし処 スモークポット コロ/ドン
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キッチンでも手軽に燻製ができる、陶器製のスモーカーです。陶器製なのでしっかり火を通し、燻煙が滞留するのであっという間に燻製ができあがります。
まるっとしたデザインがかわいい「コロ」と、どっしりしたタイプの「ドン」の2種類あり、ドンは温度計が直接食材に触れないタイプです。陶器製のため、IHには対応していません。
◆SPEC◆
【価格】¥5,280(税込)
【サイズ】コロ:直径230×165mm/ドン:直径約230×高さ約145mm
【重量】コロ:1560g/ドン:1580g
【材質】鍋本体:耐熱陶器/フタ:磁器/金網:鉄(クロームメッキ)
【セット内容】本体/温度計/オリジナルレシピ集
【カラー】藍/うぐいす/つばき
引用:[新富士バーナー SOTO|いぶし処 スモークポット Coro/Don]
燻煙材の選び方
どんな燻煙法をしたいかにより、形状を使い分け、食材や好みの仕上がりに合わせて木材を選びます。
形状
燻煙材にはスモークチップとスモークウッドの2種類あり、スモークチップは火にかけることで煙を起こし燻煙器内部の温度が上がるため、熱燻法に向いています。スモークウッドでは熱源がいらず、着火剤で直接火をつけその後一定時間煙を出すため、長時間燻煙が必要な温燻法や冷燻法に使います。
木材
燻煙材に向いているのは樹脂の少ない広葉樹。それぞれの特徴がわかり、違いを楽しむことができるようになると、好みの塩梅にブレンドする楽しみもあります。
種類 | 色づき | 香り・特徴 | 適した食材 |
サクラ | 普通 | 香りが強く、クセのある食材も食べやすくなる。他の木材とのブランドにも向いている。 | マトンやラム、魚介類 |
ナラ | 濃い | 香りにクセがない。独特の渋みがあってタンニンが多いため、色づきは濃い。 | 魚介類 |
ブナ | 濃い | すっきりした香りで、タンニンが多いため色づきが濃い。燻煙時間が長いと渋みが強くなるため、熱燻法や温燻法が向いている。 | 魚介類 |
リンゴ | 淡い | 甘くやさしい香りでマイルドな香りに仕上げたいときに。淡白な味の食材向き。 | 鶏肉、白身魚、豆腐、チーズ |
クルミ | 濃い | 他の材質より硬く、脂肪分が高いため、食品のもちがよくなる。独特の渋みがあり、人気が高い。 | 肉全般、魚介類、チーズ |
ヒッコリー | 普通 | 欧米では一般的な燻煙材。香りが強いのが特徴。 | 肉全般、魚介類、サーモン、ベーコン、ハムなど |
メープル | 淡い | 甘い香り。 | チーズなど |
燻煙をマスターして新たな食の楽しみを!
燻製作りは、実はハードルが低く、初心者でも簡単にできるのでトライしてみて欲しい調理法です。特別な食材でなくても燻煙するだけで旨味や独特の香りがつき、お酒のお供としてもじっくり楽しめます。特にチーズやミックスナッツなどは手軽でおいしく、新たな食の楽しみが広がります。
燻煙材の木材選びにもこだわると、楽しみはさらに増えて行くことでしょう。