車に積んでもロングツーリングでも良し! 質実剛健の折り畳み自転車Birdy(バーディ)の魅力
Aventure編集部
質実剛健のドイツ製自転車birdy(バーディ)。1992年にドイツで誕生しました。設立から3年後に発売した「BD-1」は優れたデザイン性、申し分ない機能性、そして耐久性の高さから自転車ファンを虜にし、折り畳み自転車のカテゴリでトップの人気を不動のものに。1997年に日本に上陸すると瞬く間にファンを獲得し、マウンテンバイクやロードバイクが主流だった自転車カテゴリに、スポーツフォールディングバイクという新しいジャンルを確立しました。
従来の重く、小さく扱いにくいという折り畳み自転車の概念を覆し、バーディはスポーツタイプとしての折り畳み自転車の底力を見せつけます。バーディは車に積んでキャンプ場に持ち込んでも良し、ロングツーリングスタイルでキャンプ場まで自転車で行くのも良しの実用性の高い自転車です。この記事ではバーディの魅力を余すところなく伝えます。
自転車で自然を満喫する贅沢な時間
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非日常感を演出するキャンプですが、回数を重ねるうちに時間を持て余してしまうこともあります。キャンプ慣れしている人ほど時間を上手く使い、合間にアクティビティを入れています。カヌー、釣り、ハイキングなど、趣味嗜好に合わせて様々なものがありますが、おすすめの一つが自転車です。
自転車はキャンプ場の自然を満喫できるだけでなく、商店やカフェを巡って地元の人と交流ができます。車だと気づきにくい場所も自転車ならお手のもの。周辺を移動するのに自転車ほど快適なものはありません。
折り畳み自転車のバーディは様々なパーツが世に出ており、ロングツーリング用にカスタマイズすることができます。自転車の魅力に取りつかれたら、お気に入りのキャンプ道具を自転車に積んでキャンプ場まで走ってみるのも一興です。デザイン性と走行性能が高く、堅牢で壊れにくいバーディは相棒として長く付き合えるでしょう。
バーディとは
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世界中で愛される自転車バーディ。魅力はどこにあるのでしょうか。
ブランドストーリー
ブランドを立ち上げたマーカス・リーズとハイコ・ミュラーはドイツのダルムシュタット工科大学で共に学んでいました。折り畳み自転車の歴史は長く、1890年には英国で原型となるモデルが誕生していたといいます。しかし、折り畳み自転車は携行することを主眼としており、走行性能は二の次という自転車がほとんどでした。
熱心なサイクリストだったマーカス・リーズとハイコ・ミュラーは、前後輪にサスペンションを持たせて乗り心地性能を高めた自転車のアイデアを語り合うようになりました。更にサスペンションピボット(軸)は折り畳みのピボットを兼用するという新しい機構を思いつきます。
1994年に改良版のプロトタイプを完成させ、「r&m」としてケルンの展示会に出展しました。この展示会で台湾に本社を置くパシフィックサイクルの創業者ジョージ・リンと出会います。二人のアイデアとコンセプトに感銘を受けたジョージ・リンは、商品化を約束します。
1994年11月にパシフィックサイクル社を訪れた二人は、バーディの量産化に向けて開発を進め、1995年5月に市場投入。日本では1997年に「BD-1」の名称で発売が開始されました。日本国内では自転車人気が高まっており、スポーツフォールディングバイクという新たなジャンルを切り開く名品として認知されるようになりました。
実は日本での販売当時、商標の都合でbirdyというブランドが使用できませんでした。「BD-1」という、世界で販売されたモデルとは別の名称が与えられていたのはそのためです。2015年1月にバーディの日本販売代理店がパシフィックサイクルジャパンへと移行され、商標問題が解決されました。2015年7月に”初代birdy”が日本で日の目を見ることとなりました。
スポーツフォールディングバイクの市場を開拓したバーディは、新たな機能を追加して次々とニューモデルを販売しています。
従来の折り畳み自転車と何が違うのか
バーディの走行性能と乗り心地は、他のブランドと比べて圧倒的に違います。その理由は大きく2つにまとめられます。
①一体型のメインフレーム
②高性能変速機を搭載
自転車の走行性能を決める主要因の一つがフレームです。バーディのフレームは継ぎ目がなく、一本の金属で仕上げられています。携行性を第一に考えている折り畳み自転車は、フレームの途中に折り畳みのヒンジが仕込まれており、ボルトなどでフレームを固定。フレームに継ぎ目を入れると剛性が落ちます。剛性が低下すると、ブレや振動のもととなるため、走行性能が劣るのです。
一本の金属でできているバーディは、理論上ロードバイクなどの畳まない自転車と同一の剛性を持っており、それらと同等の走行性能があります。
スポーツフォールディングバイクと言われる通り、バーディの変速機は10速、11速の変速機を備えています。山や長距離を移動する際は変速機に幅があった方が走りやすく、疲れも出にくい構造です。
例えば、オフロードモデル「GT」のディレイラーは「Sram X5-A1 10speed」。Sramはアメリカの代表的なコンポーネントメーカーで、特にMTB向けの製品に定評があります。本格的なMTBに搭載されている変速機であり、折り畳み自転車でありながら本物の走りが楽しめます。
【2022年版】現行モデルの紹介
バーディはメンテナンスフリーの高級車「Rohloff」や軽さを重視した「Air」、発売当時のデザイン性を備えた「Classic」など、様々なモデルが販売されています。その特徴を抑え、利用シーンに合ったものを選びましょう。
birdy Rohloff
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走行性能を極限まで高め、メンテナンスフリーで管理に手間がかからないことを重視したモデル。外装27段変速に匹敵するローロフ14速ハブギアシステムを搭載しています。ローロフはドイツに本社を置くコンポーネントメーカーで、スピードハブにこだわった製品づくりを行っています。知名度は高くありませんが、ダウンヒルバイクに使用する目的で開発されており、その耐久性・メンテナンス性の高さは折り紙付きです。一生ものと言い切れる製品です。
平坦な道を高速で走るのはもちろんのこと、急な坂道も十分に走り切れる変速機です。自転車のツーリングでは山道を避けて遠回りすることがありますが、この自転車であれば道を選ぶことがありません。
ブレーキは前後輪ともにディスクブレーキを採用。従来のブレーキパッドを交換する手間が省けます。
【製品概要】
フレーム:birdy monocoque
ディレーラー:Rohloff hub gear 14speed
シフター:Rohloff Twist shifter
フリーホイール:Rohloff 13T
ブレーキ:TRP Spyre Road Disc Brake
タイヤ:Schwalbe Marathon Racer 18×1.5″
サドル:Selle SanMarco MODEL X
重量(ペダルは含まず):11.0kg
折り畳み寸法:60cm(H) x 34cm(W) x 72cm(L)
価格:682,000円
birdy R
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ロードバイクに匹敵する走行性能を目指して開発されたモデルです。剛性の高いアルミモノコックフレーム、前傾ポジションを実現した21度角のステム、ロードバイクにも採用される「Shimano 105 11speed」のコンポーネント。オンロードでの走行性能を極めたフラッグシップの名に相応しいモデルです。
【製品概要】
フレーム:birdy monocoque
ディレーラー:Shimano 105 11speed
シフター:Shimano SL-RS700
フリーホイール:Shimano 105 road 11-28T
ブレーキ:Trp Spyre SLC disc
ホイール:Hubsmith
タイヤ:Panaracer Minits Tough 20×1.25″
サドル:birdy sports saddle Ti rail
重量(ペダルは含まず):11.0kg
折り畳み寸法:60cm(H) x 34cm(W) x 72cm(L)
価格:396,000円
birdy Touring
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ロングツーリングのモデルです。ギアは外装8段変速に3段変速の内装ハブが組み込まれています。24段変速で急な坂道を走り切ることが可能です。前後輪はディスクブレーキ仕様になっており、安全性も高くなっています。
【製品概要】
フレーム:birdy monocoque
ディレーラー:Shimano Sora
シフター:Shimano Revo shifter
フリーホイール:Sram PG-1050 11-32T
ブレーキ:Juin tech GG-R1 Cable-sctuated hydraulic caliper
タイヤ:Schwalbe Big Apple 18×2.0″
サドル:selle sanmarco SEL
重量(ペダルは含まず):11.0kg
折り畳み寸法:60cm(H) x 34cm(W) x 72cm(L)
価格:341,000円
birdy GT
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オフロードを楽しめるモデルです。MTBと同じブロックタイヤを採用し、油圧式のキャリパーブレーキ機構を装備。タフな使い方をしても故障しにくい構造になっています。
小径自転車の場合、路面からの衝撃を受けやすいため、振動が体に伝わりやすくなりますが、GTはコイル&エラストマー式サスペンションが組み込まれているため、ショックを十分に吸収してくれます。長時間運転しても疲れることがありません。
【製品概要】
フレーム:birdy monocoque
ディレーラー:Sram X5-A1 10speed
シフター:Sram X5 Trigger
フリーホイール:Sram PG-1050 11-32T
ブレーキ:Juin tech GG-R1 Cable-sctuated hydraulic caliper
タイヤ:Schwalbe Blackjack 18×1.9″
サドル:birdy sports saddle Ti rail
重量(ペダルは含まず):10.3kg
折り畳み寸法:60cm(H) x 34cm(W) x 72cm(L)
価格:330,000円
birdy Air
軽量パーツを採用したモデルです。電車や飛行機、船など公共交通機関を利用した旅、キャンプで活躍します。重量は9.87kg。「R」の11.0kg、「GT」の10.3kgと比較すると、その軽さが際立ちます。
他のモデルと比べるとデザインがシンプルになっており、ファッション性が高いために普段使いでも活躍します。
【製品概要】
フレーム:birdy monocoque
リアディレーラー:Shimano Sora 9speed
シフター:Shimano Sora
フリーホイール:Shimano CS-HG400 11-32T
ブレーキ:Dual pivot road caliper
タイヤ:Schwalbe Kojak 18×1.25″
サドル:birdy sports saddle cr-mo rail
重量(ペダルは含まず):9.87kg
折り畳み寸法:60cm(H) x 34cm(W) x 72cm(L)
価格:214,500円
birdy Standard
”街乗り用”として開発されたモデルです。コンポーネントは「Shimano Sora 9speed」が採用されています。シマノ・ソラはイタリアの名車「ピナレロ」や「ビアンキ」などの一流ロードバイクにも搭載される高性能変速機です。
長距離移動にも十分耐えられるパフォーマンスを持っています。
【製品概要】
フレーム:birdy monocoque
リアディレーラー:Shimano Sora 9speed
シフター:Shimano Sora
フリーホイール:Shimano CS-HG400 11-32T
ブレーキ:Avid BB-5R Disc brake
タイヤ:CST 18×1.5″
サドル:birdy sports saddle cr-mo rail
重量(ペダルは含まず):10.9kg
折り畳み寸法:60cm(H) x 34cm(W) x 72cm(L)
価格:297,000円
birdy Classic
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発売当初のデザインを踏襲したモデルです。自転車は機能性を追及すると、独特のデザインに進化することがあります。現代的なデザインが、年を重ねたキャンパーの好みに合わないこともしばしばです。「Classic」は普遍的なデザインを意識して製品化されており、時代を経ても古くさいと感じることがありません。
年齢、性別を問わず親しまれる優れた自転車です。
【製品概要】
フレーム:birdy classic
リアディレーラー:Shimano Acera 8speed
シフター:Shimano Acera
フリーホイール:Shimano CS-HG41 11-32T
ブレーキ:Tektro V-brake
タイヤ:CST 18×1.5″
サドル:birdy comfort saddle Cr-mo rail
重量(ペダルは含まず):10.9kg
折り畳み寸法:62cm(H) x 33cm(W) x 72cm(L)
価格:198,000円
折り畳んだときの寸法は? キャンプ道具とともにSUVに積むことは可能か
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車に積み込めるサイズかどうか。キャンパーが最も重視するポイントです。キャンプに最適なモデル「GT」で検証します。
折り畳みサイズは以下のようになっています。
高さ:600mm
幅:340mm
長さ:720mm
トランク容量がやや狭いと言われるトヨタランドクルーザー200のトランクサイズは以下の通りです。
荷室高:970mm
最大横幅:1,410mm
最小横幅:1,380mm
奥行き:220mm
※3列シート使用時
ランドクルーザーのトランクは、奥行きがかなり狭いです。自転車の幅は340mm、長さは720mmですので、トランクに収納することはできません。
ランドクルーザーに限らず、自転車を運ぶサイクルキャリアが販売されています。 このようなオプション品を購入するのが一番かもしれません。
バーディのメリット・デメリット
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バーディは他の製品と比較して何がメリットであり、デメリットとなっているのでしょうか。
メリット
・高いデザイン性
・剛性の高いフレーム
・高い走行性能
・折り畳みのしやすさ
デザイン性の高さ、走行性能の高さが一番のポイントです。スタイリッシュな製品で自然を満喫し、目立ちたいという人には特におすすめです。男女問わず受け入れられるデザインのため、夫婦やカップルで1台ずつ所有して楽しむこともできます。
変速機もロードバイクに引けを取らず、長距離ライディングも十分可能です。折り畳みに時間もかからず、目的地についたらすぐに使用可能です。
デメリット
・重量がある
・サスペンションが硬い
バーディは重量があると昔から指摘されています。最近では10kg以下のモデルが比較的安価に販売されています。「Air」以外は10kgを超えており、確かに重いかもしれません。しかし、走行性能が同等レベルのKHSは12kgを超えています。性能の割には軽いかもしれません。
サスペンションが硬いとの声も聞こえてきますが、サスペンションが柔らかすぎると自転車がしなって体力を奪われるため、走行性を重視したバーディは硬めに設定されています。これは好みの問題にもなってきます。
家族や仲間と自転車で非日常を楽しむ
キャンプ場でのアクティビティにはぜひ自転車を取り入れてください。自転車はキャンプ場でレンタルもできますが、お気に入りのモデルで好きなだけ遊ぶ楽しさは味わえません。バーディのスタイリッシュなデザインは多くのファンに愛されてきました。
自転車は家族や仲間たちに貴重な非日常体験を提供します。バーディはパートナーにぴったりの製品です。