アウトドア用包丁は何がおすすめ?安全な運び方と消毒方法も紹介
Aventure編集部
アウトドアで、食材を切るために便利なのがナイフや包丁。特に包丁は日本人の生活になじんでおり、料理のしやすさは抜群です。
包丁は持ち運びが難しい点もあり「アウトドアに包丁は必要?」「ナイフがあれば十分足りるのでは?」と思っている方も多くいます。現在は利便性に優れた商品が数多く販売されているので、アウトドアには必須です。
この記事では、アウトドア用包丁の選び方やおすすめの商品、安全な運び方とメンテナンス法について紹介します。
包丁とナイフはどちらがいい?
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包丁はナイフでも代用可能ですが、材料を切るときは包丁の方が使い慣れている分扱いやすいです。包丁とナイフは力を入れる方向が異なるので、包丁の方が料理に集中できるでしょう。
現在は、ナイフのように折りたたんで持ち運べるアウトドア用包丁が数多く販売されているので「持ち運びがしにくい」「ナイフに比べて重い」などの心配は無用です。
もちろん両方とも揃えておくのが安心。ナイフの使い方に不安がある方はアウトドア用の包丁を購入しておくことをおすすめします。
銃刀法には違反しない?
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結論から言えば、正当な理由があれば問題ありません。銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)では、刃渡り6センチ以上の刃物を理由なく持ち運ぶことを禁止しています。包丁も禁止対象に入りますが、正当な理由があるなら持っていても大丈夫です。
正当な理由としては、購入後に持ち帰る間や、キャンプで使うために持ち歩く場合などが挙げられます。いつでも対応できるように、調理器具と一緒に包んでおくなど、普段から使い道を明確にしておくべきでしょう。
万が一、アウトドアでの使用後に片付けるのを忘れて車に積み込んだままにしてしまったときは要注意です。正当な理由であっても、証明が非常に難しくなります。
銃刀法に違反した場合、2年以下の懲役または30万円以下の罰金刑です。アウトドアで利用するときは他の調理器具と一緒に包み、使い終えたら速やかに片付けましょう。
アウトドア用包丁の選び方
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アウトドア用包丁を選ぶときは、どのような点に目を向ければ良いのでしょうか。主に挙げられるのは以下の5点です。
素材
まずは素材です。包丁がどんな素材で作られているかどうかは、購入する前に必ずチェックしておきましょう。素材によって特性があるので、前もって確認しておきましょう。
鋼
切れ味の良さを重視したいなら、鋼の包丁がおすすめです。研ぎやすさも抜群なので、切れ味を長く持続させることにも長けています。
一方で切れ味が良いために持ち運びは難しいところ、またサビやすくて欠けやすいために取り扱いが難しいところは難点です。メンテナンスをこまめにおこない、頑丈なケースに入れて運ぶことに気をつければ、家庭だけでなくアウトドアでも優れた活躍をしてくれるでしょう。
ステンレス
家庭用包丁でも主に使われているステンレスは耐久性に優れており、サビにくくメンテナンスしやすいメリットがあります。
鋼よりも柔らかいため少々研ぎにくく、切れ味も少々劣る点がデメリット。地面に落としたり移動中にぶつけたりなどの危険を考えれば、鋼よりもアウトドアに適した素材であると言えるでしょう。
セラミック
セラミックは金属ではなく陶器です。よって不快な金属臭がなく、サビることもありません。軽くて持ち運びしやすい点も魅力的です。
しかし一方で衝撃に弱く、落とすと欠けてしまったり、ヒビが入ってしまったりする可能性があります。またステンレスや鋼に比べて研ぎにくく、切れ味が持続しにくいのは難点です。
アレルギーで金属の包丁を使えない方や金属臭が苦手な方、メンテナンスがしやすい包丁を望む人向けです。
チタン
チタン製包丁の良さは、何といってもその軽さと手軽さです。重さはステンレスの半分ほどで、持ち運びに適しています。金属でありながら金属臭がなく、サビないためメンテナンスのしやすさにも優れた素材です。
セラミックと同様に研ぎにくく、硬い素材を切ると刃こぼれしやすいなどのデメリットはあります。軽くてお手入れしやすい素材にこだわりたい場合はチタン製の包丁が向いているでしょう。
サイズ
包丁のサイズは大きすぎると持ち運びにくく危険です。一方で小さすぎても使いづらくなります。選ぶ際はある程度刃の長さがあるものを選ぶべきでしょう。
持ち運びを重視するなら折りたたみタイプやまな板とセットになっているタイプがおすすめです。使いやすさを優先したいなら、高性能な包丁にカバーをつけるか、ケースに入れて持ち運ぶのが良いでしょう。
収納の安全性
包丁は、少し刃先に少し触れただけでも大きなケガにつながる危険があります。持ち運ぶときは収納用のカバーや箱が頑丈でないと事故の危険性を下げることができません。
おすすめなのは折りたたみができるものを購入するか、もしくは気に入った包丁に外れにくくて丈夫なカバーをつけることです。トラブルを決して起こさないために、最善の予防策を打っておきましょう。
用途
アウトドアでは野菜や肉、魚に加え、パンなどさまざまな調理をおこなう可能性があります。基本的にはどんな材料にも対応できますが、切りやすさをより追求したい場合は、用途別に包丁を使い分けるのが最も効率的です。
持ち運ぶ包丁の数は増えてしまいますが、より効率的に調理をしたい方には複数の包丁を使い分ける方法をおすすめします。
洗いやすさ
アウトドア用の包丁を選ぶ上で、洗いやすさも重要です。最近は自然保護の観点から、洗剤を使用できないキャンプ場が増えています。また、毎日使うものでないため、家の包丁と比べればメンテナンスの回数は少なくなりがちです。
刃と持ち手の隙間に汚れがたまってしまったり、拭き取りが不十分で傷んでしまったりとトラブルに見舞われる可能性もあります。その場で隅々まで洗浄できるか、水気を残さず拭き取りやすいかの見極めも必要です。
おすすめなのは持ち手が分解できるタイプか、もしくは刃と一体化しているタイプが良いでしょう。洗い残しが少なく、水気が隙間に入り込む心配もいらないのでアウトドアに便利です。
アウトドア用包丁のおすすめ6選
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アウトドア用包丁には、刃と持ち手が一体になっているタイプや軽量タイプ、折りたたみタイプなど様々な種類があります。自分がどんなメリットを重視したいのかを一度考えてから選ぶのが良いでしょう。
この章では、アウトドア用包丁の中で特におすすめしたい6つを種類ごとに紹介します。
持ち手一体型
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金物の町として有名な燕三条にある老舗包丁メーカー「藤次郎」と、同じく燕三条でアウトドア用品を製造販売している「TSBBQ」が共同で製作したアウトドア用包丁です。メタリックな渋いデザインが男心をくすぐります。
持ち手が刃と一体化しているため隅々まで洗浄しやすく、いつでも清潔な状態を保てる仕様です。職人が一本一本丁寧に作った包丁は切れ味抜群で、握りやすさを追求したグリップデザイン、そしてメンテナンスしやすいオールステンレスにこだわっています。
三徳包丁とペティナイフの中間に当たるユーティリティ包丁、小出刃包丁、パン切り包丁の3種類に分かれており、用途に分けて使用可能です。幅広い材料に対応できるので、購入するなら全部揃えておきたい高機能な包丁と言えます。
◆SPEC◆
【価格】
¥11,000(税込)(Amazon価格)
【材質】
刀身:DPコバルト合金鋼複合材
心材:コバルト合金鋼
側材:13クロームステンレス鋼
ハンドル:18-8ステンレス鋼
【サイズ】
全長295mm、刃渡り160mm、板厚2mm
【重量】
144g
まな板とセットのタイプ
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燕三条で金物店として産声を上げ、現在はキャンプ用品を幅広く製造する「snow peak(スノーピーク)」の「マナイタセットL」は包丁本体に加え、まな板としても使える包丁ケースがセットになった商品です。
包丁を収納できる溝の部分にマグネットが入っており、ケースを開けた際に誤って包丁を落としてしまう危険をカバーしています。さらにまな板にも滑り止め用のゴムがついており、安全性はピカイチと言えるでしょう。また、まな板と包丁を別々に持っていく必要がないため、荷物を減らせる点でも魅力的です。
まな板は天然木製なので、念入りに乾燥させなければ反ってしまいます。購入した際は包丁に加えて、まな板のメンテナンスも必要です。
◆SPEC◆
【価格】
¥6,270(税込)(Amazon価格)
【材質】
包丁:ハイカーボンバナジウムステンレス、黒強化積層合板
まな板:天然木、ステンレス、ゴム
【サイズ】
360mm×118mm(使用時236mm)×34mm
【重量】
850g
折りたたみタイプ
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ADVENTURE FACTORY(アドベンチャーファクトリー)の「折り畳み包丁4本セット」は、三徳包丁、ペティナイフ、パン切り包丁、菜切り包丁の4種類をセットで購入できる商品です。
野菜やお肉、パンなど幅広い調理に対応できるだけでなく、折りたたんで持ち運べるためコンパクトに収納できるメリットがあります。開閉しやすく、使用中に刃を固定させるロック機能つきです。
1本ずつでの購入も可能ですが、調理ごとに適した形状を使い分けられるので、セットでの購入をおすすめします。
◆SPEC◆
【価格】
¥18,150(税込)(公式サイト価格)
【材質】
ハンドル:天然木
【サイズ】
《三徳》全長255mm、刃長105mm、収納時140mm
《ペティ》全長225mm、刃長95mm、収納時125mm
《パン切》全長232mm、刃長102mm、収納時125mm
《菜切り》全長255mm、刃長102mm、収納時140mm
【重量】
《三徳》188g
《ペティ》142g
《パン切》154g
《菜切り》187g
ギザ刃タイプ
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UNIFLAME(ユニフレーム)の「ギザ刃 牛刀」は、刃の部分にギザギザとした凹凸があるため、肉などの柔らかい素材からかぼちゃのような硬い素材まで対応できる包丁です。
丈夫で長持ちしやすいモリブデンバナジウムを使用しており、ステンレス包丁と比べて切れ味をより長く持続しやすいメリットがあります。サビにも強いため、アウトドア向けとして申し分ない商品です。
◆SPEC◆
【価格】
¥4,200(税込)(Amazon価格)
【材質】
刃:ハイカーボン6A
ハンドル:積層強化木
【サイズ】
全長約235mm、刃長約120mm
【重量】
約60g
軽量タイプ
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京セラの「ファインセラミックキッチンナイフ 三徳16cm」は、従来のセラミックに比べて切れ味が良く、衝撃にも強い新素材のセラミックを使用しています。専用の電動シャープナーを使えば、切れ味を持続させることも可能です。
サビる心配がないため、食器洗い機での洗浄もできます。一流メーカーの京セラ製という信頼性もあるので、メンテナンスしやすくて持ち運びに便利な包丁を購入したい方におすすめです。
◆SPEC◆
【価格】
¥5,850(税込)(Amazon価格)
【材質】
刃:ファインセラミックス
ハンドル:ポリプロピレン
【サイズ】
本体288mm×48mm×19mm、刃渡り160mm
【重量】
85g
高級タイプ
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最後は、こだわりの高級タイプを紹介します。120年以上の歴史を持つ刃物メーカー、實光刃物(じっこうはもの)の「アウトドアナイフ 秘宝シリーズ」は、刃物職人がアウトドア向けに開発した包丁です。
サビに強いステンレス素材を使用し、職人による手作りで抜群の切れ味を実現しています。持ち手は握りやすくて滑りにくい木製で、機能的かつおしゃれです。持ち手と同じ木材で作られた専用カバーつきなので、安全性も問題ありません。
値段は高めですが、洗練されたデザインと高い機能性を求める方におすすめしたい包丁です。
◆SPEC◆
【価格】
《キング》¥81,400(税込)
《クイーン》¥54,780(税込)(公式サイト価格)
【材質】
《キング》
刃身:コアレス(ダマスカス)
柄部:ウエンジ、シャム柿
《クイーン》
刃身:コバルトスペシャル
柄部:オーク黒、オーク白
【サイズ】
刃渡り約180mm
マイ包丁を持っていきたいときは?
アウトドア用包丁を新たに購入するのではなく、お気に入りのマイ包丁を使いたい場合は、持ち運び用ケースを購入してつける方法がおすすめです。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)の「包丁ケース」は、三徳包丁や牛刀、薄型の包丁に対応しています。ロックベルトつきなので、持ち運びの間に外れる心配がありません。
水抜き穴が空いているため、カバーの内側まで洗浄できて衛生的です。カーキ、レッド、ブラックの3色展開で、好きなカラーを選べます。
◆SPEC◆
【価格】
¥781(税込)(Amazon価格)
【材質】
サヤ:ABS樹脂
ロックベルト:ポリプロピレン
【サイズ】
約60mm×195mm×11mm
【包丁の適用サイズ】
刃の長さ185mmまで(切刃も含む)
刃の幅40mm〜55mmまで
刃先の幅52mmまで
柄側の刃の厚み4mmまで
刃先の刃の厚み2.5mmまで
アウトドア用包丁の消毒方法
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アウトドアでは洗剤を使って包丁を洗うのが難しいため、どうしても消毒が不十分になりやすいのが現状です。魚や肉など生の食材を切った後の消毒を入念におこなわなければ、食中毒を起こす危険性が高まってしまいます。
安全にキャンプを楽しむためには、以下の3つのステップを踏む必要があります。
1.包丁をキッチンペーパーで拭き取る
2.熱湯をかけて消毒する
3.消毒用アルコール噴射後、拭き取って完了
肉や魚を切るたびに消毒をおこなうのが最も安全です。できる限り効率良く調理するためには、生の食材を切る用の包丁と他の食材を切る包丁に分けるのがおすすめです。
なお、消毒用アルコールの代わりに次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合は、水で薄めてから使用しなければ腐食につながるため注意しましょう。
アウトドアで包丁は必須!お気に入りの包丁でキャンプ飯を堪能する
アウトドアでは調理の際に使い慣れた包丁を持っていくのがおすすめです。現在は軽くて耐久性に優れているだけでなく、持ち運びしやすさにも気を配った商品が数多く販売されています。
アウトドア用包丁を選ぶときは、素材に加えて収納性などのデザイン、安全性にも目を向ける必要があります。自分にとって使いやすく、調理が楽しみになるような包丁を選びましょう。