【関東近郊】安全で快適に車中泊ができる場所と選び方を解説
Aventure編集部
キャンプブームとともに注目を集めているのが車中泊。車中泊はテントを設営することなくアウトドアを堪能できます。専用機器を設ければ車を走らせている間に携帯電話やPCの充電ができることから、気分を変えて仕事をしたいノマドワーカーにも支持されているといいます。
しかし、本来は車中泊すべき場所ではないところでの寝泊りや、禁止されている焚火を行うなど、ルール違反が目立つようになっているのも事実。また、冬場にエンジンをかけたまま寝てしまえば一酸化中毒にもなりかねません。
この記事では、関東近郊で安全に車中泊ができる場所の紹介、気をつけるべきポイントや必要な道具を紹介します
安心して車中泊ができる3つのエリア
車中泊はどこでもできるわけではありません。車内で快適に過ごそうとして、周囲の人から白い目で見られたり、施設管理者から注意されればせっかくの時間が台無しになってしまいます。
車中泊に適した場所を3つ紹介します。
・RVパーク
・道の駅
・オートキャンプ場
RVパーク
RVパークとは、キャンピングカーやワンボックスカー、ミニバン、RVを想定した車中泊専用のエリアです。社団法人日本RV協会が「安心・安全・快適」の3要素を満たす場所をRVパークに指定。車中泊ができる場所として推薦しています。
RVパークは全国各地にあり、温泉、旅館、道の駅、遊園地などが指定されています。以下のサイトで施設の検索ができます。
施設要件として以下8つを満たしていることが求められます。
1.4m×7m程度の駐車スペース
2.一週間程度の滞在が可能
3.24時間利用可能なトイレ
4.100V電源が使用可能
5.入浴施設が施設内又は15km圏内にある
6.ゴミ処理が可能
7.入退場制限が緩やかで予約が必須ではないこと
8.RVパークの看板を設置すること(ロゴは協会が作成、設置は施設で行う)
トイレや入浴場所を見つけるのに苦労することがなく、快適に過ごすことができます。電源の使用も可能なので、PCやスマートフォンのバッテリー切れに困ることもありません。
RVパークでは車外での調理、直火、アイドリングは禁止されています。
道の駅
道の駅でも車中泊は可能ですが、すべての道の駅で推奨されているわけではありません。
施設管理者が車中泊を許可していれば、問題なく使えます。事前に施設に確認するか、RVパークに指定されている道の駅を選んでください。 車中泊を認めていない場合、長時間にわたっての宿泊は禁じられています。
ただし、休憩や仮眠をすることはできるため、長時間の運転で疲労している場合は睡眠(仮眠)目的で利用することは認められます。
オートキャンプ場
車中泊で快適に過ごせる絶好の場所がオートキャンプ場です。キャンプ場はテントを張って楽しむ場所というのは単なる先入観。オートキャンプ場は専用サイトまで車で行くことができ、着いてすぐにタープなどの準備ができます。
重いクーラーボックスを遠くから運ぶ必要がありません。キャンプ場のルールにもよりますが、焚火をすることもできます。 車内で睡眠をとれるため、虫や雨を気にする必要がありません。道の駅などの施設の場合、どうしても周りの目が気になりますが、オートキャンプ場は広々としているため、人が車の近くを通ることがほとんどありません。
キャンプ用品のレンタルもできます。
関東近郊でおすすめの車中泊エリア
関東近郊で車中泊ができる絶好の場所を紹介します。
RVパーク
埼玉県 みどりの村
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埼玉県秩父市にある県営公園内の駐車場です。RVパークにはカフェが併設されており、11時から17時、ディナー予約があれば22時まで利用できます。RVパークを利用する際、予約をしておけば朝食をとることができます。
テレビCMの撮影にも使われたことがある有名な場所で、自然とカフェの雰囲気が非日常感を高めてくれます。カフェの料理の味はもちろん、シェフやスタッフの温かい人柄も高い評価を得ています。
東京都 東墨田
東京都初のRVパーク。京成曳舟駅、小村井駅から徒歩15分ほどの場所にあります。下町の工場地帯にあるスペース。もちろん水道、電源、24時間のトイレが利用できます。
コンビニが徒歩3分、スーパーマーケットが徒歩6分の場所にあり、買い出しに困ることはありません。都市観光の拠点に使えます。
栃木県 フロラシオン那須
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牧場の施設内にあるホテルの駐車場の一部をRVパークとして解放しています。一般1,500円、子供750円の入浴料を支払えば、ホテル内の温泉施設が使えます。
夕食や朝食のバイキングを楽しむこともできます。ホテルが夏は特設のBBQ会場を用意しており、別料金で利用することも可能です。
車中泊とはいえホテルの施設を存分に使えるため、不便な思いをすることがないでしょう。
道の駅
群馬県 道の駅六合
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「日本で最も美しい村連合」に加盟している道の駅六合。自然豊かな山里にあります。施設には日帰り温泉や宿泊施設、物産センターがあります。特に温泉は定評があり、高評価の口コミがあふれています。
観光案内所に併設されたレストランでは、自家製そばを楽しめます。水が綺麗な場所のそばは美味しいと言われている通り、舌触り滑らかで香り立つ味わいです。
道の駅の近くには国の天然記念物チャツボミ公園、国定公園野反湖、重要伝統的建造物群赤岩などの観光名所があります。
千葉県 ちくら・潮風王国
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南房総市にある海沿いの道の駅です。周辺には「道の駅 南房パラダイス」と「道の駅 白浜野島崎」の2つがありますが、「道の駅 ちくら・潮風王国」をおすすめします。
理由はトイレなどの基本設備が備わっていることと、売店と食堂で海の幸を存分に楽しめるため。売店の中央には生け簀があり、伊勢海老やさざえ、はまぐりなどの新鮮な海産物を販売しています。
食堂ではくじらコロッケやいかメンチ、まぐろメンチなど、珍しい料理を味わうことができます。売店で海産物を購入し、車内でお酒を飲みながら食べるのもおすすめ。プライベート空間でゆったりと過ごすことができます。
ただし、周辺に入浴施設はありませんので注意してください。
山梨県 みとみ
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埼玉県秩父市と山梨県山梨市を結ぶ雁坂トンネルの近くにある道の駅です。景勝地として知られる西沢渓谷の入り口にあります。車中泊が推奨されている場所ではないため、長期滞在は避け、キャンプ行為は控えてください。
山間部にあるため、澄んだ空気と避暑地らしい涼しさを感じることができます。
自動販売機が充実しており、24時間ハンバーガーやおにぎりなどを購入できます。食堂や売店も併設。売店では地元の野菜が手に入ります。
「道の駅 みとみ」に立ち寄ったら、ぜひ足を運んでほしいのが西沢渓谷。国内屈指の渓谷美を誇ると言われており、七ツ釜五段の滝は日本の滝百選に選ばれました。
オートキャンプ場
茨城県 大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ
茨城県北部の総面積61haという広大な公園にあるキャンプ場です。一年中遊べるプール「フォレスパ大子」やテニスコート、運動場、巨大滑り台など、様々なアクティビティを楽しめるのが一番の特徴です。
家族で車中泊をする人に適した施設です。 トイレはもちろん、温泉施設やバーベキューサイト、売店など基本的な設備はすべてそろっています。
神奈川県 西丹沢大滝キャンプ場
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神奈川の秘境とも呼ばれる丹沢山塊の大自然に囲まれたキャンプ場です。国立指定公園に隣接しており、手つかずの豊かな木々や渓流が散在しており、絶景を思う存分楽しめます。
夜は天体観測ファンが集うと言われているほど、素晴らしい星空が眺められます。美しい星空を楽しむキャンプ場をまとめた本「子どもと一生の思い出をつくる 星空キャンプの教科書」において、西丹沢大滝キャンプ場は神奈川エリアで1位を獲得しました。
東京都 氷川キャンプ場
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都心から2時間半。奥多摩の深い山間にあるキャンプ場です。ここでは直火が許可されており、川原でバーベキューを楽しむことができます。アクティビティも充実しており、カヤックやマス釣り、近隣の温泉「奥多摩温泉 もえぎの湯」での入浴が可能です。
都心からアクセスしやすく、自然豊かな点が一番の魅力です。家族での車中泊に向いています。
車中泊の場所選びのポイント
車中泊で最も重要なのが場所選び。RVパークや道の駅、オートキャンプ場など、車中泊に適したエリアはいくつもありますが、その中でも車を止める場所選びにはコツがあります。
地面が平らかどうか
これが実は重要です。車内で過ごすことが多い車中泊では、できるだけ平坦な場所に車を止めるようにしてください。車内でパソコンを広げようとしても、傾きがあると固定しづらく作業に支障が出ることがあります。
食事をする際にも不便です。車が傾いていると睡眠の質も悪くなり、体に痛みが走ることもあります。
24時間使えるトイレがあるか
トイレの確保も重要。事前に24時間使えるかどうかを公式ホームページなどでチェックすることをおすすめします。
夜中も施設内から出られるかどうか
車中泊する場所が24時間解放されているかも大切なポイントです。一部のキャンプ場などでは、動物の侵入を防ぐために夜間の出入りを禁止することがあります。
目的の時間、場所に行く必要があったにも関わらず、希望の時間に施設を出られないということにもなりかねません。
マナー違反には注意
マナーやルールを必ず守りましょう。ごみの持ち帰りや火の取り扱いはもちろん、騒音を抑えてエンジンを切るといった基本的なマナーを身に着けてください。
騒音に配慮する
近隣の住民や、他の車中泊利用者などに騒音に対する配慮を忘れないようにしてください。音楽や会話、笑い声など、プライベート空間である車内では大きな音をたててしまいがち。しかし、車の多くは防音対策まではしていません。
音は人によって感じ方が違うため、大きなトラブルの元になりかねません。注意してください。
エンジンを切る
車中泊をする場合は、基本的にエンジンを切るようにしてください。騒音と排ガス対策です。エンジンをかけずに暖を取る方法や、涼しく過ごせるような準備をすることが基本です。
大雪の日にエンジンをかけたまま眠ってしまうと、車内が猛毒の一酸化炭素で満たされてしまうことがあります。LPガス安全委員会のデータでは、一酸化炭素濃度が400ppmの場合は1~2時間程度で頭痛が起き、1,000ppmの場合は2時間で失神する基準値をオーバーすると言います。
JAFのユーザーテストでは、排気口の周りに雪が積もって車のボンネットまで雪で覆った場合、車内の一酸化炭素濃度は、16分後に400ppm、22分後に1,000ppmまで上昇しています。
火の取扱に注意する
焚火が許可されているかどうかも必ず確認してください。直火がいいのかどうかもチェックします。基本的に道の駅のような公共施設での焚火は禁止されています。
おすすめの車中泊グッズは?
車中泊するためのグッズを紹介します。
・快適な睡眠を確保するためのマットレス
・寝冷えを防ぐ寝袋・シュラフ
・視線を遮るシェードカーテン
・車内を照らす懐中電灯・ランタン
・快適に仕事ができるポータブル電源
・PC作業や食事をするのに便利なローテーブル
車中泊に限らず、キャンプは快適な睡眠を確保できるかどうかで、翌日の体調が左右されます。
車中泊用のマットレスが販売されており、利用することをおすすめします。低反発型のものや、エアー型のものなど、種類は豊富なので、好みに合わせた選択ができます。
寒さが厳しい季節は寝袋やシュラフを必ず用意しましょう。マットレスと寝袋があれば、比較的快適に過ごせます。
シェードカーテンも重要なアイテムです。公共施設ではどうしても周りの目が気になるもの。視線を遮るのはプライベート空間を確保する基本中の基本です。
エンジンを切るので、車内灯はほとんど使いません。懐中電灯やランタンを持ち込んでください。
車中泊で仕事をするのであれば、ポータブル電源は欠かせないでしょう。長期で滞在するのであれば、太陽光発電のソーラー充電器を使うと良いかもしれません。パソコンを置くローテーブルもあると便利なアイテムです。
気軽にできる車中泊にも知識が必要
車中泊はキャンプ道具を揃える必要がなく、気軽に非日常体験ができます。勝手を知っている車で過ごすので、心理的な負荷がかからない点もポイント。車で好きな場所にふらりと向かい、自然を楽しみつつ仕事をするというのも集中力を高める方法の一つです。
マナーやルールを守り、車中泊を楽しんでください。