妖精の家をイメージした開放的なコットンテント・アルフェイム
Aventure編集部
まるで絵本から抜け出たような円錐型のテント。北欧神話に登場する「妖精の家」にちなんでつくられたアルフェイムは、ノルディスク社の代表的なアイテムのひとつです。フェスやイベント会場で、そのしゃれたデザインに見覚えがある方もいるのではないでしょうか。
アルフェイムは2サイズあり、いずれも8人以上が寝泊まりできる大型のコットンテントで、1本のセンターポールを軸に、ペグで地面に固定するシンプルな設計です。
広さも高さも十分にあるので、快適性もさることながら、テント内で煮炊きや焚火を楽しめるのも魅力。夜、寝そべりながら流れる星々を眺めることもできます。
この記事では、ノルディスク社の大型コットンテント、アルフェイムについて紹介します。
羽毛の専門性を活かして、世界的なアウトドアブランドへ発展
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ノルディスクは、デンマーク生まれのアウトドア・ライフスタイルブランドです。1901年に羽毛を扱う販売店として起業したNorthern Feather社の子会社として、1967年にスタートしました。
Northern Feather社が寝袋の生産を始めたのは1941年のこと。以降、羽毛の専門性を活かしながらアウトドア商品の開発に着手し、やがて世界的なアウトドアブランドCaravanへと発展します。1977年には、Caravanから初めてテントが誕生しました。
1991年のNordisk Freizeit社の破産を経て、Caravanはノルディスク社として再始動します。
その優れたデザイン性と機能性は、ダウンジャケットなどのウェア、テントなどのギアと共にデザインに関するさまざまな賞をいくつも受賞しました。今回紹介するアイフェイム(12.6 Green Cotton)は、2014年の※「red dot design aword」を受賞したテントです。
※世界的なデザインの専門家が選出するドイツの「ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター」が主催する国際的なデザイン賞。日本では、SONYのワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-1000XM3」などが受賞している。
※ノルディスク社の歴史については、ヴィムルで詳しく触れています
環境に溶け込みながら、居心地のよい時間ヒュッゲを提案
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デンマークの言葉で、安らかで居心地のよい時間をヒュッゲと呼びます。
ノルディスク社のあるデンマークは、国連が発表する※「世界幸福度ランキング」上位国のひとつです。北欧デザインの礎を築いたアルネ・ヤコブセンを筆頭に、デザイン大国としても知られています。使い勝手がよく、シンプルでモダンなデザインは、環境や人へのあたたかな視点を保ちながら、手仕事や伝統工芸を守り続けてきた土壌から培われたものかもしれません。
ノルディスクのブランドコンセプトは”Nature is Luxury”。真に贅沢な暮らしは、アウトドアシーンの中にあるという考え方です。コットンテントを始め、環境に溶け込みつつ、ユーザーに快適な時間を提案するノルディスク社のスタンスについては、「ヴィムル」で詳しく触れています。
※社会的支援や健康寿命、人生の選択の自由度、寛容さ、GDPなどに基づいて、国民の幸福度を測るもの
通気性と保温性にすぐれたテクニカルコットン
アルフェイムのフライシートには、テクニカルコットンが採用されています。
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テクニカルコットンとは、創業以来取り扱ってきた上質なコットンに、ポリエステルを混紡した新素材で、耐水圧は350mmと100%ポリエステル素材に比べるとやや弱めですが、揮発性に優れています。
テクニカルコットンは、通気性のよさが魅力。夏は涼しく、冬は暖かいため、一年を通して快適に過ごすことができます。
円錐型の典型的なティピーテント・アルフェイム
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とんがり帽子のような円錐型のテントは、北部の平原で暮らすネイティヴ・アメリカンの住宅のかたちを模しています。「ティピ」または「ティピー」と呼ばれるもので、数本の松やもみの木を軸に重しをつるし、動物の皮を巻きつけて地面に固定していました。
ノルディスク社のアルフェイムは、典型的なティピーテント。北欧神話に登場する9つの世界の一つ、妖精の家をイメージしてつけられた名前です。神話では光の妖精の家は太陽よりも明るく、闇の妖精の家は地下よりも真っ暗なのだそう。ゆったりとしたスペースがあり、天井やシート部分から十分に陽が差しこむアルフェイムは、まさに妖精の家のようです。
センターポール1本で設営できる
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アルフェイムは、大型テントながら1本のポールを軸にしたシンプルな設計です。1人でも設営できますが、高さがある分、風をよけるために、付属のペグとガイロープで地面に固定する必要があります。また予期せぬ突風に備えて、予備のペグやガイロープを追加購入しておくと安心です。
ドアが大きく設計されているため入口をポールに塞がれることがなく、出入りがラク。ドアと窓は、フライシートと蚊帳の役割も果たすメッシュの2層構造になっています。それぞれジップアップで調整でき、暑いときはくるくると巻いて紐で固定できます。就寝時も蚊に悩まされないでしょう。
ロープ1本で屋根の通気性を管理。テント内で焚火や料理もできる
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アルフェイムの天井部分には、テント内にこもる熱気を換気するベンチレーション機能があります。テントの内側からひも一本で開閉でき、好みの位置でセンターポールに固定することも可能です。換気がよいので、フロアシートを外せば、テントの中で煮炊きしたり、焚火を囲むこともできます。
天井部分も、ドアと窓同様、フライシートとメッシュの2層構造になっているので、昼間は陽の光が、夜は星の光がテントの内側を暖かく照らします。
ファミリーキャンプからイベント仕様までカバーできる
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アルフェイムには「12.6」と「19.6」の2サイズがあります。いずれも広々とした設計ですが、テントの高さを較べてみると、12.6は275cm、19.6は350cmで、75cmの差があります。フロアの広さは、12.6は400cm四方、19.6は500cm四方。こちらも1mほどの差があり、収容人数が変わります。
重さを比べてみると、12.6は11.8kg、19.6は18kg。広さを確保しようとすると重くなってしまうため、用途に合わせて選びたいものです。
8人まで寝泊まりできる12.6は、デュオキャンプやファミリーキャンプにぴったり。最大10人まで収容できる19.6は、ファミリーキャンプはもちろん、グランピングやイベントにも対応できます。
いずれも、素材は保温性と通気性に優れたテクニカルコットン。2層のフライシートで、蒸し暑いときは外部シートを外して外気を取り込み、肌寒いときは2層に戻して、調理するときの熱気を保って。本格的に寒いときは、フロアシートを外して、焚火で暖を取ることもできます。盛夏だけでなく、秋冬にも対応しているモデルです。
※詳細は、ページ下部のスペックでご確認ください。
プライバシーを保ちながらスターゲイザーも楽しめるインナーキャビン
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十分な快適さと機能を備えたアルフェイム。
別売のインナーキャビンをとりつけると、間仕切りのようにプライベート空間を確保できます。入口と同じく、テント内もジッパーで2層のシートの調整が可能です。専用のフックで簡単に取り付けることができ、天井部分を塞がない設計なので、寝そべりながら天体観測を楽しむことができます。
防水面を強化したいときは、別売のジップインフロアを追加で購入しましょう。ほぼ破れることのない耐久性の強いフロアですが、テントを張る場所を探すときには、とがった岩場を避け、丁寧に小枝を取り除きましょう。
いずれも、専用の収納バッグがついています。
※現在、公式ページでは、日本での外部アクセサリーの取り扱いは19.6のみ
スペック紹介
Alfheim 12.6 Basic Cotton Tent-SMU JP (アルフェイム12.6)
価格:121,000 円
品番:242013
定員:2~5人
本体サイズ:400x400x高さ275cm
収納サイズ :99x32cm
カラー:Natural
重量:11.8kg
素材:(フライシート)テクニカルコットン/コットン35% ポリエステル65%
耐水圧 :350mm
ポール:スチール製1本
ペグ:スチール製 Vペグ20本
※フロア・インナーキャビンは別売り
Alfheim 19.6 Basic Cotton Tent-SMU JP(アルフェイム19.6)
価格:140,800 円
品番:242014
定員:2~7人
本体サイズ:500x500x高さ350cm
収納サイズ :99x36cm
カラー:Natural
重量:18kg
素材:(フライシート)テクニカルコットン/コットン35% ポリエステル65%
耐水圧 :350mm
ポール:スチール製1本
ペグ:スチール製
Vペグ28本
※フロア・インナーキャビンは別売り
利用可能なアクセサリー
●Alfheim 19.6 Inner Cabin 1pc (アルフェイム19.6インナーキャビン)
価格:58,300円
カラー:ナチュラル
定員:4人
サイズ:470x235x190cm
素材:テクニカルコットン/コットン35% ポリエステル65% (フロア):150デニールオックスフォードポリエステル
重量:5kg
収納サイズ:20x60cm
●Alfheim 19.6 Zip-in-Floor(アルフェイム19.6ジップインフロア)
価格:75,900 円
品番:146013
本体サイズ:500×500cm
収納サイズ:86x26cm
カラー:Natural
素材:150Dターポリン、100%防水仕様
重量:12.6kg
スペックについて詳しくはノルディスク公式オンラインストアでご確認ください。
まとめ
伝統的なテントのフォルムが美しいアルフェイム。寝そべって天体観測ができたり、煮炊きや焚火など、テント内でキャンプならではの楽しみが味わえます。
特筆すべきは、その操作性です。テント内部からロープ1本でベンチレーションの調整ができ、ジッパーでエントランス、ドア、底面まで取り付けができ、調整もできます。
大きなテントでありながら、センターポール1本で設営できる手軽さも魅力です。一人でも設営できますが、ペグはキャンプの参加者全員で打つのも一興かもしれません。
最大サイズの19.6は10人収容できますが、1日のうち、少しの時間くらいはプライベートな空間も欲しくなるかもしれません。別売のアクセサリーにも、つい手がのびてしまいそうです。
Aventure編集部