ブッシュクラフトに必要な装備は? 初心者も簡単に始められるキャンプの基本
Aventure編集部
初心者から中級キャンパーに移行する際、避けて通れないのがブッシュクラフト。自然の材料を使い、必要な道具を自ら作る喜びは、やがてキャンプの醍醐味となります。ブッシュクラフトは必要最低限の荷物を揃え、材料は現地で調達するのが基本です。知識がないまま突き進むと、心もとない状態で一晩過ごすことにもなりかねません。斧やナイフ、メタルマッチなど、一通り必要な道具と活用方法を身につけましょう。
ブッシュクラフトとは
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ブッシュクラフトとは、シンプルな装備で自然の中で日常的な生活を送るスタイルのことで、「bush=茂み」の中で「craft=作る」という名の通り、文明の力を持ち込まず、最低限の装備で現地調達しながら自然の中のもので対応する方法です。
発祥は林業や木工文化が盛んな北欧だといわれています(諸説あり)。
現在ではブッシュクラフトはキャンプスタイルのひとつとして知られています。不便さをあえて楽しむ方法ともいえるでしょう。
ブッシュクラフトとサバイバルの違い
ブッシュクラフトはサバイバルとは違います。全てを自然のもので代用するのはサバイバルですが、ブッシュクラフトは最低限の装備(ナイフ・斧・手袋・ウォーターボトルなど)は持っていき、寝床、食糧、水など、生活に必要なものは現地調達します。
ナイフで木を削り、皿やスプーンなどを作ったり、タープを使うための木の枝をナイフを利用して調達したり、ロープワークを駆使してタープを設営したり、ライターやマッチを使わずに火を起こしたりと、ブッシュクラフトは自然の中で生きる知識そのものだといえます。
ブッシュクラフトは最低限の装備で
ブッシュクラフトではあれやこれやとギアを持って行きません。自然での不便さを味わうのが魅力なので、装備は最低限、そして小さく抑えます。
便利な道具ばかり持っていくと、ブッシュクラフトの楽しみが半減してしまいます。
ブッシュクラフトを行う上での注意点
日本の土地にはすべて、「所有者」がいるため、ブッシュクラフトにちょうどよい山林を見つけたからといって勝手に入ることはできません。必ず所有者に許可を取りましょう。
キャンプ場で行う場合は、木を切ってもよいかなどを確認する必要があります。
また、開拓を目的としたキャンプ場もあるため、そういう場でとことんブッシュクラフトを楽しむのもおすすめです。
基本的なスキル
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ブッシュクラフトにまず必要なスキルとして、火起こしがあります。火がなければ調理をすることはおろか、暖を取ることもできないため、行く前に必ず練習しておきましょう。 また、水も現地調達するため、どうすれば飲料水にできるかも知っておく必要があります。寝床はハンモックにすることが多いので、設営方法を押さえておきましょう。
火起こしの手順
今回はマッチやライターを使うのではなく、メタルマッチを使う方法を紹介します。 ライターは燃料が切れたらおしまいですし、マッチは濡れたら使えません。その点メタルマッチは燃料要らず。そして水に濡れても使えるのでブッシュクラフトにはもってこいです。 ですが、ある程度コツが必要なので、念のためマッチやライターなどの着火剤を持っていくこともおすすめします。
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①今回はネイチャーストーブを使用するため、薪の代わりとなる小枝や松ぼっくりなども含め、焚き火に必要となる十分な量の薪を調達します
②着火に必要な火口(ここでは麻の火口を使います)を用意します
③焚き付けのためのフェザースティックを作ります
フェザースティックの作り方はこちら。
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④メタルマッチを使って麻の火口に着火させます
⑤焚き付けのフェザースティックに火を移したら最終的には大きな薪に火を移して安定した燃焼になるまで待ちます
水の調達
水は飲むのに適した水が湧いていればよいのですが、必ずしもそうとは限らず、川などでの調達となることもあるため、直接火にかけられるウォーターボトルやコンパクトな浄水器を持っていくことをおすすめします。 心配な方は、装備が増えますが、飲料水を持参しても。
ハンモックの設営
ブッシュクラフトでは簡易的な装備しか持っていかないため、テントではなくハンモックと寝袋、タープで寝ます。
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①ツリーストラップを木に固定します (この際、木に布を巻きつけて保護してからにします)
②ハンモックの高さと平衡になっているかを確認します
③雨除け、枝除けにタープを張ります
④タープを張ったパラコード、ツリーストラップの合計4点に紐を結びつけ、枝をぶら下げます
(こうすることで雨天の際には雨が紐から枝に伝い、寝床に雨が侵入することを防げます)
必要な装備
レベルや環境によって装備は変わってきますが、初心者でも対応できる装備について紹介します。
ナイフ
火起こしでのフェザースティックを作ったり、調理をしたりと幅広く活用できます。
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ここでは、手入れがしやすいステンレススチールナイフで、ブッシュクラフトに必要なものが揃っている、モーラナイフの「ガーバーグ サバイバルキット」をおすすめします。
◆モーラナイフ|ガーバーグ サバイバルキット◆
【価格】¥12,100 (税込)
【材質】柄素材:ポリアミド/刃素材:ステンレススチール
【刃長】約109mm
【刃厚】約3.2mm
【全長】 約229mm
【重量】約170g(ナイフのみ)
【付属品】ファイヤースターター/マウントユニット(シャープナー付)/リフレクティブパラコード/ベルトループ
https://store.upioutdoor.com/products/morakniv-garberg-stainless-survival-kit
斧
斧は薪を割ったり、物によっては調理の下ごしらえ、ナイフ代わりにも使えます。
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今回おすすめする斧は「グレンスフォシュ|アウトドアアックス 425」。枝払い、薪割り、彫刻はもちろんのこと、小屋作りに調理、ナイフとしても使え、これひとつで全てがまかなえるモデルなので、ブッシュクラフトにぴったりです。扱いに慣れればナイフもいらなくなるかもしれません。 スウェーデンのサバイバル熟練者ラーズ・ファルトと、職人レナー・ペッテッションが共同開発した特別な斧です。
◆グレンスフォシュ|アウトドアアックス 425◆
【価格】¥26,730 (税込)
【材質】スウェーデン鋼/ヒッコリー
【刃体の長さ】 63mm
【柄長】 375mm
【斧身】340g
引用:[cabinet|アウトドアアックス425]
https://cabinet-online.jp/other-ja/moth-ax/7391765425003/
メタルマッチ
火起こしの必需品です。水に濡れても使え、ライターのように燃料も必要ありません。 ただし、メタルマッチで着火できなかったときのためにマッチやライターを持っていくことをおすすめします。
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ロッドを擦るストライカーは、握りやすくしっかりと力を込められるため、大きな火花が出せます。
◆ブッシュクラフト|メタルマッチ プロ2.0◆
【価格】¥2,860 (税込)
【サイズ】収納時:108×27×23mm/ファイヤースチール:108×27×20mm/ストライカー:93.5×8×21mm
【重量】ファイヤースチール:55g/ストライカー:19g
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麻の火口
メタルマッチから着火させるのに使います。
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100%の麻の繊維です。麻紐をほどいて自分で作ることもできるのですが、予めほぐれているこちらを使うと便利です。圧縮すれば小さく持ち運べます。 火起こしの初心者なら握りこぶし大を使っておよそ5回、慣れている人なら少量で10回分ほどの量です。
◆ブッシュクラフト|麻の火口◆
【価格】¥165 (税込)
【素材】麻の繊維
【重量】10g
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風よけ(ネイチャーストーブ)
焚き火や調理に使える二次燃焼システムのコンパクトなストーブです。
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化石燃料を使わずに、小枝や松ぼっくりなど身近な素材で簡単に焚き火ができます。また、吹き込む風を全て取り込んで上昇気流にするので火力も十分で、調理にも使えます。ゴトクがついているため、クッカー類も安定して置けます。 収納時は非常にコンパクトになり、装備を小さくしたいブッシュクラフトにうってつけです。
◆ユニフレーム |ネイチャーストーブ◆
【価格】¥5,900 (税込)
【素材】ステンレス鋼(底部メッシュのみ耐熱鋼)
【サイズ】使用時:約14×14×16(高さ)cm/収納時:約13×13×1.5(厚さ)cm
【重量】約320g
【付属品】収納ケース
https://www.uniflame.co.jp/product/683033
手袋
火起こしの作業やロープワーク、斧やナイフを使う際には欠かせないグローブです。
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今回おすすめするのはオレゴニアンキャンパーの「キャンパーグローブ 3D」。素材には上質な牛革を使い、レザーグローブでは曲げにくかった指の部分を3D デザインにすることで手に馴染み、動かしやすくなっています。
◆オレゴニアンキャンパー |キャンパーグローブ 3D◆
【価格】¥4,400 (税込)
【素材】牛革
【サイズ】M:全長24・手首回り18cm/L:全長24.5・手首周り20cm/XL:全長25・手首周り21cm
http://www.oregonian.jp/shopdetail/000000000575/
ウォーターボトル
ステンレスやチタンなどの金属製のウォーターボトルを選べば、直火にかけて直接湯沸かしも可能です。
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ここでおすすめするのはクリーンカンティーンの「リフレクトボトル27oz」です。シングルウォール構造なので、とても軽い上に直火にかけることが可能。保温できるダブルウォールタイプのものと間違えないように注意してください。
◆クリーンカンティーン |リフレクトボトル27oz◆
【価格】¥4,180 (税込)
【素材】本体・キャップ:18/8ステンレススチール/キャップ:バンブー(竹)
【サイズ】H27.5cm×7φcm
【重量】240g
【容量】800ml
【注ぎ口口径】44 mm
https://www.kleankanteen.jp/collections/kanteens/products/the-reflect-27oz?variant=22840918725
浄水器
水も現地で調達、となると、水質が気になるところ。そこでコンパクトな浄水器を持っていけば安心して飲み水や調理の際に使えます
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手のひらサイズのコンパクト浄水器です。市販のペットボトル、ストロー、付属のパウチ、ハイドレーションに付けて使えます。 0.1ミクロンの穴が無数に開いていて、そこから水をろ過してバクテリアや水生生物を除去します。コレラ菌、大腸菌、チフス菌、ボツリヌス菌、サルモネラ菌などの除去率は薬品を使うものを除いて世界最高レベルです。フィルター交換をしなくても38万リットル浄水できます。
◆ソーヤー|ミニ SP128◆
【価格】¥4,180 (税込)
【サイズ】PointONEミニフィルター:全長13.5cm・最大部分の直径約3.5cm /0.5Lパウチ:約22.5×12.5cm(キャップ部分を除く)
【重量】PointONEミニフィルター:約55g/0.5Lパウチ:約19g
【フィルター素材】Hollow Fiber
【フィルター孔サイズ】0.1ミクロン
【ろ過能力】38万リットル
https://store.upioutdoor.com/products/sawyer-mini-sp128
クッカー
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スタッキング可能で最低限の装備、ということで今回紹介するのはブッシュクラフトの「キャンティーンクッカーキット」です。
キャンティーンカップは元々はアメリカで兵隊が飲み水を確保するために直接火にかけて煮沸消毒していたもの。今では飲み水を沸かすだけでなくご飯を炊いたり調理にも使うギアとして知られています。中はフッ素加工がしてあり、お手入れも簡単。取手は取り外しでき、調理の際には外し、持つ際に取り付けるという使い方もできます。 小さな焚き火にも対応する風防はゴトクとして使えるだけでなく、なんと、ストーブにもなります。
◆ブッシュクラフト|キャンティーンクッカーキット コーティング◆
【価格】¥5,500(税込) 【サイズ】14×10.5×11cm(収納時)
【重量】カップ:約233g/ストーブ:約105g/リッド:約70g
【素材】SUS304ステンレス製(内面フッ素樹脂コーティング)
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タープ
タープの下で焚き火をしたり、ハンモックで寝たりと必要なギア。焚き火を使用するので、難燃焼性のものを選ぶとよいです。
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焚き火のそばでも安心して使えるポリエステルとコットンの混紡生地を使用しています。ソロ〜少人数の使用にぴったり。
◆テンマクデザイン|ムササビウイング13ft.TC“焚き火”バージョン◆
【価格】¥18,480(税込)
【サイズ】390×380/240(幅)cm
【重量】本体/1,900g/総重量/2,150g
【素材】コットン混紡生地(TC) (ポリエステル65%・コットン35%)撥水加工済み
【付属品】収納袋/張綱:φ4mm×4.5m×1本・φmm×3.5m×3本・φmm×1.5m×2本
https://www.tent-mark.com/musasabi-wing/takibi_ver.php
ハンモック
ブッシュクラフトではテントを張って休むのではなく、ハンモックで休むのが基本です。
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ここではイーノの「ダブルネストハンモック」を紹介します。 イーノの中でも1番スタンダードなハンモック。名前からすると2人用と思うかもしれません。もちろん2人で腰掛けることは可能なのですが、1人でもいろいろな使い方ができます。 キャンプ場などで使う場合は別途サスペンションが必要です。
◆イーノ|ダブルネストハンモック◆
【価格】¥18,480(税込)
【サイズ】約2.8m×1.9m
【重量】約539g
【耐荷重】約180kg (2人まで)
【素材】70D Hgih Tenacity Nylon Taffeta
【付属品】専用カラビナ付(登はん用ではありません)
https://enonation.jp/products/doublenest%c2%ae-hammock
ブッシュクラフトで究極のアウトドアを楽しむ
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キャンプにもだいぶ慣れて、ソロキャンプもこなし、ちょっと変化がほしいな、と思い始めたときにおすすめしたいブッシュクラフト。
最低限の装備でキャンプに行くのには勇気がいりますが、数をこなすごとに装備もカスタマイズして、自分にぴったりのギア達を見つけることも楽しみの一つになるかもしれません。
ブッシュクラフトは通常のキャンプよりも一層、大自然の中で自然を楽しみ、その恩恵に与り、堪能することができます。