古くて新しい焚き火の楽しみ方|スウェーデントーチの使い方と注意点
Aventure編集部
キャンプといえば焚き火が欠かせません。焚き火にはいろいろな方法がありますが、近年注目されているのがスウェーデントーチ(スウェディッシュトーチ)です。暖を取る、明かりを取るという基本的な焚き火の役割をするだけでなく、SNS映えするビジュアルもあり、高感度キャンパーから注目されています。
しかし、実際やろうと思うとわからないことだらけ。今回はスウェーデントーチ(スウェディッシュトーチ)の使い方と注意点をまとめました。
スウェーデントーチとは
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スウェーデントーチ とは、スウェディッシュトーチやウッドキャンドルとも呼ばれており、切れ込みや空気孔を入れた丸太に火を灯す焚き火のことをいいます。
もともとはフィンランドで使われていた「かがり火」が発祥で、その歴史は大変古く、1600年代の30年戦争のときに、スウェーデン軍が使っていたことからスウェーデントーチと呼ばれるようになったといわれています。
現在では大きなキャンドルのように見えるビジュアルから、おしゃれで機能的な焚き火として注目を浴びています。
スウェーデントーチの仕組み
スウェーデントーチは丸太に切れ込みや空気孔を入れ、着火剤に火をつけると切れ込みに空気が入り込み、煙突効果で発生する上昇気流によって真ん中から燃焼していく仕組みです。
一度着火すれば薪をくべる必要はなく、そのまま燃え続けるので手軽です。
スウェーデントーチに使う丸太の種類
スウェーデントーチに使う丸太は、十分に乾燥しているものなら特に種類にこだわらなくても問題ありません。
着火しやすさや火力の強さからすると「スギ」や「マツ」などの針葉樹、長時間の燃焼を求める場合は火持ちのよい「クヌギ」や「ケヤキ」などの広葉樹が適しています。
スウェーデントーチの楽しみ方
スウェーデントーチ では以下のことが楽しめます。
- 火を眺める
- 暖を取る
- 明かりを取る
- 調理する
- 普通とは違う焚き火の経験
スウェーデントーチは一般的な焚き火と同じく、火を眺めたり、暖を取ったり、明かりを取るという基本的なことができるだけでなく、スウェーデントーチの上にフライパンや鍋などを置いて調理をすることができます。
ただし、火力の調整ができないことと、長時間調理に耐える火力や丸太の強度がない(燃え崩れていくことがある)ため、調理時間を1時間程度と考えると、肉を焼くなどのシンプルで豪快な料理や、湯を沸かすなどの簡単な調理をおすすめします。
スウェーデントーチの手順
スウェーデントーチをするための準備から後始末までを解説します。
準備
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準備するもの
- 丸太
- チェーンソー
- 着火剤
- 焚きつけ
- ライター・マッチなど
まずはチェーンソーを使って10cmほどの深さに切れ込みを入れます。このとき、切れ込みの数が多ければ空気の通りがよくなるため燃焼時間は短くなり、少なくなると長くなります。基本的に切れ込みの数は4本〜6本といったところです。
スウェーデントーチをやるにはチェーンソーが必需品となります。チェーンソーがない場合は、切れ込みの入った丸太はオンラインショップやアウトドアショップで手に入ります。
簡単に購入できるスウェーデントーチ
アマゾンチョイスに選出されている信頼できるスウェーデントーチです。テレビ番組「シューイチ」でも紹介されました。
【価格】¥2,860 (税込)
【サイズ】φ170〜240×H250mm
【重量】約3kg
【樹種】アルダー(広葉樹:カバノキ科ハンノキ属)
【燃焼時間】2〜4時間
引用:[Amazon]
① 設置
火が付きやすくするために、丸太の切り込みの中央部分に着火剤や焚きつけを入れます。 火が付きやすく燃えやすくなるもののことを焚きつけといいます。主に乾燥している落ち葉や小枝、麻紐をほぐしたもの、松ぼっくり、フェザースティックもよいでしょう。
② 着火
ライターやマッチで着火剤に火をつけます。 着火剤に火を付けるだけでは不十分なので、焚きつけにも火が移るようにしましょう。 丸太に火が燃え移るまで焚きつけをくべながら空気を送ります。白い煙が出ているときには空気が足りない証拠。そんなときにも空気を送り続けましょう。
③ 消火
途中で火を消したくなった場合はコップ半分くらいの水を中心から周りに向かって回しかけます。
想像より少量の水で消火できるため、様子を見ながら少しずつかけましょう。水のかけ過ぎはサイトを汚すことや、突然の温度変化により焚き火台の変形にもつながるため注意します。 しっかり乾燥させればまた続きから燃やし、再利用できます。
全て燃焼しきったスウェーデントーチは水をはった金属製のバケツに全体を沈めます。 内部の火が完全に消えていないと再び燃えることがあるため、完全に消火するよう注意しましょう。
焚き火で再利用したい場合は火消し壺で消します。 水を使わずに空気を遮断することで消火できる火消し壺を使えば、スウェーデントーチを焚き火の際に再利用することができます。
④ 後始末
キャンプ場などの施設のルールに従い、可燃ゴミや燃えかすのコーナーに廃棄します。 処理の仕方は必ずキャンプ場や自治体の指示に従いましょう。
スウェーデントーチをする上での注意点
とても楽しそうなスウェーデントーチですが、使い方にはいくつか注意点があります。
直火が可能どうかの確認
まず確認しなくてはならないのが、行き先のキャンプ場は直火OKかどうかということです。丸太を置いて直接火を付けるため、直火がNGのサイトでは焚き火台シートや焚き火台が必須になります。
スウェーデントーチをする場合は利用するキャンプ場にどうするのがよいのかを必ず確認しましょう。
おすすめ焚き火台シート|ロゴス たき火台シート
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耐熱温度は500℃と熱に強く、焚き火台の下に敷くことでサイトの芝生や土の中の微生物などを守ります。ペグが打てるタイプなので、突然の強風で煽られて焚き火台が倒れることもなく安心です。ガラスファイバー製のため、素肌で触れるとチクチクします。取り扱いには気をつけましょう。
【価格】¥2,979 (税込)(Amazon価格)
【サイズ】サイズ:(約)幅130×奥行80cm/収納サイズ:(約)幅15×奥行22×高さ2.5cm
【重量】550g
【材質】ファイバーグラス
引用:[LOGOS|たき火台シート・ワイド(80×130cm)]
おすすめ焚き火台|ユニフレーム ファイアグリル
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ユニフレームのファイアグリルのように網を外せて底面が平らな焚き火台のほうが丸太を置いたときに安定します。 また、万が一最後に燃え崩れた際にも焚き火台が受け止めてくれるため安心です。
【価格】¥7,500 (税込)
【サイズ】使用時:約43×43×33(網高)cm・収納時:約38×38×7cm
【重量】2.7㎏
【材質】炉・ロストル:ステンレス鋼/スタンド・焼網:鉄・クロームメッキ
【耐荷重】約20kg
引用:[UNIFLAME|ファイアグリル]
ゴトク
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キャンパーの中には自分で建築用の金具「カスガイ」を打ち込んでのゴトクとして取り付ける人もいます。スウェーデントーチを販売しているキャンプ場によってはカスガイを打ち込んだゴトク付きのものもあります。 カスガイがなくても、立体の焼き網やゴトクがあると空気の流れを妨げないため安定した火力で調理ができおすすめです。
完全に燃え尽きるまで3〜5時間かかる
スウェーデントーチは最後まで燃やしきるのが理想です。完全に燃え尽きるまで少なくとも3〜5時間はかかります。消火(消灯)時間から逆算して始めるとよいでしょう。 切れ目をたくさん入れれば早く燃えるようになるため、若干の調節は可能です。
今までとは違う焚き火で新たな焚き火の楽しみを
いつもの焚き火とは一味違うスウェーデントーチ。後処理は普通の焚き火よりも注意しなくてはならないこともありますが、試してみる価値は大アリです!
古くからある方法でありながら、いつもと違った焚き火のスウェーデントーチは、新たな楽しみをもたらせてくれること間違いありません。