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サブ4達成に必要な練習は?難易度やメニュー、注意点を解説

Aventure編集部

サブ4とはフルマラソンの42.195kmを4時間未満で完走することをいいます。それなりにマラソンの経験を積んだランナーなら一つの目標として掲げる人も多いでしょう。しかし、サブ4はタイムを気にしなくてもよい完走とは違い、ただなんとなく走り込みをするだけでは達成できません。

本記事ではサブ4を達成のために取り組みたい3ヶ月間の弱点別強化トレーニングや走り込みの目標距離、練習期間中の生活や食事の注意点などを解説します。

「3ヶ月の練習でサブ4を達成したい」「サブ4を達成できるトレーニングメニューを知りたい」「練習期間中にはどんなことに気をつけたらいいのか」と悩んでいる人はぜひチェックしてみてください。


サブ4達成に必要な練習量やペースは?

まずはサブ4達成に必要なおおよその練習量とペースを確認しましょう。

サブ4達成割合

実際にサブ4を達成しているランナーはどのくらいいるのでしょうか?
その割合は、ランナー全体の約20%と言われています。また、男女別でみると男性の約30%、女性の約12%と、けして容易な目標ではないことがわかるでしょう。(※いずれも完走者のうち)

しかし、けっして不可能なタイムではありません。しっかり走り込みを行い、持久力とスピードを兼ね備えた走りができれば、3ヶ月ほどの練習期間でもサブ4を達成することは可能です。

サブ4を達成するランナーの月間走行距離

サブ4を達成したランナーは、練習期間中に月間160〜200kmを走っている人が最も多いことが分かっています。一週間あたり概ね40〜50km、週5日練習すると想定したら1日8〜10km走る計算ですので、ある程度の練習時間を確保する必要があります。

運動経験や性別などにより必要な練習量は異なりますので一概には言えませんが、最低でも月間150kmは走り込まないとサブ4達成は難しいと言われています。

サブ4達成には持久力とスピードが必要

サブ4達成のためには、どのくらいのペースで走らなくてはいけないのでしょうか?もし一定のペースで走ると仮定した場合、以下のようになります。

240分(4時間)÷42.195km=5.68/km≒5分41秒/1km

1kmあたり5分41秒で走り続ければクリアできる計算ですが、実際は同じ速度で4時間近く走り続けるのは不可能でしょう。

給水やトイレ等によるロスタイムや、後半のペースダウンも考慮すると、余裕をもって1kmあたり5分20秒〜5分30秒で走る走力は身に付けておきたいところです。


サブ4達成に向けたトレーニングメニュー

では、サブ4を達成する走力を身に付けるためには、どのようなトレーニングメニューを組んだらよいのでしょうか?まずは自分の弱点を見つけ、それを克服できるようなメニューを組み立てましょう。 このパートでは「持久力強化」「スピード強化」の2つのメニューを紹介します。自分の弱点はどちらなのか、どちらを強化したいのかを選びましょう。もし、どちらが弱点か分からない(もしくはどちらも弱い)という場合は、ひとまずどちらか一方を試して検証してみることをお勧めします。

持久力強化メニュー

「レース後半でだれてしまう」「体力や脚力がラストまでもたない」という方は持久力強化メニューに取り組みましょう。ここではスタミナをつけるトレーニングを行います。
メニューはジョギングやLSD(ロング・スロー・ディスタンス:ゆっくりと長い時間走り続けること)が中心です。
長距離を走り抜く脚力と心肺機能、そして毛細血管の発達による有酸素運動能力の向上を目指します。

スピード強化メニュー

「スピードが足りない」「速く走ると呼吸の余裕がなくなる」という方はスピード強化メニューに取り組みましょう。ここではスピードを高めるトレーニングを行います。
メニューはジョギングや本番と同じペースで走るペース走が中心です。
ハイペースで走る脚力と心肺機能、そして速く走るためにエネルギー効率の良いフォームを身に付けることを目指します。
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サブ4を達成するスケジュール(持久力強化)

このパートでは持久力強化のためのスケジュールを紹介します。

3ヶ月前のメニュー

この1ヶ月はジョギング、LSDを中心に毎週40km走ります。

フルマラソン完走に耐えられる体作りをします。走力の基礎作り期間として、ゆっくりでもいいので目標とする距離を走り抜き、走行距離を積み増していきましょう。

週ごとに走行距離を伸ばしていき、3週間走ったら最後の4週目は走行距離を落とし、回復期にあてます。

回復期とは、意識的に練習量を減らすことで疲労回復や故障予防に努める期間です。メンタルをリフレッシュする効果もあり、こうした期間が練習意欲のキープにも繋がります。

2ヶ月前のメニュー

この1ヶ月はジョギング、LSDを中心に週45〜50kmを走ります。

前月の走り込み練習をさらに強化したメニューとなっています。練習量が増えますので、疲労感も強くなるはずです。練習後のストレッチやマッサージ、睡眠など練習後のケアを十分行い、できるだけ翌日に疲れを持ち越さないようにしましょう。

もし、この練習がこなせない場合は前月の練習をもう一度繰り返し、翌月のメニューに移りましょう。成長速度は人それぞれですので、焦ってはいけません。

1ヶ月前のメニュー

大会1ヶ月前のこの時期は、ジョギングを15km、本番のマラソンと同じペースで15kmを走り、残り10kmは少し息が上がるくらいの早いペースで走り、計週40kmを走り込みます。

持久力はある程度ついてきているはずなので、余裕を持ってサブ4を走れるようスピードも強化します。本番間近ですので無理な練習で怪我をしたり、トレーニングの疲労感を引きずったりしないようにしましょう。

この期間の最終週は、ウェアやコースなど本番にできるだけ近い条件で走り、レースのシミュレーションを行ってください。

大会1週間前のメニュー

いよいよ本番1週間前です。この時期はジョギング10km、本番と同じかそれよりややハイペースで15km走ります。

走る量は減りますが、これまで培ったスピードや体力を維持しつつ、疲労感を解消して本番を迎えるための調整期間です。

レースを目前に緊張や不安はあるかもしれませんが、この時期の無理な練習は禁物です。「もう少し練習できる」くらいの体力を残しておき、それを本番で発揮できるようにしましょう。


サブ4を達成するスケジュール(スピード強化)


このパートではスピード強化のためのスケジュールを紹介します。

3ヶ月前のメニュー

この1ヶ月はジョギング、LSDを40km、マラソンと同じペースで5〜10km、合計で毎週45〜50km走ります。

スピード強化の場合も、この時期は走り込み練習を中心に行います。走行距離を積み増すことでマラソン後半の失速を防ぎ、この後の期間のスピード強化メニューに耐えうる下地作りをします。

このスピード強化スケジュールの場合も、3週間走ったら最後の4週目は走行距離を落として回復期にあてましょう。

2ヶ月前のメニュー

この1ヶ月はマラソンと同じかそれよりやや早い(息が上がる程度)ペースで20km、ジョギングを15〜20km、合計で週35〜40kmを走ります。

前月の走り込み練習のうち、さらにスピード練習を強化した内容です。集中して取り組めるようしっかりコンディションを整えましょう。調子の悪いときは無理にスピード練習を行わなくても構いません。

始めはかなりきついかもしれませんが、走るうちに体が慣れてきたと感じられれば練習は成功です。

1ヶ月前のメニュー

大会1ヶ月前のこの時期は、マラソンと同じかそれよりやや早い(息が上がる程度)ペースで25km、ジョギングを15km、合計で週40kmを走ります。

スピード練習をメインに行います。この期間の最終週は、ウェアやコースなど本番にできるだけ近い条件で走り、レースのシミュレーションを行いましょう。

練習の難易度がぐっと上がりますので、練習をこなせない可能性もあるでしょう。そんなときは焦らず、前月の練習をもう一度繰り返します。

大会1週間前のメニュー

いよいよ本番1週間前です。この時期はジョギングを10km、本番のマラソンと同じペースで15km走ります。

走る量は減りますが、これまで培った走力は保ちつつ、疲労感を解消して本番に望むための準備期間です。もし体に疲れが残っていると感じるなら、スピードはそのままで全体の練習量を減らしても構いません。

練習による怪我や故障、疲労が本番に残らないように、体のケアをしっかり行いましょう。本番までの体調維持が最優先です。


サブ4達成のために気を付けること

このパートではサブ4達成のために、練習や生活において注意したいことを説明していきます。

メニューが消化できないときはどうする?

前項までは、1ヶ月または1週間ごとに区切って練習メニューを紹介してきました。しかし、体の不調や怪我、悪天候、急な用事などで事前の計画通りに練習をこなせないこともあるでしょう。そんなときはどうしたら良いでしょうか?

走り込み期

持久力・スピード強化のどちらも本番2〜3ヶ月前の走り込み期は走行距離が多く、練習をこなす体力が追い付かない、練習時間が確保できない場合もあるでしょう。

そんなときは土日の練習量を増やしたり、平日にいつもより少し多く走って土日の練習量を減らすなど、週内で走行距離を調整しましょう。

スピード練習

スピード練習で走行距離を目標ペースでこなせないときは、走行距離を減らしましょう。ただし、走るペースは維持したままです。

スピード練習においては、ある程度のペースで走らないと効果はありません。マラソン本番でも、前半にある程度のペースで走り抜ければ、後半で多少減速してしまってもサブ4を達成できる可能性は高くなります。

週2回は休む

週に2~3日は練習を休む「完全休養日」を作りましょう。適度にリフレッシュをし、練習にメリハリをつけるためです。

また、練習に気が向かないときや、仕事で疲れているときなどは練習を行わなくても構いません。練習のパフォーマンスが上がりませんし、うわの空で走っていると怪我をしてしまう恐れもあります。

1~2回練習をしないだけで、結果がそれほど変わることはありません。休むのも目標達成には必要な要素と考え、余裕を持っていましょう。

ランニングフォーム

マラソンの後半には多くのランナーを悩ませる「30kmの壁」があります。30km地点前後で、疲れがどっと押し寄せ失速してしまう現象のことです。そのせいでサブ4を達成できないランナーも。

この「30kmの壁」で躓かないためにも、疲れにくいフォームを身に付けておくことが重要です。姿勢や腕の振り、脚の蹴り出しでペースや疲れ具合は大きく変わります。

食事

食事は体を動かす重要な栄養源です。マラソンのような長時間の運動では大量の糖質と脂質がエネルギーとして消費されます。ですから本番前はもちろん、練習前にしっかり栄養を補給しておき、エネルギーが体に蓄積されている状態にしておかなくてはいけません。

また、糖質だけでなく、糖質をエネルギーに変換するビタミンB1も摂取しておきましょう。疲労感や持久力低下を防ぐ役割があります。ビタミンB1を多く含む食品にはブリ、鮭、豆腐、きなこなどがあります。

練習後のケア

ランナーが見落としがちなのが、練習後のケアです。サブ4達成には練習だけでなく、普段のケアが重要です。

練習前後のストレッチはしっかり行い、できるだけ足の疲れや痛みを翌日に持ち越さないようにしましょう。お風呂で血行を良くするのも効果的です。

また、ストレッチは怪我や故障の予防にもなります。怪我や故障、また疲労の積み重ねはその後の練習にも響いてきますので、ストレッチやケアは怠らないようにしましょう。


練習は続けることが一番大事

本記事ではサブ4達成のためのトレーニングや注意点を説明してきましたが、最も大切なのは「練習を継続すること」です。

練習を続けていれば調子が悪かったり、怪我をしたりして走れないときや、気分が乗らない日もあるはずです。そんなときはしっかり休み、一度リフレッシュしましょう。

無理やり練習を続けて「走るのが辛い」という気持ちになってしまっては元も子もありません。「続ける」ことを重点に置き、走りやすい気持ちや環境を作ることが、サブ4達成においては第一に重要です。

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