パルクールで覚えるべき技とは?初心者の練習方法を解説!
Aventure編集部
パルクールは「跳ぶ、回る、捻る、登る」といった大胆なスポーツです。街の地形や障害物を利用して行うため、自由度が高い特徴を持ちます。技の種類を挙げたらキリがありません。初心者の方は何から始めれば良いのか戸惑っているのではないでしょうか?そこで、今回は全ての動きの土台となる基礎技と練習方法を解説していきます。
パルクールで覚えるべき技とは?初心者の練習方法を解説!
パルクールの技は沢山ありますが、その全てが6つの基礎によって成り立っています。パルクールとは本来、「効率的に移動する」ことを目的とした文化なので、今回はバク宙などのパフォーマンス要素については解説しません。宙返りを先に覚えたとしても、着地が取れなければ大怪我に繋がる危険性があるため優先度は低いです。まずは土台作りから始めていきましょう。
飛び越え(ヴォルト)
ヴォルト(Vault)は目の前の障害物を飛び越える技です。パルクールの代表的な動作で、「効率よく障害物を越える」という目的でさまざまな種類の技が存在しています。最近のスタイルでは、ヴォルトをしながら宙返りをするなど、アレンジを加えることも多いです。
飛び移り(プレシジョン)
プレシジョン(Precision)は、簡単にいうと「幅跳び」のようなもので、障害物を利用して行う技です。子どもが水たまりをジャンプして越えるような動作と似ています。パルクールの技の中でも、最も挑戦しやすい技だと言えるでしょう。プレシジョンが「立ち幅跳び」で、ランニングプレシジョンが「走り幅跳び」です。
着地(ランディング)
ランディングとは、高所から飛び降りた際に安全に着地するためのスキルです。両足だけでなく、両手も使う「四点着地」という形を取ります。膝と肘を軽く曲げ、すぐに反動を付けて立ち上がることで、衝撃を分散させることができます。パルクールは落ちる前提で行う技が多いため、早い段階で覚えておくべきでしょう。
着地(ロール)
ロールもパルクールの着地技の一つで、柔道の受け身のような形を取ります。斜めに転がることにより、着地時の衝撃をより多い箇所で分散できるようになります。前方に勢いがある状態で高所から飛び降りた場合、ランディングだと勢いに負けて倒れてしまうため、その際にロールが役立つでしょう。受け身で衝撃を流しながら最後に立ち上がれるため、次の技に繋げやすいメリットもあります。
駆け登り(ウォールラン)
ウォールランとは、走った勢いを使って壁を蹴り、その反動で上昇して駆け上がる技です。その場でジャンプするよりも2倍ほどの高さを出せるため、高い障害物を登ることができます。届かなかった時はそのまま垂直に落ちてしまうので、その際はランディングで安全な着地を取りましょう。
よじ登り(クライムアップ)
クライムアップは、掴んだ壁を登り切るためのスキルです。先ほど説明したウォールランの後の流れで使う技なので、セットで覚えると良いでしょう。クライムアップは上手な人が行うとスムーズで簡単に見えますが、実は非常に習得が難しいです。フィジカルの強さも必要なため、懸垂などの体を引っ張る筋トレを中心に行うと良いでしょう。
パルクール初心者におすすめの練習方法
パルクールの初心者がどのように練習するかは「住んでいる環境」によって異なります。近くにパルクール専用施設があれば指導者に教えてもらえます。なければ独学での練習となりますが、工夫次第で上達は可能です。
パルクール施設でプロに教わる
パルクール初心者の最も堅実な練習方法と言えば、専用の施設に通いプロから直接指導してもらうことです。パルクールは日本でも徐々に普及してきており、パルクール教室を開催する場所が増えてきています。主に関東エリアに多く、また地方にもいくつか点在しています。屋外で練習会するコミュニティもあるため、Twitterなどで「パルクール+地域名」で検索すると良いでしょう。各エリアの施設をいくつか紹介します。
北海道・東北地方
関東地方
中部・東海地方
関西地方
中国地方
MISSION PARKOUR PARK HIROSHIMA
九州地方
YouTubeの講座で独学練習する
パルクール施設や教わる環境が近くにない方は、独学でも十分に上達できます。YouTubeで多くの実践者が技の講座を出しているため、基礎技を中心にあなたがやってみたい技から挑戦してみてください。
見よう見まねで動いてみる
パルクールが上手い方や、真似してみたいスタイルがあれば見よう見まねで動いてみるのも良いでしょう。真似をしようとするだけで上達しやすくなります。パルクールは技に入る前の助走や姿勢からオリジナリティーを出せるため、あなたがかっこいいと思う動き方を真似してみてください。
ビデオ撮影をして研究する
ビデオ撮影をすることは、必須条件です。パルクールの技ができていたとしても、形がぎこちなかったり、危ない姿勢になったりしていることが考えられます。その状態に気づくには、客観的な視点が必要です。ビデオ撮影をすることで自分の動きを研究でき、プロとの比較をしつつ動作を改善できるようになります。スマホで十分なので、積極的に映像撮影をしてみてください。
パルクールを練習する際の注意点
パルクールのステージは屋外なので、天候や障害物の強度によっては危険があります。実際に、高所から転倒して深刻な怪我を負っている人もたくさんいます。そのため他のスポーツより怪我をしやすいと言えるでしょう。安全に楽しむために、以下の注意点を意識してください。
準備運動を入念に行う
他のスポーツと同様に、パルクールを行う前は必ず準備運動を行いましょう。10分程度のウォーミングアップとストレッチを行うだけでも、体への負担を減らす準備が整います。パルクールは「踏み込み」「着地」の際に最も体へ衝撃が伝わります。膝や腰などを痛めないようにしっかりと関節の曲げ伸ばしを行っておきましょう。「転倒」をした際はさらに大きな衝撃が加わるため、その点も考慮して隅々まで筋肉や関節をほぐしてください。
無茶をしない
パルクールで怪我をする多くの原因は、「自分にレベルに合っていない技をしようとすること」です。練習の調子が良い時は、つい高難易度の技を試したくなるものです。基礎技の延長となる技(側転→側宙など)であれば問題ないですが、段階を飛ばして自分のレベルに合っていない技をすると、危険な角度から転倒する可能性があります。調子が良い時こそ冷静になって、「今の自分でも大丈夫なのか」を自問するようにしてください。それでも試したい技がある場合は、イメージトレーニングをしっかり行い、自信を持って挑戦しましょう。
受け身をしっかり取る
パルクールの技が完成するまでは、失敗の連続です。技を行う度に雑な着地の仕方をしていると、そのうち怪我をしてしまいかねません。着地はパルクールの基礎技である「ランディング」「ロール」を上手に使って、衝撃を分散するようにしてください。技が綺麗に決まれば受け身を取る必要はありませんが、慣れるまでは特に意識して身体に負担がかからないようにしましょう。
通行人に配慮をする
パルクールは街中で行うことが多いため、気をつけていなければ通行人との衝突をしてしまう危険性があります。ストリートのスケボー動画をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。パルクールも同様に、街中の障害物や地形を利用して行うため、着地点などに通行人が居合わせる場合があります。周囲に人がいないかどうかを確認してから技を行うようにしてください。
パルクールに向いている環境を選ぶ
初心者の方にありがちなのが、パルクールのプロに憧れていきなり固い地面で練習をすることです。初心者の方は失敗する確率が高く着地も上手に取れません。地面が固ければ大きな怪我をするリスクもあるため、砂場や芝生がある公園などから始めましょう。
パルクールは大きな視点で見れば「目に見えるもの全てがステージ」です。パルクールスポットと呼ばれる場所は「公園の砂場」から「路地のアスファルト」まで幅が広いため、自分のレベルに合わせて練習環境を変えていきましょう。
パルクールの技は少しずつ安全に覚えよう
パルクールは「基礎」なくしては、多くの技を習得することができません。人によってスタイルは異なりますが、まず覚えるべき基礎は共通しています。施設を利用したり教室に通うことがベストですが、独学でも十分に上手くなれます。今回の解説を参考に、怪我やトラブルに注意して、楽しく実践してみてください