パルクール上達におすすめのトレーニングメニューを徹底解説!
Aventure編集部
段差や壁などの地形を利用し、跳んだり回転したりとさまざまな動きをするパルクール。やってみたい反面、技の習得が難しそうだという印象を持っているのではないでしょうか。しかし、パルクールは基礎体力があれば次々に技を覚えられます。今回は「パルクール上達のためにできる体作り」に焦点を当てて、運動経験の少ない方でも取り組めるように解説します。
トレーニングを行う前に
いきなりトレーニングを行うと「ぎっくり腰」「肉離れ」などの怪我を負う可能性があります。まずは体を動かす準備が必要なので、以下のポイントを参考に怪我防止に役立ててください。
全身の筋肉をほぐす
いきなりトレーニングに取りかかると肉離れや関節(肘、膝、手首など)を痛める可能性があるため、まずは筋肉をほぐす必要があります。テニスボールなどの球体を筋肉に当てて動かしたり、無ければ筋肉を揉みほぐしてください。手が届きにくい部位、固い部位はポンポンと叩いてほぐしましょう。
ウォーミングアップを行う
ウォーミングアップをして身体を温めると、血流が促進され筋肉や関節が温まり、関節可動域が広がります。身体が温まった状態でトレーニングを行うことで、柔らかい筋肉を作ることができ、瞬発力を高めることが可能です。ぎっくり腰などの怪我予防にもなり、パルクールに有利に働く筋肉をつけることができるため、一石二鳥だと言えるでしょう。
パルクールのための筋力トレーニング
パルクールは筋肉が発達している方が、身体を支えるという意味では有利に働きます。しかし、ただ大きく発達しているだけでは「動作が鈍くなる」「可動域が狭くなり、タイトに技を決めづらくなる」といった弊害もあるでしょう。パルクールの動作に適した体作りをするためには、以下の内容で取り組むことをおすすめします。
体幹トレーニング
パルクールはレールでバランスを取ったり、着地を止めたり、宙返りにひねりを加えたりします。つまり、「ブレない体の軸」が無ければ上手に技を決めることができません。そのため、体幹トレーニングを行い、技に負けない身体を作ることが重要です。体幹トレーニングは沢山のメニューがあるため、自分のレベルに合わせて選んでみてください。
瞬発力トレーニング
パルクールは全ての動きに瞬発力が試されると言っても過言ではありません。「飛び越える」「高い壁を登る」「宙返りをする」などの技がほとんどだからです。瞬発力が鍛えられると、身体を動かす速度がアップするため、それに伴い技の高さも出るようになります。坂道ダッシュやバーピージャンプ、縄跳びの二重跳びなどで鍛えられるため、習慣に取り入れてみてください。
鉄棒トレーニング
鉄棒トレーニングとは「ぶら下がって握力を鍛える」「懸垂をして身体を引っ張る力を鍛える」ことです。パルクールは壁をよじ登るクライムアップという技をよく使います。壁に捕まり身体を上に持ち上げて登り切る技で、腕や背中の筋力が足りなければ上がれません。
他にもラシェという、「鉄棒で身体を振り子のように動かして、その勢いで他の障害物へ飛び移る技」なども存在します。近くの公園などに鉄棒があれば、最初は足が地面についてても良いので懸垂の練習をしてみてください。
パルクール実践向けのトレーニング
パルクールの実践に近い動きを取り入れながら行うトレーニングを3パターン紹介します。「レール」「段差」なども利用するため、実践のイメージがつきやすいでしょう。合わせてバランス感覚や体幹、瞬発力も鍛えられます。
どのトレーニングも絶対的な決まりはなく、自分なりにアレンジを加えてみるのも良いです。パルクール実践前のウォーミングアップとしても使えて、それぞれバリエーションも豊富なためぜひ覚えてみてください。
アニマルウォーク
アニマルウォークは通常のトレーニングでは届かない部位まで効率よく鍛えられる「筋力+瞬発力+体幹トレーニング」です。パルクールはさまざまな技が存在するため、どの動きにも対応できるためのトレーニングとして最適だと言えるでしょう。ワニ、サル、ウサギなどの動きを再現して動くため、楽しく隅々まで鍛えられます。
基本的に自宅や芝生などの平地でトレーニングができますが、坂道や階段などで負荷をかけてみるのもおすすめです。レールの上で四足歩行をすると、パルクールの実践感覚も掴めます。さまざまなアレンジが利くため、親子や友達同士で楽しみながらやってみてください。
レールバランス
レールバランスは、レールの上に乗ってバランスを取るだけのシンプルなトレーニング法です。誰もが一度は遊びでやったことがあるのではないでしょうか?レールの端から端まで歩いてみたり、横向きに立ってバランスをとったり、後ろ歩きをしたり、さまざまな動作を行います。
バランス感覚や体幹が鍛えられるだけでなく、「プレシジョン」という、幅跳びに似た技の着地時に「ピタッと静止する際の感覚」も養われます。レールが恐ければ段差の端の部分で行っても効果はあるので、恐怖心が少ないステップから試してみてください。
階段ジャンプ
人通りが少ない階段を使ってジャンプトレーニングを行います。これはパルクールの移動術である「プレシジョン」の跳躍力・バランス力・着地の精度を養うためのトレーニングとして大いに役立ちます。
階段の幅や高さにもよりますが、自分が飛べる限界手前の段を狙って、その角に足の裏の母指球がある面で着地するようにしてください。それによって正しいプレシジョンの着地が練習でき、合わせて下半身のトレーニングにもなります。両足ジャンプでなく、段飛ばしで走って駆け上がる方法も「ランニングプレシジョン」の練習になるため非常に効果的です。
パルクールのトレーニングに使えるアイテム
トレーニング時に使える、便利なアイテムを4点紹介します。パルクールの動作は基本的に、必要以上に筋肥大させない方がうまく行えるものばかりです。そのためウェイトトレーニングではなく、自重トレーニングをより高強度・広範囲で行えるようになるためのアイテムを紹介していきます。
チンニングスタンド
チンニングスタンドは懸垂をするための道具です。懸垂で鍛えられる筋力(引っ張る力)はパルクールの動作上、非常に重要な役割を果たします。特別な動きはしなくても、通常の筋トレと同様にひたすら懸垂をするだけで効果があるでしょう。
バク宙などの回転力をつけたい場合は、腕を伸ばしたまま足を上にあげて「腸腰筋」「腹直筋」を鍛えることもできます。チンニングスタンドは家族用の冷蔵庫と同じくらいの大きさなので狭い家には置けませんが、壁に圧力をかけて固定できるものもあります。
プッシュアップバー
プッシュアップバーとは、腕立て伏せの可動域を広げるための道具です。腕立て伏せの際に上半身全体にグッと力を入れることで、背筋や腹筋も鍛えられ、体幹の筋力が身につきます。また、腕立て伏せが強くなると「コングヴォルト」などの腕の強さが必要な技が楽にできるようになります。
ヨガマット
ヨガマットは家に一枚あると非常に便利です。腹筋や背筋などのトレーニングでは床で行うと骨が当たって痛いのですが、それを防げるためメニューの幅が増えます。バーピージャンプなどの激しい動作でも衝撃を吸収できるため、マンションに住んでいる方は特におすすめです。
パルクールは基本的に自重トレーニングによって体作りを行うため、ヨガマットは優先的に揃えると良いでしょう。トレーニングや練習後のストレッチにも使えるため、使い勝手が良いと言えます。ヨガマットのおすすめの厚さは10~15mmです。
パルクールは基礎体力を鍛えてから始めよう
パルクールに使える体作りの方法を解説していきましたが、まずは自分ができそうなトレーニングから行ってみてください。基礎体力が徐々についてくると他のメニューにも取り組めるようになり、パルクールの技がスムーズに習得できるようになります。
基礎技を習得した後、慣れてきたらトレーニングは止めてもかまいません。怪我や多忙によりパルクールのブランクが空いた場合は、トレーニングから再開すると良いでしょう。体を大きくしすぎない限りは鍛えておいて損はないので、当記事のメニューを参考に鍛えてみてはいかがでしょうか。