ネットワークオーディオプレイヤーの選び方とおすすめモデル6選
Aventure編集部
ローカルネットワーク上のデジタル音源を再生できるネットワークオーディオプレイヤーは、自宅での音楽の新たな楽しみ方として注目されています。しかし、各メーカーからたくさんのモデルが発売されていて、選ぶのが難しいと感じている方も少なくありません。この記事では、接続方法やその他の機能の有無などネットワークオーディオプレイヤー選びのポイントを紹介し、おすすめモデルを紹介していきます。
ネットワークオーディオプレイヤーとは
ネットワークオーディオプレイヤーとは、ローカルネットワークに接続されたNASと呼ばれるハードディスクに保存されたデジタル音源を再生するプレイヤーのことです。
最近では、ネットワークオーディオプレイヤーの基本的な機能に加えて、スマートフォンやタブレットとBluetooth接続して音源を再生できたり、Spotifyなどのストリーミングサービスに対応しているモデル、CDプレイヤー機能を持ったモデルなど、付加機能が充実していきています。
ネットワークオーディオプレイヤーはCDを入れ替える手間が不要な上に、膨大なデジタルライブラリから好みの曲を検索できるなど、デジタル音源を扱う機器ならではのメリットがあります。さらに、対応アプリをインストールしたスマホやタブレットをコントローラーとして使用できるモデルもあり、その利便性は日々向上しています。
もちろん高音質にこだわったモデルがたくさん発売されているので、これまでCDプレイヤーで音質にこだわってきたオーディオファンにもおすすめできるオーディオプレイヤーです。
ネットワークオーディオプレイヤー選びのポイント
ネットワークオーディオプレイヤーは各メーカーから幅広い価格帯で発売されており、さまざまな付加機能があるモデルも少なくありません。複雑化したラインナップの中からご自身に最適な1台を見つけられるよう、ネットワークオーディオプレイヤーを選ぶ際のポイントを紹介します。
対応している入力方式に注目
ネットワークオーディオプレイヤーをルーターと接続する際にどのような方法で接続できるのかに加えて、スマホや外付けハードディスクなど、その他の機器との接続の可否を確認しましょう。
有線LAN・無線LAN(Wi-Fi)
通常、NASと接続したルーターにネットワークオーディオプレイヤーを接続しますが、その接続方法には大きく2種類あります。
1つはLANケーブルで直接繋ぐ方法ともう1つは無線LANで接続する方法です。LANケーブルで繋いだ場合は安定した接続により高音質での再生が期待できる一方、無線LANでは音質よりも機器の設置の自由度やケーブルが少なくスッキリとした配置が可能になることがメリットに挙げられます。
その他の機器との接続
ネットワークオーディオプレイヤーの中にはスマホやタブレットの他、外付けハードディスクやPCと直接繋いでUSB DACとして使用できるモデルもあります。
Bluetooth接続に対応していれば、スマホやタブレットとワイヤレス接続が可能で、ホームオーディオのシステムを使ってスマホやタブレット内の音楽を手軽に楽しめます。Apple製品をお持ちの方なら、AirPlay対応モデルを購入すればよりスムーズに安定した接続が期待できます。
USB入力に対応していてUSB DACとして使用できるモデルであれば、接続した外付けハードディスクやPC内にあるデジタル音源を高音質で再生できるようになります。
余談ですが、Spotifyやインターネットラジオに対応しているモデルもあり、インターネット環境があればネットワークオーディオプレイヤーのみで膨大な音楽ライブラリやラジオを楽しめるのです。
出力方式を確認
出力方式とは、ネットワークオーディオプレイヤーをアンプやスピーカーへ接続するための端子の種類のことです。一般的にはRCAアンバランス出力とXLRバランス接続の2種類があります。
RCAアンバランス出力は一般的な出力端子で、馴染み深い赤と白のケーブルを使った接続です。XLRバランス出力とはハイエンドモデルに搭載されていることがある端子で、ノイズに強いと言われています。ただし、接続するアンプやスピーカーがXLRバランス入力に対応している必要があるので、お手持ちの機材の端子を確認しましょう。
ネットワークオーディオプレイヤーにヘッドホンを接続して聴きたい場合は、本体にヘッドホン出力があるかもチェックしておくといいでしょう。
アンプ搭載の有無
ネットワークオーディオプレイヤーには、CDプレイヤーと同じくアンプ搭載モデルと非搭載モデルがあります。
アンプ搭載モデルは気軽に音楽を楽しみたい方や、設置場所の都合上コンパクトにシステムを組みたい方向けのモデルです。一方で、アンプ非搭載モデルはそれぞれの機器の組み合わせによる音質の追求を楽しみたい方や、すでにお持ちのCDプレイヤー・アンプ・スピーカーのシステムにネットワークオーディオプレイヤーを新たに組み込みたい方向けと言えるでしょう。
ハイレゾ対応の有無
もしすでにハイレゾ音源をたくさんお持ちの場合は、ハイレゾ対応モデルを購入するのがおすすめです。
ハイレゾ音源にはWAV、DSD、FLAC、ALAC、AIFF、MQAなど複数のフォーマットが存在しているので、ご自身がお持ちのデジタル音源のフォーマットに対応しているかも確かめておきましょう。
CDプレイヤー機能の有無
ネットワークオーディオプレイヤーには、CDプレイヤーが一体になっているモデルもあります。
CDプレイヤーを持っていない方で、NASに保存された音源だけでなく、手持ちのCDも再生したい方はCDプレイヤー機能も付いているモデルを選ぶのがおすすめです。
おすすめのネットワークオーディオプレイヤー6選
各メーカーから幅広い価格帯でさまざまな機能のネットワークオーディオプレイヤーが発売されています。ここでは10万円台から40万円台のミドルクラス機に加え、を中心におすすめモデルを紹介していきます。
NOVATRON cocktailAudio X45
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NOVATRONから発売されているcocktailAudio X45はあらゆる付加機能が魅力的なマルチメディアプレイヤーです。ネットワークオーディオプレイヤーとしての機能に加え、最大の特徴はFLACやWAVなどさまざまなフォーマットでCDにリッピングができることで、取り込んだデジタル音源は本体に備え付けのスロットに入れた外付けハードディスクに保存できます。
RCAアンバランスとXLRバランス入力はもちろん、Phono入力にも対応しているのでレコードプレイヤーとの接続が可能です。
左右チャンネルそれぞれに独立したDACを搭載したUSB DAC機能にも対応し、ハイレゾ対応のほか、ストリーミングサービスやインターネットラジオにも対応したほぼ全部入りとも言えるプレイヤーです。
MYTEK Digital Brooklyn Bridge
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Brooklyn Bridgeは、オーディオファンから高い評価を得ている同社のDAC、Brooklyn DAC+にネットワークオーディオ機能を搭載したモデルです。約20cm四方のコンパクトな筐体にネットワークオーディオプレイヤーのほか、USB DAC機能、各種ストリーミングサービス、PCへの音声入力が可能になるオーディオインターフェース機能まで搭載しています。
CDプレイヤーはすでにお持ちで、ネットワークオーディオプレイヤーを手軽にシステムに組み込みたい場合におすすめのモデルです。
Technics SL-G700
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Technicsから発売されているSL-G700は、ネットワークオーディオプレイヤー機能を搭載したSACDプレイヤーとして定番の1台です。SACDとはSuper Audio CDと呼ばれるもので、従来のCDよりもさらに高音質で音楽が楽しめるメディアです。
MQAを始め各種ハイレゾフォーマットにも対応しているので、NASに保存しているハイレゾ音源の再生が可能なことに加え、ストリーミングサービスにも対応しています。
CD再生時に使用されるDACは左右チャンネルそれぞれに1つずつ搭載されており、ネットワークオーディオだけでなくCD再生の音質にもこだわりたい方におすすめのモデルです。
SFORZATO DSP-Pavo
SFORZATOはネットワークオーディオプレイヤーに付加機能を追求せず、シンプルなモデルを手掛けてきたメーカーです。DSP-Pavoもネットワークオーディオプレイヤーに加え、LAN DACとUSB DACの機能だけに絞ったシンプルなモデルです。
機能をシンプルに絞っている一方で音質には徹底的にこだわっており、とくにデジタル音源の再生時に音質を左右するジッターの除去には力を入れています。本体にクロック発振器を内蔵せずに専用の外部クロックを採用することで、一歩先の高音質を実現しています。
すでにオーディオシステムを組んでいる方が新たにネットワークオーディオを組み込む場合にはおすすめのモデルと言えるでしょう。
TEAC UD-701N
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ネットワークオーディオプレイヤー機能を搭載したUSB DACとしてTEACのフラッグシップに君臨しているのがUD-701Nです。汎用の集積チップを使ったDACを使用せず、独自開発のディスクリートDACを搭載したことで、メーカーが思い描くサウンドをとことん追求できたことが最大の魅力と言えるでしょう。
UD-701Nは各種入力端子を備えたプリアンプとしても使用できるので、お手持ちのシステムにネットワークオーディオプレイヤーを追加すると同時に、システム全体の音質向上も狙えます。
Marantz ND8006
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ND8006は10万円台とネットワークオーディオプレイヤーの中では手頃な価格帯でありながら、CDを始めとするさまざまな入力に対応しているマルチなモデルです。ローカルネットワーク上のNASとの接続はもちろん、PCやハードディスクを接続してUSB DACとして使用できるほか、各種ストリーミングサービスやインターネットラジオにも対応しています。
これからホームオーディオのシステムを構築する上で、1台でマルチな入力に対応したモデルをお探しの方におすすめのモデルです。
必要な機能を整理して最適な1台を
ネットワークオーディオには、ネットワーク上のNASに接続してデジタル音源を再生するという本来の機能に加えて、USB DACとしての使用、CD再生、スマホとの接続、ストリーミングサービスとの連携などさまざまなソースの再生機能が付加されています。自身のオーディオシステムの環境や必要とする機能に合わせて最適な1台を選びましょう。