リーズナブルでも本格派!Marantz「PM5005」人気の理由を解説
Aventure編集部
プリメインアンプという機材を導入することで、音楽鑑賞をより上質なものにできます。音信号を増幅させて出力するだけでなく、音質の調整を可能にするアンプという機材は、オーディオファンにとってはなくてはならないものでしょう。今回の記事では、プリメインアンプの中でも根強い人気を誇るMarantzのPM5005について、その特徴や魅力を紹介していきます。
世界的人気を誇るブランド・Marantz
Marantzとは、日本の企業D&Mホールディングスが擁するオーディオブランドです。もともとはアメリカで創業された企業であり、創業者のソウル・バーナード・マランツの名前を冠して命名されました。
アメリカで創業されて以降、様々なメーカーに売却されながらも、数々のヒット製品を生み出す人気ブランドとして活躍し続けています。
常に時代をリードするトップランナー
マランツはオーディオ市場を常にリードしてきたブランドとしても知られています。1982年にマランツがリリースしたCD-63は世界初のCDプレーヤーであり、CDの普及にとって大きな役割を果たしました。
リーズナブルな製品からハイエンドな製品まで幅広く生産しており、オーディオ業界においてのトップブランドとして支持されています。
プリメインアンプとは
プリメインアンプとは、プリアンプとパワーアンプが一体化した機器です。アンプとはプレーヤーが発した音の信号を増幅させる役割を持ちます。
プリアンプはパワーアンプの前に接続され、音量や音質、左右バランスなどを調整します。一方でパワーアンプはプレーヤーまたはプリアンプから送られてきた音信号を増幅させ、スピーカーから出力できる状態にする機器です。
このように音色の調整を果たすプリアンプと、音信号の増幅を担うパワーアンプが一体となって1つの製品となっているのがプリメインアンプです。
もともと役割の違う2つの機材が一体となっていることで、それぞれの役割は少しずつ制限されることにはなりますが、操作をより直感的にしたり、機器の設置スペースを節約したりといったメリットがあります。
最上級のサウンドを求めてハイエンドモデルの購入を検討する場合はそれぞれ別の製品を導入するのが望ましいのですが、プリメインアンプはそうでない方にとって非常に便利な製品でしょう。
Marantz屈指の人気モデル・PM5005
PM5005とは、2014年にリリースされたプリメインアンプです。PMシリーズの中でも長くユーザーに愛されています。現在は生産終了となった製品ですが、その人気ゆえ中古品は品薄になっていることも少なくありません。インターネット上でも「売り切れ」の文字をよく見かけます。
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製品価格 | 34,800円 |
対応インピーダンス | 4〜16Ω |
製品サイズ | 縦37cm×横44cm×高さ10.5cm |
重量 | 6.7kg |
付属品 | かんたんスタートガイド、取扱説明書、リモコン(RC002PMCD)、単4形乾電池×2 、電源コード |
購入者のレビュー
購入者からのレビューも、Amazonで星4.1と非常に高く評価されています。音質、操作性、デザインなど複数のポイントが満遍なく高評価を博しているという印象です。
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音が良く、操作性も良い。価格も驚異的に押さえられていると思います。 リラックスして音楽を楽しみたい方に合うと思います。 天井方向に向かう高音とやわらかい中音、良い意味で軽い低音。全体はハッキリしてるけど耳に刺さらず奥行きのある音です。 ボーカルやピアノなどは特に美しいと思います。
PM5005が銘機と言われる理由
PM5005が銘機と呼ばれて人気を博している主な理由は、エントリークラスでありながら本格的なサウンドメイクを可能にしているという点です。ここからは、価格に対して非常に高い性能を持つPM5005の魅力を深掘りして解説していきます。
リーズナブルなエントリークラス
PM5005はエントリークラスという価格帯に分類されています。エントリークラスとは、entryという英単語が表すように、入門用のリーズナブルな製品ラインを指しています。
エントリークラスの製品は数万円が基本で、PM6000シリーズをはじめとした上位機種と比較するとリーズナブルであることがわかります。しかし、PM5005のサウンドの質は上位機種にも決して引けを取りません。
上位機種と比較しても引けを取らないという評判には、確固たる根拠があります。その根拠とは、次に紹介する製品の構造によって説明できます
フルディスクリート
PM5005を銘機たらしめる要因の2つ目は、フルディスクリートという回路構造にあります。アンプの内部には、様々な役割を持つ部品の数々が敷き詰められています。それらの部品が別々のパーツによって作られている構造をディスクリートと呼びます。フルディスクリートとは、回路の全て(=フル)が別々のパーツで作られているということを意味します。
ディスクリートの構造に対して、ICと呼ばれる集積回路が用いられている製品もあります。集積回路は、一つの半導体基板に様々な機能の素子をはめ込んだ部品です。生産の効率が良くコストも抑えられるというメリットがありますが、一方で一つひとつの部品の機能性にこだわり抜くことはできず、カスタマイズ性が低いというデメリットがあります。
フルディスクリートで内部回路が構成されているということは、一つひとつのパーツが選び抜かれ、高いカスタマイズ性を実現しているということです。
エントリークラスでありながらフルディスクリート
ここまで紹介してきた2つの要素、エントリークラスでリーズナブルである点と、フルディスクリートで本格的なサウンドを実現する点を併せ持つのがPM5005最大の魅力です。エントリークラスでフルディスクリート構造を採用したのはこPM5005がシリーズ初であり、他メーカーを含めてもこのようなモデルは多くはありません。
スタイリッシュなデザイン
価格や性能だけでなく、デザインもPM5005の魅力の一つです。コンパクトにまとまったフォルムと、やや光沢がかったシルバーゴールドの色合いは、無難でありながら確かな高級感を演出し、どんな部屋にも馴染むことでしょう。VGPが主催するオーディオビジュアルグランプリでも幾度となく入賞を果たしており、まさに銘機と呼ぶにふさわしい製品です。
音楽鑑賞をリッチにするコントロール
PM5005はアンプ内蔵のスピーカー製品にはないコントロールを可能にします。ここからは、PM5005を使用して好みのサウンドを実現するためのコントロールを一部抜粋して紹介していきます。
音量調節とミュート
ボリューム調整は音量・音質の最も基本にあるコントロールと言っても過言ではありません。ボリューム調節は「つまみ」形式になっており、直感的に操作できます。
また、ミュートボタンがあることによって、ボリューム設定を変えることなく消音/出音を切り替えられます。とっさに消音したい場合などには重宝する機能です。
音域と左右出力から音質をコントロール
音域や左右出力のコントロールは、プリメインアンプやプリアンプなしでは実現できるものではありません。プリメインアンプを使用して各音域を調整することで、好みの音質にグッと近づけられるのです。
たとえば、Trebleを調整すれば、高音の出力をコントロールできます。高音を強調することで明るい聴こえ方になるのです。またBassは文字通り低音の出力をコントロールでき、低音を強調することでヘヴィな聴き心地を演出します。高音と低音の出力を調整するだけでも、同じ楽曲が次々と表情を変えるのが分かるはずです。
また、Balanceを調整すると左右それぞれのスピーカーから出る音量をコントロールできます。左右バランスや音域を調整することで、それぞれのリスニング環境に最適化したサウンドを実現できるでしょう。
ラウドネスボタン
ラウドネスボタンは、出力される音声の低音と高音の音質を自動で補正する機能です。ラウドネスボタンが活躍するのは小音量で音楽を再生する場面です。
音をスピーカーから出力する際、音の特性上、小さな音量だと低音と高音が聴こえにくくなってしまいます。この「迫力が感じられない」という問題点を解消してくれるのがラウドネスボタンです。音量を上げずとも迫力が損なわれず、自然な聴き心地を演出します。