アナログターンテーブルの入門機!SL-1500Cの魅力に迫る!
Aventure編集部
SL-1500CはTechinicsが展開するレコードプレイヤーです。ターンテーブル初心者にも使いやすい設計ですが、エントリーモデルとは思えない抜群の機能性と音質を誇ります。その機能性は、オーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP2019 SUMMER」のピュアオーディオ部会にて「批評家大賞」を受賞した実績も持つほどです。ここではTechnicsというブランドの魅力やSL-1500Cのスペック・生まれた背景、製品の魅力を徹底的に解説します。
Technicsとは
SL-1500CはTechnicsが手掛けているレコードプレイヤーです。そもそもTechinicsとは、パナソニックグループのハイファイオーディオ製品のブランド名です。Techinicsは「Rediscover Music.」を掲げ、音楽を愛する人たちに世界最高水準の感動を届けるブランドとして展開されています。
Technicsの始まりは、1965年に密着型2ウェイユニットスピーカーを販売したことに始まります。そこから、ステレオコントロールアンプ、パワーアンプなどを発売し、1970年には世界初のダイレクトドライブ方式ターンテーブルであるSP-10を世に送り出し、オーディオの新時代を築きました。以降、CDプレイヤーやアンプ、スピーカーなどさまざまな商品を展開しています。
しかし、2008年のパナソニックへの社名変更・ブランド統一の流れの中で、Technicsは2010年にブランドとしての展開が終了しました。しかし、世界中のファンからの要望もあり、2014年にオーディオ専用ブランドとして復活を遂げたのです。以降、現在に至るまで国内だけでなくグローバル展開も果たしている、日本屈指のオーディオブランドです。
Techinicsの魅力
Technicsはユニークかつ先進的な技術を詰め込んだ商品を多く展開しています。1970年に発売したSP-10は、低速かつ滑らかに回転するダイレクトドライブ方式ターンテーブルを世界で初めて採用しました。当時の課題であった振動を排除して高い品質を実現し、世界の放送局で採用されるほどの人気を博します。
また、位相特性に注目した世界初のリニアフェーズスピーカーであるTechnics7を発売したことも有名です。販売実績は10万台にのぼり、オーディオ界に影響をもたらしました。
このように、既存の製品に囚われない技術で魅力的な商品を展開しているのがTechnicsの魅力と言えます。
SL-1500Cとは
Techinicsが展開するターンテーブルにはSL-1200G/GAE、SL-1200GRのほか、ハイエンドモデルのSL-1000R/SP-10R、DJターンテーブルであるSL-1200シリーズなどがあり、ハイファイグレードの製品が多く揃っています。SL-1500Cはその中でもエントリーモデルに該当し、アナログレコード入門者にも使いやすい設計です。
しかし、エントリーモデルとは思えない抜群の機能性と音質を誇り、入門者だけでなくアナログレコードを普段から使用している方にも高い満足度を与える製品です。
ここでは、SL-1500Cのスペックと登場した背景を紹介します。
製品スペック
SL-1500Cの製品スペックは以下の通りです。
価格 | 110,000円(税込) |
サイズ | 453×169×372mm |
重量 | 9.9kg |
カラー展開 | -S(シルバー)、ーK(ブラック) |
回転数 | 33 1/3rpm、45rpm、78rpm |
電源 | AC100V、50/60Hz |
消費電力 | 8.0W(電源オン時)/約0.2W(電源オフ時) |
付属品 | ターンテーブル×1、ターンテーブルシート×1、ダストカバー×1、EPレコード用アダプター×1、バランスウェイト×1、補助ウェイト×1、カートリッジ付きシェル×1、PHONOケーブル×1、PHONOアース線×1、電源コード×1 |
SL-1500Cの登場背景
SL-1500Cは、初めての方でも手軽に高音質なレコード再生を楽しめるダイレクトドライブターンテーブルシステムとして登場しました。
アナログレコードの需要が増している現在、10代〜30代の若い年代もレコードを購入するようになっています。そうした背景から「ハイファイターンテーブルをより多くの人に楽しんでもらいたい」という思いで作られたのが、エントリーモデルであるSL-1500Cなのです。
2021年11月には、シルバーだけでなくブラックのSL-1500Cも登場しています。Technics事業推進室CTO/チーフエンジニアの井谷哲也氏によると、昔から持っているオーディオ機器を活用し、新たにオーディオ環境を整えようとする人が増えているのだそうです。そうした人たちがすでに持っていることが多いブラックモデルに合わせて、ブラックのSL-1500Cを発売したとのことです。
SL-1500Cの魅力
SL-1500Cは、アナログレコード入門者にも使いやすい機能性と高い性能が魅力です。
高機能ながら比較的入手しやすい価格であることもポイントで、その魅力は初心者だけでなくオーディオファンをも虜にしています。
SL-1500Cはオーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP2019 SUMMER」のピュアオーディオ部会にて、「批評家大賞」を受賞しました。ここでは、そんなSL-1500Cの魅力を解説します。
高い回転精度を誇るコアレスなダイレクトドライブターンテーブルシステム
SL-1500Cの1つ目の魅力は、コアレスなダイレクトドライブターンテーブルシステムです。
従来のダイレクトドライブ方式は、回転精度が高いものの、コギングと呼ばれる回転ムラの発生が課題でした。コギングは、コアである鉄心と永久磁石が作用することで生じます。
そこで、SL-1500Cではコイルからコアを排除した「コアレス・ダイレクトドライブ・モーター」を採用し、その課題を解決しました。そのため、回転精度の高さはそのままに、回転ムラを防いでより快適にレコード再生を楽しめるようになったのです。
また、SL-1500C専用にチューニングを施すことで、上位モデルであるSL-1200GRと同様の高い回転精度を誇りながら、立ち上がり時間の短縮を実現していることもポイントです。
初心者にも使いやすい抜群の機能性
SL-1500Cの2つ目の魅力は、初心者にも使いやすい抜群の操作性です。SL-1500Cの兄弟モデルであるSL-1200GやSL-1200GRはカードリッジレス仕様で、使用する際はカートリッジやフォノイコライザーを選択する必要があります。
しかし、SL-1500Cはフォノイコライザーを内蔵し、MM型カートリッジである2M REDも付属しています。そのため、カートリッジやフォノイコライザーの選択に悩むことなく、購入後すぐに使えるのです。2M REDはあらかじめシェルに取り付けられているため、組み立てや設置も簡単にできます。
また、再生が終了すると自動的にトーンアームを持ち上げてくれるオートリフトアップ機能を搭載しており、針を傷めずに使えます。アナログレコードに挑戦したい方が手軽にハイファイサウンドを楽しめるだけでなく、オーディオファンの方にも便利な工夫が目白押しです。
高機能ながらコストダウンを実現
SL-1500Cの3つ目の魅力は、シンプルさを追求し、ストロボスコープやスライド式ピッチコントローラーといった装備を排除している点です。良い音を楽しむために必要な最低限の機能を揃え、それ以外は削ぎ落としたシンプルな設計を採用しています。
また、ローターとヨークをプラッター側に一体化し、キャビネット素材をABS樹脂にするなど、他のモデルとは異なるコストダウンの工夫も見られます。さらに、マレーシアで生産することでコストダウンを図っているのもポイントです。
このように、高い機能性を保持しながらさまざまな工夫でコストダウンを実現しています。
SL-1500Cでアナログレコードの世界を堪能
この記事では、Techinicsが展開するSL-1500Cについて、Techinicsというブランドの魅力と製品のスペック・背景・魅力を解説しました。SL-1500Cは、シンプルな設計でターンテーブルの入門機として使いやすい製品です。また、Techinicsの中でも比較的手が届きやすい価格で気軽に音楽を楽しめます。
シンプルで比較的低価格ながら、抜群の機能性・音質を楽しめます。そのため、アナログレコード初心者はもちろん、オーディオファンが普段使いするのにもおすすめの製品です。この記事をきっかけに、SL-1500Cを通してレコードプレイヤーの世界を堪能してみてはいかがでしょうか。