逆立ち腕立て伏せを短期間で最短でマスターするコツを徹底解説
Aventure編集部
自重トレーニングは器具を使わずに行うため、基本的には一部の体重分しか負荷がかかりません。しかし「逆立ち腕立て伏せ」ができるようになれば、下半身の体重が上半身の負荷となるため、今までにないトレーニング効果が期待できます。今回は逆立ち腕立て伏せで鍛えられる部位から、やり方まで解説していきます。
逆立ち腕立て伏せで主に鍛えられる部位
逆立ちを経験したことがある方は想像できるかと思いますが、逆立ちは上半身全体に負荷が掛かります。ただし、壁などの支えを使った逆立ちは腕や肩しか鍛えられません。あくまで自分でバランスを取った際にかかる負荷だと捉えてください。逆立ち状態でさらに腕立て伏せを行うと、以下の4つの部位が鍛えられます。
肩の筋肉
肩の筋肉とは「三角筋」のことを指します。三角筋は逆立ち姿勢のみでも負荷がかかる部位なので、最も鍛えやすいポイントだと言えるでしょう。体操選手の三角筋が著しく発達しているのは、倒立(逆立ち)の種目が多いためです。三角筋が鍛えられることで肩幅が広くなるため、男性にとっては大きなメリットではないでしょうか。
腕の筋肉
腕の筋肉とは「前腕」「上腕三頭筋」のことを指します。逆立ち腕立て伏せを行うことで、三角筋とともに上腕三頭筋に体重が乗せられるため、大きな負荷が掛かります。前腕が鍛えられる理由は、手のひらや指先でバランスを取るからです。手首にも負荷がかかるため前腕全体を鍛えられると言えるでしょう。
背中の筋肉
背中の筋肉とは、大きな部位で言えば「広背筋」「僧帽筋」です。背中は通常の自重トレーニングだとなかなか負荷をかけにくいポイントなので、逆立ち腕立て伏せの隠れた魅力がここで感じられるでしょう。難易度は高いですが、プランシェ状態(姿勢を地面と平行状態にする技)のためのトレーニングを行うと、大円筋などの細かい筋肉も鍛えられます。
お腹の筋肉
お腹の筋肉とは「腹直筋」「腹斜筋」のことを指します。ただし、壁を支えとした逆立ち腕立て伏せでは自分でバランスを取らないため、腹筋には負荷が掛かりません。自分の力だけでバランスを取った際に腹筋が使われることを知っておいてください。また、腹横筋には力を使わないため、ウェストを絞りたい方には向いていないと言えるでしょう。
逆立ち腕立て伏せのやり方
壁に足をつける
壁に足をつけるやり方は2通りあります。
・背中側を壁に向ける
・お腹側を壁に向ける
逆立ち状態で足を壁につけたら、姿勢をまっすぐにして腕立て伏せができる状態にしましょう。まずは支えがある状態で逆立ち状態を保てるようにする必要があります。
地面を見る
地面を見ることは、バランスを取る上で非常に重要なポイントです。顔ごと地面の方を向いてしまうと姿勢が崩れるため、ほんの少しだけ顎を上げて目で地面を捉えるようにしてください。地面を確認することで視覚的にバランスを取りやすく、両手の位置を均等に保つことができるからです。壁の支えを頼らない完全な逆立ち状態だとさらに重要になるため、必ず行いましょう。
腕立て伏せをする
壁に足をつけて地面を見る形が取れたら、早速腕を曲げて「逆立ち腕立て伏せ」を試してみてください。おでこが地面に着くか着かないかという位置まで頭を下げるのが理想です。完全に伏せた状態から腕を伸ばして、身体を持ち上げることができたら完成です。とはいえ、最初は筋力不足で難しいと思うので、後述する筋トレ種目で鍛えて再挑戦すると良いでしょう。
逆立ち腕立て伏せのコツ
全身の筋肉を締める
壁なしの状態で逆立ちをピタリと止める時は、「手のひらと指先だけ」でバランスを取ることができます。しかし逆立ち腕立て伏せとなると、腕の曲げ伸ばしによって静止することが難しくなります。これに対処するには全身を一本の棒のようにする必要があります。特に「腹筋」と「お尻の筋肉」を内側にギュッと絞ることが重要です。最初は足を壁につけた状態で試してみてください。
三角筋に体重が乗るように意識
逆立ちの姿勢で一番負荷がかかる部位は「三角筋」だと先述しました。つまり、三角筋に体重が乗っていれば正しい逆立ちの姿勢が取れているということです。これを実感するためには、まずは足を壁につけている状態で、少しでも良いので身体を上下に揺らしたり、左右に体重移動させてみてください。感覚として、三角筋に体重が乗っていることがわかりやすいです。または、初心者の方は翌日に筋肉痛になっているかを確認するのも良いでしょう。
少しずつ壁から足を離す
最初はバランスを取るための支えが必要なので、壁に足をつけたり人に持ってもらったりする必要があります。最終段階の逆立ち腕立て伏せとなると、足を壁につけたままだと身体を動かせないため、完全に自立している状態にならないといけません。そのためには、少しずつ壁から足を離すステップが必要になります。「バランスが崩れそうになったら足を壁につける」といったやり方で、完全に離れられるようになるまで行ってください。
逆立ち腕立て伏せマスターに役立つ種目
逆立ち腕立て伏せを完璧にできるようになりたい方に向けて、倒立強化のためのトレーニング種目を紹介します。5パターンの方法を紹介するので、あなたが一番やりやすい方法を試してみてください。全てできるようになると、バランスを崩しても倒れない逆立ちができるようになります。そもそも逆立ち腕立て伏せは体勢が崩れやすいトレーニングなので、それを前提に「持ち直す筋力」を作る必要があります。できる種目が増えていくたびに逆立ち腕立て伏せが簡単になると考えても良いでしょう。
くの字腕立て伏せ
くの字腕立て伏せとは、腰を高い位置に上げた状態で腕立て伏せを行う種目です。腰が高い位置にあることで、その分の負荷が肩や腕に強くかかります。逆立ちのままの角度ではありませんが、体勢が斜めになっていることで鍛えられるポイントがほぼ同じになるため、必須項目と言えるでしょう。くの字腕立て伏せのコツとして、腕を曲げる際に胸をつけるのではなく、おでこを地面に近づけることです。
椅子に足を乗せて腕立て伏せ
自宅にある椅子(階段などでも可能)に両足のつま先を乗せて、手は地面につけて腕立ての姿勢を取ってください。自然に上半身に負荷がかかるようになるため、逆立ち腕立て伏せのトレーニングとしては非常に有効だと言えます。次に、そのまま腕立て伏せを行なってください。余裕があれば、腕立て伏せでゆっくり曲げ伸ばしをすると良いでしょう。体重を支えるための筋力がつくため、非常におすすめです。
1分以上のプランク
プランクは、両肘を地面につけて水平状態になる種目です。プランクの体勢を最低1分以上を維持するようにしてください。筋力をアップするというよりも、バランスを取るための体幹力や、持久力を鍛えるためのトレーニングです。逆立ち腕立て伏せの際に「全身の筋肉を締める」というコツを先述しましたが、その意識付けにもなります。1分以上のプランク姿勢を維持するのは最低ラインなので、ぜひ試してみてください。
カエル倒立
カエル倒立とは、名前の通りカエルのような姿勢になることです。両手を地面につけて肘の上に膝の内側を乗せてください。この姿勢は逆立ち腕立て伏せの「体を支える筋力」「持久力」を鍛えることができます。少しレベルを上げると、カエル倒立状態から勢いをつけて逆立ち状態に持っていくこともできます。これも逆立ち腕立て伏せに似た効果が得られるため、慣れてきたら挑戦してみてください。
30秒以上の逆立ち静止
逆立ち腕立て伏せを行うには、最低30秒逆立ち姿勢を維持することが必須条件となります。これができなければ、腕立て伏せを追加することは不可能だと言えるでしょう。逆立ち静止する前は壁を支えにして30秒止まる方法から始めてもかまいません。徐々に足を離して自立できるように慣れていきましょう。
逆立ち腕立て伏せの注意点
腰を反りすぎない
逆立ち初心者の方がよくやりがちなのが、逆立ち状態は保てているものの、体が海老反り状態になっていることです。この姿勢は背中の筋肉は鍛えられるのですが、腰を痛めやすいため良くありません。前方に転ぶリスクもあり、受け身が取れなかった場合を考えると非常に危険です。そのため、しっかりと腹筋の力を入れて姿勢をまっすぐにしてください。自分の姿勢をビデオ撮影して確認するのもおすすめです。
手首が痛くなったら止める
逆立ち状態は手首への負担が大きいです。前腕が発達していない方は、初めての場合は高い確率で痛めやすくなります。少しでも手首が痛くなったら、その日は終了するようにしてください。またはテーピングを巻いて負担を軽減するように工夫するのも良いでしょう。
マットの上で行う
体育館などの施設で行う場合は体操用のマット、自宅で行う場合はヨガマットなどを敷き、その上で挑戦してください。逆立ちに慣れていない方だと、変な方向に倒れたりする可能性があるからです。また、周りに何もない広い空間で行うようにしましょう。
逆立ち腕立てを覚えて自重トレーニングを極めよう!
逆立ち腕立て伏せを習得すると、通常の自重トレーニングよりも強度を高めて鍛えることができます。特に「肩」「腕」「背中」は筋肉の発達がわかりやすく感じられるでしょう。逆立ちができるようになるだけでも一気にバリエーションが広がるため、かなり奥が深くて楽しくなります。足をつけない腕立て伏せ(プランシェ)などもできるようになると、高強度で大胸筋にも効かせられるため、極めていきたい方は視野に入れてみてはいかがでしょうか。