腕立て伏せは器具を使うとさらに効果的!使い方・選び方も紹介
Aventure編集部
腕立て伏せは、床に手をついて行う自重トレーニングの代表的なメニューです。
上半身を効果的に鍛えられることから、初心者から上級者のトレーニーにまで人気ですが、さらにその効果を倍増する器具があることを知っていますか?
本記事では腕立て伏せに使う器具「プッシュアップバー」を使ったトレーニングの方法や、器具を使ったトレーニングのメリット・デメリット、器具の選び方を紹介します。
「器具(プッシュアップバー)を使うとどんな効果があるのか」「器具を取り入れてみたいがどう選んだらいいかわからない」という人はぜひチェックしてみてください。
器具を使うとより効果的に腕立て伏せができる!
腕立て伏せは通常通りに取り組むだけでも、胸・片・腕など上半身全体に刺激を与えられるトレーニングです。
しかしここへ更に器具を取り入れることで、腕立て伏せの効果はアップします。
プッシュアップバーとは?
プッシュアップバーとは腕立て伏せのための専用器具です。
床に置き、コの字型に曲がったグリップ部分を握って通常の腕立て伏せを行います。
スタンド型をしたシンプルな作りのものが一般的ですが、それ以外にもスタイリッシュなものや凝ったデザインのものも存在します。
また、ただのバーでなく底面が回転したり自動で腕立て伏せの回数をカウントしてくれたり、他の筋トレに応用できたり等様々な機能を備えたものもあり、実は奥深い筋トレ器具なのです。
プッシュアップバーを使うメリット・デメリット
プッシュアップバーを使って腕立て伏せを行うメリット・デメリットは何でしょうか?
メリット①トレーニング効果が高まる
プッシュアップバーを使って腕立て伏せを行うと、床より高い位置から体を下ろすため、通常の腕立て伏せのときより体が深く沈み込みます。
体を下げたとき、手の位置より体の位置が低くなるという体勢は通常の腕立て伏せではとれません。
そのため、肩や肘の関節の可動域が広くなり、鍛えられる筋肉の部位が広がるのです。
大胸筋はもちろん、上腕三頭筋や三角筋を強くストレッチし大きな負荷を与えられます。
特に、大胸筋内側といった鍛えにくい部位にアプローチする際は可動域が広くなるプッシュアップバーが便利です。
メリット②手首の負担軽減
通常の腕立て伏せは手首の関節を90度に曲げた状態で床に手をついて行います。
反らせた手首に体重がのる格好になるため、関節に大きな負荷がかかり手首を痛めてしまうこともあるでしょう。
しかしプッシュアップバーなら、バーを握って手首を真っ直ぐ立てた状態で腕立て伏せを行いますので、通常の腕立て伏せに比べて手首が安定し、関節への負担を和らげることができます。
痛みや怪我の心配をせず腕立て伏せができるのはトレーニーにとっては大きなメリットですね。
デメリット:難易度が高い
プッシュアップバーは、関節を痛めたり怪我をするリスクを減らしつつ、筋肉に高負荷を与えられる筋トレ器具です。
しかしその分、プッシュアップバーを使ったトレーニングは強度が高く、初心者には難易度が高いものになるでしょう。
通常、床で行う腕立て伏せでは手の位置より低く体を下ろすことはできませんが、プッシュアップバーを使うと、手よりも低い位置に沈めた体を引き上げることになります。
そうした動作で筋肉のストレッチや負荷が増す分、「きつさ」もアップするのです。
プッシュアップバーを使った腕立て伏せメニュー
このパートではプッシュアップバーを使った腕立て伏せのメニューを紹介します。
器具なしでも取り組めるメニューですが、プッシュアップバーを使うことでさらに強度の高いトレーニングにパワーアップさせることができます。
ぜひ挑戦してみてください。
ワイドスタンスプッシュアップ
通常のプッシュアップよりも広い手幅で行うワイドプッシュアップ。
大胸筋の上部・下部・外側へ強い負荷を加えることができますが、プッシュアップバーを使えばそれが一層強烈なものになります。
体を下ろすときは肘を開きすぎないように注意してください。
<ワイドスタンスプッシュアップのやり方>
1.プッシュアップバーを肩幅の約2倍ほどの広さで置きます
2.うつ伏せになり、バーを握ります
3.頭から足まで体が一直線になるように体勢をキープします
4.肘を曲げ、床すれすれの位置まで上体を落とします
5.肘を伸ばし、地面を押すように上体を上げます
<セット数>
10回×3セット
<コツ>
・体は一直線の状態を保つ
・猫背にならないようやや胸を張って
・体を下ろすときは肩をやや落として
・体を下ろすときは息を吸い、上げるときは息を吐く
デクラインプッシュアップ
デクラインプッシュアップは足を台に載せることで腕立て伏せの負荷をいっそう高めるトレーニングです。
プッシュアップバーを取り入れることで、強度はさらにアップ。
また、足の高さを変えることでも負荷を調整できます。
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋にアプローチでき、特に大胸筋上部に効果的です。
<デクラインプッシュアップのやり方>
1.プッシュアップバーを肩幅の約1.5倍ほどの広さで置きます
2.うつ伏せになり、バーを握ります
3.ベンチ・椅子・台など少し高いものの上に両足を置きます
4.頭から足まで体が一直線になるように体勢をキープします
5.肘を曲げ、床すれすれの位置まで上体を落とします
6.肘を伸ばし、地面を押すように上体を上げます
<セット数>
10回×3セット
<コツ>
・体は一直線の状態を保つ
・体を下ろすときは肩甲骨を寄せる
・体を下ろすときは息を吸い、上げるときは息を吐く
・負荷が高いためフォームが崩れないように注意する
ナロ―プッシュアップ
通常のプッシュアップよりも狭い手幅で行うナロープッシュアップ。
上腕三頭筋に強い刺激を加えることができ、逞しい二の腕を作れます。
また、大胸筋の内側への負荷も高まるため、中央から筋肉の盛り上がった胸筋を作りたい人にもおすすめです。
<ナロープッシュアップのやり方>
1.プッシュアップバーを肩幅と同じか、肩幅よりやや狭い手幅で置きます
2.バーは床に八の字に置きます
3.うつ伏せになり、バーを握ります
4.頭から足まで体が一直線になるように体勢をキープします
5.肘を曲げ、床すれすれの位置まで上体を落とします
6.肘を伸ばし、地面を押すように上体を上げます
<セット数>
10回×3セット
<コツ>
・体を上げるときは肘を閉じるイメージで
・脇はしっかりと締める
・体を下ろすときは息を吸い、上げるときは息を吐く
リバースプッシュアップ
プッシュアップバーを体の後ろにおいて行うのがリバースプッシュアップです。
リバースプッシュアップは通常のプッシュアップと異なり、上腕三頭筋・三角筋・広背筋など、腕・肩・背中を中心に鍛えるメニューです。
プッシュアップバーの位置がずれたり動いたりしないよう注意して取り組みましょう。
<リバースプッシュアップのやり方>
1.プッシュアップバーを手幅ほどの広さで置き、その前に座ります
2.お尻を上げ、肩と腕の力だけで体を支えます
3.踵だけが床につくよう足を真っすぐ伸ばします
4.肘が90度になるところまで曲げて腰を落としていきます
5.床にお尻がつくギリギリのところまで下げたら肘を伸ばし元の位置に戻ります
<セット数>
15回×3セット
<コツ>
・顔は常に前を向いておく
・肘が外に広がらないようにする
・体を下ろすときは息を吸い、上げるときは息を吐く
・負荷が大きい場合は足を曲げてもよい
プッシュアップバーの置き方で負荷や効果部位が変わる
プッシュアップバーは置き方によって負荷をより高めたり、アプローチできる部位が変わります。
プッシュアップバー一つで胸や腕だけでなく、肩や背中もバランスよく鍛えることが可能です。
以下に紹介する様々なバリエーションで挑戦してみてください。
<基本ポジション>
肩幅と同じ幅でプッシュアップバーを置きます。
また、やや肩幅より広めに八の字で置いてプッシュアップをすると強度がアップ。
<ワイドポジション>
基本のポジションよりやや広く、肩幅の1.5〜2倍ほどの広さを取って置きます。
幅を広げていくほど、胸筋の外側や輪郭部分に強くアプローチできます。
拳一つ分ずつ徐々に広げていき、効果部位の変化を感じてみましょう。
<ナローポジション>
基本のポジションよりやや狭く、肩幅より拳一〜二つ分ほどの広さで置きます。
幅を狭めるほど、胸筋の内側や上腕三頭筋に強くアプローチできます。
基本ポジションで鍛えたあと、ナローポジションで追い込むといっそう筋肉が盛り上り、分厚い大胸筋やたくましい腕を作れます。
<縦置きと横置き>
通常、プッシュアップバーは体と並行で縦向きに置いて使い、大胸筋を中心に鍛えます。
これを横に置いて使うとどうでしょうか。
大胸筋への刺激は弱まりますが、その代わりに肩の三角筋や背中へ負荷が加わります。
プッシュアップバーの選び方
このパートではプッシュアップバーの選び方を紹介します。
トレーニング器具としての構造はとてもシンプルですが、素材やグリップの違い、機能の有無などで筋トレの質は格段に変わります。
自分のトレーニングにはどんなプッシュアップバーが適しているか、このパートで紹介する選び方を参考にしてみてください。
素材
プッシュアップバーの素材には、プラスチックと金属の2種類があります。
用途に合わせて選びましょう。
<プラスチック製>
最大の特徴は軽量で持ち運びしやすいこと。
カバンに入れて持ち運べるので、自宅だけでなく職場・ジム・出張先などどんな場所でも手軽にトレーニングができるメリットがあります。
ただ、金属製のものに比べて耐荷重が低いため、体重の重い人が使用したり負荷をかけすぎたりすると壊れることもあり、耐久性という点ではやや劣ってしまいます。
<金属製>
プラスチック製のものに比べて、耐荷重が高く耐久性も高いのが特徴です。
頑丈で安定感があるため、様々なフォームや高負荷でのトレーニングが可能です。取り組めるメニューの幅が広がるでしょう。
重さがあるため基本的に持ち運びには適していないものの、分解できるタイプならコンパクトにして運ぶことも可能です。
ハンドル
プッシュアップ中はしっかりとハンドルを握らなくてはいけないため、グリップの素材選びは重要です。
<グリップは柔らかいスポンジ付きがおすすめ>
グリップ部分の素材が硬いと、握った手がすぐに痛くなったり疲れたりしてしまいます。特に長時間のトレーニングの場合は、グリップに柔らかいスポンジがついた握りやすいものを選びましょう。
使い続けているとグリップ部分がすり減ってきますので、スポンジに厚みのあるものだとなお良いですね。
<通気性や吸水性もチェック>
また、通気性や吸水性があることも重要です。
トレーニングで汗をかいた手でグリップを握っていると滑ってトレーニングがしづらくなったり、怪我をしたりする恐れがあります。
グリップの素材は通気性や吸水性があって汗が乾きやすいかどうかもチェックしましょう。
速乾性のある素材なら、汗で手が濡れず快適にトレーニングを行えます。
安定感
トレーニング中、プッシュアップバーには全体重がかかっています。
安定感のないプッシュアップバーでは、滑って怪我をしたりトレーニング中にフォームが不安定になり体を痛めやすくなります。
特にフローリングの上でトレーニングを行う場合は、底面が滑りにくく設計されたものを選びましょう。
スポンジ付きのものは滑りにくいことに加えて、フローリングの上に置いても床面を傷つけにくいです。
より安定性を重視するなら吸盤付きのものもおすすめです。
その他機能
プッシュアップバーには様々な機能を搭載したものがあります。
<回転式>
底面が円形になっており、グリップ部分だけが回転するプッシュアップバーです。
縦置き・横置きと向きを変えたいときにバーを設置し直す必要がなく、手首を回すだけでバーの向きを360度変えられます。
向きを変えてトレーニングをするも良し、手首を回しながらプッシュアップをしていつもと違う負荷を加えても良いでしょう。
プッシュアップに複雑な動きを取り入れていたい中〜上級者におすすめの機能です。
<自動カウント機能>
赤外線センサーでプッシュアップの回数を自動的にカウントしてくれる機能も。
自分でカウントする必要がないので、トレーニングに集中できますね。
体を下ろしたときにセンサーが感知して回数をカウントしますので、しっかりと体を下げないと反応してくれません。
正しいフォームで行えているかのチェックもできます。
<傾斜付きハンドル>
通常のプッシュアップバーのハンドルは床と平行になった水平タイプですが、中には傾斜のついたタイプのハンドルのプッシュアップバーもあります。
このプッシュアップバーは低い方を手前にして使います。
傾斜がついていることで、負荷がかかりやすくトレーニング効果がアップします。
ただ、人によっては使いづらいと感じる場合もありますので、まずは基本の水平タイプを試してみてから傾斜タイプに挑戦することをおすすめします。
プッシュアップバーの様々なタイプや機能を紹介しましたが、通常のトレーニング強度では物足りない中〜上級者は、負荷の高い傾斜つきハンドルタイプのプッシュアップバーを使ってみてください。
器具を上手に利用して腕立て伏せの効果を高めよう
プッシュアップには豊富なメニューがあり、メニューによって負荷の大きさや効果部位を変えることができます。
そんなプッシュアップに器具を取り入れれば、さらにトレーニングのバリエーションは広がるでしょう。
本記事を参考に自分に合うプッシュアップバーを選んで、日々のトレーニングに取り入れてみてください。