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リトグラフとは? 市場価値が高くなる見極めのポイントや人気作家を徹底解説

Aventure編集部

数億円で取引される超有名作家の作品が、数万円から十数万円で販売されているのを見たことがあるかもしれません。詳細に目を凝らすと「リトグラフ」と記されていたのではないでしょうか。
マルク・シャガール、パブロ・ピカソ、ノーマン・ロックウェル、東山魁夷。リトグラフは版画のことを指し、有名作家の作品でも気軽に手に入れることができるものです。いわば大量生産できるために価格が安くなっているのですが、気になるのはそれが価値を持っているかどうか。同じ作家のリトグラフでも価値の高いものと低いものが存在します。この記事はリトグラフの価値の見分け方の解説や、リトグラフ作品を残している主な作家について紹介します。


リトグラフに資産価値はあるのか?

 
 
 
 
 
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リトグラフが資産価値を持っているかどうか、値段が下がらないかどうか。その答えは複合的で一言では断言できません。版画であるリトグラフは作家の知名度、刷られた枚数、制作された年代などで大きく異なるからです。アメリカを代表する作家ロバート・ラウシェンバーグの作品で、作家が存命していた時代のリトグラフであり、それを証明するサインが入っていて、枚数を証明するエディションナンバーが入っているものであれば、安くても数十万円。高ければ百万円超で取り引きされます。


価値の高いものと低いものはどうやって見分けるか

 
 
 
 
 
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作家の知名度や人気の度合いを簡単に説明することはできません。この記事の後半で紹介する作家を参考にしてください。ここではリトグラフの価値が高まるポイントを紹介します。サインとエディションナンバーです。

サイン

サインは作家が完成後に直接署名するもので、リトグラフの任意の場所(多くは作品の右または左下)に鉛筆などで書き込まれます。19世紀以前までの版画作品ではサインをする習慣がありませんでしが。19世紀末に作家が自身の作品であることを証明する習慣ができ、一般化したと言われています。

ラウシェンバーグのような有名作家でもサインのない作品であれば、数万円で手にすることも可能です。これは作家の死後、大量に印刷されたものの一つである可能性が極めて高いです。いわば大量生産品です。

エディションナンバー

エディションナンバーは、作家が刷った枚数を保証するものです。12/100など記されることが多くなっています。この場合は100枚刷ったもののうち、12番目のものという意味です。

エディションナンバーは1960年の第3回国際造形芸術会議において、オリジナルの版画と認められるためには限定部数と通し番号を振らなければならないと定めたためです。この宣言により、版画が作品としての重み、価値を持つようになったと言われています。手法が多様化したことによって、作家は印刷技術を積極的に使うようになります。版画はアンディ・ウォーホルなどによるポップアートで最盛期を迎えますが、美術が大量生産品として市場に流通することを予見したものでしょう。

エディションナンバーは番号が若いほど価値が高いという都市伝説がありますが、それは関係ありません。あくまで通し番号であり、印刷した順番とは無関係です。1/100だろうと、100/100だろうと価値は変わりません。
ただし、制作した枚数は200枚程度が適切と言われています。これは印刷に使う版が200枚以上の部数にしか耐えられないためです。200部以上のものは著しく価値が下がるわけではありませんが、そのような通説があることを頭に入れておきましょう。

刷られた枚数が少ないほど価値が高くなりやすいと言えますが、部数が少なくて人気がない作品であれば、価値は上がりません。そのリトグラフに人気があるかどうか、枚数が少ないかどうか。この2つの要素を勘案しましょう。

E.A.、A/P

 
 
 
 
 
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複数の作品を見ていくと、エディションナンバーに見慣れない記号が入っていることがあります。「E.A.」、「A/P」、「H.C.」などです。

「E.A.」(フランス語のエプルーヴ・ダルティスト)と「A/P」(英語のアーティストプルーフ)は同じものを指しており、作家保存と呼ばれるものです。作家が保存し、資料として使っていたものです。質はエディションナンバーが振られたものと変わりません。基本的に市場に出回ることのないものです。このマークが入っているからといって、著しく価値が高まるわけではありません。

「H.C.」(オル・コルメス)は非売品のことです。作家が贈答用などとして寄贈したものに入れられます。限定部数の5~10%を目安として制作されます。「E.A.」「A/P」と同様に価値が著しく高くなるわけではありません。

T.P.

 
 
 
 
 
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「T.P.」(トライアルプルーフ)は試し刷りのことです。構図や配色、色調などを確認するときに作ったもので、エディションナンバーが入る前段階のものです。そのため、「T.P.」はエディションナンバーが入ったものと比べて、構図や色が異なることがあります。工房か作家が所有していることが多く、稀に市場に出回ります。

作品が成立した過程を知る意味で価値が高いと言えますが、それは資料的価値であり、市場価値が高いかどうかは別問題です。

P.P.

刷り工房への贈呈用に制作されたものです。古くは慣習として送られてきましたが、近年ではあまり見かけなくなりました。これは作家本人が制作することが多くなったことと関係があります。


リトグラフの特徴と原理

 
 
 
 
 
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リトグラフは描画、製版、刷りの3工程に分かれています。一般的にシルクスクリーンなどと比べると制作に時間がかかりますが、強い線や細い線など筆の効果を紙に再現することが可能です。ポップアートで積極的に制作されたものは、作家性を意図的に排除したものでした。ウォーホルがシルクスクリーンにこだわった理由はそこにあります。一方、リトグラフはあくまでも絵画を志向しており、作家性を表しやすい性質を持っています。

リトグラフは平らな板にインクをのせ、油が水を弾く性質を利用して制作します。インクをつけたくない部分には油性のクレヨンなどでマスキングをし、インクをは弾くよう工夫しています。


リトグラフで有名な人気作家

人気作家であることや、その時代にマッチしているかどうかの判断は非常に難しいです。ここでは、美術界にその名を深く刻み、長い時間が経過してもその知名度が落ちることなく、今後も記憶から薄れることはないだろうと考えられる作家を紹介します。また、紹介する要素として部屋や事務所に飾りやすいという要素も盛り込んでいます。

ロバート・ラウシェンバーグ

 
 
 
 
 
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1960年代に美術界を一新したアメリカのスター作家です。1964年に「モノグラム」という作品でヴェネツィア・ビエンナーレで最優秀賞を受賞しました。アメリカ人がこの賞を受賞したのはこれが初めてです。それまで芸術の中心と言えばフランスでしたが、ラウシェンバーグの登場によってアメリカがその座を奪ったのです。この意味は非常に大きく、芸術界が揺さぶられる出来事でした。

アメリカは第2次世界大戦以降、強力な軍事力と経済力で世界を席捲しました。アメリカを代表するドリンク「コカ・コーラ」が世界中に広まったことはアメリカの経済力の強さを象徴する出来事ですが、それが美術界においても起こったのです。

 
 
 
 
 
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ラウシェンバーグの作風は「ネオダダ」と表現されます。日用品や廃棄物などを作品に盛り込み、日常生活と芸術の間、もしくは反芸術と理解されることが多いです。ネオダダが出現した背景として、美術界の中心を占めていた抽象表現主義の存在があります。代表的な作家はジャクソン・ポロックですが、観念的で神秘的な表現手法は芸術表現の極北と解されていました。

その揺り戻しとして日常や大衆性が表現の中に取り込まれたと考えられています。
ラウシェンバーグの作品にはケネディ大統領や大衆車、アメリカ国旗、自転車などがコラージュとして登場することが多いです。リトグラフ作品は、色彩よりも構図や動きに溢れた表現が特徴的です。

 
 
 
 
 
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残念ながら、日本での知名度はあまり高くありません。作品は数十万円程度で手に入ります。しかし、作家がペインティングを施したものはサザビーズなどのオークションで数億円で落札されており、人気の衰えない作家です。価値が落ちる可能性が低く、芸術好きもうなる作家であることは間違いないでしょう。

ジャスパー・ジョーンズ

 
 
 
 
 
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ネオダダを代表するもう1人の作家です。絵画にダーツの標的、アメリカ国旗、数字、文字などを書き込んだことでよく知られています。的や国旗の絵画は非常に有名で、どこかで目にしたことがあるかもしれません。

ジャスパー・ジョーンズは遠近法を使って描く三次元の表現を捨て、平面として描くことにこだわりました。的は分かりやすいモチーフでありながら、複雑な色彩で塗り固めてあります。ネオダダはポップアートの橋渡しをしたことで有名ですが、ポップアートは絵画表現を意図的に捨てて印刷技術を活用し、平板な表現を追及しました。ジャスパー・ジョーンズの作品は、抽象表現主義とポップアートの両方の特徴が表れています。マーク・ロスコが描いたような神秘的な色彩が随所に表れている一方で、大衆が理解しやすいモチーフが表出しているのです。

フランク・ステラ

 
 
 
 
 
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アメリカの抽象絵画を代表する作家の一人です。もともとミニマル・アートやハード・エッジ風の作品を手掛けていましたが、1980年代以降は色彩を重層的に重ねる幾何学的な絵画を数多く制作するようになりました。もっとも良く知られているのは、「ブラック・ペインティング」です。黒いキャンバスに灰色の長方形を並べたもので、絵画の表現を最低限のものに抑制する試みがなされています。

建築にも手を出している通り、立体や平面を組み合わせて作品を作る傾向が強い作家です。フランク・ステラの作品はどんな家にも馴染みやすく、抽象的な表現のために長い時間が経過しても古さを感じさせないところに強さがあります。サインありのリトグラフは数十万円で販売されていることが多い作家です。

ジェームス・ローゼンクイスト

 
 
 
 
 
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1960年代に看板作家からポップアートを代表する画家へと変貌を遂げました。ローゼンクイストは相容れない要素を画面上で組み合わせ、ストーリー性のある絵画に仕上げることを得意としました。看板作家らしい巨大な作品が多く、「Time Dust」という作品は、2.1m×10.6mという大きさで世界一の大きさだと考えられています。

色彩はポップアートらしい鮮やかさがありますが、その中にモノトーンの要素を入れて絵画としてのバランスをとっているように見えます。ストーリーやメッセージが強く押し出されているようにも見える一方、構図や色彩、異素材との組み合わせによってそれを深く考えさせないような面白さがあります。リトグラフ作品は100万円に近い金額で取り引きされていることが多い作家です。


初心者が手を出しやすいリトグラフで最初の一歩を

版画技法の一つであるリトグラフは、絵画表現を随所に残しています。そのため、繊細な線の表現や濃淡などを楽しむことができます。絵画とシルクスクリーンのちょうど中間にあると考えると分かりやすいかもしれません。

人気作家の作品であっても100万円以下で手にすることができ、手軽に楽しめます。手始めに手に入れる芸術作品として最適なものかもしれません。

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