ギブソンのレスポールとは?具体的な選び方や種類も紹介
Aventure編集部
ギターにはフェンダーのストラトキャスターやテレキャスターなどさまざまな種類がありますが、その中でも代表的な存在がギブソンのレスポールです。ただ、具体的にどのようなものなのか知らない方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、ギブソンのレスポールにおける基本情報や選び方、種類などを紹介します。レスポールが気になっている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ギブソンのレスポールとは?
そもそもギブソンのレスポールとは、どのようなものなのでしょうか。まずは歴史や使っているアーティストなど基本情報を見ていきましょう。
ギブソンのレスポールにおける歴史
ギブソンのレスポールは、1952年に誕生しました。正式名所は「レス・ポール・モデル」であり、これはレス・ポールというギタリストのアーティスト・モデルとして誕生した背景があります。ただ、現在ではレスポールと呼ばれており、輸入代理店もその表記を用いています。
現在ではエレクトリックギターの代名詞にもなっていますが、発売当時は売れずに生産中止になるほどでした。しかし、キース・リチャーズやエリック・クラプトンなどが使用し始めたことで再度注目を集め、1986年にはさまざまなレスポールが製造されるようになりました。
「レスポール」と名乗れるのは2社だけ
レスポールはフェンダーのストラトキャスターと並ぶエレクトリックギターの代表ですが、レスポールと名乗れるものはギブソン社のものか傘下のエピフォン社のものだけです。公式に名乗れるのは2社だけで、それ以外のメーカーはレスポールのコピーモデルという形で販売しています。
ただ、過去にはコピーモデルの存在をめぐる裁判も起きました。ただ、日本の裁判でもアメリカの裁判でもギブソン社が敗訴しています。例として「グレコ」や「ESP」など日本のギターメーカーを訴訟した裁判では、ギブソン社が長年コピーモデルの生産を黙認してきたとして、敗訴となりました。
ギブソンのレスポールに魅了されたアーティストたち
ギブソンのレスポールを使用するアーティストは国内外数多くいます。まず海外から見ていくと、「Aerosmith」のジョー・ペリーや「KISS」の元メンバーであるエース・フレーリーなどです。特にエース・フレーリーは、ギブソン社によるシグネチャーモデルが作られました。
日本の場合は、「B’z」の松本孝弘や「GLAY」のTAKUROなどが挙げられます。また、アニメ化もされた漫画「けいおん!」でもギブソンのレスポールが登場。平沢唯というキャラクターが「Les Paul Standard Traditional」というギターを使っていました。
レスポールを扱う際の注意点
ギブソンのレスポールは魅力的なものですが、扱う際に注意すべきポイントがあります。それは塗装の部分です。
ギブソンのレスポールは塗装にニトロセルロースラッカーというものを使っています。この影響で、ゴムや合成皮革に長時間触れていると塗装面がただれてしまう恐れがあります。その上、汗や汚れも塗装の変質を招く危険があることから、日頃からキレイに管理しておきましょう。
ギブソン・レスポールの選び方
ギブソンのレスポールは数多くの種類がある上に、似ているものもあります。そのため、以下で紹介している選び方を参考に、自分に合ったものを探してみましょう。
価格
ギブソンのレスポールは基本的に高額なモデルが多く、リーズナブルなものだとギブソン傘下のエピフォンで探すことになります。ただ、ギブソンのレスポールの価格帯は種類によって分けられます。
高額なものは「レスポール・カスタム」で、次に高いのは「レスポール・スタンダード」と「レスポール・スタジオ」です。その次が「レスポール・ジュニア/スペシャル」という順番です。
ピックアップ
ギブソンのレスポールでは、ハムバッカーピックアップとP-90、そしてミニハムバッカーピックアップのどれかが使われることが基本です。そのため、自分が好きなサウンドに応じて選んでみましょう。
P-90はシングルコイルピックアップであり、歯切れの良いサウンドが楽しめます。ハムバッカーは音が太く、パワーがあることで歪ませやすい魅力を持っています。ミニハムバッカーは、ハムバッカーよりもクリアで明るいサウンドが特徴です。
カラーリング
ギブソンのレスポールはカラーリングも魅力的です。王道であるチェリーサンバースト以外に、ブラックやイエロー、ゴールドなどもあります。
その中でもチェリーサンバーストは、経年変化で見た目が変化していくという楽しみがあります。使えば使うほど味が出るチェリーサンバーストは、歳を重ねるごとに愛着が湧くようになるでしょう。
ブランド
ギブソンには、「ギブソンUSA」と「ギブソン・カスタムショップ」、そして「エピフォン」という3つのブランドがあります。各ブランドで特徴が異なるため、それぞれチェックしておきましょう。
「ギブソンUSA」はギブソンの基本的なブランドであり、「ギブソン・カスタムショップ」は高級なレスポールをそろえています。「エピフォン」は「ギブソンUSA」と「ギブソン・カスタムショップ」よりリーズナブルなものが多いですが、どれも質の高いものです。
機能性
ギブソンのレスポールを選ぶ際は、機能性も確認しておくべきポイントです。製品によっては、自動チューニング機能やシングルコイルピックアップのようなサウンドが出せるコイルタップ機能などが備わっています。プレイスタイルをサポートしている機能があることで、快適な演奏ができるようになるでしょう。
選ぶ際は実際に試すのがおすすめ
ここまで選ぶ際のポイントをいくつか紹介しましたが、それらを確かめる上でも実際に試奏すことをおすすめします。実際に試奏することで、弾きやすさやサウンドなどを確かめられます。特に高級なものであるほど納得して買う必要があるため、必ず楽器屋に足を運びましょう。
ギブソン・レスポールの種類と主な製品
ギブソンのレスポールには、大きく分けて「レスポール・スタンダード」「レスポール・カスタム」「レスポール・ジュニア/スペシャル」「レスポール・スタジオ」の4種類があります。それぞれ特徴が異なるため、主な製品を取り上げつつ各種類を紹介します。
レスポール・スタンダード
ギブソンのレスポールにおけるスタンダードなモデルが、「レスポール・スタンダード」です。1958年、サンバースト・フィニッシュのモデルの登場をきっかけに命名された種類であり、どのジャンルでも使えます。
「レスポール・スタンダード」では、ボディにはメイプルとマホガニーの双方を使用。その上で豊かなサスティンを生み出すために、厚みも調整されています。また、ピックアップは2基のハムバッカーピックアップが搭載されています。
Gibson/Les Paul Standard 60s
「Gibson/Les Paul Standard 60s」は、往年のクラシカルなデザインをまとったレスポールです。ボディにはマホガニーを使用し、ネックは60年代スタイルのマホガニー・ネックとしています。フィニッシュは3種類用意しており、「Iced Tea」と「Bourbon Burst」、そして「Unburst」です。
Epiphone/Les Paul Standard 60s
「Epiphone/Les Paul Standard 60s」の場合、ピックアップが魅力的です。ヴィンテージトーンを生む「ProBucker™ハムバッカー」を搭載。また、Grover®製のロトマチック・チューナーやCTSエレクトロニクスなども備わっており、プレイヤーをしっかりとサポートしてくれます。
レスポール・カスタム
「レスポール・カスタム」は高級路線のモデルであり、1954年にレスポールの上位モデルとして開発されました。高級路線である証拠としては、希少なエボニー材の指板や豪華なデザインなどが挙げられます。特に黒いボディカラーは「ブラックビューティー」と呼ばれファンから支持されています。
「レスポール・カスタム」の場合、ヴィンテージギターを再現したものや現代的な設計のものまでさまざま存在します。
Gibson/1968 Les Paul Custom Reissue
「Gibson/1968 Les Paul Custom Reissue」は、「レスポール・カスタム」の再生産モデルであった1968モデルを復刻させたギターです。見た目は1950年代の「レスポール・カスタム」における設計を受け継ぎつつ、メイプル・トップにマホガニー・バックのボディ構造といった工夫で、サウンドを形作る要素を変更しています。
Epiphone/Les Paul Custom
「Epiphone/Les Paul Custom」は、50年代の「レスポール・カスタム」におけるクラシカルなデザインを継承しているギターです。ボディにはマホガニーを使用し、伝統的なカスタム・バインディングが施されています。また、こちらのギターにも「ProBucker™ハムバッカー」が搭載。ヴィンテージさも感じさせるギターといえるでしょう。
レスポール・ジュニア/スペシャル
「レスポール・ジュニア/スペシャル」は、手軽に手を出せるレスポールとして登場した種類です。「レスポール・ジュニア」にはシングルコイルピックアップのP-90が搭載され、「レスポール・スペシャル」にはP-90が2基搭載されています。
デザインにおいて「レスポール・ジュニア/スペシャル」は、ボディトップが平らなフラットトップが採用されています。これは「レスポール・スタンダード」とは違った仕様であり、サウンドだけではなくデザインにも差があるギターです。
Gibson/Les Paul Junior
「Gibson/Les Paul Junior」は、1954年に販売して今なお多くの使用者がいます。当時は学生や初心者向けとして販売されていましたが、現在では国内外のアーティストに使用されるほど、本格的なものとして位置付けられています。
「Gibson/Les Paul Junior」には、1基のP-90しかありません。トーンノブとボリュームノブも1つしかなく、他のギブソンのレスポールと比べてもシンプルな構成が特徴です。
Epiphone/Les Paul Special
P-90が2基搭載されている「Epiphone/Les Paul Special」は、1950年代の名機のデザインを再現することをテーマに作られました。ボディはマホガニーで、特徴的な「TVイエロー・フィニッシュ」で仕上げられています。
レスポール・スタジオ
最後に紹介する「レスポール・スタジオ」は、レスポールならではのサウンドを残しつつ、メイプルトップのグレードと装飾を控えめにした低価格帯の種類です。ただ、ピックアップ自体は上位モデルと変わらないため、プロのアーティストに使用されることもあります。具体的には、ジョー・ペリーやTAKUROなどが挙げられます。
Gibson/Les Paul Studio
「Gibson/Les Paul Studio」は、現代に求められているレスポールらしさをシンプルにまとめたギターです。ローズウッド指板とスリムテイパー仕様のマホガニー・ネックという組み合わせにより、快適なプレイを実現。また、フィニッシュとして「Wine Red」や「Tangerine Burst」などの種類があります。
まとめ
ギブソンのレスポールは、発売当初は売上が振るわず生産中止になったものの、有名なアーティストによる再評価によりエレクトリックギターの代表格になりました。結果としてギブソンのレスポールはさまざまな種類が販売されているため、価格やブランド、種類などをチェックして理想的なギターを手に入れましょう。