プロも魅了するベース!ヤマハBBシリーズとは一体?
Aventure編集部
ヤマハのBBシリーズはベースの中でも有名なものであり、ご存じの方も少なくないでしょう。プロも愛用しているシリーズですが、どのようなベースなのでしょうか。この記事では、ヤマハのBBシリーズにおける基本情報や使っているアーティストなどを紹介します。BBシリーズが気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ヤマハBBシリーズの基本情報
プロのアーティストも使用するヤマハBBシリーズですが、一体どのようなベースなのでしょうか。ボディやピックアップなど基本的な部分を見ていきましょう。
ボディ
ヤマハBBシリーズのボディはメイプルをアルダーで挟んだ3プライ構造が採用されています。この影響で豊かな中低音を実現しています。
ボディにおいては、木材だけではなくネジにも注目してみましょう。通常、ベースはボルトを用いてボディとネックを接合していますが、ヤマハBBシリーズの場合は「マイター・ボルディング方式」を採用しています。一般的なボルトオン・ネック方式の垂直に打ち込まれた4本のボルトに加え、45度の角度でボルトを1本追加することでさらに頑丈に接合されています。その結果、ボルトオン・ネック方式のベースよりも豊かな鳴りが魅力です。
ピックアップ
エレキベースのサウンドにおいて、ピックアップは最重要と言っても過言ではないパーツです。ヤマハBBシリーズの場合は、それぞれのモデルに適したピックアップを開発して搭載しています。そのため、それぞれのモデルと試しに弾いてどれが好みの音だったのか確かめてみると良いでしょう。
これまでのシリーズにおけるトラディショナルなサウンドは残しつつ、中高音域を向上させてハッキリとしたサウンドが作られているのが分かると思います。
ブリッジ
ヤマハBBシリーズのブリッジは、ボディの裏側から弦を通す「ストリングス・スルー・ボディ」という構造を採用しています。この構造にすることで、弦振動で生じるエネルギーのロスを減らしています。
サドル部分にもこだわりがあり、「Proシリーズ」だとオリジナル形状のブラス製サドルを採用しました。これにより、低音域が深みのあるものとなっています。
ヤマハBBシリーズの歴史
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上記で述べたような特徴を持つヤマハBBシリーズですが、どのような歴史を歩んできたのでしょうか。ヤマハBBシリーズの理解を深めるためにも、歴史を見ていきましょう。
BBシリーズは1977年に誕生
ヤマハBBシリーズは1960年代に発売されたSBシリーズを経て、1977年に初代モデルが発売されました。当時のモデルはスルーネック構造の「BB1200」と低価格帯の「BB1000」と「BB800」でした。
その後「BB1200」が持つ、ピックアップが1つしかないという弱点を改善するために、1978年にリアピックアップを追加した「BB2000」を販売。「BB2000」には派生モデルであるフレットレスの「BB2000FF」やショート・スケールの「BB2000S」などもありました。
なお、ヤマハBBシリーズは当初からプロに愛用されています。例えばポール・マッカートニーは左利き用の「BB2000L」を愛用していました。幅広いジャンルのレコーディングで活動したチャック・レイニーに関しては、彼のために「BB1200」のリアにピックアップを搭載したプロトタイプが作られています。
80〜90年代から増加した種類
1980年代から1990年代の間は、BBシリーズに様々なモデルが登場しました。
当時登場したモデルの一例として1982年に登場した「BB3000」が挙げられます。プレシジョンベースのように、フロントピックアップの低音弦側のコイルがネック寄りに配置されていることが特徴です。このモデルは25年以上も製造され、ビリー・シーンも愛用しました。
その他、ヤマハ初の5弦ベース「BB5000」やVAN HALENのベーシストであるマイケル・アンソニーのシグネチャーモデル「BB3000MA」なども販売。このように80年代から90年代はヤマハBBシリーズのバリエーションは増加し、愛用するアーティストも増えていきました。
今なお進化するBBシリーズ
ヤマハBBシリーズは今なお進化しているシリーズであり、2017年にはラインナップが一新されました。現在は「Proシリーズ」「BB700シリーズ」「BB400シリーズ」「BB200シリーズ」の4つのシリーズが展開されています。
初めて市場に出て30年以上の歴史を持つヤマハBBシリーズですが、現在ではエレキベースにおける代表的なものとして世界各国で愛用されています。そのことから、ヤマハBBシリーズは初心者だけではなく上級者にもおすすめできるベースです。
ヤマハBBシリーズを愛用するアーティスト
ヤマハBBシリーズは世界各国で愛用されていますが、具体的にどのようなアーティストが愛用しているのでしょうか。そこでこの項目では、国内と海外に分けてヤマハBBシリーズを愛用している主なアーティストを紹介します。
国内の主なBBシリーズユーザー
国内のヤマハBBシリーズの代表的なユーザーとしては亀田誠治が挙げられます。亀田誠治は東京事変のほか、有名アーティストのサポートベーシストとしても活動している日本を代表するベーシストです。シグネチャーモデルも販売されています。
その他にもRADWIMPSの武田祐介や元KANA-BOONの飯田祐馬、クリープハイプの長谷川カオナシなど邦楽ロックシーンで人気を集めるバンドのベーシストがこぞって愛用しています。
海外の主なBBシリーズユーザー
海外ではポール・マッカートニーをはじめ、ビリー・シーンやマイケル・アンソニーなどが愛用してきました。他にも、エイブラハム・ラボリエルや元メガデスのジェイムズ・ロメンゾなどがヤマハBBシリーズのユーザーです。
特にポール・マッカートニーは、1980年の来日公演が決まった際にヤマハ社がベースをプレゼントしたことが知られています。その後、1979年のイギリスツアーや『Take It Away』のPVでプレゼントされたベースを使用していました。
ヤマハBBシリーズの主なラインナップ
現在ヤマハBBシリーズには4つのシリーズがあります。それぞれ魅力や特徴が異なるため、1つずつ紹介します。
フラッグシップモデル「Proシリーズ」
「Proシリーズ」はBBシリーズのフラッグシップモデルであり、最高のパフォーマンスを求める方におすすめです。I.R.A.(イニシャル・レスポンス・アクセラレーション)処理によって理想的なボディの鳴りを実現しています。
ノブはフロントボリュームとリアボリューム、マスタートーンの3つを搭載。ネックはメイプルとマホガニーによる5ピースネックで、歯切れがよく鋭いサウンドが特徴です。また、ネックの形状も以前より薄くなっています。
ピックアップには「YGDカスタムV7」を採用。バンドサウンドの中でも埋もれない抜けの良いサウンドを実現できることで、音作りの幅が広いことが魅力です。
「Proシリーズ」にはオーソドックスな4弦仕様の「BBP34」に加え、5弦仕様の「BBP35」の2種類がラインナップされています。
様々なシーンで活躍できる「BB700シリーズ」
「BB700シリーズ」は幅広いシーンで活用できるベースであり、ジャンルを問わずに活躍できるベースを探している方におすすめです。その証拠として、「BB700シリーズ」はコントロール部が充実しています。
「BB700シリーズ」のコントロール部は、3バンドのアクティブイコライザーに加え、アクティブサーキットとパッシブサーキットを切り替えられるスイッチを搭載。アクティブサーキットで楽器本体で作り込んだ音を出力するのも、パッシブサーキットで楽器本来の鳴りを出力するのも自由自在です。
スタンダードなものなら「BB400シリーズ」
もしヤマハBBシリーズの中でスタンダードなものを探しているのであれば、「BB400シリーズ」が良いでしょう。ボディはアルダーであり、「Proシリーズ」や「BB700シリーズ」のような2つのアルダーでメイプルを挟んだボディではありません。
ピックアップは「YGDカスタムV5」を搭載。BBシリーズにおけるトラディショナルなビンテージサウンドを残しつつ、アルニコマグネットを採用して明るさを加えています。
コントロール部は「Proシリーズ」と同じく、フロントボリュームとリアボリューム、マスタートーンの3つ。ネックも同じで5ピースの薄い形状が採用されています。
「BB434」と「BB434M」、そして「BB435」の3つのラインナップが展開されています。
これから始める方には「BB200シリーズ」
もしこれからベースを始めるのであれば、エントリーモデルである「BB200シリーズ」がおすすめです。
「BB200シリーズ」は他のシリーズのような、5ピースネックや「マイター・ボルディング方式」は採用されていません。その一方で他のモデルと比べると価格が抑えられており、最初のベースとして手に取りやすいモデルです。
ピックアップは「カスタムV3ピックアップ」を搭載しており、クリーンでパワフルな音を奏でられます。「BB234」と「BB235」の2種類がラインナップされており、エントリーモデルでありながら「BB235」のように5弦ベースが用意されているのは注目ポイントです。
どんなベーシストにもおすすめできるBBシリーズ
ヤマハのBBシリーズにおける基本情報や使っているアーティストなどを紹介しました。ヤマハのBBシリーズは国内外を問わず多くのアーティストが使用しているベースであり、複数のモデルがラインナップされています。幅広いジャンルやシーンで活躍できるモデルのため、初心者だけではなく上級者の方にもおすすめです。