下半身強化に!片足スクワットの正しいやり方とコツを解説
Aventure編集部
「筋トレの王様」とも言われるスクワット。両足をついて行うフォームが一般的ですが、そのスクワットよりもさらに高負荷で筋トレ効果の高いトレーニングとして「片足スクワット」があります。
自重で出来る下半身の筋トレの中では最高難易度のものと言ってもいいでしょう。そのため、誤ったやり方やフォームで行うと、怪我をしたり体を痛めたりすることがあります。
本記事では、今日からすぐに実践できる片足スクワットの種類ややり方、正しいフォームなどを解説します。通常のスクワットでは物足りず、片足スクワットに挑戦したいという人は参考にしてみてください。
片足スクワットの効果について
片足スクワットとは、高負荷の下半身筋力トレーニングです。通常のスクワットは両足を地面につけた状態で行いますが、片足スクワットは片方の足を浮かせた状態で行うため、通常のスクワットに比べ強度の高いトレーニングが可能です。ここでは、片足スクワットを行うことで得られる筋トレ効果について解説します。
下半身の強化
片足スクワットを行うことで下半身に大きな負荷をかけられます。以下に挙げる下半身の筋肉を効率よく鍛えられるほか、バランスを保ち正しい姿勢をキープすることも必要になるため、体幹のトレーニングにもなります。
鍛えられる部位その1:大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太ももの前側にある大きな筋肉です。下半身のうちでも最も大きい面積を占めているため、消費カロリーが大きく、ダイエット効果が高いと言われています。坂道や階段の上り下りなど膝の関節を伸ばすときに使われ、ここを鍛えることで運動パフォーマンスの向上も期待できます。
鍛えられる部位その2:大殿筋
お尻の筋肉を構成する大臀筋・中臀筋・小臀筋のうち最も大きい筋肉です。骨盤を包み込むようについており、バランスを保持する運動の際には骨盤をぐらつかないように支える役割を果たします。大殿筋を鍛えると、ランニングやジャンプをしたときの衝撃を吸収してくれ、スポーツパフォーマンスの向上に役立つほか、お尻の引き締め・ヒップアップ効果も得られます。
鍛えられる部位その3:内転筋
足の付け根から太ももの内側についており、主に足を閉じるときに使う筋肉です。内転筋のトレーニングは立っているとき、座っているときの姿勢の改善のほか、骨盤を固定し下半身を安定させる効果も期待できるため、怪我の予防にも繋がります。もちろん太ももの引き締めにもなるため、健康的ですっきりとしたボディライン作りにも役立ちます。
鍛えられる部位その4:ハムストリングス(大腿二頭筋)
お尻の付け根から太ももの裏側についていおり、膝を曲げたり股関節を後ろにそらしたりするときに使われる、とても大きな筋肉です。スポーツ時のダッシュなど瞬発力を必要とする際に活躍するほか、基礎代謝の向上や脂肪燃焼といったダイエット効果も。また、お尻のたるみを防ぎ、キレイなヒップラインを作ってくれます。
ダイエット効果
片足スクワットは下半身を重点的に鍛えるトレーニングですが、ダイエットにも有効です。下半身には全身の筋肉の70%が集まっていると言われ、片足スクワットはその中でも特に多くの筋肉を活動させることができます。
筋肉量の多い下半身を鍛えることで、効率的に筋肉量を増やせるため基礎代謝がアップし、痩せやすい体を作れます。ダイエットをする人には欠かせないトレーニングといえるでしょう。
両足スクワットとの違い
片足スクワットと、通常のスクワットとの違いは、片足で体重を支えるトレーニングであるという点です。通常のスクワットに比べて不安定なフォームになりやすいため、下半身の筋力だけでなく、体を支える体幹も鍛えられます。
そのため正しいフォームを維持するにはある程度のバランス能力が必要です。片足で立つことができないという人は、まず体幹トレーニングを先に行った方が良いかもしれません。
片足スクワットのメニュー
片足スクワットにはいくつか種類があります。ここでは代表的な片足スクワットを難易度の低いものから3つ紹介し、それぞれの正しいフォームと運動時の動作のポイントを解説します。
逆片足スクワット
最も難易度の低いスクワットです。蹴り出しの動きを使ったトレーニングで、ぶれない体幹を作ります。
<逆片足スクワットのやり方>
1.片足を前に出し、やや前傾姿勢になります。
2.蹴り出しの動きを意識して、後ろに置いた足を素早く引き上げます。
3.足を上げたときに、腕もしっかり振り上げましょう。
※左右10回ずつ×2〜3セットを目安に行いましょう。
<トレーニングの注意点>
・背中は丸めず一直線に保つ
・体幹がぶれないよう固定する
・股関節を伸ばすことを意識する
・上げた足は床と平行になるようにする
ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、ジムであればベンチで、自宅なら表面の固い椅子など台となる器具を使って行うトレーニングです。台で片足を支えられるため、バランスが取りやすく初心者におすすめのメニューです。
<ブルガリアンスクワットのやり方>
1.台の前に立ち、片足を台に乗せてまっすぐ立ちます
2.手は胸の前か、後頭部に置きます
3.前方に出している方の足をゆっくり曲げ、腰を真下に落としていきます
4.膝が90度くらいまで曲がったら、いったん静止します
5.曲げた膝を伸ばしてゆっくりと元の体勢に戻ります
※左右10回〜20回ずつ×3セットを目安に行いましょう。
<トレーニングの注意点>
・膝がつま先より前に出ないようにする
・膝とつま先は同じ方向に向ける
・膝が内側に入らないようにする
・胸を張りまっすぐの姿勢を意識する
・呼吸を止めない
ピストルスクワット
足を前に浮かせた状態で行う片足スクワットです。そのフォームから「ピストル」と呼ばれます。ブルガリアンスクワットのように体を支える台はなく、自重の全てが片足にかかる難易度の高いトレーニングです。初心者は無理なくできる回数から始めましょう。
<ピストルスクワットのやり方>
1.片足立ちになります
2.軸足と逆の足を前に出しつつ、しゃがみます
3.両手は肩の高さで、まっすぐ前方に伸ばしましょう
4.前に出した足を戻しつつ、ゆっくりと元の体勢に戻ります
※左右10回ずつ×2〜3セットを目安に行いましょう。
<トレーニングの注意点>
・膝がつま先より前に出ないようにする
・背中は丸めずまっすぐに保つ
・椅子に座るイメージで行う
・上半身がぶれないようにバランスをとる
・呼吸を止めない
片足スクワットが上手くできないときは?
片足スクワットは高強度の運動であることに加え、バランス能力も必要とされます。初めは思い通りのトレーニングが行えないこともあるでしょう。もし、片足スクワットが上手にできないときは、以下に挙げる3つのどれかが、その原因かもしれません。
フォームが間違っている
片足スクワットを行う際は、回数よりも正確なフォームで行うことを意識して取り組みましょう。筋トレは量より質が大事です。雑なフォームで多くのセット数をこなすより、わずかな回数でも正しいフォームで行う方がはるかに効果的です。
初めてトレーニングを行うときは、鏡の前でフォームをチェックしながら行うとよいでしょう。始めからすべての動作を完璧にすることは難しいですが、ひとつずつ丁寧に確認して進めていけば、自然と正しいフォームが身についていくはずです。
筋力が不足している
片足スクワットは強度や負荷の大きいトレーニングです。フォームが崩れる、バランスがとれない、しゃがめないなどでトレーニングが上手くいかないのは、下半身の筋力が不足しているせいかもしれません。
そんなときは、以下に挙げる2つの易しいメニューから取り組み、徐々にレベルを上げていくようにしましょう。
ウォール・ピストルスクワット
壁を支えにして行うピストルスクワットです。
<やり方>
1.壁の前に椅子を横向きに置く
2.椅子に座って壁に手をつく。もう片方の手は腰へ当てる
3.壁側にある方を軸足として、片足でまっすぐ立ち上がる
4.ゆっくりと腰を下ろす
手で支えない椅子ありのピストルスクワット
<やり方>
動作は①のウォール・ピストルクワットと同じですが、両手は腰に当てます。手の支えがない分、ウォール・ピストルスクワットよりも負荷は大きくなります。
※どちらも左右20回ずつ×1セットを目安に行いましょう。
体の柔軟性が足りない
足首や股関節周りの筋肉が硬く、柔軟性が足りていないことも片足スクワットが上手にできない原因のひとつです。
片足スクワットでは必ずしゃがむ動作があります。足首の後ろ側がしっかり伸びておらず可動域が狭いままだと、しゃがんだときにかかとが浮いてしまい、バランスを崩しやすくなります。
<足首のストレッチ>
時間をかけて繰り返し、徐々に可動域を広げていきましょう
1.膝立ちになり、片足を立てます
2.立てた足のかかとを床に付け前傾していきます
※左右10回ずつ×2セットを目安に行いましょう。
また、骨盤が左右に揺れてしまう場合は股関節周りの筋肉が硬くなっているかもしれません。股関節周りの筋肉がしっかり収縮しないと、正しいフォームを維持できず膝や腰を痛めたり、トレーニングの効果が半減したりする可能性もあります。
<股関節周りのストレッチ①大臀筋のストレッチ>
大殿筋が収縮しないと、お尻が後ろに引っ張られて腰に負担のかかる姿勢になってしまいます。
1.仰向けになり、右足を左足の膝の上にのせます。
2.左足をお腹につけるように腕で引き寄せます。
3.その状態を10秒キープ。
<股関節周りのストレッチ②梨状筋のストレッチ>
お尻の後ろにある筋肉をほぐします。痛みの出やすい筋肉なので、しっかり伸ばすようにしましょう。コツは背中をまっすぐにし、腰を丸めないことです。
1.椅子に座り、片足を太ももの上にのせます
2.そのまま体を前方に倒していきます
3.ゆっくり姿勢を戻します
<股関節のモビリティのストレッチ>
1.足を肩幅と同じか、肩幅よりもやや広く開き床に座る
2.両手は後ろにつき、猫背にならないよう背中は伸ばしておく
3.左右交互に股関節を倒していく
4.両膝が床につくまでしっかりと倒す
5.4ができるようになったら床についていた手を放す
6.体幹を意識して、4.と同じ動作を繰り返す
ストレッチは、1つの動作に10秒ほどの時間をかけてゆっくり行います。
筋肉が伸びていると感じられるまで何度も繰り返しましょう。