ETFは投資デビューにおすすめ|購入のポイントと主要銘柄を紹介
Aventure編集部
ETFは投資信託の一種で、低いコストで幅広い企業に分散投資できる商品です。しかし、日本では個別株や投資信託と比較して知名度が高いとはいえません。「ETFって何?」「投資信託と何が違うか分からない……」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。この記事ではETFのメリット・デメリットや個別株・投資信託との違いを解説します。日本と米国に投資するのにおすすめの銘柄も紹介するので、ETFで投資デビューを狙っている方はぜひ参考にしてください。
ETFは初心者にもおすすめの投資商品
ETFは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では上場投資信託と呼びます。日経平均株価やダウ平均などの指数に連動する運用成果を目指す、投資信託の一種です。ETFが連動を目指す指数は数十~数千の銘柄で構成されているため、ETFへの投資を通じて分散投資ができます。株式以外にも、債券・REIT・コモディティ(商品)などの指数に連動したETFも選択が可能です。日本においては指数に連動したインデックス(パッシブ型)のETFが主流ですが、米国等の海外では「あるテーマに特化したETF」「インデックス以上のリターンを目指すアクティブ型ETF」もあります。
ETFと個別株は何が違う?
ETFは複数の投資家から資金を集め、運用の専門家が株式や債券など複数の銘柄を選択して分散投資してくれます。一方の個別株投資は、投資する銘柄を投資家自身が1つずつ選んでいくスタイルです。
個別株と違い、ETFは指数に含まれる数十~数千銘柄に分散投資が可能です。日経平均株価に連動する値動きを目指すETFを購入すれば、間接的に日経平均株価の225銘柄全てに投資していることになります。
ETFと投資信託は何が違う?
ETFと通常の投資信託との違いは、証券取引所に上場しているかどうかです。ETFは証券取引所に上場しているため、個別株と同様に市場が開いているあいだはリアルタイムで買付・売却できます。
通常の投資信託は上場していないため、リアルタイム取引はできません。証券会社や金融機関の窓口で購入手続きを行います。売買価額(基準価額)は、注文の翌営業日に発表されません。注文した翌営業日に発表されます。
ETFが投資初心者におすすめの理由・メリット
株と同様のリアルタイム取引ができる
ETFは取引所が開いている時間帯なら、株式と同様にリアルタイムで取引ができます。瞬間的な値下がりを狙って安く買付したり高騰したタイミングを狙って高く売却したりと、チャンスを逃さない取引が可能です。
投資信託は1日1回しか取引できないため、瞬間的な値動きには対応できません。
1つの銘柄で分散投資ができる
ETFは少額の投資で、指数を買うのと同様の効果が期待できます。東証株価指数TOPIXに含まれる2,000以上の銘柄に分散投資する場合、自分で個別株を買付すると途方もないお金が必要です。 東証株価指数(TOPIX)に連動するETFであれば、1つのETFを通じて2,000銘柄以上に分散投資できます。NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)の価格は2,012円(2022年2月5日現在)で売買単位は10のため、約2万円でTOPIXの全銘柄に投資が可能です。
投資信託よりも低コスト
ETFは通常の投資信託と比較して保有コストが安いというメリットがあります。ほとんどのETFは日経平均株価などの指数に連動するように運用されるため、銘柄の分析が不要です。銘柄の分析が必要なアクティブファンドと比べてコストが抑えられます。同じ指数に連動するインデックスファンドと比較しても、管理コストが低く設定されるのが一般的です。
ETFに投資する際に気を付けたいデメリット
投資信託と比較して銘柄数が少ない
ETFは証券会社でのみ取り扱う商品である一方、投資信託は証券会社以外に銀行や郵便局でも取り扱います。商品数に関してはETFより投資信託のほうが圧倒的に多いです。投資信託の本数は6,000本以上もあります。
ETFは200本ほどしかなく、ほとんどが指数に連動するタイプです。多くの銘柄から自分に合った商品を探したい人には物足りないと感じることもあるでしょう。
つみたてNISAやiDeCoなど非課税の仕組みで利用できない
つみたてNISAやiDeCoといった非課税の仕組みを使って投資したい人の場合、ETFは不向きです。iDeCoは投資対象が投資信託・保険・定期預金に限定されていて、利用できるETFは存在しません。つみたてNISAも対象のETFはわずか7本と、投資先として選ぶには選択肢が足りません。
自動的に再投資ができないことがある
運用で得た利益を再び投資に回すことで利息が利息を生み、お金が雪だるま式に増える仕組みが「複利」です。投資信託は分配金を自動的に再投資する仕組みがあるので複利効果が期待できます。
ETFの分配金は投資信託と異なり、組み入れ銘柄の配当金は運用経費を差し引いて決算時に分配される仕組みです。分配金を自動的に再投資する仕組みはなく、再投資する場合は手動で行うしかありません。
ETF投資の始め方
ETFは株式と同様に証券会社で買付・売却ができます。証券口座を持っている方であればすぐに始められますが、証券会社に口座がない場合は先に口座開設が必要です。東京証券取引所では平日の9:00~11:30、12:30~15:00で取引できます。ETFは売買単位が決まっていて、購入には取引所価格に売買単位をかけた金額が必要です。
ETFを選ぶ際の比較ポイント
商品内容・投資スタイル
ほとんどのETFは指数に連動した値動きを目指していますが、どの指数に連動を目指しているかは異なります。各ETFの「ファンドの概要」で、対象にしている指数を確認しましょう。
分配金の有無
ETFには投資信託と同様に分配金を出す仕組みがあります。受け取る回数は年1回から4回までさまざまです。ETFの分配金利回りは1~2%程度ですが、中には3%を超える高配当なETFも存在します。分配金を目的として投資したい人なら、高配当のETFが選択肢になるでしょう。
運用コスト
ETFを選ぶ際、運用コストの低さを示す「経費率」は重要なポイントです。経費率は投資信託やETFを運用するのに必要な費用が、純資産総額に対してどのくらいの割合かを示しています。ETFは指数に連動した値動きをするため、対象の指数が同じであればリターンはほとんど変わりません。逆に、コストが安ければ安いほど手元に残る利益は大きくなります。
流動性
ETFを選ぶ際、「流動性」も重要なポイントです。流動性は金融商品をどのくらいの期間で現金に換えられるか、換金のしやすさの程度を表す要素のことです。流通量が多いETFはすぐ売買できるため、希望する価格で約定しやすいメリットがあります。流動性が低い銘柄は売り手・買い手が見つからず、希望の価格で取引しにくいです。
投資の初心者におすすめの日本株ETF
TOPIXに連動したリターンを狙う「NEXTFUNDS TOPIX連動型上場投信」
TOPIXは「東証株価指数」のことです。東証一部上場の全銘柄を対象に毎日の時価総額を基準日の時価総額で割って計算します。東証一部の全銘柄を対象になっているため、225銘柄の日経平均株価と比較しても分散投資しやすいのがメリットです。
NEXTFUNDS TOPIX連動型上場投信はTOPIXに連動した値動きを目指したETFです。TOPIXの値動きは毎日のニュースで報道されるため値動きの変化を把握しやすく、約2,000銘柄に少額で分散投資ができます。
不動産上場投資信託を対象にした「ダイワ上場投信東証REIT指数」
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している不動産投資信託(REIT)の全銘柄を対象にした指数です。ダイワ上場投信東証REIT指数は東証REIT指数に連動することを目指す不動産ETFで、3.41%と分配金利回りが高い特徴があります。分配金の支払い回数も年4回と多いため、分配金によるインカムゲインを狙う投資家におすすめです。
投資の初心者におすすめの米国株ETF
S&P500指数に連動したリターンを狙う「VOO」
VOOは米国を代表するS&P500種株価指数に連動を目指すETFです。米国の大型企業500社にまとめて分散できる金融商品で、AppleやMicrosoft、JPモルガンなど世界的な企業が含まれています。経費率が0.03%と非常に低く、長期投資向きの銘柄です。
NASDAQ100指数に連動したリターンを狙う「QQQ」
ナスダック100指数は、金融銘柄を除く時価総額100銘柄の時価総額加重平均によって求められる指数です。時価総額が大きいハイテク・IT関連の銘柄が多い特徴があります。QQQはナスダック指数に連動した値動きを目指したETFで、構成銘柄はApple・Microsoft・Tesla・エヌビディアなどのハイテク関連の優良銘柄が多く含まれます。
連続増配銘柄に投資できる「VIG」
VIGは「NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス」に連動した投資成果を目指すETFです。REITを除き、10年以上連続で増配した実績を持つ米国株で構成されています。年に4回のタイミングで配当金を得られるため、インカムゲインを狙う投資家向きです。構成銘柄は10年以上の増配をしていることもあって業績が比較的良く、安定した配当が期待できます。
低コストで長期投資におすすめ!ETF投資
ETFは低コストで分散投資ができるため、個別株や投資信託と同様に資産運用で活躍できます。リアルタイムに取引できるメリットを活かし、押し目を狙って大きな利益を狙うことも可能です。投資に充てる時間がある人なら、ETFをポートフォリオに組み込んでみると良いでしょう。