ベンチプレスで重量アップをするために必要な筋肉と効率的に鍛える方法を解説
Aventure編集部
筋トレの定番メニューのひとつであるベンチプレス。バーベルを用いて行い、筋トレのレベルの象徴としても知られています。ベンチプレスをしていて「なかなか重量アップできない」と悩んだことのある人は多いのではないでしょうか?この記事ではベンチプレスで重量アップをする方法や注意点、具体的なメニューまで詳しく紹介します。
ベンチプレスで重量アップをする方法
成人男性がベンチプレスで持ち上げられる重量は平均40kgほどと言われています。ベンチプレスで重量アップを目指すには筋肉を増やし、パワーをつけるのが一番大切です。しかし、ベンチプレスでより重いバーベルを持ち上げるためには筋力アップだけではなくいくつかコツがあります。ベンチプレスの効果的な取り組み方を知り、重量アップを目指しましょう。
正しいフォームで行う
重量アップを考えている人はまずはフォームの見直しをしてみましょう。ベンチプレスには大胸筋を鍛えるのが目的の「ボディメイク用のフォーム」と、より重い重量を持ち上げるのに特化した「パワーフォーム」の2種類があります。短期間で重量アップを狙うにはこのパワーフォームを正しく理解し、習得するのが近道です。
ベンチプレスのパワーフォームの作り方
パワーフォームは大胸筋だけでなく、全身の筋肉を使ってバーベルを持ち上げる姿勢です。ベンチプレスのパワーリフティング競技では、多くの選手がこのフォームを使って行います。
1.バーベルの真下に顔が来る位置に仰向けになり、足を下ろす
2.バーベルを持ちながらお尻をギリギリまで持ち上げ、肩甲骨をグッと寄せ顎を引く
3.足を頭側へ引き、地面につける
ブリッジと呼ばれるアーチの姿勢を作るのがポイントです。肩甲骨を真ん中に寄せることで胸の筋肉をより使いやすくなります。胸が上がっているのでバーベルの可動域が短くなり、高重量でも負担が少なく小さな動作で済みます。より重い重量を上げるのに最適のフォームと言えるでしょう。
体重を増やす
体重とベンチプレスの重量は大きな関係があります。例えば、体重50kgの人が自身と同じ重さの50kgのバーベルを持ち上げることはとても困難です。しかし、体重100kgの人なら50kgの重量は簡単に持ち上げられるでしょう。
体重が重くなるとその分筋肉も増え、バーベルを持ち上げるパワーも上がります。そのため、ベンチプレスでは体重が重いほうが有利と言えます。なかなか重量アップができない人は重さばかりに気をとられず、自分の体重を増やしてパワーをつけてみましょう。
トレーニング後にプロテインを飲む
全身の筋肉を使うベンチプレスでは、筋力を上げるのも重量アップに必要なポイントです。トレーニングを行った後にプロテインを飲んで効率的に筋肉を成長させましょう。
トレーニング後のプロテインの飲み方
激しいトレーニングを行った後は、筋肉がより成長する期間である「超回復期」になります。このタイミングでプロテインを摂取するのがおすすめです。トレーニングの30〜1時間以内に摂取するとよいと言われています。
また、就寝前にゆっくりと体に吸収されるのが特徴のソイプロテインを飲むのもおすすめです。就寝前のプロテインは、成長ホルモンが筋肉の成長を助けるのに必要なエネルギーを与えてくれます。
ベンチプレス前に糖質を摂取する
ベンチプレスでバーベルを持ち上げるために瞬間的に大きなパワーを使います。トレーニングを始める2〜3時間ほど前に糖質を摂取しておくと自らのパワーをフルで発揮するのに役立ちます。
糖質を避けている人もいるかもしれませんが、エネルギーの素となる糖質は筋トレでのスタミナ維持には必須です。特にベンチプレスで重量アップを狙って重いバーベルに挑戦する場合、より多くのエネルギーを必要とします。おにぎりやバナナなど軽いものでも大丈夫です。事前に糖質をとっているだけでベンチプレスのパフォーマンスが変わる可能性があることを理解しておきましょう。
ウォーミングアップをしっかりと行う
ベンチプレスは柔軟性が必要な種目です。バーベルを持ち上げるのに肩関節の柔軟性が必要なのはもちろんですが、それ以外にも重要となるのが股関節の柔らかさです。
パワーフォームを組み、しっかりとしたブリッジの姿勢を維持するのに股関節の柔軟性があるととても有利です。体が固まっていると全身の筋肉からパワーを出せず、重量アップを狙うことができません。トレーニング前に忘れずにウォーミングアップ、ストレッチや筋膜リリースも行い体を柔らかくしておきましょう。ただし、事前運動に力を使いすぎてエネルギーを消費してしまわないよう注意が必要です。
ベンチプレスで重量アップする際の注意点
重量アップに必要な筋肉を理解する
重量アップするために特に必要となる筋肉は大胸筋と上腕三頭筋、肩の筋肉である三角筋です。特に上腕三頭筋、三角筋を強くするとベンチプレスの重量アップに役立ちます。
その理由は、重量をどんどん上げていくとどうしても大胸筋の力だけでは持ち上げるのが難しくなってくるためです。大きな筋肉である大胸筋と比べると上腕三頭筋、三角筋は小さく、重量が上がると疲れやすくなります。ここを集中的に鍛えると重量が上がった場合も対応でき、高い重量に順応できるようになるのです。
そのため、ベンチプレスのメニューとは別に肩を鍛えるダンベルメニューを加えるなど意識してトレーニングを行うことが大切です。
体調に合ったメニューを行う
仕事終わりで疲れていたり、体調が悪かったりなどパフォーマンスが低い日にきついメニューを行うのはおすすめできません。万全ではないタイミングで高重量のベンチプレスに取り組むのは効率的ではなく、質の低いトレーニングになってしまいます。
一方で休日でしっかり休んでパフォーマンスが高い日に自分にとって軽すぎる重量でのトレーニングをすることもまた効果的ではありません。重量アップを狙って無理やり毎日トレーニングをしようとせず、その日の体調に合わせたメニューを選びましょう。筋肉痛があるなど体への負担が感じられたら回復のために休みをとることも必要です。
停滞期には工夫が必要
前回より重量が下がることが数回続いた場合、悩みすぎずにメニューをベンチプレスではなく筋力アップの筋トレに切り替えるなどの工夫が必要です。停滞期や前回より記録が悪くなり落ち込んでいる時に無理にトレーニングをすることはおすすめできません。重量アップに固執せずに好きなトレーニングを行ってリフレッシュするなど気持ちの切り替えも大切です。
ベンチプレスをする明確な目的を決め、効果的な回数とセット数を設定する
ベンチプレスの効果的なメニューは目的によって変わります。ベンチプレスをする目的が「筋肥大」「重量アップ」と異なる場合、フォームが異なるようにメニューの内容も変化させましょう。
重量アップを目的とする場合は筋力をつけるだけではなく、ベンチプレスを伸ばすための補助種目を取り入れる必要があります。
おすすめのベンチプレス重量アップのメニュー
ベンチプレスの回数は8〜10回、2〜3セットの高回数のメニューがおすすめです。セット間に5分間のインターバルを挟み、セットが増えるごとに重量を上げていきます。初めのセットは軽い重量を上げ、ウォーミングアップの要領で行います。
【60kgの重量を上げられる人のセット例】
1.30kg×20回
2.40kg×10回
3.60kg×10回
3セット目がきつく感じなくなってきたら徐々に重量アップをしていきます。このベンチプレスメニューに加え、ダンベルプレスやマシンフライを補助種目として取り入れます。トレーニングの頻度としては筋肉の回復を考えて中2日程度はあけるのがいいでしょう。ベンチプレスメニューと補助種目を行う日を分ける場合は、トレーニングの日が続いても問題ありません。
ベンチプレスの重量アップは基本の積み重ねと継続が大切
今回はベンチプレスの重量アップについて紹介しました。ベンチプレスでより高い重量を狙う場合はパワーフォームの理解や使う筋肉を知ることが大切です。トレーニング前後の行動も重量アップのためのポイントなのでぜひ実践してみてください。具体的な目標の重量を決めてモチベーションを保ち、トレーニングを楽しく継続していきましょう。