通常のスクワットより効果的!ブルガリアンスクワットの正しいやり方
Aventure編集部
ブルガリアンスクワットは、ブルガリアのウエイトリフティングチームの練習で行われていたことからついた名前です。片足だけでスクワットを行うため、両足を地面につけて行う通常のスクワットに比べて、負荷が大きく、「下半身最強の筋トレ」とも呼ばれています。
本記事では基本のブルガリアンスクワットのやり方や、フォームの注意点、ブルガリアンスクワットが上手くできないときの対処法を紹介します。通常のスクワットでは物足りず負荷の高いトレーニングを求めている人や、ブルガリアンスクワットに挑戦してみたがなぜか上手くいかないと悩んでいる人はぜひチェックしてみてください。
ブルガリアンスクワットはどんな部位に効果的?
大臀筋
大殿筋とは、臀部全体を覆う筋肉のことで、単一の筋肉としては、全身のうちで最も大きい部位です。立ったり走ったりするときなどに使われています。大殿筋はそのまま下半身のシルエットを形作る筋肉ですので、ここを鍛えることでヒップアップ、下半身引き締め効果が期待できます。
ハムストリングス
ハムストリングスは、太腿の裏側にある筋肉群を指し、股関節から膝裏までを覆っています。膝を曲げたり、股関節を伸ばしたりするときに使われます。運動ではダッシュの際に重要な役目を果たします。ここを鍛えることで、力強く引き締まった太腿が作れ、美脚効果も期待できます。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太腿の前にある大きな筋肉で内側・外側・中間広筋・大腿直筋の4つからなる部位の総称です。膝関節を伸ばしたり、腿を上げる際に使われており、立つ、歩く、走るなど、下半身の主な運動のほとんどに関わっています。大きく発達しやすいことが特徴で、ここを鍛えることで基礎代謝のアップが狙えます。
内転筋
内転筋とは太腿の内側にある筋肉で、骨盤と足を繋ぐ役割を果たしています。立っているときや座っているときの姿勢を維持したり、足を閉じるときに使われます。ここを鍛えることで体幹や下半身が安定するため、運動時の体のバランスを保ちやすくなり、怪我や故障を防ぎます。
ブルガリアンスクワットをすることで得られる効果は?
下半身強化
ブルガリアンスクワットは、下半身筋トレの中でも最も負荷の大きいメニューです。ハムストリングスや大腿四頭筋、内転筋を鍛えることで、下半身の運動機能の向上が期待できます。また、片足でバランスを取りながら行うため体幹も強化できます。
ブルガリアンスクワットに取り組むことでスポーツをしても疲れにくく、運動パフォーマンスの高い体が作れるでしょう。日常生活でも登り坂や階段を登る際の動作を助けてくれます。
下半身の引き締め効果
スクワットの主な効果の一つに、下半身の引き締め効果があります。中でもブルガリアンスクワットは片足で行うため、両足で行う通常のスクワットよりも大殿筋やハムストリングスを強く刺激でき、ヒップアップや太腿引き締めに効果大です。
運動強度が高いため、下半身痩せを目指すなら自重など低負荷で行い、がっしりとした力強い下半身を作りたいならダンベルやバーベルを使って行う高負荷トレーニングがおすすめです。
基礎代謝向上
ブルガリアンスクワットは大殿筋やハムストリングス、大腿四頭筋など大きな筋肉群をまとめて鍛えられるため、効率よく基礎代謝を向上できます。基礎代謝とは、運動をしなくても消費されるエネルギーのことで、これを増やすことで太りにくく痩せにくい体を作れます。
また、スクワットのエネルギー消費量は腹筋100回分とも言われているため、運動でのカロリー消費も期待でき、ダイエット効果はかなり大きいと言えるでしょう。
ブルガリアンスクワットの効果的なやり方
このパートではブルガリアンスクワットの効果的なやり方を解説します。
ブルガリアンスクワットのやり方
ブルガリアンスクワットを行う際は、足を乗せる台を用意しましょう。ジムであればベンチ、自宅なら表面の硬いイスなどでも代用できます。
まずはセットポジションを取ります。
・イスやベンチの60〜90cmほど前(おおむね足裏の長さ×4つ分くらいの距離)
に背を向けて立ちます。
・片足の甲をベンチまたはイスの上にリラックスした状態で乗せます。
・手は頭の上か、胸の前で組みます。
・やや前傾姿勢になって胸を張り、背筋を伸ばします。
セットポジションが定まったら、いよいよスクワットを始めます。
1.息を吸いながら上半身をゆっくり下ろしていきます。
2.腰を真下に落とすイメージで、膝が90度になるまで曲げましょう。
3.息を吐きながら素早く腰を上げ、元のポジションに戻ります。
4.規定のセット数を行ったら、逆の足に替えて同様に行いましょう。
セット数
左右10回ずつ×3セットを目安に行いましょう。セット間のインターバルは1分以上取ると筋肉が回復してしまうので、1分以内に留めます。
フォームの注意点やコツ
ブルガリアンスクワットは非常に負荷の大きいトレーニングです。誤ったフォームややり方で行うと怪我をする恐れがあります。このパートではブルガリアンスクワットを行う上で押さえておきたいコツや気をフォームのポイントを解説します。
腰と背中は丸めない・反らさない
フォームで最も重要なポイントは腰と背中を丸めないことです。常にまっすぐを意識し、反らせてもいけません。腰や膝を痛める原因となります。
また、効かせたい太腿や臀部といった部位にきちんと負荷がかからず、トレーニングの効果がなくなってしまいます。重心はかかとに起き、体を真下に下ろすイメージで膝を曲げると姿勢を保ちやすいでしょう。
膝を曲げすぎない・伸ばしすぎない
膝は90度以上曲げないようにしましょう。曲げすぎると膝を痛めたり怪我をしてしまう可能性があります。体を下ろすときは膝がつま先よりも前に出ていないかチェックしましょう。また、膝を伸ばして元の体勢に戻るときは膝関節を伸ばしきらないようにしてください。膝関節を伸ばしきってしまうと、筋肉の緊張が緩んで力が抜けてしまいます。ほんのわずかに曲がった状態に留めて次の動作に移ると、負荷がアップしより効果的です。
膝の位置と向きに注意する
膝の位置は足首の真上か、こぶし一つ分前にあることが理想です。また、膝を曲げるときは膝が足の内側に入らないようにしましょう。足の人差し指と、かかと、膝の真ん中が縦一直線になるようにします。正しい膝の位置と向きを意識することで、膝を痛めるリスクをぐっと減らせます。
動作スピードを意識する
ブルガリアンスクワットだけに限りませんが、トレーニングは動作スピードも重要です。腰を下ろすときはゆっくり、上げるときは素早くと動作にメリハリをつけます。トレーニングに慣れてきて負荷を高めたいときは、下ろすときも上げるときもゆっくりを意識しましょう。
足幅で効く部位が変わる
ブルガリアンスクワットは、足幅によって鍛えられる部位が変わります。通常のブルガリアンスクワットでは、大殿筋・ハムストリングス・大腿四頭筋・内転筋を鍛えられます。
しかし、足幅を狭くして同じようにブルガリアンスクワットを行うと、大腿四頭筋やハムストリングスといった太腿を集中的に鍛えることができます。また、体のバランスを保持することが難しくなるため、体幹も鍛えられます。足幅の調整次第で、強化したい部位に絞ってトレーニングを行えるため、余裕が出てきたら、足幅を変えてまんべんなく下半身を鍛えてみましょう。
足幅を狭く取って行う場合は、台やイスから足裏1〜2つ分ほど距離を取ります。上体をまっすぐに保って床に垂直になるよう腰を下ろしましょう。
自重が物足りなくなったら
ブルガリアンスクワットは自重で行うトレーニングです。もし、体が慣れてきて自重では物足りなくなってきたら、負荷を増やしてみましょう。負荷は高いほうがトレーニング効果も高まります。
スロートレーニング
負荷を増やす最も手軽な方法にスロートレーニングがあります。やり方は簡単で、ただトレーニングの動作を通常よりもゆっくり行うだけです。それだけで筋肉への負荷が簡単にアップします。ひとつの動作に2〜3秒ほどかけるつもりでやってみましょう。
ダンベル・バーベルなどの器具を使う
自重だけでは決してかけられない高負荷を筋肉に与えられます。ダンベルを使う場合は、両手に一つずつ持ってスクワットを行っても良いですし、ダンベルが一つしかない場合は、両手で胸の前に持って行うこともできます。
ジムなどでバーベルを使える場合は、肩にバーベルを担ぐことで背筋が伸びて正しいフォームを保ちやすいという利点があります。
ブルガリアンスクワットが上手くできないときは?
①筋力不足
ブルガリアンスクワットが思うようにできない原因の多くは、筋力不足です。片足の膝を曲げ伸ばしし、体を上下させるためにはかなりの筋力が必要となります。もし、ブルガリアンスクワットがキツいと感じるときは、一旦トレーニングをやめ、通常のスクワットから再チャレンジしましょう。
効果や鍛えられる部位はブルガリアンスクワットと通常のスクワットでは変わりません。通常のスクワットで筋力をアップさせ、物足りないと感じるようになったらブルガリアンスクワットに挑戦してみましょう。
②ストレッチ不足
ブルガリアンスクワットで、しゃがむ際に体がぐらついたりぶれたりするときは、大殿筋や足首のストレッチ不足かもしれません。ブルガリアンスクワットでは、膝だけでなく足首や大殿筋、太腿などの筋肉も伸縮します。
しゃがむときにこれらの部位がきちんと伸びていないと可動域が狭まり、中腰のような姿勢になってしまい、本来効かせるべき部位に負荷をかけられません。ストレッチをするときは、足首や太腿に加え、大殿筋ストレッチも忘れないようにしましょう。
【大臀筋ストレッチのやり方】
1.椅子に座り、右足を左太ももの上に乗せます
2.上体をゆっくり前に傾けます
3.右の大殿筋が伸びているところで10秒キープします
4.反対も同じように繰り返します
③バランスが悪い
ブルガリアンスクワットは、片足で体を支えるため、動作の途中でバランスを崩しやすいデメリットがあります。かかとに重心を置くと安定しやすいですが、もしどうしてもバランスを取るのが難しいという場合は、壁に手をついてみましょう。
通常通りに取り組む場合に比べて効果は落ちてしまいますが、崩れたフォームで行ったり転倒して怪我をしたりするよりは良いでしょう。体がぐらついたり不安定なときは、一度壁に手をついてブルガリアンスクワットを行い、正しいフォームやバランスを保てるようになってから、通常のスクワットに移行しましょう。