筋トレするなら分割法が効果的!トレーニングは週4がおすすめな理由
Aventure編集部
筋トレ分割法とは、週数回に分けて全身の筋肉を満遍なく鍛えるトレーニング法です。筋トレを始めたばかりなら、週1~2回の頻度で全身筋トレを取り入れている人が多いと思いますが、慣れてきたら週3回以上に増やし、細かい部位ごとに筋トレを行ったほうがより効率的です。
本記事では、筋トレ分割法の取り入れ方やトレーニングメニューの例、分割法を取り入れる上での注意点を解説します。「より効率的に筋肥大したい」「部位別にじっくり鍛えたい」と思っている人は、ぜひチェックしてみてください。
筋トレで分割法が効果的なのはなぜ?
筋トレ分割法は、鍛える部位を細かく分けることで各部位にフォーカスできるメリットがあります。筋トレを始めたばかりの人であれば、全身を鍛える筋トレを週1~2回行っている人が多いと思いますが、筋トレ分割法では鍛える部位ごとに細かく分け、週3〜4回以上の頻度で行います。
各部位を複数の種目で鍛え抜くことができ、1日で全身を鍛えるよりも短い時間で、より質の高いトレーニングを行えます。トレーニング時間が長くなると後半で集中力が衰えたり、筋肉を分解してしまうストレスホルモン・コルチゾールが発生する恐れがあるため、実は筋肥大にとって逆効果の場合も。
また、一度に全身を鍛えると、次回の筋トレまで傷ついた筋線維の疲労回復を待たなくてはいけません。超回復と言いますが、これには24〜72時間かかると言われています。しかし分割法なら部位を分けられますので、疲労した筋肉は休ませつつ、同時に他の部位を鍛えることが可能です。
筋トレ分割法の取り入れ方【頻度は週4が理想】
筋トレ分割法は2~5分割が一般的です。分割数はトレーニングの熟練度に応じて選びます。筋トレ初心者〜中級者は、鍛えたい部位ごとに2〜3分割し、週4日程度の頻度で取り組むのがおすすめです。
4分割以上は筋トレ上級者向けで、たとえば5分割になると週5日のトレーニングが必要になります。同部位は週に1回しか鍛えられないため、1度の筋トレで完璧に追い込めるプロのボディビルダーやフィジーカー向けの方法です。本記事では2〜3分割の分割法と、その具体的なトレーニングメニューを紹介します。
2分割の仕方
鍛えたい部位を2分割する方法です。初めて分割法を取り入れる人はここからスタートしましょう。一般的な2分割の仕方は、上半身と下半身・プッシュ種目、プル種目の二つがあります。以下のパートで詳しく説明します。
①上半身・下半身
最も定番の分け方で、初めての人でも簡単にできます。分け方は以下の通りです。
①上半身・・・胸・肩・腕
②下半身・・・背中・足
背中を②の下半身に含めるのは、「足と足以外」で分けてしまうと上半身のトレーニングボリュームが多くなり、バランスが悪いためです。各部位につき、1〜3種目程度を行えると理想的です。
②プッシュ・プル
2分割のもう一つの分け方はプッシュ種目とプル種目で分ける方法です。プッシュ種目とは「押す」動作をするもの、プル種目とは「引く」動作をするものを言います。
簡単に言うと、押す動作とは「押す、持ち上げる、伸ばす動き」のことで、引く動作とは「引き上げる、寄せる、曲げる動き」のことです。例えば、ベンチプレスはバーベルを押す動きなのでプッシュ種目、デッドリフトはバーベルを引く動きなのでプル種目といったように分けられます。
プッシュ・プル分割法では具体的に以下のように部位を分けます。
①プッシュ・・・胸・肩・上腕三頭筋
②プル・・・背中・上腕二頭筋+足
※足の筋トレをプル種目に加えます。
プッシュで上腕三頭筋、プルで上腕二頭筋をそれぞれ鍛えられることから、先に挙げた上半身・下半身の分割法よりも腕にフォーカスしたトレーニングができます。
3分割の仕方
2分割に慣れてきたら、次は3分割にチャレンジしてみましょう。より細かく部位を分けることで、各部位の種目数をぐっと増やして筋肉を追い込めます。
①上半身の大筋群・上半身の小筋群・脚
この3分割法は、2分割で分けた上半身・下半身の区切り方がベースです。上半身をさらに「大筋群」「小筋群」に分け、そこに「足」を加えて鍛えます。そうすると以下の通りに分けられます。
①上半身の大筋群・・・胸、背中
②上半身の小筋群・・・肩、腕
③下半身・・・足(+腹筋)
トレーニングのボリュームをバランスよくするために、③の下半身に腹筋メニューを足してもいいでしょう。①の胸・背中を同時に鍛えるのは、少しきつく感じる人もいるかもしれません。
②プッシュ・プル・脚
2分割法のときは、プル種目に足を鍛えるメニューを混ぜましたが、この3分割法では足のトレーニングを分けて行います。
①プッシュ・・・胸・(肩)・上腕三頭筋
②プル・・・背中・上腕二頭筋
③足(+肩)
こうすると、①のプッシュのボリュームがやや多めなので、①の「肩」を「足」と一緒に鍛えても良いかもしれません。
トレーニングメニューの組み方【2分割法】
1週間の流れは「A→休み→B→休み→A→休み→B」といった風になります。(A、Bはそれぞれ「上半身・下半身」「プッシュ・プル」をあてはめます。)筋肉の超回復には24〜72時間が必要ですので、このサイクルなら傷ついた筋線維を休ませて修復する時間をたっぷり取って、次のトレーニングに臨めます。
【2分割法①】上半身のおすすめメニュー
ここでは2分割法で取り入れたい、上半身のおすすめメニューを紹介します。
ダンベルベンチプレス(胸)
ダンベルを胸の位置まで下ろして、大胸筋に効かせる
ダンベルショルダープレス(肩)
肩の上にダンベルを持ち上げて下ろし、三角筋を鍛える
ダンベルカール(腕)
ダンベルを持ったまま肘を曲げ、上腕二頭筋へアプローチする
【2分割法①】下半身のおすすめメニュー
ここでは2分割法で取り入れたい、下半身のおすすめメニューを紹介します。
ダンベルベントオーバーロウ(背中)
ダンベルを持った腕を肩甲骨を寄せて引き上げ、背中に効かせる
スクワット(尻・太もも)
膝関節を曲げて腰を落とし、太ももや大殿筋に刺激を与える
レッグカール(ふくらはぎ)
レッグカールマシンを使って行う。膝を曲げ、負荷をかけたパッドをお尻に引き寄せる。
【2分割法②】プッシュのおすすめメニュー
ここでは2分割法で取り入れたい、プッシュのおすすめメニューを紹介します。
ダンベルフライ(胸)
ダンベルを持った腕をやや開きつつ下ろしてから胸の上へ持ち上げて大胸筋を鍛える。
ディップス(胸・上腕三頭筋)
平行棒やバーなどを掴み、胸や腕など上半身の筋肉を使って自分の身体を押し上げる
スカルクラッシャー(上腕三頭筋)
ダンベルやバーベルなどを持って肘を曲げ、額の上へ上げたり下ろしたりする
【2分割法②】プルのおすすめメニュー
ここでは2分割法で取り入れたい、プルのおすすめメニューを紹介します。
デッドリフト(背)
中腰になってウェイトを持ち上げ、背中だけでなくお尻やハムストリングスも同時に刺激する
プリーチャーカール(上腕二頭筋)
ベンチの上に腕を置き、逆手でダンベルやバーベルを持ち上げ、上腕二頭筋へアプローチする
ダンベルスクワット(脚)
ダンベルを持って行うスクワット。足へ自重よりも高負荷を与えられる
トレーニングメニューの組み方【3分割法】
3分割にしても回復期間はしっかり取れる一方で、Cの部位は週に1回の筋トレになってしまうため物足りなく感じるかもしれません。ある程度の強度で追い込める中級者向けのやり方です。
【3分割法①】上半身の大筋群のおすすめメニュー
ここでは3分割法で取り入れたい、上半身・大筋群のおすすめメニューを紹介します。
ベンチプレス(胸)
ベンチへ仰向けになりバーベルなど重いウェイトを持ち上げ、大胸筋に効かせる
チンニング(背)
懸垂のこと。チンニングバーを掴み、腕と背中の筋肉を使って体を引き上げる
【3分割法①】上半身の小筋群のおすすめメニュー
ここでは3分割法で取り入れたい、上半身・小筋群のおすすめメニューを紹介します。
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ベンチに片手をついて前傾姿勢になり、ダンベルを持った腕を後方へ上げる
逆手懸垂(上腕二頭筋)
逆手で行う懸垂です。通常の懸垂よりも、より上腕二頭筋に効果的
サイドレイズ(肩)
両手にダンベルを持ち、肩の力だけで首の高さまで持ち上げる
【3分割法①】脚のおすすめメニュー
ここでは3分割法で取り入れたい、脚のおすすめメニューを紹介します。
ブルガリアンスクワット(脚)
両手にダンベルを持ち、肩の力だけで首の高さまで持ち上げる
片足を台に乗せ、片足だけで自重を支えて行うスクワット。
サイドスクワット(脚)
体を横に移動させ、片足ずつ膝を曲げて行うスクワット。太もも引き締めに効く
【3分割法②】プッシュのおすすめメニュー
ここでは3分割法で取り入れたい、プッシュのおすすめメニューを紹介します。
ケーブルフライ(胸)
ケーブルマシンを使って行う。ウェイトのついたケーブルを引き、大胸筋を鍛える
トライセプスエクステンション(上腕三頭筋)
脇を締め、肘を曲げてダンベルまたはバーベルを持った腕を額に引き寄せる
シーテッドリアレイズ(肩)
両手にダンベルを持ち、椅子に座って前かがみになる。肩の力だけでダンベルを持ち上げる。
【3分割法②】プルのおすすめメニュー
ここでは3分割法で取り入れたい、プルのおすすめメニューを紹介します。
ラットプルダウン(背)
マシンを使って行う。ウェイトをつけたバーを肩甲骨を寄せて引き上げる
ハンマーカール(上腕二頭筋)
ダンベルを持ち、腕の筋肉を収縮させて持ち上げ、上腕二頭筋にアプローチする
【3分割法②】脚のおすすめメニュー
ここでは3分割法で取り入れたい、脚のおすすめメニューを紹介します。
レッグプレス(脚)
レッグプレスマシンを使って行う。負荷のかかったフットプレートを足で押し、太ももや大殿筋を鍛える
レッグエクステンション(脚)
レッグエクステンションマシンを使って行う。膝を曲げた状態から始め、負荷のかかったフットバーを膝を伸ばして持ち上げる
筋トレ分割法を行う上でのポイント
大きい筋肉や、発達させたい部位は最初に鍛える
筋トレ分割法を行う際は、大きい筋肉部位や特に発達させたい部位を優先して鍛えてください。大きい筋肉を鍛えるメニューは、補助筋など小さい筋肉を鍛えるときに比べて、集中力やエネルギーを必要とします。特に大きい部位をメインターゲットとして鍛える筋トレビッグ3(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)は、トレーニングの最初に行うようにしましょう。
また、鍛える順番が後になればなるほど筋肉には疲労が貯まっていきます。その状態では、重点的に鍛えたい箇所があっても十分に追い込むことができません。特に強化したい部位があるのなら、そのトレーニングからスタートするようメニューを作り、最もフレッシュで疲労のないときに鍛えるようにしましょう。
必ず休みの日を入れる
部位ごとにトレーニングをしているからと言って、毎日続けてトレーニングをしないようにしましょう。部位ごとに分けて鍛えていても、どうしても体に疲労は貯まっていくものです。完全に回復しないうちに筋トレを行っても、筋肉は成長せず、筋肥大にはかえって逆効果となります。
週に1〜2日は完全休養日を設け、全身の筋肉を休ませる期間を作りましょう。また、筋肉は大きければ大きい部位であるほど回復に時間がかかります。大きい部位を鍛えたすぐあとに休養日を入れるようにすると良いかもしれません。
補助筋に疲労が残らないようにする
筋肉には、補助筋と言って大きな筋肉の動きをサポートする筋肉があります。例えば、胸なら上腕三頭筋、背中なら上腕二頭筋が補助筋です。補助筋はメインの大きな筋肉とともに動きますので、胸や背中をトレーニングした日は上腕三頭筋や二頭筋にも疲労が残ります。
そのため、メインの筋肉と同日に鍛えようとすると、疲労から補助筋はパフォーマンスが下がり、十分に追い込めません。できるだけ、メインの筋肉と補助筋は別々の日に鍛えるようにしましょう。「胸と上腕二頭筋/背中と上腕三頭筋」といったセットにしてもいいですね。
オーバートレーニングに注意する
分割法では、部位を細かく分けるため1回のトレーニング量が少なくなります。物足りないような気がしてついトレーニング量を増やしてしまいがちですが、やりすぎもよくありません。実は75分以上トレーニングを行うと、筋肉を分解するコルチゾールという物質が分泌されてしまうため、筋肥大にはかえって逆効果です。筋トレは長くとも1時間以内に終わらせるようにしましょう。
トレーニングには腹筋も組み込む
これまで紹介した2分割法、3分割法のメニューには、腹筋は組み入れられていません。これは、他の部位のトレーニングで使われているため、腹筋は個別に鍛えなくても成長すると言われているためです。
実際に、腹筋をしていなくてもシックスパックになっているトレーニーは多くいます。しかしやはり、重点的に鍛えている人とそうでない人では仕上がりに差があります。他と比べてトレーニングのボリュームが少ない日を選び、腹筋メニューも取り入れることをおすすめします。