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バリュー株とは|グロース株との違いと見つけ方のポイントを解説

Aventure編集部

投資の運用スタイルは大きく分けて「バリュー株」「グロース株」に分かれています。これから投資を始めようとする人の中には「どちらが自分に合っているか分からない……」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。この記事ではバリュー株の特徴と、グロース株と比較したメリットとデメリットを解説します。日本と米国株でおすすめのバリュー株も紹介するので、バリュー株で投資を始めてみたい方はぜひ参考にしてください。


バリュー株とは|割安に放置された株のこと

バリュー株とは、本来の企業価値よりも割安な株価で放置されている銘柄のことです。割安なうちに銘柄を購入し、本来の企業価値まで株価が上昇するのを期待して投資を行います。


グロース株とは|高い成長率が見込める株のこと

グロース株は、投資家から高い成長を期待されていて、大きな株価上昇が見込める銘柄のことです。需要が大きい市場で業績が急上昇している銘柄や、他社が算入できないサービスを提供している企業などがグロース株と呼ばれます。


バリュー株に投資するメリット

株価の変動幅(ボラティリティ)が低い

グロース株は高い成長性が見込まれて投資されている一方でボラティリティ(価格の変動幅)が高く、わずかな売上の減少などが原因で株価が急降下することがあります。

一方のバリュー株はすでに割安な状態で放置されているため、市場全体が下落傾向でも下落スピードは緩やかなのが一般的です。株価が常に大きな変動を見せることがないため、比較的低リスクで運用することができるでしょう。

銘柄が成熟しているので安定の配当が受け取れる

一般的にバリュー株と呼ばれる銘柄は成熟した大企業が多く、配当金や株主優待制度といったインカムゲインが充実しています、株価が大きく上昇しない分、安定した配当金を受け取ることを目的に長く投資を続けやすいのがメリットです。

銘柄によっては金利上昇局面に強い

2022年現在は世界的にインフレが続いています。1/12(水)に発表された12月の米CPI(消費者物価指数)は前年同月比で7.0%も上昇していて、上昇率は1982年6月以来39年6ヵ月ぶりの高さを記録しました。

インフレに歯止めをかけるべく、アメリカのFRB(米連邦準備制度理事会)は2022年3月までに量的緩和(QE)を終わらせて政策金利を引き上げ、さらには資産の縮小(QT)に移っていくとの見方もあります。

このような金利上昇局面に強いのは、銀行や保険をはじめとした金融株など、株価が割安で配当利回りが高いバリュー株です。


バリュー株に投資するデメリット

期待リターンはグロース株よりも小さい

バリュー株が割安な理由は、業績が好調な割に市場から成長の期待を受けていないことが要因の1つです。すでに成熟した企業であることからも、株価が短期間に5倍~10倍と急騰することは期待できません。長期投資で徐々に本来の期待値まで株価が上昇することを期待する投資方法のため、資産形成には時間がかかります。

株価が下落したまま戻らないこともある

バリュー投資は本来の企業価値と比較して割安なうちに購入し、投資家に再注目されて株価が上昇することを期待する投資法です。株価が下落している理由によっては、株価が戻らないまま下落を続ける可能性もあるでしょう。

長期間保有することで配当によるインカムゲインは得られますが、株価下落も含めたトータルリターンで損失を出してしまうことも考えられます。

企業の本質的な価値を見抜くのは簡単ではない

ある銘柄が割安か割高かを判断するためには、企業の本質的な価値を見極める必要があります。現時点での業績だけでなく、将来性まで含めて割安かを判断する必要があり、買い時の銘柄を探すのは簡単ではありません。PERが低い方が一般的には割安ですが、株価が先行きの業績不安を反映しているケースもあります。またPERやPBRが割安かどうかは、業種別に判断することも必要です。


グロース株に投資するメリット・デメリット

一方のグロース株に投資するメリットを列挙すると以下の通りです。

【メリット】
・短期間で大きな利益を上げられる可能性がある
・バリュー株よりは企業価値の分析に時間を割く必要がない

グロース株は成長期待の高い銘柄であり、株価が上がる際の上昇率が大きいのが特徴です。短期間に株価が2倍、3倍、あるいは10倍に跳ね上がることもあります。

また、バリュー株ほどには企業分析に時間を要さないのもメリットです。バリュー株は現時点での株価に対する企業の本来価値を判断するための分析が必要ですが、グロース株では単純に人気が出ている、注目されている銘柄や業界に絞って投資することもできます。

【デメリット】
・配当金はないか、ごく少額しか受け取れない
・短期間で暴落する危険もある

グロース株は利益を成長の原資に活用するため、配当や自社株買いなどの株主還元には期待できません。

短期間で大きな利益を得られる可能性がある反面、短期間で大きな損失になることもある点にも注意が必要です。グロース株は現在の業績から判断すると割高で、ささいな売上の減少や経営状態の悪化に敏感に影響を受けてしまいます。


バリュー株を探す際の比較ポイント

PER(株価収益率)が低い方が割安

PERは「Price Earnings Ratio」の略で、株価が1株あたり純利益の何倍かを見る投資尺度です。株価を1株純利益(EPS)で割って倍率を算出します。同業他社や株式指数と比較して低ければ割安とされるのが一般的です、

PBR(株価純資産倍率)が低い方が割安

PBRは「Price Book Ratio」の略で、株価が1株あたり純資産の何倍かを見る投資尺度です。PBRが1倍の場合、株価と純資産が等しい状態を表します。1倍未満の場合は株価が解散価値を下回ることから割安とされます。

ただし、近年は長期間に渡ってPBRが1倍を下回る銘柄もあり、単にPBRが1倍未満というだけでは割安さを判断できません。同業他社と比較して割安か割高かを判断する必要があります。

ROE(自己資本利益率)が高いほど割安

ROEは「Return on Equity」の略で、日本語では「自己資本利益率」と読みます。自己資本に対して、どれだけ利益をあげているかを表しています。

計算式は「EPS(1株あたりの利益)÷BPS(1株あたり純資産)×100」です。

一般的にROEが10%を超えると優良銘柄とされるため、「稼ぐ力が弱く、投資には適さない」と判断できるのです。

ただし、あくまで自己資本による利益率を見る指標のため、金融機関から借入が多いとROEは計算上高くなることもあります。自己資本比率が高いか低いかなど、ほかの指標も使って分析することが重要です。


日本株の代表的なバリュー株とは

三菱UFJフィナンシャル・グループ

三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は国内最大の民間金融グループです。銀行株は金利によって利ざやが左右される側面があり、現行のゼロ金利政策のもとでは株価は割安の状態とされています。

MUFGの足元の業績を見ると、2021年度の業務純益は目標比+500億円と堅調に推移しています。利益が改善されたことでROEが2020年度の5.63から10.91%と大幅に回復している一方、PERは7.24(3月4日現在)です。競合のPERは三井住友銀行がPERが7.86、ゆうちょ銀行が11.01、あおぞら銀行が8.35、りそな銀行が7.89(いずれも3月4日時点)ですから、競合と比較しても割安な水準といえます。

配当利回りも3.74%(3月4日現在)と高く、今後に金利上昇が起これば株価が更に上がることも期待できるでしょう。

丸紅

丸紅は芙蓉グループの総合商社大手です。穀物と発電分野では商社の中でも首位級で、プラントや輸送機、農業化学品など多方面に強みがあります。

2021年度第3四半期連結決算を見ると純利益は前年同月比+102%、実態純利益が前年同月比+105%と過去最高を記録しています。300億円を上限とした自社株買いも決定しており、今後も株価の上昇余地があります。加えて配当利回りも3.68%(3月4日現在)と、競合の三井物産の3.01%、双日の3.50%(いずれも3月4日時点)高い水準で推移しており、業績好調な高配当銘柄といえます。

オリックス

オリックスはリースをはじめ生命保険、不動産まで多角的に事業を展開する金融銘柄です。直近は2020年3月期~2021年3月期まで連続で減益でしたが、これは本業の稼ぐ力が衰えての赤字ではなく、コロナによる一時的な利益下押しが要因でした。2022年3月期は業績が大幅に改善する見込みです。ROEも前年の6.4%から9.9%(通期予想)と改善されたことを受け、S&Pが2021年3月末の「A-(ネガティブ)」から2022年1月末は「A-(安定的)」と変更するなど、格付会社5社中4社が信用格付を上方修正しています。

23年3月期についてはコロナ禍からの脱却による旅客需要の回復で、航空機リースの向上が見込まれています。


米国株の代表的なバリュー株とは

ペプシコ

ペプシコは1919年に創業した多国籍のスナック・飲料企業で、日本ではペプシコーラなどの清涼飲料水が有名です。実際にはスナックやシリアル、オートミールなど多角的にビジネス展開しています。

景気に左右されにくいディフェンシブ株の代表的な銘柄で、安定志向の投資家から選ばれています。直近の配当利回りは2.63%(3月4日時点)と特別高くはないものの、49年もの長期間に渡って連続増配を繰り返しているのが大きな魅力です。

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー

2000年にJPモルガンとチェース・マンハッタンが合併して誕生したメガバンクです。100を超える国と地域でサービスを展開する世界屈指の大銀行として知られています。

株価が割安に置かれやすい銀行株ということもあり、PERは9.0倍と割安に据え置かれています。配当利回もは2.89%(3月4日時点)と魅力的な水準です。

2021年からは米国金利が上昇していること、コロナ収束による景気回復の期待から株価は大きく上昇しています。今後の金利上昇局面では、さらに株価が上昇することも期待できるでしょう。

プロクター&ギャンブル

プロクター&ギャンブルは米国オハイオ州に本拠を置く、世界最大級の日用消費財メーカーです。

PERは27.04倍とバリュー株としては比較的割高な印象で、配当利回り2.25%(3月4日時点)と高いとは言えません。

その分、株価が安定して成長しているのが強みです。過去5年で91ドルから154ドル(約1.6倍)に成長しています。連続増配も60年を超えていて、今後も優良銘柄として安定配当・安定成長を見込めるでしょう。


長期的に安定成長する銘柄探しなら「バリュー株」がおすすめ

バリュー株は本来の企業価値より割安に放置されている銘柄を見つけ、株価が本来の価値に戻るまで長期保有するスタイルの投資方法です。さまざまな指標を使って分析は必要ですが、配当や株主優待を受け取ることでインカムゲインを得やすいメリットもあります。ボラティリティの低い銘柄を長期で保有するなら、バリュー株投資を検討してはいかがでしょうか?

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