胸筋トレーニングは自宅・自重でOK!分厚い胸板が手に入る鍛え方
Aventure編集部
分厚い胸板は、逞しく男らしい肉体を象徴するもの。大きく盛り上がった胸筋はトレーニーの勲章です。立派な胸筋を手に入れるのに、特別なマシンやジムは必要ありません。自重トレーニングや自宅での器具トレでも十分な効果が得られます。
本記事では、大胸筋を鍛えることで得られるメリットや、自重・自宅でできるトレーニングメニュー、トレーニングの際に注意したいことを紹介します。
「自重・自宅トレで分厚い胸板を作りたい」「特別なマシンを使わずに大胸筋を追い込みたい」と思っている人はぜひ参考にしてみてください。
胸筋とはどの部位のこと?
胸筋とは、文字通り胸の筋肉を指す筋肉部位「大胸筋」のことをいいます。胸部に大きく広がっている筋肉で、上部・中部・下部の3つの部位に分けられます。各部位ごとに、筋肉の働きや、トレーニング種目は異なります。
もし厚い胸板を手に入れたいなら、大胸筋のトレーニングは外せません。特に、大胸筋は鍛えやすく脂肪がつきにくい部位ですので、筋トレの成果が現れやすいという嬉しいメリットもあります。
このパートでは、大胸筋の各部位ごとの働きと鍛えることで得られる効果を説明します。
大胸筋上部
大胸筋上部は、鎖骨の下から上腕に繋がる筋肉部位です。腕を上に持ち上げるときなどに使われる筋肉です。ここを鍛えることで、鎖骨の下からぐっと盛り上がった胸筋のシルエットを作れます。
大胸筋中部
大胸筋中部は胸の中央部分を指し、胸骨から上腕に繋がっている筋肉部位です。腕を内側に閉じるときなどに使われる筋肉です。ここを鍛えることで胸全体がボリュームアップするため、厚い胸板を作れます。
大胸筋下部
大胸筋下部は、腹筋と胸筋の境目にある筋肉部位です。腕を下に押し下げるときなどに使われる筋肉です。ここを鍛えることで腹筋との境目がくっきりとし、きれいな胸筋の盛り上がりを作れます。
胸筋をトレーニングで鍛えるメリット
胸板が厚くなり、たくましい体つきになる
スーツやシャツの上からでも分かるほど、大きくたくましい大胸筋が手に入ります。
分厚い胸板がメリハリのある男らしいボディラインを仕上げてくれるため、服の着こなしにも違いが出てきます。シャツ一枚でもばっちりキマる上半身を目指しましょう。
姿勢が良くなる
前かがみになったり猫背になった姿勢を矯正する効果があります。
大胸筋のトレーニングは、デスクワークやスマホを見続けることで硬直した大胸筋をほぐします。続けるうちに自然と背筋のピンと伸びたきれいな姿勢に導いてくれます。
肩こりの改善
大胸筋のトレーニングで硬直した胸筋をほぐすことで、肩こりの改善も期待できます。
胸筋のトレーニングでは胸だけでなく、肩や腕周りの筋肉も動員します。筋肉の硬直をほぐし、血行が良くなるため肩こり防止にも効果的です。
基礎代謝がアップする
大胸筋は全身のうちでもとても大きな筋肉です。
基礎代謝は筋肉の大きさに比例して上がるため、大胸筋を鍛え成長させることで体がより多くのエネルギーを消費するようになります。そのため脂肪が燃えやすく、太りにくい体を作れるのです。
【自重・器具あり】胸筋トレーニングメニュー9つ
このパートでは自宅でできる自重・器具を使ったトレーニングを紹介します。
通常、マシンで行うメニューをダンベルや椅子で代用しています。自宅で取り組みやすいメニューですから、ぜひ挑戦してみてください。
①ダンベルフロアプレス(ダンベル)
ダンベルフロアプレスは大胸筋中部のうち、特に内側の部位に効果的です。ベンチプレスの代わりに自宅の床の上でダンベルを使用して行いますので、手軽に取り組みやすいでしょう。
<やり方>
1.ダンベルを持ち、膝を立てて床に仰向けになります
2.脇を締め、ダンベルをハの字に持って構えます
3.肘が伸び切るまでダンベルを持ち上げます
4.胸を張り、肘を曲げてダンベルをゆっくり下ろしていきます
5.肘が床に着く寸前で止めます
<コツ>
・常に肩甲骨を寄せ、胸を張った状態で動作を行う
・ダンベルを上げるときは早く、下ろすときはゆっくり
・足を動かさず体を安定させる
<セット数>
目安は10~15回×3セット
②プッシュアップ(自重)
プッシュアップは自重で行う腕立て伏せです。大胸筋だけでなく、三角筋・上腕三頭筋・体幹も同時に鍛えられます。上半身全体を鍛える基本のトレーニングですから、しっかり押さえておきたいところです。
<やり方>
1.手幅を肩幅の1.5倍の広さでとります
2.足幅は肩幅より狭くし、つま先で体を支えます
3.肘を曲げ、胸を床に近づけていきます
4.床につくぎりぎりまできたら1秒静止します
5.肘を伸ばしてゆっくり体を起こします
<コツ>
・腹筋に力を入れ、頭から膝までまっすぐの姿勢を保つ
・肘は後ろに引くように曲げる
・斜め前を向き、胸を張って行う
<セット数>
目安は10~15回×3セット
③ナロープッシュアップ(自重)
ナロープッシュアップは手幅を狭くして行う腕立て伏せです。大胸筋上部に効果的。負荷が高いため、通常のプッシュアップでは物足りなくなってきたら、挑戦してみましょう。
<やり方>
1.通常のプッシュアップと同じフォームになります
2.手をみぞおちより少し上に置き、親指と人差し指同士をつけてひし形を作ります
3.つま先でバランスをとりつつ、肘を曲げ、胸を床に近づけていきます
4.床につくぎりぎりまできたら1秒静止します
5.肘を伸ばしてゆっくり体を起こします
<コツ>
・起き上がるときは反動を使わないように
・体を下げるときは息を吸い、上げるときは息を吐く
・足を広げすぎない
<セット数>
目安は10~15回×3セット
④ワイドプッシュアップ(自重)
ワイドプッシュアップは手幅を広くして行う腕立て伏せです。大胸筋下部に刺激を与えることができます。大胸筋のストレッチを感じながら行いましょう。
<やり方>
1.手幅を肩幅よりこぶし2つ分ほど広くとります
2.足は伸ばして、つま先を揃えます
3.肘を曲げ、胸を床に近づけていきます
4.床につくぎりぎりまできたら1秒静止します
5.肘を伸ばしてゆっくり体を起こします
<コツ>
・体を下げるときは大胸筋の伸びを、上げるときは収縮を感じながら行う
・手は体と同じ向きに揃える
・腹筋に力を入れ、頭から膝までまっすぐの姿勢を保つ
<セット数>
目安は10~15回×3セット
⑤デクラインプッシュアップ(椅子)
デクラインプッシュアップは足を頭より高い位置に置いて行う腕立て伏せです。大胸筋の上・中部に効果的。体を腕だけで支える格好になるため、特に大胸筋の上部を狙って強い刺激と負荷を与えられます。
<やり方>
1.床に四つん這いになり、つま先を椅子や台の上に乗せます
2.手幅は肩幅の1.5倍の広さでとります
3.足幅は肩幅より狭くし、つま先で体を支えます
4.肘を曲げ、胸を床に近づけていきます
5.床につくぎりぎりまできたら1秒静止します
6.肘を伸ばしてゆっくり体を起こします
<コツ>
・頭から膝までまっすぐの姿勢を保つ
・体を反ったり丸めたりしない
・腹筋に力を入れ、バランスを崩さないようにする
<セット数>
目安は10回×3セット
⑥ディップス(椅子)
通常はバーなどを使って行うディップスを、椅子2つを利用して行います。大胸筋下部に効果的。自重トレーニングでありながら、上半身のスクワットとも呼ばれるほど高負荷で上半身を強化できます。
<やり方>
1.体の両側に椅子を一つずつ置き、座面に手のひらをつきます
2.足が床につかないよう膝を曲げて浮かせます
3.肘を曲げ、ゆっくり体を下ろしていきます
4.床につくぎりぎりまできたら、肘を伸ばし体を持ち上げます
<コツ>
・やや前傾姿勢で行う(怪我の防止)
・体がふらつかないよう全身に力を入れる
・肩を痛めないよう気をつける
<セット数>
目安は10回×3セット
⑦ダンベルフライ(ベンチ)
ダンベルフライは飛ぶ・羽ばたくような動き(フライ)で大胸筋を刺激するトレーニングです。大胸筋中部のうち、特に外側の部位に効果的。弧を描くような軌道を意識して行いましょう。
<やり方>
1.両手にダンベルを持ち、ベンチの上に寝転がります。
2.肘が伸び切らない程度に腕を伸ばし、手のひら同士が向かい合うようにします
3.肩甲骨を寄せ、肘を曲げながら腕を体の横へ下ろしていきます
4.腕を内側へ巻き込むように、ダンベルを胸の上へ持ち上げる
<コツ>
・ダンベルを下ろしたときの肘の角度は100〜120度程度にする
・肩甲骨を寄せ、胸を張った姿勢を維持する
・ダンベルの上げ下げは大胸筋の伸縮を意識しつつ行う
<セット数>
目安は10回×3セット
⑧ダンベルプルオーバー(ベンチ)
ダンベルプルオーバーは、他の種目とは違い、大胸筋に「縦」の刺激を与えられるトレーニングです。大胸筋全体に効果的。「横」の刺激ばかりで、大胸筋の成長に停滞を感じてきた人におすすめです。
<やり方>
1.ベンチに仰向けになった状態でダンベルを両手に持ちます
2.腕を伸ばし胸の上でダンベルを構えます
3.胸を張り、バンザイをする格好でダンベルを頭側に落としていきます
4.下ろしきったら、ダンベルを胸の上に戻します
<コツ>
・腰の位置は動かさない
・脇をしっかり締めて行う
・大胸筋と広背筋のストレッチを意識する
<セット数>
目安は10回×3セット
⑨ベンチプレス(バーベル)
ベンチプレスは大胸筋を鍛える定番メニューです。大胸筋全体に効果的。高重量を扱えるため効率的に鍛えられます。大胸筋の筋肥大を目指すならぜひ取り入れたい必須メニューといえるでしょう。
<やり方>
1.ベンチに仰向けになり、肩幅の1.5倍ほどの手幅でバーベルを握ります
2.肩甲骨を寄せ、胸を張りバーをラックから外します
3.肘を曲げ、バーをみぞおちのやや上に向かって下ろします
4.胸につくまで下ろしたら、肘を伸ばしゆっくり持ち上げます
<コツ>
・肩甲骨・腰・お尻・両足はしっかり接地する
・バーベルを胸の上でバウンドさせない
・手首の真下に肘が来るようにする
<セット数>
目安は10回×3セット
トレーニングの注意点
肩甲骨の「ブリッジ」を意識する
トレーニング中は、肩甲骨を寄せて背中に「ブリッジ」を作ることを意識しましょう。同時にこのとき、胸を張ることも忘れずに。そうすることで、肩関節を痛めることなく負荷や刺激をしっかり大胸筋に伝えられます。
肩関節は、大胸筋だけでなく腕や肩のトレーニングにも関わる重要な箇所です。故障を防ぐため、始めのフォームから終わりまで「肩甲骨のブリッジ」と「胸の張り」を維持するよう、常に意識してください。
しっかり呼吸をする
トレーニング中に息を止めてはいけません。酸素が不足して体に力が入りづらくなったり、集中力が低下したりするリスクがあります。
力を入れる(ウェイトを持ち上げる)ときは息を吐き、力を抜く(ウェイトを下ろす)ときは息を吸うことを意識してください。吸うときは大きく、肺へ空気を送り込むように、吐くときは「フー」と音がするくらいの勢いで呼吸します。
適切な頻度で行う
筋肉はトレーニングの負荷によって筋繊維が傷つき、休息によって修復するというサイクルを繰り返して肥大・成長していきます。
通常、筋繊維の修復には2〜3日かかると言われています。トレーニングで限界まで筋肉を追い込んだら、その後は休息をとり筋肉を回復させましょう。
もし2〜3日経っても筋肉痛や疲労感が抜けていないときは、それが癒えるまでしっかり休みます。筋肉が回復していないタイミングでさらにトレーニングを行うと、かえって筋肉の成長を阻害したり、体を痛めるおそれがあります。
胸筋トレーニングで分厚い胸板を作ろう
結果を急いで無理なスケジュールを立ててはいけません。大胸筋のトレーニングは高重量を扱いやすいので、疲れが残ったまま行うと関節や筋肉を痛めてしまいかねません。
厳しいトレーニングの後は十分な休息をはさみつつ、じっくりコツコツと筋肉を育てて行きましょう。