広背筋の筋トレならマシンがおすすめ。メニューやマシンの特徴も解説
Aventure編集部
広背筋を鍛えたいなら、おすすめしたいのがマシントレーニングです。マシンなら効率良く、しかも安全に狙った部位へ効かせられます。
本記事ではなぜ広背筋トレーニングにマシンがおすすめなのかその理由やデメリット、マシンの種類やマシンを使ったトレーニング法を紹介します。
「広背筋トレーニングにマシンを使うメリットを知りたい」「広背筋のマシントレーニングメニューを知りたい」という人はぜひ参考にしてみてください。
広背筋トレーニングにマシンがおすすめな理由
このパートでは、なぜ広背筋トレーニングにマシンがおすすめなのか、その理由を説明します。
①軌道が固定され、動作が安定する
マシントレーニングと聞くと「難しそう」「上級者向け」と思われがちですが、実はその逆です。マシンは背もたれや椅子などで姿勢が固定されており、決まった軌道に沿って体を動かすだけなので、実はとても初心者向けのトレーニング器具なのです。
ダンベルやバーベルを使ったフリーウェイトトレーニングでは、自分で軌道を定めなくてはいけません。正しいフォームが定まっていないと、狙った部位へ効かせられなかったり、関節に負荷がかかってしまって怪我をする恐れもありますが、マシントレーニングならそんなことはありません。
動きをガイドしてくれますから、正しいフォームを維持しやすく、効かせたい部位へ効かせる感覚を身に付けられます。マシントレーニングは、むしろフリーウェイトトレーニングに取り組む前の初心者にこそおすすめなのです。
②ピンポイントで鍛えることができる
マシントレーニングの特徴として「狙った部位へピンポイントに刺激を入れられる」があります。マシンは、その種類ごとにメニューや効かせられる部位が決まっているため、狙った部位以外の筋肉は基本的に動員されません。
一方、ダンベルやバーベル、自重トレーニングでは複数の筋肉や関節が使われます。そのため、トレーニングで疲労が溜まったりきつくなってくると、「代償動作」と言い、無意識に他の部位へ負荷を逃がしてしまうことがあります。特に広背筋は、僧帽筋などの部位に刺激が逃げやすく、鍛えるのが難しい部位です。
マシントレーニングは刺激の入る場所が限定されており、また、フォームや動作もマシンが制限してくれるため、目的とする部位の筋肉だけを鍛え抜くことができます。
マシントレーニングのデメリット
このパートではマシントレーニングのデメリットについて説明します。
①鍛えられる部位が限られてしまう
先述したとおり、マシンは体を固定し動きを制限するため、決まった軌道に沿って特定の動きだけをします。そして狙った部位だけに刺激を与えます。言い換えると、狙った部位以外を鍛えることはできません。もし、全身を鍛えようとするなら、部位ごとにそれぞれ別のマシンを使うことになります。
また、フリーウェイトや自重トレーニングでは、特定の部位に加えて体幹や周囲の筋肉群を動員し同時に鍛えることができますが、マシントレーニングではそれができません。
マシンに体を預けて安定した状態で行うため、バランス能力やコントロール能力が養われないといったデメリットもあります。
②ジムに行かないと使えない
自宅トレーニングをする人も増えていると思いますが、マシントレーニングの最大のデメリットとして「自宅で手軽に取り組めない」があります。
もちろん、ホームジムといって自宅にマシンを導入する人もいますが、マシンは数万〜数十万円しますから総じて高価なものが多いです。加えて、全身を鍛えようとするなら何台ものマシンを購入しなくてはいけません。なかなかハードルの高い買い物です。
そうなると、ジムに通わなくてはいけませんが、規模の小さいジムでは各種類1台しかマシンがなかったり、そもそも目当てのマシンがないということもあり得ます。
もし、これからジムに通おうとしている人は、どんなマシンが何台あるかを事前に確認しておく必要があるでしょう。
広背筋を鍛えられるマシン3つ
このパートではトレーニングマシンそれぞれの仕組みや特徴を解説します。
①ラットプル(ダウン)マシン
ラットプルマシンは、広背筋を鍛えるマシンとしてまずは押さえておきたいもののひとつです。高い位置にあるバーを握ってウェイトに繋がれたケーブルを引き、背筋へ負荷をかけていきます。
バーとウェイトはケーブルだけで繋がっている状態のため、比較的動作の自由度は高いです。効かせたい部位により、軌道や角度を変えることも可能。背もたれはないため、効果的なトレーニングを行うためには姿勢の維持が重要になるでしょう。
このマシンを使ったトレーニングメニューには、「ラットプルダウン」があります。詳しいやり方は後ほど解説します。
②ケーブルマシン
ケーブルマシンは、広背筋はもちろん肩や上腕などを鍛えるメニューにも対応しており、汎用性の高いマシンです。両手でグリップを握ってケーブルを引き、左右にひとつずついたウェイトを持ち上げます。
ダンベルやバーベルと違い、重力の方向に関係なく、どんな方向や可動域でも負荷がかかり続ける特徴があります。またケーブルを引く際に使われるプーリー(滑車)は上下の高さを変えられるため、異なる角度で背筋を鍛え抜くことが可能。
このマシンを使ったトレーニングメニューには、「ケーブルプルオーバー」があります。詳しいやり方は後ほど解説します。
③シーテッドローマシン
シーテッドローマシンは、筋トレに効果的であるのはもちろんのこと、高齢者施設にも置いてあるくらい扱いやすいマシンです。椅子に座り、グリップを握ってアームを動かしバーを体に引きつけます。
チェストパッドがあるタイプなら、アームを引くだけで自然にパッドが押し付けられて体幹が固定されるので、姿勢を維持しやすいです。ラットプルマシンやケーブルマシン以上に軌道が固定されているため、広背筋に100%効かせられます。
このマシンを使ったトレーニングメニューには、「シーテッドロウ」があります。詳しいやり方は後ほど解説します。
マシンを使った広背筋トレーニング3つ
このパートでは先に紹介したマシンを使った広背筋トレーニングを紹介します。
①ラットプルダウン
ラットプルダウンは懸垂と同じ動きをマシンで行う種目です。頭の上部にあるバーを握る手幅の広さで、鍛えられる部位が変わります。広めに握ると広背筋・僧帽筋・三角筋を、狭く握ると広背筋下部を鍛えられます。
<やり方>
1.背筋を真っすぐ伸ばし、肩幅の1.5倍ほどの手幅でバーを握ります
2.胸を張ってやや上体を後ろに傾け、少しだけ視線を上に向けます
3.肘が腰の辺りにくるまでバーを引きます
4/バーをしっかり引き寄せたら、広背筋への負荷を意識しつつ元の態勢に戻ります
<コツ・ポイント>
・フィニッシュポジションでは肩甲骨をしっかり寄せる
・バーを戻す時は力を抜かず、腕も伸ばし切らない
・可能であれば親指を外してバーを握ると良い
・呼吸を意識し、バーを上げるときは息を吸い、下げるときは息を吐く
・反動や勢いを使わない
<セット数>
目安は10回×3セット
②ケーブルプルオーバー
ケーブルプルオーバーは背中の追い込みにおすすめの種目です。ケーブルを引き下げる動作で、脇から下の広背筋を鍛えます。ケーブルを引く角度やプーリーの位置によって鍛えられる部位が変わりますが、初心者はまず基本のやり方を覚えましょう。
<やり方>
1.背筋を伸ばし、グリップを肩幅程度の手幅で握ります
2.胸を張って腰を軽く曲げ、上体をやや前傾させます
3.バーを押し下げ、太腿辺りまで引きつけたら数秒静止します
4.胸を張ったまま腕をゆっくり伸ばし、元の体勢に戻ります
<コツ・ポイント>
・背中は丸めず、真っすぐ伸ばす
・腰を反らないようにする
・可能であれば下を向いて行うとさらに効果的
・肘ではなく、肩の関節でケーブルを引くようにする
・肘の曲げ伸ばしはできるだけ抑え、腕に負荷を逃がさない
<セット数>
目安は15回×3セット
③シーテッドロウ
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シーテッドロウは左右の筋肉をバランスよく鍛えられる種目です。座った状態で行うため、体勢が安定しやすく広背筋にしっかり効かせられます。事前に椅子の高さやパッドの位置を調整し、グリップがヘソからみぞおちの間になる高さになるようにしておきましょう。
※始める前に椅子やパッドの位置を調整しておく
<やり方>
1.胸を張って、背筋を伸ばしマシンに腰掛ける
2.グリップを握り、上体を少し後ろに傾けつつバーを後ろに引きます
3.肘を可能なかぎり引ききったら、数秒静止します
4.力を入れたままゆっくりと元の体勢に戻ります
<コツ・ポイント>
・バーを握る腕に力を入れない
・しっかりと脇を締めて肘を引く
・肘を引くときは肩甲骨を寄せるイメージで
・反動や勢いをつけて行わない
・腕を引くときは息を吐き、元の体勢に戻る時は息を吸う
<セット数>
目安は15回×3セット
マシンを使って広背筋を鍛えるときの注意点
このパートではマシンを使って広背筋を鍛えるときの注意点を解説します。
正しいフォームで行う
マシントレーニングでは、動作が固定されるためフォームが安定しやすいと説明してきました。とはいえ、マシンを使ってトレーニングを行えば必ず正しいフォームになるというわけではありません。
どんなトレーニングに取り組む場合でも、フォームは最重要です。それはマシントレーニングでも同じで、正しいフォームを意識して行わないと効かせたい部位へ刺激が入らないばかりか、関節や腱、筋肉を痛めたり怪我をしてしまう恐れがあります。
体を痛めたり怪我をすると、それが治るまで筋トレは休まなくてはいけません。それを防ぐためにも正しいフォームや動作には注意してください。
マシンを使って対象の部位に負荷がかかるフォームをしっかり体に覚えさせ、質の高いトレーニングを目指しましょう。
適切な負荷をかける
マシンはあらゆるトレーニーに対応するため、軽いウェイトから100kgを超すウェイトまで幅広く揃っています。また、ウェイトの調整はピンを抜き差しするだけなので、ダンベルやバーベルに比べてとても簡単です。
実際に自分では持てないほどの重量に設定しても、マシンがトレーニーの体とウェイトの両方を支えてくれるので、通常ならば扱えないくらいの重量で筋肉を追い込むこともできます。
とはいえ、トレーニングではウェイトが重くなるほどフォームが崩れやすくなる難点があります。崩れたフォームでトレーニングを行ってもよい効果は得られません。先述したように怪我の原因にもなります。
高負荷・高重量で筋肉を追い込むことに適したマシントレーニングですが、自分の扱える限界の重さを知り、適切な重量で取り組むようにしましょう。