筋トレ前、それとも後?プロテインはどのタイミングで飲むのが正解?
Aventure編集部
タンパク質をたっぷり含むプロテインは効率的な筋力アップに欠かせません。ですが、ただなんとなく摂取するのではなく、飲むタイミングや飲み方を工夫すると、より高い効果を得られます。
本記事では目的に合わせたプロテイン摂取のタイミングや摂取量の目安、摂取時に気をつけるべきことを解説します。
「プロテインを買ったはいいが飲むタイミングが分からない」「どんなことに気を付けて飲めばいいか知りたい」という人は必読です。
プロテインとは?
そもそもプロテインとは何でしょうか?英語ではプロテイン=タンパク質そのものを指します。
タンパク質は炭水化物や脂質などと同じように、体を動かす時のエネルギー源として使われるほか、筋肉や臓器、肌や髪など体の組織を構成したり、ホルモンなど体の機能を調整する物質の材料となったりする重要な栄養素です。
タンパク質が不足すると筋力が低下したり、筋トレで傷ついた筋線維を修復できず体の回復が遅れたり、体調不良を起こしやすくなったりします。
プロテインは、体にとって重要な役割を果たすタンパク質を効率的に補給できる粉末状のサプリメントです。筋力アップや筋肥大を目指すトレーニーなら、ぜひとも手に入れておきたいところです。
以下のパートより、プロテインを種類ごとに分けてそれぞれ解説します。どの種類のプロテインを買うべきか分からないという人はぜひ参考にしてみてください。
プロテインの種類①ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳由来のタンパク質で、ヨーグルトの透明な上澄み「乳清(ホエイ)」に溶けています。もともと液体に溶けている状態のタンパク質なので、水に溶けやすく体内に吸収されやすい特性があり、吸収にかかる時間は約2時間と言われています。
また、筋肉の主成分・必須アミノ酸やBCAAを含んでいるため、吸収されやすい特性と併せて、筋トレ後のタンパク質補給に向いています。
プロテインの種類②カゼインプロテイン
カゼインプロテインもホエイプロテインと同様に牛乳由来のタンパク質です。ただ、カゼインプロテインは水に溶けにくく、体内への吸収も遅い特性があります。
体内への吸収にかかる時間は7〜8時間と長いため、腹持ちがよくダイエット中の空腹を我慢できない人におすすめ。また、疲労回復に効果的なアミノ酸・グルタミンを含んでいますので、体調を整えたいという人にもうってつけですね。
プロテインの種類③ソイプロテイン
ソイプロテインは大豆に含まれるタンパク質です。ホエイ・カゼインプロテインと違い、植物性のプロテインで、動物性のプロテインに比べて必須アミノ酸は少なめです。
その代わり、大豆イソフラボンが含まれているので、美肌や脂肪燃焼効果が期待できます。また、体内へ吸収されるには5〜6時間ほどかかるため、カゼインプロテインと同様に腹持ちが良いという特徴があります。脂肪を落としつつ、筋肉量を維持したい人にはぴったりでしょう。
【目的別】プロテインを飲むタイミング!
このパートではプロテインを飲むべきタイミングを目的別に解説します。
筋力アップ:筋トレ後(ゴールデンタイム)
プロテインを飲む最も最適なタイミングと言われているのが筋トレ後のいわゆる「ゴールデンタイム」です。トレーニング直後は筋肉の修復が盛んに行われるため、栄養素の吸収率が高まり、プロテイン摂取の絶好のタイミングと言われています。
ゴールデンタイムには諸説ありますが、運動後の45分以内は筋肉へ送られるアミノ酸の量が3倍にまで増えると言われていますので、このタイミングでプロテインを摂取すると良いでしょう。体にタンパク質が不足すると、傷ついた筋肉の修復・回復が十分に行われず、筋肥大を妨げてしまいます。「プロテインを飲む」までが筋トレだと考えましょう。
筋力アップ:筋トレ前
トレーニング前にプロテインを飲むのも効果的です。運動を開始すると、体はすぐにアミノ酸をエネルギー源として使い始めます。ハードなトレーニングでアミノ酸が足りなくなると、次に体は筋肉を分解してアミノ酸を作りだそうとします。
もし運動前にプロテインを摂っていないと、血中のアミノ酸が不足して筋肉が分解されるだけでなく、傷ついた筋線維の回復・修復が遅れて筋肉の成長にも悪影響を及ぼします。
トレーニング前の食事で十分にタンパク質を取れていない場合は、プロテインを飲みタンパク質を補給してから運動に臨みましょう。〇〇分前など時間にとらわれず、運動の直前に飲んでしまっても構いません。
ボディメイク:就寝前
就寝前にプロテインを飲むことは体作りにとても効果的です。睡眠中の人間の体内では成長ホルモンが分泌され、傷ついた筋肉の修復や回復が行われています。寝ることで疲れが取れるという現象はこの成長ホルモンの働きによるものなのです。そして、実はこの成長ホルモンはタンパク質から作られています。
ですから、就寝の30分〜1時間前にタンパク質を摂取しておくと、成長ホルモンの働きを促し、筋肉の成長や体の疲労回復を助けてくれます。ただ、タンパク質を摂るため、寝る直前に肉や魚などを食べてしまうと、胃に負担がかかってしまいます。そこで、代わりにプロテインを飲むのです。プロテインなら胃に負担をかけずタンパク質を摂取できます。
おすすめは、吸収速度が緩やかなカゼインプロテインまたはソイプロテインです。寝ている間にゆっくりと栄養になり、体の回復を助けてくれます。
タンパク質補給:朝食時
体に足りない栄養をチャージしたいなら、朝食時にプロテインを飲みましょう。実は、朝目覚めた時の人間の体は、空腹状態で水分や栄養が不足しています。
とはいえ、朝から肉・魚・豆腐などタンパク質がたっぷり含まれた食事を用意するのは大変でしょう。朝のタイミングでプロテインを飲んでおくと、朝食と併せて1日の活動に必要なタンパク質を効率的に摂取できます。水や牛乳に溶かせば、さっと飲めてしまうので忙しい現代人の朝食にぴったりですね。
ウェイトアップ:間食時・食後
間食や補食としてプロテインを摂取するのもおすすめです。筋肉は24時間、合成と分解を繰り返しています。頭や体を動かすのにアミノ酸が不足していると、体は筋肉を分解してアミノ酸を作りだそうとしてしまいます。そうするとせっかく蓄えた筋肉が減ってしまいますので、体を動かす材料となるアミノ酸を常時供給しておく必要があります。
実はアミノ酸を常時供給しておくためには、1日3回の食事では足りません。食事と食事の間の間隔が空きすぎているため、補食としてプロテインを取り入れ、筋肉の分解を防ぐ必要があるのです。
特にカゼイン・ソイプロテインは体内への吸収が遅いぶん腹持ちが良いので、空腹感も解消とウェイトアップの両方を叶えてくれます。
プロテイン摂取の考え方
このパートでは筋トレを摂取する際の考え方を説明します。
筋トレをしない日も飲む
プロテインは筋トレをしない日も飲みましょう。成人の場合は体重1kgにつき1日当たり1gのタンパク質の摂取が必要と言われています。
「トレーニングをしない日はプロテインを補給する必要がない」と思っている人は多いですが、これは間違いです。なぜならトレーニング後の筋肉の回復には2〜3日がかかるからです。この間に筋トレによって傷ついた筋線維は栄養を補給し、休息することで初めて回復するのです。
この回復期に十分な栄養を取っていなければ、筋肥大はできません。筋肉の成長はトレーニング当日ではなく、その後の回復期に起こります。プロテインはもちろん、ビタミン・ミネラルなどもバランスよく補給し、効率良く筋肉を育てましょう。
また、トレーニングをしていないときでも筋肉は24時間分解・合成を繰り返しています。タンパク質を補給しないでいると筋肉はどんどん分解されていき、せっかく身に付けたのにいつの間にか減ってしまいます。
トレーニングをしていない日でも、食事だけで十分なたんぱく質が取れないと思われるときは、プロテインを飲みましょう。
栄養補給の一つ
プロテインは特別な薬ではなく、食事と同じで、必要な栄養を補給する方法の一つです。そもそもプロテインは魚や肉、豆腐などに含まれているタンパク質を粉末状にしたものです。タンパク質を食品から摂ることと、プロテインで摂取することに違いはありません。
ただひとつ注意したいのは、プロテインにはタンパク質以外の栄養はほとんど含まれていないため、食事代わりにしてしまうと栄養不足となってしまいます。脂質、糖質、ビタミン、ミネラルなどといった他の栄養素は食事やサプリメントでしっかりと補いましょう。
プロテイン摂取量の目安
一般的な成人が1日に必要とするタンパク質の摂取量は体重1kgあたり1gと言われています。体重60kgの人なら60gです。
一方、筋肉をつけたい人やハードな運動をしている人は、タンパク質の摂取量を増やし、体重1kgあたり2gを摂るようにしましょう。体重60kgの人なら120gのタンパク質が必要ですが、実は食事だけでこの量を取るのはなかなか難しいことです。
最もタンパク質が多いと言われている鶏ささみのタンパク質含有量は100gあたり23gです。必要量を摂るためには毎日500gのささみを食べなくてはいけません。その点プロテインなら、1食分(スプーン3杯程度)で15g分のタンパク質を摂取できるのでとても手軽です。
プロテインを飲みすぎるとどうなる?
プロテインを摂りすぎると、肥満の原因になったり内蔵疲労を引き起こしたりする恐れがあります。
タンパク質は体にとって重要な栄養素の一つですが、それと同時にカロリーの源でもあります。必要以上に摂取すると、筋肉になるどころか脂肪に変わってしまうことも。
また、体は摂取したタンパク質のうち余ったものを分解し窒素に変えます。窒素は肝臓・腎臓で処理され、尿として体外に排泄されますが、このときタンパク質の摂取量が多いと、その分肝臓・腎臓は多くの窒素を処理しなくてはいけなくなりますので、内蔵へ大きな負担がかかります。
タンパク質は一度に沢山とっても全てが筋肉に変わるわけではありません。適切な量の摂取を日々続けることが大事なのです。
プロテインの飲み方を紹介
このパートでは、初心者におすすめしたいプロテインの飲み方を紹介します。
おすすめは水
一番のおすすめは水で溶かして飲むことです。もともとプロテインの多くは水に溶かして飲むことを前提に作られています。余計なカロリーや味がなく、どんな液体よりも早く溶けます。
昔は「水で溶かしたプロテインは美味しくない」と言われていましたが、最近のプロテインは水でも十分美味しく飲めるものが沢山あります。ぜひ好みのフレーバーを探してみてください。
腹持ちが良いのは牛乳・投入
ダイエット中の間食や就寝前にプロテインを飲むなら、腹持ちの良い豆乳・牛乳がおすすめです。
プロテインは牛乳・豆乳と味の相性が良いものが多く、水に溶かして飲むよりも美味しいという声も。空腹感を感じにくいので、おやつ代わりに飲めばダイエットにも効果的です。
ただ、水に比べて牛乳・豆乳はプロテインが溶けにくく、ダマになりやすいため、シェイカーを使ってよく混ぜ、プロテインが沈殿しない内に飲み切りましょう。
飲みにくいときはジュースに混ぜても
フレーバーによっては、どうしても水や牛乳・豆乳に合わない場合もあります。そんなときはジュースに入れて飲んでみましょう。ジュースの甘味がプロテインを飲みやすくしてくれるかもしれません。
オレンジなどの柑橘系ジュースなら、プロテインと同時にクエン酸も補給できるため、スポーツ後の疲れた体にはうってつけです。
ただ、タンパク質は酸性の強い飲料と混ぜると凝固しやすい性質があるため、シェイカーかミキサーなどでしっかり混ぜて飲んでください。
ホットなら人肌程度に温める
寒いときはプロテインをホットで飲むのも良いでしょう。お湯や、温かい牛乳・豆乳に溶かします。
ホットにするときは温度に気を付けてください。特にホエイプロテインは70度以上の熱湯やレンジで加熱すると熱変性を起こして、ダマが沢山出来てしまいます。また体への吸収・消化が遅くなるというデメリットも。
温めるときは人肌程度の温度にするか、熱変性が起きにくいカゼインプロテインまたはソイプロテインを選びましょう。
吸収の早い糖と一緒に摂取する
筋肉の成長のためには、タンパク質は糖質と共に摂取するのが良いとされています。糖質配合のプロテインは、一般的なプロテインよりもタンパク質の合成を促進する効果が高いという研究結果も。
食事で炭水化物などの糖質をしっかり摂ったうえでプロテインを摂取すると、食事からの糖質エネルギーとの相乗効果でタンパク質が体内に吸収されやすくなるということを覚えておきましょう。