爽やかなマイアミ・サウンドを堪能!Niteflyteの魅力を解説
Aventure編集部
Niteflyteはアメリカ・マイアミ出身の2人組バンドです。1979年に『Niteflyte』でデビューし、ディスコやファンク、ソウルなど、爽やかかつ多彩な楽曲を展開しました。活動期間こそ短いバンドではありますが、彼らの楽曲は今もなおAORファンを魅了しています。この記事ではNiteflyteのプロフィールや歩み、代表作や彼らの魅力をご紹介します。
Niteflyteについて
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ここでは、Niteflyteのプロフィールや歩み、メンバーについてご紹介します。
Niteflyteのプロフィール
Niteflyteはハワード・ジョンソンとサンディー・トレノによって結成された、アメリカ・マイアミ出身の2人組バンドです。ディスコ、ファンク、ソウルなどの複数のジャンルを独自の解釈で楽曲に落とし込んでいました。
彼らがデビューしたのは1979年で、1stアルバムは『Niteflyte』(邦題:『夢のマイアミ・ナイト』)でした。収録曲である『If You Want It』は全米37位を記録し、一躍注目のアーティストとなったのです。しかし、彼らが発売したアルバムは『Niteflyte』と『Niteflyte2』の2枚のみで、デビューからわずか2年後の1981年に解散してしまいました。
短い活動期間でありながらも、Niteflyteは音楽界に多大な影響を与えました。とくに、日本ではライトメロウやソウル志向のアーティストから人気が高く、「影響を受けたアーティスト」としてNiteflyteの名前を挙げるミュージシャンも多いのです。
Niteflyteの歩み
ここでは、Niteflyteの歩みについて、彼らが残した2枚のアルバムとともに辿っていきます。
デビューアルバム『Niteflyte』
Niteflyteは1979年にデビューアルバム『Niteflyte』でデビューを飾ります。このアルバムにはメンバーの2人以外にも、デヴィッド・サンボーンやブレッカー・ブラザース、ハミッシュ・スチュワート、スティーヴ・フェローン、フィリス・ハイマンと、豪華なミュージシャンが参加しました。また、アルバムに収録された『If You Want It』はシングル・カットされるヒット曲となりました。
2ndアルバム『Niteflyte2』
デビューから2年後の1981年には2ndアルバムである『Niteflyte 2』をリリースします。このアルバムは売れ行きこそ良くはありませんでしたが、のちに収録曲『You Are』の一部がSMAPのヒット曲『がんばりましょう』にサンプリングされるなど、音楽界に影響を与えました。
解散
順調に楽曲制作を進めてきたNiteflyteですが、結成から2年後の1981年にはわずか2枚のアルバムを残して解散してしまいます。
しかし、90年代にブームとなったコンピレーション・アルバム『Free Soul』シリーズに『If You Want It』と『You Are』が収録されたことで、再び注目が集まります。これをきっかけに、2枚のアルバムがCDで復刻されました。
メンバー紹介
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Niteflyteは、ギタリストのサンディー・トレノとシンガーのハワード・ジョンソンによるバンドです。ここでは、彼らのプロフィールをご紹介します。
ハワード・ジョンソン
ハワード・ジョンソンはマイアミ出身の黒人ボーカリストです。当時マイアミのバーで働いていたところをサンディー・トレノに誘われて、Niteflyte結成に至りました。Niteflyteではボーカルとパーカッション、そして作曲を務めており、力強いソウルフルな歌声が魅力です。Niteflyte解散後は、ソロとして再デビューを果たしました。
ソロデビュー後はアーバンメロウテイストの音楽を展開し、80年代のアーバンコンテンポラリー界の頂点に登りつめるほどの活躍を見せます。ソロ歌手としては『Keepin’ Love New』『Doin’ It My Way』『The Orange Album』の3枚のアルバムをリリースしています。
サンディー・トレノ
サンディー・トレノは、キューバ出身の白人ギタリストです。もともとはセッションギタリストとしてスタジオワークを数多くこなし、ラリー・アレキサンダーとともにトルネイダーというグループを結成していました。しかし、発売したシングルの売れ行きは悪く、アルバムが作れないほどでした。
その後、ハワード・ジョンソンとNiteflyteを結成するに至ります。結成前はストレートなファンクを展開していましたが、Niteflyteでは都会的で洗練されたファンクやソウルへとスタイルを変更しています。Niteflyteではギターや曲のアレンジ、プロデュースも手がけました。傑出したメロディ・メーカーとして名高いミュージシャンです。
代表作を紹介
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ここでは、Niteflyteの中でもとくにおすすめの3曲をご紹介します。
If You Want It
『If You Want It』は、デビューアルバム『Niteflyte』に収録された1曲です。シングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの37位を記録するほどのヒットを収めました。Niteflyte唯一のTop 40ヒットとして広く知られています。爽やかなメロディと、ハワード・ジョンソンによる魂に響くようなボーカルが心地よい名曲です。
日本では山下達郎と吉田美奈子の2人がFMラジオの番組内でのスタジオライブでカバーしたことがきっかけで話題となりました。また、山下達郎が1982年にリリースしたアルバム『For You』の1曲目に収録された『SPARKLE』は、『If You Want It』の影響を受けているそうです。
You Are
『You Are』は、2ndアルバム『Niteflyte2』に収録された曲です。日本では、SMAPのヒット曲『がんばりましょう』のサンプリング元として広く知られています。
サンディー・トレノの情熱的なギターソロと、サビのキャッチーなフレーズが耳に残ります。都会的で洗練された爽やかさと躍動感を併せ持ったメロディが聴く者を魅了する1曲です。
You’re Breaking My Heart
『You’re Breaking My Heart』は、2ndアルバム『Niteflyte2』に収録された曲です。メロウなミドルテンポのバラードで、イントロの美しい鍵盤の響きと、ハワード・ジョンソンの情熱的で切ないボーカルが感動を誘います。
知名度の高い『If You Want It』や『You Are』の影に隠れがちですが、美しくロマンチックかつキャッチーなメロディラインが魅力的な隠れた名曲といえるでしょう。
Niteflyteの魅力
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Niteflyteは活動期間が短くアルバム数も少ないため、決してメジャーなバンドとは言えません。しかし、今もなおAORやフリーソウルファンを魅了する力を持っています。ここではNiteflyteの魅力をご紹介します。
1つのアルバムで多彩なナンバーを楽しめる
Niteflyteは、ディスコ、ファンク、レゲエなど、さまざまな表情のナンバーを生み出しています。そのため1つのアルバムでさまざまな曲調を楽しめる点が魅力です。
例えば『Niteflyte2』では、華やかで躍動感のある『You Are』に続いて、息を呑むほど切なく美しいバラードである『You’re Breaking My Heart』を楽しめます。その後にはレゲエや鋭いグルーヴが魅力の曲など、1枚でさまざまな表情の楽曲を存分に味わえます。
曲に合わせて変わるハワード・ジョンソンのボーカルと、サンディー・トレノのギターも魅力です。とくにサンディー・トレノのギター技術は圧巻で、『You Are』の情熱的なソロ、『Anyway You Want』の鋭いカッティング、『Alicia’s Song』の哀愁漂うリフなど、それぞれの楽曲の中で大きな存在感を放っています。
突き抜ける爽やかさが心地よい
Niteflyteの楽曲の特徴は突き抜けるような爽やかさです。デビューアルバム『Niteflyte』には『夢のマイアミ・ナイト』という邦題がつけられ、レコードの帯には「澄みきった星空、甘く香る大気、マイアミ・ナイトを楽しむにはバックにこの曲が流れてなきゃ…」と記載されました。その邦題や帯の通り、マイアミの夜を思わせる、爽やかで心地よいメロディが魅力です。
彼らの洗練されたライトメロウは、AORやフリーソウルファンはもちろん、洋楽に初めて挑戦する方にも幅広くおすすめしたい音楽です。