片足スクワットは難しい?できない原因と対処法・簡単メニューも紹介
Aventure編集部
難易度の高い筋トレメニュー、片足スクワット。普段から筋トレ習慣があり、スクワットは難なくできても、片足スクワットは難しいという人は多いでしょう。
この記事では片足スクワットに挑戦したがうまくできなかったという人のために、片足スクワットができない原因とその対処法、また、片足スクワットができるようになるための初心者向け練習メニューを紹介します。
片足スクワットをできるようになりたいという人はぜひ参考にしてみてください。
片足スクワットは膝への負荷が大きい!
はじめに、片足スクワットは難易度の高いメニューであると同時に、足全体にかなりの負荷を与えるものであることを知っておかなくてはいけません。
片足だけに全体重が載るため筋肥大効果はもちろん高いのですが、膝関節にも大きな負担がかかります。実践してみると分かりますが、膝を折る角度が45度を超えると一気に体重がかかり、膝や足首といった関節へかなりの重さを感じるはずです。
ですから、片足スクワットは下半身が健康な人であれば取り組むのに問題はありませんが、膝・足首などの関節や足の筋肉に故障・怪我を抱えている人は、無理に行わないほうが良いでしょう。もし挑戦する場合でも、医師やトレーナーに相談をした上で行ってください。
片足スクワット基本のやり方
片足スクワットは、片足だけでバランスをとり、もう片足を前に出してしゃがむその姿勢から「ピストルスクワット」と呼ばれています。このパートではピストルスクワットの正しいやり方を解説します。
関節への負担を和らげ、ピストルスクワットの効果を最大限に発揮するためにも、フォームや動作を丁寧に確認していきましょう。
ピストルスクワット
はじめから完璧にこなそうとせず、鏡に全身を写したり、動画を撮ってひとつひとつ動作を確認し、フォームを身につけるところから始めましょう。
<やり方>
1.足を肩幅くらいに開いて立ちます
2.片足を伸ばしたまま上げて、一本足で立ちます
3.前ならえをするように両手を前方へ伸ばします
4.立っている方の片足の膝を曲げ、腰を落としていきます
5.曲げている足の太ももが床と平行になる位置まできたらそこで止まります
6.前に出した足を戻しつつ、ゆっくりと膝を伸ばして元の体勢に戻ります
<コツ>
・動作はゆっくり行う
・上半身は常に真っ直ぐを保つ
・足裏全体をしっかり床につけて離さない
・重心は足裏の真ん中に置く
・呼吸を止めない
<回数>
10回×3セット
(※はじめはこの回数にこだわらなくてもOKです)
片足スクワットができない原因と対処法
このパートでは片足スクワットができない原因とその対処法を紹介しています。「基本のやり方通りにやっても片足スクワットができない!」という人は、再度フォームや動作を確認してみてください。
左右に傾いてしまう
片足スクワットでしゃがむときに体が左右に傾いてしまう場合は、股関節周りの筋肉の柔軟性が足りていないことが考えられます。柔軟性が足りないために、股関節の可動域が狭くなり、安定感が損なわれてしまうのです。その場合は、股関節のストレッチを行い筋肉をほぐしてから片足スプワットに取り組みましょう。
股関節周りのストレッチ:クラムシェル
<やり方>
1.床に横向きになって寝転がります
2.つま先と膝をぴたりと合わせ、膝を90度に曲げます
3.その姿勢で貝殻を開くように上側の足を持ち上げます
4.上まで上げきったらゆっくりと足を下ろします
<コツ>
・動作はゆっくり行う
・骨盤が上に向かないようにする
・動作中はお尻とお腹に力を入れる
<回数>
左右各15〜20回
後ろに倒れてしまう
片足スクワットでしゃがむときに後ろへ倒れてしまうという人は、以下の原因が考えられます。
1.かかとに重心を置いている
2.股関節の柔軟性が足りない
3.お尻の柔軟性が足りない
1.の場合は、足裏全体を床につけ、かかとばかりに体重をかけないよう意識してみてください。2.の場合は前項で紹介した「股関節周りの筋肉のストレッチ:クラムシェル」をやってみましょう。
また、3.お尻の柔軟性が足りていないことで、しゃがむときにお尻の筋肉が伸びなかったり、足を前に出せなかったりするため、この場合も筋肉をほぐすストレッチが必要です。
座ったままできる大殿筋のストレッチ
<やり方>
1.椅子や台に座り、あぐらをかくように片足を反対側の足の膝に乗せます
2.足に胸を近づけるように、ゆっくり体を前へ倒します
3.お尻が伸び切ったのを感じたら、元の体勢に戻ります
<コツ>
・背筋は真っ直ぐを保つ
・動作は20秒かけてゆっくりと行う
・呼吸を止めない
<回数>
左右各3〜5回
かかとが浮く
片足スクワットの動作の最中にかかとが浮いてしまう人は、以下の原因が考えられます。
1.重心が前にいっている
2.足首の柔軟性が足りていない
1.の場合は、足裏全体を床につけ、足裏の真ん中に重心が来るよう意識しましょう。
2.の場合、しゃがむときに足首の後ろ側が伸びないせいでかかとが浮いてしまっていることが考えられます。
ストレッチを行い、足首に柔軟性を与えましょう。
足首のストレッチ
<やり方>
1.床に膝立ちになり、片足を前に出して膝を立てます
2.前に出した足の膝に両手を置き、前方へゆっくり倒していきます
3.足首の裏側の伸びを感じたら、元の体勢に戻ります
<コツ>
・背筋を真っ直ぐ伸ばす
・動作は15〜30秒かけてゆっくりと行う
・呼吸を止めない
<回数>
左右各3〜5回
深くしゃがめない
片足スクワットをする際に深くしゃがめないという人は、先に挙げた股関節・お尻・足首の柔軟性が足りていないほか、つま先が内側に入る「ニーイン」のフォームになっている可能性があります。
(各ストレッチは「股関節周りのストレッチ:クラムシェル」・「座ったままできる大殿筋のストレッチ」・「足首のストレッチ」を参照してください。)
しゃがむ際、股関節はつま先と同じ方向に曲がるようになっています。
しかし、ニーインでつま先が体の内側に入ってしまっていると、膝が内側に曲がろうとしてしまうため、深くしゃがむことができなくなってしまいます。
ニーインは、特に普段から内股で生活している人などに現れやすい体のクセです。片足スクワットをするときはつま先の方向までしっかりフォームを確認しましょう。
猫背になる
片足スクワットの動作中に猫背になってしまう人は、以下の原因が考えられます。
1.股関節の柔軟性が足りていない
2.体幹が弱い
1.ではしゃがむときに股関節を上手く折り曲げることができないため、代償動作として猫背になってしまっている事が考えられます。
(代償動作とは・・・本来の動作や運動を行うのに必要な機能以外の機能で補って動作や運動を行うこと)
この場合は、股関節周りの筋肉をストレッチでほぐすことで解決できます。「股関節周りのストレッチ:クラムシェル」をしてみましょう。
また、2.では体幹が弱く自分の体重を支えることができないため、猫背になっていると考えられます。
プランクなどで体幹を鍛えてから、再度、片足スクワットに挑戦してみましょう。
全然できない
足や体がぐらついて安定しない・ほとんどしゃがめない・フォームがめちゃくちゃになってしまうなどで、全く片足スクワットができないという人は、そもそも、片足スクワットを行う基礎的な筋力が不足している可能性があります。
その場合は、次の項で紹介する「片足スクワットができない人向けの簡単メニュー」から取り組み、片足スクワットができる筋力をつけましょう。
片足スクワットができない人向けの簡単メニュー
このパートでは、片足スクワットができるようになるための基礎的な筋力をつける、初心者向けメニューを紹介します。
狭い足幅のスクワット
両足を揃え、膝を外に向けずに行えれば成功です。まずこのスクワットができていなければ、片足でバランスをとる片足スクワットは難しいでしょう。
<やり方>
1.両足を揃えて立ちます
2.膝を曲げて腰を落としていきます
3.膝が床と平行になるまで体を落とします
4.ゆっくりと元の体勢に戻ります
<コツ>
・膝は開いてもよいが外向きにならないように
・背筋はまっすぐを保つ
・立ち位置がずれないようにする
椅子を使った片足スクワット
椅子を用意し、そこに腰掛けるようにして行う片足スクワットです。
やり方は通常の片足スクワットと同じですが、椅子による補助を利用します。(椅子の代わりにボックスやベンチを使ってもOK)
膝を曲げてしゃがみ、椅子にお尻がついたらすぐに立ち上がります。これを左右それぞれで行いましょう。どちらか苦手な側があるときは、この段階でバランスを直しておきます。
慣れないうちは、背の高い椅子や大きなボックスを使うなどして、浅くしゃがむところから始めてください。片手を壁につき、手で支えながら行ってもよいです。
壁や台に手をついた片足スクワット
ある程度筋力がついてきたら、壁や台に片手を添えて片足スクワットを行ってみましょう。
片足スクワットは負荷が大きいため、できるようになったと思っても、すぐにバランスを崩したりしてできなくなってしまう事もあります。
手をついて体を安定させることで、片足スクワットの正しいバランス感覚が掴めるようになってきます。
支えはドアや手すりなどを使ってもOKです。正しい片足スクワットの動作を体に覚え込ませましょう。
片足スクワットの別バリエーション
片足スクワットと呼ばれるメニューはピストルスクワットだけではありません。このパートでは、片足スクワットの別バリエーションのメニューを紹介します。
ブルガリアンスクワット
片足を後方に置いた椅子や台に乗せて行うスクワットです。
片足に体重のほとんどが乗るため通常のスクワットよりは高負荷ですが、椅子や台の支えがあるので、ピストルスクワットより体が安定しやすく、安全に動作を行えるメリットがあります。
<やり方>
1.椅子(または台)を用意し、その2~3歩前に立ちます
2.片足の甲または爪先を、後方の椅子に載せます
3.胸を張り、膝を曲げてゆっくり腰を落としていきます
4.曲げた前足の太ももが床と平行になるまで下げます
5.ゆっくりと元の体勢に戻ります
<コツ>
・椅子に乗せる方の足は立たせても寝かせてもよい
・重心は母指球に置く
・胸を張り、背筋はまっすぐを保つ
<回数>
10回×3セット